葛 湯          176句

あはあはと吹けば片寄る葛湯かな   大野林火

  葛切  葛餅  葛湯

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
葛湯吹き世に従順な齢なる 山田弘子 春節 199503  
葛湯溶き混沌とある明日かな 山田弘子 春節 199503  
夏風邪のうすむらさきの葛湯かな 岡本眸 199810  
強がりのほどけてゐたる葛湯かな 外川玲子 風土 199903  
母の眼のいよいよ細し葛湯吹く 前田陶代子 199904  
食欲のなほ戻らざる葛湯かな 林昇 199905  
源見せまじくとろとろ葛湯煮て 杉山瑞恵 雨月 199906  
葛湯好み俗気抜けきし気色かな 渡邊牢晴 雨月 199906  
葛湯吹き妻とあれこれ旅のこと 田中清司 199907  
葛湯吹くその先にある海の荒れ 金國久子 青葉潮 199907  
葛湯吹くふたりで吹いてなほさびし 千田百里 巴里発 199911  
あたゝめし葛湯に夜を更かしけり 稲畑汀子 ホトトギス 199912  
龕の裏の真白きに吹き葛湯かな 今木偉郎 199912  
すきとおる葛湯をさます吐息かな 廣嶋美惠子 船団 199912  
声嗄れ媼に葛湯もてなさる 相沢有理子 風土 200002  
六道の辻にて葛湯商はむ 中原道夫 銀化 200002  
葛湯煮て森羅万象寂かなり 守屋吉郎 馬醉木 200002  
溶いてなほ葛粒混じる葛湯かな 高橋将夫 200003  
身のうちの虫を鎮めむ葛湯練る 門馬貴美子 京鹿子 200004  
昼灯葛湯みずから瞑想す 汎馨子 海程 200006  
葛湯かき心吉野に通はせて 辻口静夫 ホトトギス 200008  
二三日前が曖昧葛湯とく 岡本眸 200101  
さむさうな木があり葛湯吹いてをり 山尾玉藻 火星 200102  
葛湯練る演歌に心融かしつつ 泉田秋硯 200104  
京菓子の葛湯を溶くに淡雪降る 村越化石 200105  
無柳かな葛湯して夜を薄めたる 峯尾文世 銀化 200105  
葛湯吹く目の柔らかき人ありて 竹市悠紗 京鹿子 200112  
師の遺著の仄かにぬくし葛湯とく 柴田雪路 200201  
葛湯吹き比枝の地獄に臆しをり 内山芳子 雨月 200202  
才氣なといつかつまづく葛湯に玉 中原道夫 銀化 200202  
匙重くなりて葛湯の出来上がる 山田弘子 円虹 200202  
むづかれる胃に入る葛湯とろとろと 足立典子 雨月 200203  
とけて透く葛湯の底に母がみゆ 森田蝌蚪 200203  
転生を少し信じて葛湯かな 田代史子 馬醉木 200204  
腕白を寝かせて母の葛湯吹く 喜多初枝 雨月 200206  
ひたすらに眠る合間の葛湯かな 赤座典子 あを 200303  
笛を吹くやかんに呼ばれ葛湯溶く 渡辺薫子 円虹 200304  
葛湯吹く明日は提出期限かな 安部知子 帆船 200304  
葛湯飲む父の出世語りかな 代田青鳥 風土 200304  
明日ありて葛湯に生姜したたらす 大野英美 風土 200304  
水族館葛湯のごときものありぬ 佐藤喜孝 青寫眞 200304  
葛湯して太陰暦の移りゆく 佐藤喜孝 青寫眞 200304  
至らぬと思ひ知りたる葛湯吹く あさなが捷 200306  
梅雨寒や葛湯作りてしのぎをり 北村香朗 京鹿子 200311  
反古ふえてゆくや葛湯を溶き乍ら 稲畑汀子 ホトトギス 200312  
貧乏の話きりなし葛湯吹く 苑実耶 200312  
宵の雨聞くや葛湯を吹きさまし 岡本明美 雲の峰 200401  
熱の夜の吹きくぼまする葛湯かな 戸木下節子 雲の峰 200401  
雨だれの乱るるリズム葛湯吹く 川端実 遠嶺 200402  
うず潮のやうにかきまぜ葛湯かな 竹内悦子 200402  
いちにちの力の素の葛湯のむ 望月末夫 百鳥 200402  
葛湯吹き母娘のこころぬくもりぬ 岡淑子 雨月 200403  
葛湯吹き仏となりし父母懐古 藤田誉子 雨月 200403  
葛湯吹き未だ癒えざる旅疲れ 堀田恵美子 雨月 200403  
天地を分かつ神話や葛湯とく 清水晃子 遠嶺 200404  
こともなく一日終り葛湯ふく 井手房野 築港 200404  
一人吹く葛湯に遠嶺くもりけり 池尻足穂 雲の峰 200502  
献眼の登録済ませ葛湯吹く 野口香葉 遠嶺 200503  
葛湯吹く揃へし膝の頼りなく 高畠陽子 河鹿 200503  
世はなべて楽市楽座葛湯吹く 伊藤希眸 京鹿子 200503  
我にあと幾たびの冬葛湯溶く 岡本眸 200503  
お互ひに物忘れ言ひ葛湯吹く 武部光子 200504  
ひたすらに葛湯吹きをり明日ありと 林玲子 200504  
玻璃越しのきびしき朝気葛湯など 北村香朗 京鹿子 200506  
地獄変葛湯の湯気のゆらぎかな 高橋将夫 星の渦 200507  
広き背に男のもろさ葛湯吹く 山元志津香 八千草 200508  
葛湯して大台の齢さし迫る 伊藤白潮 200512  
納品の疲れ癒さる葛湯かな 藤田信義 春燈 200601  
口あけて待つみどり児へ葛湯吹く 遠藤真砂明 200601  
葛湯吹く二人に言葉などいらぬ 中上照代 火星 200602  
葛湯飲むキッチンに静かなる時 大海いつ子 百鳥 200604  
諍ふも絆のうちや葛湯吹く 生方義紹 春燈 200605  
てのひらに母の手づくり葛湯吹く 片山茂子 遠嶺 200605  
葛湯吹き吾が身励ますごとくなり 峯桜子 遠嶺 200605  
葛湯吹きよぎる記憶のひとかけら 糸井芳子 200605  
老どちの葛湯所望や餘花の雨 瀧春一 常念 200606 吉野葛
喜怒哀楽せはし七曜葛湯吹く 山元志津香 八千草 200607  
旅疲れかと葛湯溶きくれしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200612  
久々に雨の日となる葛湯かな 鷹羽狩行 200701  
仲直りの頃合ひ見つつ葛湯吹く 石田玲子 200703  
口揃へ葛湯を吹くも縁かな 西山美枝子 酸漿 200703  
手応へのありて葛湯の透きて来る 山部淑子 200704  
葛湯溶く柔らか過ぎず固からず 鈴木榮子 春燈 200704  
葛湯から春の匂ひも感じつつ 吉弘恭子 あを 200704  
心地よき旅の疲れや葛湯吹く 片野光子 ぐろっけ 200705  
万能の母の葛湯に及ばざる 伊藤白潮 200801  
考へるうちに葛湯の冷めてきし 高橋将夫 200802  
姑の忌の更けてひとりの葛湯ふく 牧悦子 200803  
葛湯解く熱湯に指焼ながら 山田六甲 六花 200803  
母の齢越えて母恋ひ葛湯吹く 服部珠子 雨月 200804  
いまあるを謝しおもむろに葛湯吹く 大谷茂 遠嶺 200806  
お六櫛買はぬ後悔葛湯溶く 前川ユキ子 200902  
葛湯溶く手先凍えてをりにけり 山田六甲 六花 200902  
病み居れば母が葛湯のむかしかな 河本由紀子 春燈 200903  
熱の児の素直に啜る葛湯かな 竹内悦子 200904  
葛湯吹く泪なき目を潤して 藤兼静子 200904  
葛湯して幸せといふはこんなこと 須藤トモ子 200905  
サッカーもゴルフも知らず葛湯吹く 上原恒子 雨月 201001  
葛湯掻く匙音かすか夜更けかな 荒井和昭 201002  
ストレスが胃に来る気配葛湯吹く 宮川秀穂 201002  
今さらに母の恩愛葛湯吹く 割田容子 春燈 201002  
カオスより魂よみがへる葛湯かな 冨松寛子 201002  
華やぎに母遠くをり葛湯吹き 城台洋子 馬醉木 201003  
酸素マスクの母葛湯のやうな眠り 成宮紀代子 201003  
葛湯とく先師遺愛の九谷焼 山田春生 万象 201003  
神妙な顔してたかが葛湯吹く 川上久美 ろんど 201003  
葛湯とくたちまち渦がゑがかるる 近藤きくえ 201004  
冷ますともなく掻きまぜて葛湯かな 鷹羽狩行 201012  
葛湯溶く短編集の一区切り 北尾章郎 201101  
み吉野の葛湯にむせる別れかな 笹村政子 六花 201103  
押入れの古書読み疲れ葛湯かな 田中眞 201104  
老いにけらしな葛湯にも舌を焼き 三村純也 ホトトギス 201104  
葛湯吹くすとんと暮るる渓を見て 中條睦子 万象 201110  
ぼんやりと見ゆるこの先葛湯溶く コ田千鶴子 花の翼 201111  
吉野よりもたらされたる葛湯とて 稲畑汀子 ホトトギス 201112  
御火焚の榾はぜにけり葛湯吹く 浜口高子 火星 201202  
また同じ思ひに戻り葛湯吹く 天谷翔子 火星 201202  
葛湯吹いて明日の天気はかりをり 米澤光子 火星 201202  
在りし日のはらから偲び葛湯吹く 小栗八重 201203  
身の内に二病三病葛湯掻く 浅井吉雄慈 夕端居 201203  
二度ばかり吹いて葛湯を渡しけり 高橋将夫 201204  
葛湯吹き湯気の時空に遊びけり 服部早曲 201205  
できたての海に譬ふる葛湯かな 吉田希望 201302  
なげやりな己諫めて葛湯吹く 川上久美 ろんど 201302  
歪みたる軸をただして葛湯のむ 谷村幸子 201302  
葛湯吹き忘るるといふ母の癖 藤井彰二 馬醉木 201303  
更けてより変はる風音葛湯吹く 師岡洋子 ぐろっけ 201303  
金粉の入りし葛湯や河原町 今井春生 201303  
熱の児に一匙づつの葛湯かな 宮平静子 雨月 201304  
障害の兄と笑うて葛湯飲み兵庫松村晋 小菅美代子 ぐろっけ 201304  
加湿器にアロマ加へて葛湯刻 中井登喜子 201305  
むかしむかしあるところにと葛湯とく 原ゆき 船団 201306  
想ひ出を独り手繰りて葛湯吹く 川上久美 末黒野 201404  
睡魔きて睡魔いとしく葛湯かな 石坂比呂子 末黒野 201404  
亡き妻にせしごと葛湯吹き冷ます 小川玉泉 末黒野 201404  
嫁姑口尖らせて葛湯吹く 原友子 201404  
葛湯吹き各駅停車の八十寿かな 金田けいし ろんど 201405  
一日に一句のならず葛湯ふく 山崎稔子 末黒野 201405  
葛湯溶く身体髪膚父母に受け 水原春郎 馬醉木 201501  
再会の齢しみじみ葛湯吹く 城台洋子 馬醉木 201501  
こころ挫けさうな夜もあり葛湯吹く 浜福惠 風土 201501  
身勝手はかんにんしてね葛湯とく 森下康子 201502  
晩節の今を愛しみ葛湯吹く 白井友梨 馬醉木 201502  
叱られし顔を上げずに葛湯吹く 天谷翔子 201502  
火男の顔して葛湯冷ましけり 田村園子 201502  
葛湯吹く胸の弱虫太らせつ 平野みち代 201503  
葛湯吹く祖母在りし夜のぬくかりき 増田甚平 ろんど 201503  
気塞ぎをとろり葛湯に融かしけり 岸上道也 京鹿子 201503  
夜更かしの両手の中の葛湯かな 青木朋子 201504  
叱られし顔を上げずに葛湯吹く 天谷翔子 201505  
稿ひとつ終りし葛湯吹きにけり 鈴木静恵 花こぶし 201508  
寝ねられず葛湯吹きをり風の音 石原節子 春燈 201602  
葛湯吹く亡き人が胸占むる夜は 千手和子 馬醉木 201602  
喪中状の嵩や葛湯を熱く溶き 西村梛子 馬醉木 201602  
ややありて葛湯心に効いてきし 立村霜衣 ホトトギス 201603  
叱られて俯くさまに葛湯吹く 成田美代 201603  
ほつほつと万歩あるきし葛湯かな 田代民子 201604  
葛湯吹き模糊と夢見る子の未来 升田ヤス子 玫瑰 201604  
葛湯吹くいきなり昭和蘇る 笠井敦子 201604  
葛湯吹く幸のそれぞれ介護園 三木千代 201604  
またの世は情死もよけれ葛湯吹く 原友子 201605  
怪我せしを早々葛湯溶きくれし 稲畑汀子 ホトトギス 201610  
暁の病室に掻く葛湯かな 荒井ハルエ 春燈 201612  
電卓をゼロに戻して葛湯吹く 内田美紗 船団 201612  
おとといの感激きょうの葛湯かな 原ゆき 船団 201612  
成りゆきのままよ葛湯を吹いてをり あさなが捷 201701  
都にて吉野いとしむ葛湯かな 夏生一暁 馬醉木 201702  
葛湯吹く昭和忘るるやうに吹く 安居正浩 201703  
手土産は吉野葛湯と決めをりぬ 山本漾子 雨月 201703  
裏山を揺する夜風や葛湯溶く 沼田巴字 京鹿子 201710  
吹いてからのむべし葛湯さうすべし 定梶じょう あを 201802  
はらからと明日は離郷の葛湯かな 浜福惠 風土 201802  
黙考の父の晩年葛湯吹く 森屋慶基 風土 201802  
葛湯吹き祖母の民話を聞きしこと 荻野周子 雨月 201803  
透明は幸呼ぶに似て葛湯溶く 千田百里 201901  
生涯の誤算も良しや葛湯溶く 平野多聞 201902  

 

2019年12月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。