夏に入る 2    53句

道のべにはじまる山や夏に入る    高野素十

夏立つ  立夏  夏来たる  夏に入る  夏めく  夏は来ぬ・ほか

作品
作者
掲載誌
掲載年月
靴擦れの痕つやつやと夏に入る 小山よる やぶれ傘 201907
管制塔玻璃ほの暗く夏に入る 中根美保 風土 201907
馬柵沿ひに走るたてがみ夏に入る 鈴鹿呂仁 京鹿子 201907
潜水艦浮き上がりては夏に入る 江見巌 六花 201908
一川のひかり流して夏に入る 松本三千夫 末黒野 201908
歳時記の最も厚き夏に入る 石黒興平 末黒野 201909
夏に入る書棚の本の位置換へて 松本三千夫 末黒野 201909
夏に入る丸ビル囲む木蔭より 今橋眞理子 ホトトギス 201910
風音を集めて一樹夏に入る 今橋眞理子 ホトトギス 201910
シャガールの青海の青夏に入る 山岸明子 201910
待ち切れぬ自然解凍夏に入る 井尻妙子 京鹿子 201911
寝たきりを防ぐリハビリ夏に入る 田代民子 201911
笑笑(わらわら)と手首足首夏に入る 長谷川博 船団 201912
予定とはあつて無き如夏に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202005
紅変へし君の笑顔や夏に入る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
夏に入る昨日は昨日今日は今日 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
稜線の真白きままに夏に入る 武藤節子 やぶれ傘 202007
五つ目の卵は割れて夏に入る 小山よる やぶれ傘 202007
自宅待機腑抜けの顔で夏に入る 谷口一献 六花 202007
人に憑くウイルス夏に入りてなほ 大畑善昭 202007
風去なし風呼ぶ木々も夏に入る 卜部黎子 春燈 202008
夏に入る今日といふ日の朝御飯 山内四郎 春燈 202008
小躍りをしてゐる水や夏に入る 柴田靖子 202008
あきらむる術見つからず夏に入る 岡美智子 末黒野 202008
入口の手指消毒夏に入る 大内由紀 末黒野 202008
いつぽんの黒松夏に入りにけり 大沢美智子 202009
ハンカチの花のひらりと夏に入る 住田千代子 六花 202009
ハミングの声水いろに首夏に入る 雨村敏子 202009
海の景一人じめして夏に入る 中島久生子 202009
グルメ本ダイエット本夏に入る 井尻妙子 京鹿子 202009
ベランダで呑む自粛の日夏に入る 松本善一 やぶれ傘 202009
大丸の自惚れ鏡夏に入る 火箱ひろ 202009
木しぶきの中に棟梁夏に入る 山内碧 202010
白雲のゆらめく川面夏に入る 遠山のり子 202010
この危機を乗り越えゆかん夏に入る 稲畑汀子 ホトトギス 202106
夫の研ぐ包丁軽し夏に入る 須賀敏子 あを 202107
意味知らぬ文字のシャツ着て夏に入る 中村重幸 202108
蒼穹に白帆を展げ夏に入る 里村梨邨 202108
夏に入る座敷童の忍び足 三木亨 202108
旅好きの藍花のトランク夏に入る 佐藤稲子 やぶれ傘 202110
夏に入るといふにまだ病み臥す友よ 安原葉 ホトトギス 202111
水中に孵化の汚れや夏に入る 高倉和子 202112
たつぷりの嬰の泣きごゑ夏に入る 井尻妙子 京鹿子 202207
多機能の使はぬ機能夏に入る 能村研三 202207
山の湖さざなみ立てて夏に入る 高橋宜治 やぶれ傘 202208
夏に入る非常袋に軍手入れ 中村洋子 風土 202208
さざなみの棚田一枚夏に入る 橋添やよひ 風土 202208
光る矢を放つ水面や夏に入る 太田良一 末黒野 202208
友ひとり届かぬメール夏に入る 毛利直子 末黒野 202208
その辺をすこし片附け夏に入る 今井千鶴子 ホトトギス 202209
虚子像と汀子の遺影夏に入る 今井千鶴子 ホトトギス 202209
汀子亡く淋しき夏に入りにけり 今井千鶴子 ホトトギス 202209
銭湯のゆの字の暖簾夏に入る 押田裕見子 202302
夏に入る →1

 

2023年5月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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