葛の花 1      100句

  葛切  葛餅  葛饅頭  葛湯  葛の花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
庫裡裏の絶えぬ川音葛の花 田中藤穂 あを 201409
放置輪に絡め手使ふ葛の花 国包澄子 201411
ひと峪をのぼりつめたる葛の花 塩路隆子 201411
迢空忌真葛は色をひそめ咲く 安立公彦 春燈 201411
万葉の道の切り岸葛の花 中村紀美子 春燈 201411
葉がくれに怨みの色の葛の花 梅村すみを 201411
身の負ひ目みえ隠れして葛の花 吉田政江 201411
砂つぽい道を港へ葛の花 大崎紀夫 やぶれ傘 201411
ダンプカー行きバスが来る葛の花 大崎紀夫 やぶれ傘 201411
母の衣ほつほつ解く葛の花 松林依子 201412
辰鼓楼の石垣を這ふ葛の花 浜福恵 風土 201412
葉の蔭の残んの色や葛の花 岡野里子 末黒野 201501
発心の早朝散歩葛の花 榊山智惠 末黒野 201501
葛咲くや山の麓に発電所 水井千鶴子 風土 201502
叡山のケーブルの急葛の花 内藤静 風土 201502
通り雨屁屎葛の花散らし 須賀敏子 あを 201510
峡の子の通ふ小橋や葛の花 堀田順子 馬醉木 201511
葛の花高きに揺るる迢空忌 安立公彦 春燈 201511
月山のふもと晴れくる葛の花 大崎紀夫 やぶれ傘 201511
みちくさの頬を打たれり葛の花 中島悠美子 京鹿子 201512
秘めたきは知られたきこと葛の花 松林依子 201512
葛咲くやかつて甲斐より絹の道 井上石動 あを 201512
芳香は葛の花なり坂登る 青野安佐子 201512
葉の蔭にひそと香りて葛の花 服部珠子 雨月 201512
鄙の地に鄙の掟や葛の花 大政睦子 京鹿子 201601
葛の花風吹き惑ふ親不知 川村みよき 万象 201602
強きかな崖の上まで葛の花 杉本薬王子 風土 201609
言霊に鬼も仏も葛の花 田代貞香 201609
葛の蔓自縛の花を咲かせけり 山田六甲 六花 201609
葛咲けり街道跡といふ窪地 菅谷たけし 201611
原子炉へ鎌首もたげ葛の花 南うみを 風土 201611
葛の花小雨厭はぬ犬連れて 平野みち代 201611
葉の陰に初心な振りして葛の花 原田達夫 201611
堀の水青く澱みて葛の花 田中藤穂 あを 201611
寅さんの無骨を恋ふや葛の花 神田恵琳 春燈 201611
窯出の余熱ありけり葛の花 広渡敬雄 201612
葛咲いて幾つ過ぎ来し無人駅 竹内喜代子 雨月 201612
四五本の木樹を呑み込み葛の花 柿沼盟子 風土 201612
葛の花またも同士の別れかな 山崎靖子 201612
放埒な葛ふところに花を抱く 中嶋昌子 春燈 201612
葛の花ねずみがへしを越えにけり 阿久津勝利 万象 201612
葛の花雑木林は長方形 水野加代 万象 201612
茂る葉の中をひそかに葛の花 小池みな 末黒野 201612
葛の花深き淵より風湧きぬ 篠田純子 あを 201612
この山を越えれば信濃葛の花 森川絢子 京鹿子 201701
葛の花むかしは蜑の住みし村 横田敬子 201612
葛咲くや遠山なみのあなたまで 中杉隆世 ホトトギス 201702
過疎となりいよよ色濃き葛の花 庵原敏典 末黒野 201704
夕さりの日のおこぼれを葛の花 山田六甲 六花 201710
葛根湯葛の花いま盛りなり 加藤みき 201711
隧道の暗きを出でて葛の花 黒滝志麻子 末黒野 201711
竹づたひ隣より葛花はこぶ 石川桂郎 風土 201711
水べりに小さき骼葛の花 浅田光代 風土 201711
葛咲いで時ゆるやかに国栖の里 鈴鹿呂仁 京鹿子 201711
葛の花山の翳りに水の音 島田和枝 万象 201712
いななきの渓に吸はれぬ葛の花 森清信子 末黒野 201712
朝まだき風存問の葛の花 飯田久美子 末黒野 201712
埋もれる境界石や葛の花 能美昌二郎 201712
ほどほどてふ身の処し方や葛の花 北川孝子 京鹿子 201712
暮れ時をどんより葛の花匂ふ 住田千代子 六花 201801
葛咲くやくぐり抜けゆく川の音 住田千代子 六花 201801
葛の花思ひめぐらす日暮れかな 冷泉花 六花 201801
葛咲いてまた深読みをしてしまふ 井上菜摘子 京鹿子 201801
道に迷へばぶつかつてくる葛の花 井上菜摘子 京鹿子 201801
蛇行する川波まぶし葛の花 遠山のり子 201802
水神の小さき祠葛の花 高木邦雄 末黒野 201804
新しき花の未来や段葛 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
葛の花亀のひょっこり現れる 東英幸 船団 201806
葛の花日を拒み風拒まざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
野川まで蟇捨てにゆく葛の花 水原秋櫻子 馬醉木 201809
葛咲くや不器男の生家訪ねたく 熊岡俊子 雨月 201811
墓山の藪に下がりし葛の花 谷村祐治 雨月 201811
蘇る記憶の道や葛の花 中上馥子 春燈 201812
よよと泣く女浄瑠璃葛の花 下村たつゑ 201812
花葛や防人の妻恋ふる歌 栗坪和子 201812
蔓の先少し休めて葛の花 山口郁子 末黒野 201812
立ち向かふ後期高齢葛の花 田中嘉信 春燈 201812
花葛や風に聴きたき明日のこと 菊池和子 京鹿子 201901
電線が左右に延びて葛の花 渡邉孝彦 やぶれ傘 201901
風花や透きとほるまで葛をねる はしもと風里 201904
蔓引けば風の生まるる葛の花 荒井千佐代 201904
観音様へ下る坂道葛の花 曽根富久恵 201905
葛の花風を拒んでゐる葉裏 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
朝上り色深めゐし葛の花 赤座典子 あを 201910
葛の花まとひし丘の震災碑 池元道雄 馬醉木 201911
葛の花言うべきことは言いにくく 池田澄子 船団 201912
葛の花手繰る記憶の絡まりて 高村令子 風土 201912
藤布を「のの」と伝へて葛の花 南うみを 風土 201912
分団の火の見へ葛の花のぼる 森田節子 風土 202001
首伸ばし立ち上がりゐて葛の花 上辻蒼人 風土 202001
葛の花カーブミラーに小石跳ね 天野美登里 やぶれ傘 202002
夜半の風定家葛の花散らし 須賀敏子 あを 202007
新道の途切れるところ葛の花 秋山信行 やぶれ傘 202010
したたかに垣を越えたる葛の花 豊谷青峰 春燈 202011
葛の花見ぬ間に蔓の刈られけり 豊谷青峰 春燈 202011
小式部の母恋ふ色や葛の花 浜福惠 風土 202011
狂ふてふ俳句あるべし葛の花 杉本薬王子 風土 202011
細道はかつて旧道葛の花 田中藤穂 あを 202011
ガラス器に活け迢空の葛の花 仙田孝子 風土 202012
沼の欝いつさい籠むる葛の花 黒滝志麻子 末黒野 202012
葛の花 →2      

 

2023年10月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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