夏来る 2    101句

松籟や百日の夏来りけり  中村草田男  火の島

夏立つ  立夏  夏来る  夏に入る  夏めく  夏は来ぬ・ほか

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夏来る和服で決めし戦中派 鴨下昭 201411
冷んやりとひんやりと夏来りけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
塗りたての貨車の漆黒夏来る 上谷昌憲 201507
夏来る大樹たたへて谷中路地 大沢美智子 201507
寺町の献灯に灯が入り夏来る 杉本薬王子 風土 201507
抹茶臼ゆるりと回り夏来る 丸井巴水 京鹿子 201507
屋根に坐すペコちやんポコちやん夏来たる 大島英昭 やぶれ傘 201507
Tシャツのハートのロゴに夏来る 青谷小枝 やぶれ傘 201507
徒競走並びたる子に夏来る 山荘慶子 あを 201507
呼水に応ふるポンプ夏来る 鈴木まゆ 馬醉木 201508
エプロンの水玉模様夏来る 泉本浩子 馬醉木 201508
標識の白の輝き夏来たる 青木朋子 201508
押し移る雲の量感夏来る 松本三千夫 末黒野 201508
万物にみなぎる力夏来る 伊藤由良 末黒野 201508
透かしつつ磨くグラスや夏来る 外山生子 末黒野 201508
大欅の葉擦れの音や夏来る 和泉道草 末黒野 201508
真つ新な夏来たるなり磨崖仏 鈴木良戈 201508
朝刊の一面に海夏来る 柴田久子 風土 201508
孫育ち大きな欠伸夏来る 荻龍雲 201508
北山の尾根すっきりと夏来る 竹内喜代子 雨月 201508
釣船の戻りし入江夏来る 仲山秋岳 万象 201508
憑代(よりしろ)の樹の鎮座して夏来る 水野恒彦 201508
森の樹々白々と咲き夏来る 吉田順子 201508
雉鳩のかしこき眼夏来る 本多俊子 201509
和菓子屋の白き暖簾や夏来る 時澤藍 201509
子等の荷とならずに生きむ夏来る 磯部愛子 末黒野 201509
活火山日本にあまた夏来る 井田幸子 雨月 201510
水切りを競ふ親子や夏来る 佐藤良二 末黒野 201604
夏来る真白き雲を先立てて 林昭太郎 201607
樹木医の真白な木槌夏来る 上谷昌憲 201607
泣き砂のほどよく乾き夏来たる 大崎紀夫 やぶれ傘 201607
合宿の明かり艇庫に夏来たる 廣瀬雅男 やぶれ傘 201607
森の樹に白き花増え夏来る 吉田順子 201607
眼に入るものみな光り夏来たる 矢野百合子 201607
細き人太き人にも夏来る 須賀敏子 あを 201607
ロゴ大き帆布のバッグ夏来る 青谷小枝 やぶれ傘 201608
料るてふひとり遊びや夏来る 田村園子 201608
空を組む鉄骨鳶や夏来る 鈴木まゆ 馬醉木 201608
まつすぐに天文台に夏来り 布施まさ子 風土 201608
屋根覆ひゆるる大木夏来たる 遠山のり子 201608
池尻の堰開けられて夏来る 森清堯 末黒野 201608
犬と児の駆くる渚や夏来る 奥太雅 万象 201608
山に向きおーいと叫ぶ夏来たる 松本文一郎 六花 201608
たゆたへど沈まぬパリに夏来る 田中信行 201608
風に日に水の音にも夏来る 橋本くに彦 ホトトギス 201609
うつうつをうきうきに変へ盛夏来る 福島茂 201609
神鏡に鋭き光夏来たる 栗原京子 201609
弟に慶事あるかも夏来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201905
鳥のこゑからりと空へ夏来る 今井肖子 ホトトギス 201906
踏みしむる草の強さや夏来る 横山さくら 春燈 201907
江ノ電の木の床匂ひ夏来る 林昭太郎 201907
守備につく選手の背中夏来たる 大島英昭 やぶれ傘 201907
夏来るメタセコイヤの頂に 池上昌子 春燈 201908
鍬の柄に焼印押すや夏来る 秋山蔦 春燈 201908
海牛に大き空あり夏来る 雨村敏子 201908
ねこ厭ふキャットミントや夏来る 大内由紀 末黒野 201908
丹沢の水の産湯や夏来る 大日向幸江 あを 201908
乙女らの脚の長さよ夏来る 伊藤由良 末黒野 201909
押さへてもふくらむ封書夏来たる 武藤節子 やぶれ傘 201911
夏来る令和最初の大会に 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
令和てふ期待と不安夏来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
夏来る都心離るる日も近く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
夏来る瓶のマリモの水換へて 青谷小枝 やぶれ傘 202007
夏来るジーンズ青く空青く 山浦紀子 春燈 202008
普段着で遠隔講義夏来る 近藤真啓 京鹿子 202008
オルガンの息が重たい夏来たる 奥田筆子 京鹿子 202008
休校の続く学び舎夏来る 松本善一 やぶれ傘 202009
指長き和釘職人夏来る 波戸辺のばら 202009
忘れられぬ思ひ出の数夏来る 田中藤穂 あを 202009
大木の影のたしかさ夏来たる 兒玉充代 202010
海はしる太き日柱夏来る 間島あきら 風土 202107
夏来る先の信号すべて青 小泉里香 やぶれ傘 202108
夏来る聖火リレーの車椅子 野村昌代 202108
寺を出て柴又に夏来たりけり 中内敏夫 202108
雨音の勇みをつけて夏来る 石橋みどり 202108
絹糸の綛光りをり夏来る 伊藤照枝 202108
何よりもスポーツが好き夏来る 本田保 春燈 202108
夏来る流れに浸す鍬と空 西村洋平 春燈 202108
山称へ海をたたへて夏来る 笹村政子 六花 202108
少年の嬬の長さや夏来る 安田優歌 京鹿子 202108
夏来る沖の白帆の二つ三つ 今村千年 末黒野 202108
膝抜けのジーンズ闊歩夏来る 大川暉美 末黒野 202108
潮鳴りの能登の民宿夏来る 太田良一 末黒野 202108
アルプスの空の青さよ夏来る 小嶋紘一 末黒野 202108
切り岸を削る潮騒夏来る 市川夏子 末黒野 202108
列長きワクチン接種夏来る 加藤静江 末黒野 202109
カステラのしやりりと粗目夏来る 松川昌義 末黒野 202109
取り敢へずパレットに青夏来たる 山田ゆきこ 202109
疑はず飲む山の水夏来る 高木晶子 京鹿子 202110
比叡よりの水は饒舌夏来たる 菊池和子 京鹿子 202110
川釣りに手づくりの浮き夏来たる 西住三惠子 202112
夏来たり家の厨の小宇宙 篠田大佳 あを 202207
夏来る魁夷の白馬駆けだせり 小原芙美子 風土 202207
引き抜きの女形は鷺に夏来る 平松うさぎ 202207
逆上がり少女に出来て夏来る 府川昭子 春燈 202208
塗師に朱の艶の生き甲斐夏来る 小林文良 春燈 202208
笑ひ声天へ筒抜け夏来たる 阪倉孝子 202208
包丁を使はぬサラダ夏来る 甲州千草 202208
藍色のワイングラスを手に夏来 山岡純子 202208
根上りの松隆々と夏来る 黒滝志麻子 末黒野 202208
湧水の水底へ日矢夏来る 森清信子 末黒野 202208
急流の悲鳴歓声夏来る 河野礼子 末黒野 202208
夏来る青一面の力レンダー 小林友子 末黒野 202208
有明の海の青さよ夏来る 西村安子 京鹿子 202208
和太鼓の葵の連打夏来る 渡部恭子 202209
空青く岩噛む海や夏来る 小嶋紘一 末黒野 202209
側溝に光るはへどろ夏来る 加藤静江 末黒野 202210
寝姿は早や少女なり夏来る 河原敬子 202302
庭園の色の変幻夏来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202305
夏来る→ 1

 

2023年5月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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