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磯の日は今くもりをり崖の上にはびこる葛の葉あまねくあをし   木下利玄

  葛切  葛餅  葛饅頭  葛湯  葛の花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
星浴びて真葛ヶ原に眠らむか 小澤克己 遠嶺 199811
羊腸を遶れと葛の裏葉かな 梅田津 銀化 199812
北を指しみで胸中の真葛原 梅田津 銀化 199812
葛原や奈落の底へ風変る 河村八重 円虹 199901
傘とぢて葛の隧道くぐりけり 石山惠子 遠嶺 199901
葛の葉に盛りて万葉食講座 長谷川翠 馬醉木 199902
吾妻郡字袋倉葛の雨 小林鱒一 天牛 199904
葛覆ふ辺りより香のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199909
しばらくは日本海と真葛原 稲畑汀子 ホトトギス 199909
径いづこ一面葛に覆はれし 稲畑汀子 ホトトギス 199909
日を返し風に返して真葛原 稲畑廣太郎 ホトトギス 199909
けふもまた秋の来てゐる葛の叢 山尾玉藻 火星 199910
日昇れば金一すぢの葛の川 丸山海道 海道全句集 199910
葛の雨去り点滴ののこる村 丸山海道 海道全句集 199910
葛嵐三つ児を埋めし殯かな 丸山海道 海道全句集 199910
葛を刈るしばらく蔓と遊びして 河口仁志 199911
簗小屋の真葛がくれにありにけり 勝田公子 199911
葛を聽く葉裏へ廻ることもなく 中原道夫 銀化 199911
まぼろしは眞葛が原を出て三日 中原道夫 銀化 199911
ひるがへる葛葉出羽まで嶺つづき 坂井まさき 六花 199911
木落し坂覗く危ふさ葛の蔓 能村登四郎 芒種 199911
葛の風くねくねゆるゆるバス登る 小枝恵美子 ポケット 199911
葛の風吉野の谷を裏返し 長谷川翠 馬醉木 199912
真葛原抜けて流刑の地に佇つも 堀田恵美子 雨月 199912
簗の旗真葛が原にはためける 大橋淳一 雨月 200001
大葛葉おいでおいでと忍者村 渡辺純 京鹿子 200001
葛引けば思はぬ処より音が 貝森光大 六花 200002
八月のきれいな葛の吹かれをり 山尾玉藻 火星 200007
東京都千代田区丸の内の葛 柏井幸子 円虹 200008
刈寄する葛のありたる空の丈 浜口高子 火星 200010
往診の馬小屋失せて真葛原 三嶋隆英 馬醉木 200010
向う嶺は葛の寝釈迦の山なりし 有本恵美子 200011
角突をしぶる赤牛葛嵐 島田万紀子 馬醉木 200101
葛伸びるじわりじわりと国道へ ゆにえす 船団 200105
後れじの足に絡みて葛の蔓 品川鈴子 ぐろっけ 200106
後山に葛刈り入りし葛さわぐ 能村登四郎 200108
日の当りゐる葛原の嵐かな 山尾玉藻 火星 200109
葛覆ふ遇去へ未来へ闇の口 中村昭義 百鳥 200111
山彦の通ひし跡か葛めくれ 中原道夫 銀化 200111
病室に置ききしこころ葛の雨 山田弘子 円虹 200111
溶岩原の地続きに葛たぐりけり 佐藤みほ 200112
通ひ路の跡形もなし葛の風 武田菜美 銀化 200112
蔓先に葛の野心のとどまらず 海輪久子 円虹 200112
県道にタイヤ捨てある葛の雨 米澤光子 火星 200112
働いて憂さを晴らしぬ葛の風 能村研三 200112
葛の葉に埋もれ坑夫の殉職碑 古市枯声 春耕 200112
真葛原遠くに村の夕灯 岡本明美 春耕 200112
葛茂る素手を重しと思ひをり 柴田朱美 京鹿子 200201
廃村の葛の葉どつと裏返る 柴田朱美 京鹿子 200201
傷舐めてけものとなれり真葛原 柴田朱美 京鹿子 200201
落ちどころここと定めて真葛原 柴田朱美 京鹿子 200201
継ぎはぎの生涯葛に埋もれて 柴田朱美 京鹿子 200201
去るものは追はず真葛の村なりけり 柴田朱美 京鹿子 200201
こんな夜は父が来てゐる葛の雨 柴田朱美 京鹿子 200201
葛の香の漂うて来し我が家かな 城尾たか子 火星 200201
断崖の葛天日を曇らしむ 中杉隆世 ホトトギス 200202
かなかなに葛に峠は高くなる 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
葛かけて山川の音いづくにか 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
雲ケ畑の清流たゝへ葛を愛で 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
峡沿ひのトロッコ列車葛に触れ 津田経子 火星 200203
葛をとく心に奈落ありにけり 櫛原希伊子 百鳥 200203
雨一日葛の近道失せてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200209
葛あらし男ことばの魚売女 太田寛郎 200209
葛の蔓ひと日出水に揉まれけり 塩谷康子 百鳥 200210
美しきひとの首ゆく真葛原 川名将義 銀化 200210
青葛に捲かれ本性見せぬ樹よ 久保田曲布 ぐろっけ 200210
葛繁りカーブミラーを覆ひけり 長谷川守可 百鳥 200211
アンチモン掘りし標識葛隠れ 松本静香 帆船 200211
ありたけの丈を伸ばして葛吹かる 田中英子 火星 200211
工房に独楽の転がる葛嵐 水原春郎 馬醉木 200212
訃報また真葛原に日の当り 木下野生 200212
真昼間の真葛原に風の穴 雨村敏子 200212
アルバイト的に葛の葉うらがへる 山野みどり 銀化 200212
産土の葛の原なる水の音 金川眞里子 百鳥 200212
葛の雨銚子小浜といふ辺り 井上信子 200301
雨雲の走る先なる真葛原 岩月優美子 200301
振り仰ぐ波状岩壁葛嵐 鳴海清美 六花 200301
枯れすすむ葛の葉音を信条に 山崎靖子 200302
葛の蔓漂ふ昼の天の川 西村葉子 京鹿子 200302
曳かれしは万策尽きし葛の蔓 田村みどり 京鹿子 200303
天平の朱唇を壁に葛嵐 山陰石楠 200310
寂しさのたとへば風の葛葉かな 梅村すみを 200310
かこ山万葉人の葛匂ふ 小林共代 風土 200311
葛の葉に暮雨の重たき日本海 木下ふみ子 馬醉木 200311
七草の葛を探しに逝かれけり 松崎鉄之介 200312
葛ひいて隣の垣の鳴りにけり 長田曄子 火星 200312
葛引けば大地の力引き戻す 城石美津子 京鹿子 200312
単線の車窓を過ぎる葛嵐 野内妙子 200312
トンネルと葛と交替交替に 武田正子 ぐろっけ 200312
行く先は知らねど来し方眞葛原 吉田多美 京鹿子 200401
道路迄はみ出し葛の遊びをり 加藤君子 火星 200402
真つ白な狼藉ぶりの葛の谷 能村研三 滑翔 200402
葛の葉の茂りで山路狭めたり 藏重艶子 六花 200409
風吹けば葛の葉見たく家を出づ 岡本眸 200410
葛を引く星を引き寄す勢ひもて 中尾公彦 200411
吊橋を捉へてよりの葛の照 坂ようこ 200411
葛這うて這うて天辺ありにけり 高尾豊子 火星 200411
山伏の法螺の朱の紐葛あらし 卜部黎子 春燈 200411
葛の雨蔓這つてをり案内板 竹中昭子 百鳥 200411
葛あらし三日つづきの句座通ひ 岡本眸 200411
葛 →2      

 

2022年8月2日 作成

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