恋 猫 1     265句

恋猫に思ひのほかの月夜かな   中村汀女   都鳥

作品
作者
掲載誌
掲載年月
恋猫の目玉の位置がちょっと変 武井康隆 船団 199811
恋猫のめそめそとゐる昼日なか 小川匠太郎 199902
側溝を走る恋猫昼の月 細原順子 俳句通信 199904
恋猫に怒りのきかぬ目尻かな 丸山佳子 京鹿子 199904
金魚の水なめて再び恋猫に 佐々木峻 ヒッポ千番地 199905
恋猫や国際電話の間のずれて 柿沼盟子 風土 199906
月面とおもう恋猫去りしあと 澁谷道 海程 199907
恋猫のこゑ猫ばなれしてきたる 水内慶太 銀化 199907
恋猫の海老煎餅を美味そうに 武井康隆 船団 199909
恋猫の飲むつくばひの音なき波 丸山海道 海道全句集 199910
恋猫のひそみて闇の艶めける 能村登四郎 「芒種」 199911
恋猫の誤算内より鍵かかる 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
恋猫のたまりばとなる藁置場 天野英子 春耕 200004
恋猫や人は電子で恋をする 林翔 200004
恋猫に込み入つてをる非常階 若菜純子 200005
恋猫の四肢の過ぎゆく垣根かな 松塚香寿子 俳句通信 200005
恋猫に白けて狐狸のひそむ闇 禰寝瓶史 京鹿子 200006
恋猫の名前呼ばれて逃げにけり 小林あつ子 火星 200006
恋猫の押す手のありて引く手なし 佐藤真次 200007
拾った拳銃で恋猫を狙う 小倉喜郎 船団 200009
恋猫を夜の校庭に追ひやりぬ 盛良孝 200101
稿遅き人恋猫の手も借りよ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200102
天窓に透け恋猫の足の裏 丁野弘 200103
恋猫の傷に百足の油塗る 遠藤アサ子 赤井 200103
恋猫の哀願怒号使ひ分く 北原東洋男 200105
恋猫のたとへば星のものがたり 小澤克己 遠嶺 200105
恋猫も老も食事を残しけり 池田金司 200105
恋猫に闇ひりひりと残りけり 海輪久子 円虹 200106
恋猫の罷り通りし大手門 八幡酔鵬 200106
恋猫の鳴き止まずなり通夜の家 大東由美子 火星 200106
恋猫のめくら縞まですつとびぬ 嵯峨根鈴子 火星 200106
身を舐めてゐて恋猫に加はらず 能村登四郎 200108
恋猫の歌を忌野清志郎 ゆにえす 船団 200110
恋猫にお寺の塀が長すぎて 丸山佳子 京鹿子 200202
恋猫に水さす為の窓開ける 谷野由紀子 雲の峰 200204
恋猫に枕を一つ返せしのみ 大橋敦子 雨月 200204
縹渺の声恋猫か飢ゑ猫か 林翔 200204
自動ドア脱兎の如く恋猫出づ 中西久美子 200205
恋猫に納屋の時計の鳴りにけり 根本孝子 春耕 200205
恋猫の見渡してをるこの世かな 高橋将夫 200205
恋猫の言ひ分をきく宵の口 田中矢水 遠嶺 200205
恋猫の疾風のごとく走り去る 天野きく江 200205
鎌を研ぐそびら恋猫通りすぐ 清水明子 遠嶺 200206
恋猫にみづいろの月出でにけり 金田きみ子 200206
恋猫の闇を乱して飛び去れり 岩村恵子 ホトトギス 200206
恋猫の水鞠虹と化したまま 吉弘恭子 あを 200207
猫の恋猫に初恋あるらしく 永川絢子 築港 200304
夜の更けて恋猫激し声となる 岩林勇雄 築港 200304
恋猫の消えてのこれり闇の穴 平子公一 馬醉木 200304
恋猫の足跡のある禅の寺 上原一郎 築港 200304
恋猫の夜明けを待たず鳴きにけり 岩林勇雄 築港 200304
恋猫や我が家の猫に思寄せ 木村迫子 酸漿 200304
あらためて恋猫といふ野性とも 椋誠一朗 円虹 200305
恋猫と仏の飯と茶碗酒 後藤志づ あを 200305
恋猫の闇を切なくしてをりぬ 吉村玲子 円虹 200305
恋猫の沸騰点といふは此れ 小林一雨 銀化 200305
恋猫の鳴き止みしより闇深し 福井鳳水 円虹 200305
恋猫のかけひきルールなかりけり 阿部一彦 築港 200305
恋猫や読んでもためにならぬ本 折橋綾子 200305
突堤に恋猫のゐる島に着く 高田令子 200306
戻り来てをりし恋猫目は空に 千原叡子 ホトトギス 200306
恋猫となりて爪研ぐことをする 多田羅初美 ホトトギス 200306
恋猫に負けぬ恋せし日のありし 多田羅初美 ホトトギス 200306
恋猫の失恋の声発しをり 熊口三兄子 築港 200306
恋猫の真夜の活動範囲あり 多田羅初美 ホトトギス 200306
文教区なるを恋猫はばからず 塩路隆子 花衣 200307
恋猫の音を立てずに戻りけり 根本眞知子 200307
恋猫を邪慳に追へる悔少し 笠嶋陽子 築港 200307
恋猫の濡れ場のあとの修羅場かな 伊与田秀一 200308
恋猫や人の気配は視野の外 宮森毅 六花 200404
恋猫やてのひらに出す美顔水 中田みなみ 200404
ずぶ濡れの恋猫のなほ鳴きつのる 秋千晴 200405
太き尾の恋猫もどり来たりけり 福井隆子 つぎつぎと 200405
恋猫の我が家は銀座通かな 吉田雪子 帆船 200405
恋猫の帰つてきたる神の庭 谷口佳世子 200405
恋猫の上眼づかひに戻り来し 下平しづ子 雨月 200405
恋猫の寝息に呵するすべもなく 大島寛治 雨月 200405
恋猫の真昼はことのほか静か 市場基巳 200405
恋猫の足音殺す真闇かな 上薗櫨夫 河鹿 200405
恋猫の通ひ路土管ぬけてくる 梶島邦子 築港 200405
恋猫の鳴き声を追ふ終ひ風呂 笹村政子 六花 200405
恋猫の目を患うて一途なる 仙入麻紀江 草の花 200405
恋猫や空気乾燥注意報 磯海具子 帆船 200405
ひた走る恋猫へ道ゆづりけり 荻野みゆき 対岸 200406
救急車とまる恋猫身じろがず 吉弘恭子 あを 200406
恋猫の最短距離を走りけり 中市侑子 200406
恋猫は隣のムサシいくぢなし 飛鳥由紀 200407
恋猫を抱きとれば苔ひた匂ふ 大磯幸子 河鹿 200407
恋猫のさわぎや向かうむきの月 山仲英子 200502
恋猫の見えざる動き闇動く 細原由起子 築港 200503
狂ほしく夜毎恋猫呼びに来る 禰寝瓶史 京鹿子 200504
恋猫の声色をして追つ払ふ 山田六甲 六花 200504
恋猫の面魂の抜かりなし 武部光子 200504
三四郎池に恋猫ふり返る 辻恵美子 栴檀 200505
恋猫の器量崩れて戻りけり 関まさを 酸漿 200505
恋猫の戻りて舐める泥の足 中條今日子 万象 200505
恋猫や塀の長きはお寺さん 門脇なづな 対岸 200505
恋猫に不倫禁断無かりけり 次井義泰 200506
恋猫の闇狂ほしく濃かりけり 稲岡長 ホトトギス 200506
恋猫の闘ふ雄になり切つて 稲岡長 ホトトギス 200506
恋猫の夜な夜な跳梁跋扈せり 宮川典夫 200506
恋猫を写楽の眼もて叱りけり 坂ようこ 200506
恋猫に撒き散らしたるごとく星 奥澤和子 200508
恋猫のしつかり曲りゆきし路地 安原葉 ホトトギス 200508
恋猫の始めの声や龍の玉 滝沢伊代次 万象 200601
漆黒に恋猫の声尖りたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
塀の上とは恋猫の修羅場かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
恋猫に屋根明け渡したる旧家 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
恋猫の戻りて家族夕餉かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
恋猫の防犯チャイム鳴らし去る 的池遙 百鳥 200603
恋猫とならで生ごみあさりをり 松崎鉄之介 200604
餌はあるやと恋猫を誘ふ雌 高木智 京鹿子 200605
旧道の路地恋猫の夜となる 三橋泥太 遠嶺 200605
恋猫と呼び名変はりしペルシャ猫 高橋将夫 200605
恋猫に相思相愛云ふがあり 中村春宵子 春燈 200605
恋猫の往きもかへりもさりげなし 佐藤山人 200605
恋猫の大き飯皿乾きけり 矢野洋子 対岸 200605
恋猫の風邪押し切つてとび出せり 高木智 京鹿子 200605
恋猫や鞍馬百戸は風の中 堀川福子 馬醉木 200605
恋猫や月代ころの屋根の上 豊田都峰 京鹿子 200605
恋猫と恋せぬ猫と眠りをり 太田慶子 春燈 200606
恋猫に仮花道のありにけり 栗栖恵通子 200606
恋猫に路地塞がれてゐたりけり 松谷知子 対岸 200606
恋猫の目でものを云う朝かな 植木戴子 200606
恋猫の戻りて眠るばかりなり 高倉和子 200606
恋猫の泥に汚れて戻りけり 高倉恵美子 200607
ただならぬ恋猫に犬尻込みす 秋千晴 200608
恋猫の集まつてくる駐車場 服部早苗 200608
苔荒らす疎まし恋猫顔馴染 山田をがたま 京鹿子 200609
恋猫に闇あをあをとありにけり 戸栗末廣 火星 200609
恋猫の戻りて水を飲むばかり 樋口みのぶ 200701
恋猫にバレンタインも辟易す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
恋猫や昨日振られし僕の膝 稲畑廣太郎 ホトトギス 200702
恋猫に夕顔の章閉ぢにけり 坂上香菜 時流 200703
恋猫の時には咽び泣く如し 太田絵津子 200703
恋猫の背すぢ伸ばして歩き出す 池崎るり子 六花 200704
恋猫を見つむるのみや去勢猫 林翔 200704
海荒き夜の恋猫でありしかな 木内憲子 200705
坂下り来て恋猫を誑かす 伊藤早苗 200705
恋猫となりたるよりの鈴嫌ひ 野路斉子 200705
恋猫の影とびはねるアーケード 那須淳男 馬醉木 200705
恋猫の雄猫とわれを等分に 鈴木榮子 春燈 200705
恋猫や八百屋お七の夜はかくも 松下幸恵 六花 200705
恋猫やなないろのこゑ使ひ分け 飛鳥由紀 200706
戸口出てすぐ恋猫に豹変す 安原葉 ホトトギス 200707
恋猫を抱いて近隣詑び歩き 奥村鷹尾 京鹿子 200711
この路地に恋猫の声のみ老いず 杉良介 200802
恋猫の声低く鳶笛高く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200802
飢ゑ猫の恋猫となる乱れ声 林翔 200803
恋猫に風媒の闇募りけり 上谷昌憲 200804
恋猫の足跡のあり雪の屋根 西山美枝子 酸漿 200804
恋猫の恋する声の裏返る 鎌倉喜久恵 あを 200804
朝帰りの恋猫耳を裂かれをり 宝玉トシ子 200805
恋猫かヘッドライトをよぎりしは 片山喜久子 雨月 200805
恋猫の一途に鳴きて人怯ぢる 高久清美 200805
恋猫の傷舐めてゐる妖怪門 山本とく江 万象 200805
恋猫の上目遣ひに口出せず 高嶋文清 春燈 200805
恋猫の戻り来し戸や昼の月 井口初江 酸漿 200805
恋猫を置き去りしたる艀かな 木村松蔵 万象 200805
艶々と恋猫となる身づくろひ 塩路隆子 200806
恋猫の思ひの丈のジャンプかな 橋本くに彦 ホトトギス 200806
恋猫のこゑ亜麻色の真鮒竿 宮澤さくら 遠嶺 200806
恋猫やメタセコイアははだかなる 大山文子 火星 200806
恋猫やさうは問屋が卸すかい 稲畑廣太郎 ホトトギス 200902
恋猫と恋人達の為の池 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
恋猫の雄とは忙し鉄砲玉 城下明美 ぐろっけ 200904
恋猫の背ナを平らに出てゆきぬ 米澤光子 火星 200905
恋猫の悲痛な叫びロミオかな 宮田香 200905
恋猫は何約せしや灯に別れ 小野恵美子 馬酔木 200905
恋猫や海峡に月のさまよふも 水野恒彦 200905
休日の恋猫集ふ荒木町 三羽永治 遠嶺 200906
資材置場恋猫ただいま談合中 黒澤登美枝 200906
恋猫の昼は墓石に眠りをり 加藤季代 万象 200906
恋猫のねそべる出羽の翁道 山田春生 万象 200906
恋猫の卒都婆小町となりにけり 中田禎子 200907
恋猫の不意に尾を立て現るる 中原敏雄 雨月 200907
恋猫がそばに寄りそふ小風かな 吉弘恭子 あを 200908
恋猫に塵斗といふものあはれ 八田木枯 晩紅 200908
恋猫よちよと演歌でも聴きなはれ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
恋猫のクラシック調ポップ調 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
御来光あふぐ鴉と恋猫と 吉弘恭子 あを 201004
恋猫に指鉄砲をむけてみる 吉弘恭子 あを 201004
ヒマラヤン恋猫となり生臭し 遠藤実 あを 201004
恋猫になりて使はぬ猫の路 和田満水 201004
恋猫の受けし深疵アロエ塗る 泉田秋硯 201005
恋猫の鳴き尽したる暁の月 戸栗末廣 火星 201005
恋猫の罷り通りし面構へ 安武晨子 201005
恋猫の主の意なんど上の空 都留百太郎 末黒野 201005
恋猫に負けぬ合唱クラス会 増田一代 201006
恋猫や庫裡にひとりの坊の妻 雨宮桂子 風土 201006
恋猫の昼は艀の屋根に寝る 大西八洲雄 万象 201006
恋猫にして夜の輝き翡翠の眼 山口天木 雨月 201007
月の暈恋猫のまた出てゆけり 柳生千枝子 火星 201007
恋猫の闇の寝刃を研ぎ澄ます 神蔵器 風土 201007
胸中を恋猫の声ぬけてゆく 布川直幸 201102
恋猫の戻りていまだ外の声 長浜徳三 春燈 201104
恋猫の防犯灯を点しけり 菅谷たけし 201105
恋猫のすみれの籠をとび越せり 浜口高子 火星 201105
恋猫の声ふと絶ゆる闇熱し 西村梛子 馬醉木 201105
恋猫の出てゆく闇や余震なほ 神蔵器 風土 201105
恋猫のゆくやけだかく尾を立てて 浅田光代 風土 201105
恋猫のべろぺろと飲む甕の水 嵐弥生 末黒野 201105
恋猫のもつれて消ゆるお斎かな 大島翠木 201105
恋猫でありし日もあり爪を研ぐ 武田ともこ ぐろっけ 201106
恋猫の背の冷たさが帰り来て 柳生千枝子 火星 201106
性懲りもなく恋猫の闇へ出づ 和田孝村 春燈 201106
一見の恋猫越ゆる茶屋の塀 児玉寛幸 馬醉木 201106
恋猫や遅き月出る瓦屋根 柳生千枝子 火星 201107
恋猫のお尻くりくり背戸に入る 田尻勝子 六花 201107
恋猫の影くねらせて路地を出る 橋本正二 201107
恋猫をあはれともまた憎しとも 木村茂登子 あを 201204
恋猫の抜き打ちに会ふ京の路地 中川すみ子 201205
恋猫の吾を無視して過ぎるなり 三輪慶子 ぐろっけ 201205
恋猫のけもの走りに消えにけり 能村研三 201205
恋猫の恋路の闇をまつしぐら 橋本くに彦 ホトトギス 201206
恋猫の舟でねまりぬ佃島 大西八洲雄 万象 201206
恋猫の午前三時のラブコール 川井秀夫 ろんど 201206
恋猫を宥めて一夜腕まくら 鳥居美智子 ろんど 201206
昼夜なき恋猫に庭貸してをり 辻香秀 201207
恋猫に真闇の塀の高からず 湯川雅 ホトトギス 201207
恋猫の影の行き交ふ硝子窓 亀井紀子 201207
恋猫のせはしなき日や爪を切る 松井洋子 ぐろっけ 201207
恋猫の今朝もいそいそ塀の上 松本アイ ぐろっけ 201208
間の垣抜けて恋猫手傷なむ 吉弘恭子 あを 200606
恋猫の声に始まる二楽章 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
コンクリートジャングル恋猫の天地 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
墨いろのわが恋猫も老いにけり 井上信子 201303
恋猫の角あるやうな声なりし 今澤淑子 火星 201304
二の丸の土塁恋猫駆け行けり 瀬戸悠 風土 201304
恋猫の通ひ路茨もて塞ぐ 柴田佐知子 201304
目を据ゑて恋猫道を横切れり 田島昭久 かさね 201305
恋猫のさつと横切る裏小路 小池清司 かさね 201305
恋猫と仮想空間もてあそぶ 降幡加津 ろんど 201305
恋猫の恋を遂げ得ず畦戻る 渡辺安酔 201305
恋猫の想ひ成し遂げごろ寝かな 渡辺安酔 201305
恋猫の一匹はもう寝てをりぬ 竹内悦子 201306
恋猫の恋の迷ひや宇治十帖 竹中一花 201306
恋猫と思ふ間もなく走りけり 今井千鶴子 ホトトギス 201307
恋猫の手鞠のやうに眠りこむ 吉弘恭子 あを 201307
忽ちに恋猫としてふり向かず 稲畑汀子 ホトトギス 201402
和食屋を出て恋猫となりゆく夜 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
恋猫の闇に溶け込む野性かな 秋葉雅治 201404
屋根をゆく恋猫にある闇の地図 森岡正作 201404
恋猫の声まねてみてはづかしく 菅原健一 201405
恋猫に他人のやうな目で見らる 升田ヤス子 六花 201405
恋猫に耳ピクピクと眠る犬 中島昌子 201405
恋猫として寺町の屋根の上 小林愛子 万象 201405
恋猫の声のほつれが闇走る 菅谷たけし 201406
恋猫の軒の空鉢けりとばす 中井昭子 京鹿子 201406
恋猫の貴婦人めける足さばき 小林正史 201406
恋猫の声裏返し帰り来る 今村征一 ホトトギス 201407
恋猫の手脚投げ出し昼休み 槐島修 万象 201407
艶々と恋猫となる毛づくろひ 塩路隆子 璦別冊 201408
恋猫となりて星空独り占め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201411
恋多き人恋猫を膝に乗せ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
恋猫となりて星空独り占め 稲畑廣太郎 ホトトギス 201502
傷負うて恋猫帰る昼餉どき 篠田純子 あを 201503
恋猫や眠りをさます恋歌の夜 黒沢由紀子 201505
まさむねが何とこの度恋猫に 斉藤裕子 あを 201505
恋猫に夫はいはいと答へをり 斉藤裕子 あを 201505
朝帰りの戀猫視線はづしゐる 近藤紀子 201505
恋猫の帰りてきたる風の中 佐藤千重子 201506
恋猫のさめたる後姿かな 山内洋光 201506
恋猫の深傷の手当てしたりけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201507
恋猫に飛行機雲の音もなし 定梶じょう あを 201507
恋猫→ 2      

 

2021年2月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。