猫の恋 1     217句

うらやまし思ひ切る時猫の恋   越人

恋猫  猫の恋  春の猫  うかれ猫  猫の妻(夫)

作品
作者
掲載誌
掲載年月
荒縄でかこふ海女小屋猫の恋 皆川盤水 春耕 199806
ピザ屋来て不首尾に終る猫の恋 折原あきの 船団 199811
湯どころに吊橋かかり猫の恋 村越化石 199904
一線を越えぬ距離あり猫の恋 遠藤和彦 遠嶺 199905
父祖の地に自刃の間あり猫の恋 関根洋子 風土 199905
根菜を土に埋めて猫の恋 蔵前幸子 船団 199912
こんなにも猫のゐしこと猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200002
日曜の工事現場の猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200002
夢の端のそのまた先に猫の恋 鷹羽狩行 200002
よべ鳴りし鈴が路上に猫の恋 林翔 200004
電柱に丁目分かたれ猫の恋 亀丸公俊 銀化 200004
猫の恋それのごとくに若者は 保坂さよ いろり 200004
猫の恋闇に電光石火かな 粟津松彩子 円虹 200004
色町や真昼しづかに猫の恋 永井荷風 京鹿子 200005
猫の恋叱られ上手といふけれど 保坂加津夫 いろり 200005
その後は反目しあふ猫の恋 高橋あゆみ 200006
山の端に月の傾く猫の恋 金國久子 遠嶺 200006
猫の恋横目で眺め飯を喰ふ 見森光大 六花 200006
満々の防火用水猫の恋 水内慶太 銀化 200006
火消し艇歩板あゆみづたひに猫の恋 品川鈴子 ぐろっけ 200007
海荒れの大間垣うち猫の恋 塩路隆子 精鋭選集 200008
猫の恋ポアンカレ氏は数学者 小林恵美子 船団 200010
菊坂に残る下宿屋猫の恋 遠藤和彦 遠嶺 200102
虚子記念文学館の猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200102
結界のなかりしことも猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200102
追はれたる塀軽々と猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200102
いまだ日の高きうちより猫の恋 丁野弘 200103
更けてより闇熱くなる猫の恋 鷹羽狩行 200103
くらがりに四つ眼のあり猫の恋 井上比呂夫 200104
みよし野の闇をふるはせ猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200104
猫の恋真間の奥津城処かな 神蔵器 風土 200104
猫の恋いよよ少年変声期 荒木治代 ぐろっけ 200105
猫の恋櫓太鼓に灯をともす 秋野火耕 船団 200105
夢の端のそのまた先の猫の恋 鷹羽狩行 十三星 200105
螺旋階のぼりつめたる猫の恋 那須淳男 馬醉木 200105
ぬばたまの闇をなほ濃く猫の恋 稲岡長 ホトトギス 200106
病んでをり耳ざはりなる猫の恋 熊谷みどり いろり 200106
人間を恐れず野良の猫の恋 保坂加津夫 いろり 200107
猫の恋使用禁止の滑り台 小倉喜郎 船団 200107
猫の恋未明の星をかがやかす 石田邦子 祭笛 200109
泣き声にまどはされたか猫の恋 河合笑子 あを 200110
掘割も塀もかたぶき猫の恋 竹内弘子 あを 200202
猫の恋遠くに聞いて今日をはる 須賀敏子 あを 200202
らんたんの届かぬ路地や猫の恋 荒井千佐代 系図 200203
結願の観音堂に猫の恋 門伝史会 風土 200204
日の奥に世捨小路や猫の恋 神蔵器 風土 200204
駆けこみて車の下に猫の恋 神蔵器 風土 200205
猫の恋鋭利な月となりにけり 遊橋恵美子 風土 200205
猫の恋漆黒の尾の日を打てり 出原博明 円虹 200205
いまいちど髭ととのへし猫の恋 延広禎一 200206
廃船の船長席や猫の恋 小田道知 円虹 200206
秋篠の窯場に潜み猫の恋 小林玲子 ぐろっけ 200207
何処からとなく現れて猫の恋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200302
締切の追る稿継ぐ猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200302
猫の恋人の生活の中にあり 稲畑汀子 ホトトギス 200302
野良猫の器量不器量猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200302
ボンネットの上の足跡猫の恋 小川洋子 帆船 200304
図書館の裏手に回る猫の戀 春川暖慕 銀化 200304
釣人のうしろを通り猫の恋 浜福恵 風土 200304
猫の恋猫に初恋あるらしく 永川絢子 築港 200304
サーカスの綱張られけり猫の恋 小倉斑女 銀化 200305
ねむり薬いっかな効かで猫の恋 有山紫於 雨月 200305
軒下にいつも唐突猫の恋 椋誠一朗 円虹 200305
黒白をつけてやりたき猫の恋 池田充子 銀化 200305
尾を立てて別るる猫の恋路かな 椋誠一朗 円虹 200305
聞きながすには狂ほしき猫の恋 椋誠一朗 円虹 200305
六甲の闇楯となす猫の恋 山田弘子 草の蝉 200305
隕石は空の古文書猫の恋 林友次郎 遠嶺 200305
あをあをと昴燃えゐる猫の恋 山田弘子 ホトトギス 200306
いくらでもある山の闇猫の恋 宮地玲子 ホトトギス 200306
ソロやがてデュエットとなり猫の恋 中嶋陽太 ホトトギス 200306
ぬばたまの闇を恐れぬ猫の恋 今橋眞理子 ホトトギス 200306
我が夢の端に踏み入り猫の恋 今橋眞理子 ホトトギス 200306
我輩の恋破綻猫の恋成就 稲畑廣太郎 ホトトギス 200306
月の出を待ちてはじまる猫の恋 上水流照子 200306
星点る一樹の影に猫の恋 田中聡子 遠嶺 200306
町内にカップル幾つ猫の恋 藤井啓子 ホトトギス 200306
道行といふことはせで猫の恋 蔦三郎 ホトトギス 200306
猫にのみ分かる器量や猫の恋 中嶋陽太 ホトトギス 200306
猫の世の猫の言葉や猫の恋 蔦三郎 ホトトギス 200306
猫の恋闇の一天ありにけり 粟津松彩子 ホトトギス 200306
猫の恋闇の深きに闇ありて 山田弘子 ホトトギス 200306
猫の恋闇の包んでをりしかな 後藤恵代 ホトトギス 200306
猫の恋月の瓦を舞台とす 蔦三郎 ホトトギス 200306
猫の恋誰にも止める事できず 塩崎万規子 ホトトギス 200306
猫の恋甍の波を闇が消す 粟津松彩子 ホトトギス 200306
標高に育ちをりけり猫の恋 宮地玲子 ホトトギス 200306
満天の星美しや猫の恋 竹本素六 ホトトギス 200306
踏石のうごきだす庭猫の恋 吉弘恭子 あを 200307
猫の恋言いたきことを控え目に 長谷川鮎 ぐろっけ 200402
マンションの表と裏の猫の恋 宮森毅 六花 200404
竹林を吹きぬける風猫の恋 岸三恵 対岸 200404
猫の恋ビタミン剤の粒黄色 城間芙美子 対岸 200404
スナックの仕舞屋となる猫の恋 赤座典子 あを 200405
飼主の膝を忘れて猫の恋 中田寿子 ぐろっけ 200405
先生の大き親指猫の恋 中島陽華 200405
猫の恋闇夜一瞬走るかな 綿谷美那 雨月 200406
恋の猫そんなに唸らんでもええやん 稲畑廣太郎 ホトトギス 200502
野良猫の恋観音のふところに 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
センサーライト通り抜けたり猫の恋 早崎泰江 あを 200504
どの猫とどの猫がペア猫の恋 浜田久美子 六花 200505
教会の螺旋階段猫の恋 関位安代 帆船 200505
菜の畝を一筋へだて猫の恋 高橋ひろ 万象 200505
墓原に灯がただ一つ猫の恋 泉田秋硯 200505
この上は死ぬの生きるの猫の恋 高橋将夫 200506
雲水の経一巻や猫の恋 安西静 帆船 200506
猫の恋だあれもいない土産店 田代ヨシ 河鹿 200506
裏庭に赤子泣くごと猫の恋 浜野愛子 築港 200506
銀座裏にも路地あれば猫の恋 遠藤若狭男 200507
雨降りて猫の恋路もなかりしと 稲畑汀子 ホトトギス 200602
稿債の今宵一人に猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 200602
猫の恋どころではなし猫御殿 稲畑汀子 ホトトギス 200602
猫の恋銀座路地裏六丁目 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
猫の恋猫好きの猫物語 稲畑汀子 ホトトギス 200602
明暗を分け猫の恋人の恋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
落ちかかる月を落として猫の恋 鷹羽狩行 200603
猫の恋住宅街にけものみち 木村茂登子 あを 200604
明暗のきつちりとある猫の恋 小林朱夏 200604
鬼瓦まなこ剥きけり猫の恋 定梶じょう あを 200605
境内に木遣地蔵や猫の恋 神蔵器 風土 200605
高階の夜の更けにけり猫の恋 辻恵美子 栴檀 200605
水飲んで袖口濡らす猫の恋 松たかし 火星 200605
引越しの庭に先客猫の恋 濱上こういち 200606
出そびれてゐし我庭に猫の恋 小林れい 酸漿 200606
傷なめてまだ懲りたらぬ猫の恋 荒川清司 遠嶺 200606
猫の恋通天閣に脚四本 大山文子 火星 200606
風熄みて星組み替る猫の恋 大泉伸 遠嶺 200606
猫の恋妖怪門の暗さかな 宮川みね子 風土 200607
鉢植ゑの割れてをるなり猫の恋 藤井久仁子 ぐろっけ 200607
プチ家出する気配あり猫の恋 岐部陽子 八千草 200609
工場の音のとぎれし猫の恋 竹内悦子 200704
底なしの闇となりけり猫の恋 貝森光洋 六花 200705
斑鳩の甍の裏の猫の恋 栗栖恵通子 200705
おおわだを月移りつつ猫の戀 水野恒彦 200706
純白の野良の優勢猫の恋 隅田享子 200706
水辺りも暮れてしまひぬ猫の恋 木内憲子 200707
猫の恋めくヴィオロンの調べかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
猫の恋うちあけ話聞きにけり 山本伽具耶 200805
猫の恋神のおん前はばからず 武田幸子 200805
美辞を避け序文書き上ぐ猫の恋 伊藤白潮 200805
偲び合ふことなぞあらじ猫の恋 稲垣いつを 200806
湯の奔る石段街や猫の恋 齋藤朋子 やぶれ傘 200806
忍び逢ふこと難しき猫の恋 稲垣いつを 200806
猫の恋一途といふはうとましき 中条さゆり 200806
猫の恋敗者復活戦なども 服部早苗 200806
路地はみな港につづく猫の恋 稲垣いつを 200806
異人館重ぬる坂の猫の恋 長谷英夫 馬醉木 200807
猫の恋雀は枝にたむろして 高木智 京鹿子 200904
ベランダを侵犯ロシア猫の恋 鈴木照子 200905
逆剥けの指が痛うて猫の恋 栗栖恵通子 200905
料理ノートの調味料加へし猫の恋 楢崎京 炎環 200905
蕁麻を踏みしだきゆく猫の恋 竹内弘子 あを 200905
つと媚声闇をさすらふ猫の恋 川崎光一郎 京鹿子 200906
与三郎と呼ばるるもゐて猫の恋 瀬島洒望 やぶれ傘 200907
猫の恋昔私もああでした 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
猫の恋とはこの路地にあの屋根に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
猫の恋又失敗をしてる僕 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
草食系男子増えしよ猫の恋 池本喜久恵 201005
虎猫の恋は錆びたるトタン屋根 大坪景章 万象 201005
追剥のごとき貌なり猫の恋 柴田佐知子 201005
寡婦の路地ひた走りゆく猫の恋 鴨下昭 201006
起きぬけののんど乾けり猫の恋 岡和絵 火星 201006
同じ道通るのはいや猫の恋 堀内一郎 あを 201007
サウンドをノイズにさせて猫の恋 橋本くに彦 ホトトギス 201009
下京や上る下るも猫の恋 児玉寛幸 馬醉木 201012
真夜中の四重唱や猫の恋 石川かおり 201104
点滴の速度もどかし猫の恋 伊藤憲子 201104
サスペンスドラマの果てし猫の恋 高尾豊子 火星 201104
可もありて不可もありたる猫の恋 東亜未 あを 201104
満天に星をいただき猫の恋 向佐幸子 末黒野 201105
らんたんの明るすぎたる猫の恋 荒井千佐代 201105
猫の恋昔語りに思案橋 岡村尚子 ぐろっけ 201105
衝立の達磨の睨み猫の恋 中田禎子 201106
肋骨に痛みが走る猫の恋 谷泰子 ぐろっけ 201106
動物は飼えぬマンション猫の恋 中田寿子 ぐろっけ 201106
猫の恋役の行者の御前に 神田美穂子 万象 201107
猫の恋夜中に月が降りてくる 柳生千枝子 火星 201107
もの言はぬ腕力秘めて猫の恋 吉弘恭子 あを 201108
手刀し猫の恋路を過りけり 石田きよし 201201
近隣の闇騒がせる猫の恋 塩路五郎 201204
呆然としばし聞きゐる猫の恋 安藤虎酔 かさね 201204
参拝の二拍を裂きて猫の恋 岡野安雅 かさね 201204
上階は探偵事務所猫の恋 平野みち代 201205
勤行の縁の下なる猫の恋 新保ふじ子 万象 201205
暗闇に十の目光る猫の恋 渡辺八枝子 万象選集 201205
恋猫の恋路の闇をまつしぐら 橋本くに彦 ホトトギス 201206
骨立をいとはぬものに猫の恋 吉弘恭子 あを 201206
猫の恋床下塞ぐ別荘地 藤井久仁子 ぐろっけ 201207
生き物の生くる限りの猫の恋 池田加代子 風土 201209
蕁麻疹地獄にありし猫の恋 田中貞雄 自註句集 201301
猫の恋五十路の恋を見下して 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
野良猫の少なくなりぬ猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 201302
又塀を素通りしたる猫の恋 稲畑汀子 ホトトギス 201302

 ひとり文芸ミュージカル「三毛子」鑑賞

猫の恋佳人の舞台なればこそ

稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
雷のあと途切れずよ猫の恋 広渡敬雄 201303
白昼の決闘もどき猫の恋 和田郁子 201304
洛中の上ル下ルも猫の恋 市村健夫 馬醉木 201304
恋猫の恋を遂げ得ず畦戻る 渡辺安酔 201305
猫の恋現在進行形である 安居正浩 201306
崖縁に追はれし夢や猫の恋 中貞子 201306
吠える犬なだめなだめの猫の恋 安藤虎酔 かさね 201311
春浅し人好き猫の恋知らず 塩貝朱千 京鹿子 201405
トラックの下の暗闇猫の恋 廣瀬雅男 やぶれ傘 201405
午前二時眠りを覚ます猫の恋 中井昭子 京鹿子 201406
蓮池の眠りは深し猫の恋 浜福惠 風土 201406
塀上の鳴きが決めてか猫の恋 石原健ニ やぶれ傘 201406
加湿器の湯気の懈怠や猫の恋 池内結 ろんど 201406
鈴の音にはたと飽いたり猫の恋 鳥居美智子 ろんど 201407
猫の恋とは唐突に繊細に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
グランドを一目散に猫の恋 吉田万喜子 雨月 201501
猫の恋とは唐突に繊細に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
痩せ猫の恋敵には負けてゐず 大畑善昭 201505
湯上りのやうな月揚げ猫の恋 林昭太郎 201505
瞬きの後の世にゐて猫の恋 柳本渓光 ろんど 201505
壁にかかるおかめひよつとこ猫の恋 丑久保勲 やぶれ傘 201505
昼と夜の声を分けをり猫の恋 片岡良子 雨月 201505
わがペツト猫の恋時なる二匹 東秋茄子 京鹿子 201505
鈴の音が重なり合うて猫の恋 田中信行 201506
物置が拠点猫の恋始まれり 仁平則子 201506
猫の恋をはり野性のどこへやら 橋本くに彦 ホトトギス 201508
塔頭に風の鳴る日や猫の恋 鈴木静恵 花こぶし 201508
明け方の空はむらさき猫の恋 戸栗末廣 201508
猫の恋父とろとろと椅子の中 田中裕一 201508
困りをり血統書付猫の恋 後藤比奈夫 ホトトギス 201509
T a t t o oとネオンの細き猫の恋 ふけとしこ 船団 201512
猫の恋→ 2      

2021年2月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。