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乳房渡すも命渡さず鵙高音   中嶋秀子   命かぎり

百舌鳥    鵙の贄  鵙日和  冬の百舌  春の鵙

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕鵙や明日へ残れる畑仕事 橋本貞二 酸漿 200712
人を待つしばしや鵙の声高き 平照子 酸漿 200712
鵙の声漏るぎつしりと朱の鳥居 品川鈴子 ぐろっけ 200712
鵙たける己が全身ふるわせて 齋部千里 ぐろっけ 200712
遠鵙に水ひろびろと照りわたる 渡邉友七 あを 200712
鵙鳴くや遺る哨舎に挙手の礼 有田蟻太 200801
熟寝児に鵙の高音はとどかざり 谷村幸子 200801
本山のみそ汁の香や鵙の声 小島正子 春燈 200801
縄張りを決めたる鵙の孤高かな 布川直幸 200801
病人の足見えてをり鵙の晴 城孝子 火星 200801
早朝の大気引き裂き鵙鋭声 堀井英子 雨月 200801
鵙鳴くや村一番の高い木に 青山悠 200801
鵙晴や小江戸土産にだんご買ふ 山田春生 万象 200801
天網に怯えて鵙の猛りけり 磯崎清 200802
鵙の声名刹覆ふ山武杉 冨板公子 200802
怠慢を許さじと鵙猛りける 磯野しをり 雨月 200802
鵙鳴いて藍絵の富士の低さかな 伊藤希眸 京鹿子 200803
鵙高音小さき祠の庖瘡神 内海保子 万象 200803
初雪の朝を告げをり鵙の声 青木陽子 酸漿 200804
初鵙やきりきり山の雨上がる 守屋井蛙 酸漿 200805
如月の光裂きけり鵙一声 垣岡暎子 火星 200806
一度自分こはしてみよと鵙猛る 柴崎英子 絹の波 200806
鵙の音に暮るる武尊陵 朝妻力 雲の峰 200809
鵙啼いて済州島より来て墓となりぬ 藤田宏 200810
僧坊の大きシャベルに鵙猛る 山尾玉藻 火星 200811
スポーツ紙の大き見出しや鵙の声 赤座典子 あを 200811
鵙鳴くや上げ潮の波こまやかに 丹羽啓子 馬醉木 200812
かなしみを怺へゐる背や鵙のこゑ 清水節子 馬醉木 200812
鵙声や柳生ぶりなる武者窓に 小林成子 200812
鵙の声発止とひびき棟上る 宮崎左智子 200812
鵙の声言はずもがなのこと言はず 目黒慧 遠嶺 200812
赤鵙や出会ひがしらに泪して 小形さとる 200812
大椋の風に吹かれて鵙高音 谷村幸子 200812
哀憐を引き寄せ近く鵙の声 鈴木勢津子 200812
戸締りの雨戸重たし鵙の声 杉本綾 200901
何ごとの起りて鵙の高音かな 十川たかし 200901
乾坤をむすぶ一語か鵙の声 長田等 200901
われと我こんがらかつて日暮鵙 井上信子 200901
夫留守の酒欲り刻を鵙高音 千田百里 200901
遺髪塚鵙の火の声落しけり 宮川みね子 風土 200901
かなしみの戸戸に違へて鵙の声 生田恵美子 風土 200901
火の山を近みの宿や鵙ひびく 橋添やよひ 風土 200901
広目天くわっと口あけ鵙猛る 川上恵子 雨月 200901
鵙の後苛だつ海の音を聞く 瀧春一 深林 200901
廃校に鵙かん高し車椅子 藤野寿子 あを 200901
鵙の聲記憶の連鎖はじまれり 冨松寛子 200902
鵙猛りロマンチシスト脅しけり 石岡祐子 200902
鵙高音思案の先の断たれたる 大石喜美子 雨月 200902
鵙猛る余生に王手かけるかに 田原陽子 200902
中空もおほぞらならむ鵙荒ぶ 八田木枯 晩紅 200902
常濡れの井戸ならばこそ鵙ひびく 八田木枯 晩紅 200902
空の琴線にふれたる鵙猛る 山下しげ人 ホトトギス 200903
湖を巡る夕鵙猛るなか 上田明子 雨月 200903
夕鵙に打たるるばかり泥稻負ひ 渡邉友七 あを 200904
休日のカーテン重し日を呼ぶ鵙 渡邉友七 あを 200904
俊成の太刀を恐れず鵙高音 水谷洋子 十進法 200911
確信の鵙の高音でありしかな 高橋将夫 200911
だしぬけに縄張り主張朝の鵙 坂上香菜 200912
白壁に水位の汚れ鵙鳴けり 榎本慶子 炎環 200912
鵙一声朝のしじまに声しぼる 渡辺安酔 200912
朝鵙の一声寺領貫けり 乙坂きみ子 末黒野 200912
鵙鳴くや縄のゆるびし釣瓶井戸 菅野日出子 末黒野 200912
鵙晴や窓に物干す長屋門 塩田博久 風土 200912
眉太き自画像鵙の高音かな 関根洋子 風土 200912
鵙一声水嵩減りし高原湖 大竹淑子 風土 200912
火焔負ふ青き不動や鵙猛り 和田郁子 201001
猫脚膳高々積めば鵙猛る 大地真理 201001
鵙の声より一村の明け初むる 藤井君江 馬醉木 201001
隠沼の隠りを破る鵙の声 大室恵美子 春燈 201001
論駁の正鵠を射る鵙高音 小張志げ 春燈 201001
踏み入りし山路を迷ひ鵙高音 溝内健乃 雨月 201001
隠沼の水面にひびき鵙の声 小川玉泉 末黒野 201002
鵙高音研ぎ澄まされし山河あり 曷川克 遠嶺 201002
一望に超高層や鵙の天 松井千鶴子 201002
初鵙の朝のしじまを破りけり 石井邦子 酸奬 201002
暁紅に鵙の裂帛たばしれり 薮脇晴美 馬醉木 201003
重之集書写してをれば鵙猛る 白石正躬 やぶれ傘 201004
大樟の根の噛む岩や鵙猛る 森清尭 末黒野 201004
遠き日の安保闘争鵙猛る 坂本哲弘 山ざくら 201009
窯神にささぐ盛り塩鵙高音 佐久間由子 201010
窯の火を夫婦で守る鵙日和 佐久間由子 201010
家系図は男たどりや鵙の晴 能村研三 201011
ゆくりなし雀声真似る朝の鵙 坂上香菜 201012
鵙高音朝から指図されさうな 吉田政江 201012
鵙鳴くや道拡ぐるに墓を掘り 柴田志津子 201012
鵙啼くや煮鍋に青き瓦斯炎 田中臥石 末黒野 201012
鵙高音にはかに田園殺気だつ 川崎光一郎 京鹿子 201012
柿捥げば高騒ぎせるかつゑ鵙 塩路隆子 201101
猛り鵙ひと日国力貧しかり 塩路五郎 201101
鵙猛るダム放流の警報に 田中敬 201101
アドバルーン真つ赤がひとつ鵙日和 麗秀麿 201101
大吉と黙して示す鵙日和 藤沢秀永 201101
師の声の突と聞こゆる鵙の空 田中臥石 末黒野 201101
かざす手に血の色透けて鵙日和 清海信子 末黒野 201101
肌荒き山峙てり鵙の晴 黒滝志麻子 末黒野 201101
大釜の繭をどりだす鵙の晴 山田春生 万象 201101
鵙鳴いて水の匂ひの宇陀郡 城孝子 火星 201101
鵙高音首切地蔵で引き返す 大山文子 火星 201101
原色の夢が尾を引く鵙日和 荒井千佐代 201101
生も死も一回きりや鵙のこゑ 菅谷たけし 201101
鵙→ 5      

2021年10月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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