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鵙猛り柿祭壇のごとくなり   川端茅舎   華厳

  百舌鳥  鵙の贄  鵙日和  春の鵙  冬の百舌

作品
作者
掲載誌
掲載年月
継嗣なく鵙の声刺す里に棲む 松本鷹根 京鹿子 200202
夕鵙に演習林はしづもれる 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
皇子の嶺の厚き雨雲鵙啼ける 谷村祐治 雨月 200202
鵙鳴くや業平塚の天辺に 小牧喜美子 遠嶺 200202
玄関のタイル磨けば鵙啼けり 冨田正吉 200202
今日よりの鵙けふよりの袖の丈 岡本眸 200202
畏くも千木を踏まへて鵙猛る 友田直文 200203
相続の鍵錆ぶ蔵や鵙猛る 落合由季女 雨月 200203
乳児室に日のまはりきし鵙高音 荒井千佐代 系図 200203
寒鵙や文字つぎつぎと電子辞書 木内憲子 200204
朝鵙の声をさへぎり座禅堂 浅井喜一郎 200205
鵙の昼出会ひがしらに霊枢車 野沢しの武 風土 200205
鵙叫ぶ自己模倣句の何ぞ多き 野沢しの武 風土 200205

 「遠嶺」祝

言祝ぎの声の鋭き鵙の秋

鷹羽狩行 200210
踏み減りし院のきざはし鵙の晴 中川晴美 雲の峰 200210
鵙啼いてお昼休みも終りけり 山田六甲 六花 200211
みまかりしこと知らざれば鵙高音 松山律子 六花 200211
鵙高音女六人車座に 山崎ミチ子 帆船 200212
引越の荷の溢れ出る鵙の声 信崎和葉 六花 200212
平穏はつかの間と知る鵙の声 久保田雪枝 雨月 200212
歯もて切る糸の匂へり鵙の秋 岡本眸 200212
鵙の声嚥下不調を持病とし 木船史舟 200301
鵙一声林泉の静寂を破りけり 山口順子 200301
天気予報はづれて碧き鵙の空 隅田享子 200301
鵙高音サッカーコーチの声もまた 北川キヨ子 200301
目張りかく鵙の高音をききながら 瀬戸悠 風土 200301
洞門に手彫りの跡や鵙高音 小林共代 風土 200301
格子戸の中の神馬や鵙猛る 徳永真弓 百鳥 200301
鵙鳴くや旅立の日の迫り来る 江坂衣代 百鳥 200301
薪を割る陶工の腕鵙鳴けり 仲村洋子 百鳥 200301
落葉掻鵙が親しく寄り来る 八木岡博江 酸漿 200301
胸奥を啄みにくる鵙の声 志方章子 六花 200301
鵙高音木偶の目蓋が開く時 陶山泰子 ぐろっけ 200301
米櫃の米のぬくみや鵙の声 山田美恵子 火星 200302
また別の子音あやつり朝の鵙 木戸渥子 京鹿子 200302
艮の鉄扉に鵙の腹を見し 大島翠木 200302
あやふやな一日の計鵙猛る 田原陽子 200302
針に糸すいと通りて鵙の声 武司琴子 ぐろっけ 200302
世田谷に残る渓谷鵙猛る 竹内喜代子 雨月 200303
人工の島どこまでも鵙の天 安達風越 雨月 200303
池の面にはきと山影鵙猛る 安達風越 雨月 200303
山里の静寂やぶり鵙猛る 川瀬信子 築港 200303
窓に向うて墨磨つてをり寒の鵙 雨村敏子 200303
鵙鳴いて大がかりなる寺普請 高橋さえ子 200304
初鵙のはがねの声を今日の喝 鷹羽狩行 200310
木から木へ鵙の日和の空深し 小澤克己 遠嶺 200310
歩かねば忍び寄る老い夕の鵙 久保秀貴 雲の峰 200310
曇天の少し霽れ来し鵙高音 河野美奇 円虹 200310
鵙猛る寺領に続く竹林 伊藤葉 雲の峰 200311
鵙晴やひめゆりの塔明る過ぎ 上田功昭 雲の峰 200311
鵙の昼ことりと変る万華鏡 後藤志づ あを 200311
それぞれに蕎麦がいちまい鵙の昼 山尾玉藻 火星 200311
鵙の晴井戸蓋ずれてゐたりけり 城孝子 火星 200311
慣れぬ手の擬餌鉤結へば鵙高音 塙三千男 馬醉木 200312
鵙鳴いて存在感を示しをり 塩川雄三 築港 200312
西行も去来も聴きし嵯峨の鵙 上原一郎 築港 200312
鵙鳴くや梢の果ての雲険し 内山千代子 帆船 200312
鵙の天つながり歩きゐてさびし 渡邉友七 あを 200312
鵙高音酒改めの来る頃か 神蔵器 風土 200312
鵙が声ままよ大胆めめず這ふ 黒田咲子 200401
即身仏拝みてあれば鵙高音 阪上多惠子 雨月 200401
人間も怒ってゐるぞ鵙鋭声 泉田秋硯 200401
髯剃りの百面相に鵙高音 川村紫陽 200401
鵙鳴けり寝墓を石と思ふ時 岡崎桂子 対岸 200401
単線の終点駅舎鵙鳴けり 押尾弘子 対岸 200401
はりつめし空気揺らして鵙の声 梶知余子 200401
鵙猛る糶待つ檜香りたつ 山口マサエ 雲の峰 200401
林道に一際高し鵙の声 豊田作二 遠嶺 200401
高みより鵙いきり立つ砂防林 淵脇護 河鹿 200401
神の杜鵙の高音を赦しをり 上薗櫨夫 河鹿 200401
朝鵙や支度はかどりゐる祇園 奥田節子 火星 200401
朝鵙の一声に霧流れけり 小石秀子 酸漿 200401
夕鵙や徒労となりし靴脱げば 小林希世子 200401
遠鵙や苑の深きに舟着場 飯塚雅子 200401
ていねいに墓を拭へば鵙啼けり 生方ふよう 200401
寂庵へ喧しきや鵙の声 中田征二 ぐろっけ 200401
ぽい捨てに鵙の警声遊歩道 金山藤之助 200402
二の丸に赤帽白帽鵙の晴 鳴海清美 六花 200402
鵙ひびき書くにほど良き窓明り 坪井洋子 200402
鵙猛る手鏡に空屈折し 木内憲子 200402
枯木の鵙ただただふくれゐるばかり 石原勢津子 雨月 200403
鵙高音ホットミルクの一と口め 長谷川春 200403
葬の寺憚らずして鵙猛る 竹内方乃 ぐろっけ 200403
鵙猛る暗峠越え来しか 竹内方乃 ぐろっけ 200403
鵙猛る古地図全く紙くさき 木内憲子 200403
紅梅の奥かんだかき鵙の声 沢聰 馬醉木 200404
鵙止る野の木たちまち枯れすすむ 渡邉友七 あを 200404
夕鵙にあかり点して厨妻 河本勇 築港 200404
初鵙や景も生活もあらたまる 中村田人 ホトトギス 200406
鵙晴やものを拾ふに影かがめ 八田木枯 夜さり 200409
馥郁と赤飯を炊き朝の鵙 栗原梅子 対岸 200410
パソコンに弄ばれぬ鵙高音 土肥屯蕪里 雲の峰 200411
鵙鳴きて石切場跡そつけなし 井上紘 雲の峰 200411
鵙高し御油宿に入る松並木 中野薫 雲の峰 200411
ねんごろに句は定めたり鵙のこゑ 藤田あけ烏 草の花 200411
鵙よりももっと強烈ケトル鳴る 泉田秋硯 200412
大空へ鵙高らかにホイッスル 白髭美佐子 200412
初鵙や永久に使はぬ刃物もつ 中村恭子 200412
鵙の声頻りなる日や眼の乾く 辻恵美子 200412
火の匂ひあり過去帳も夕鵙も 神蔵器 風土 200412
鵙→ 3      

2021年10月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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