恋 猫 2    60句

恋猫に思ひのほかの月夜かな   中村汀女   都鳥

作品
作者
掲載誌
掲載年月
偶や恋猫犬を追ひはらふ 佐藤恭子 あを 201603
恋猫の宙に路ある神楽坂 上谷昌憲 201604
恋猫の声遠ざかる眠らねば 上谷昌憲 201604
恋猫の声聞いてをるこちらがは 柳川晋 201605
恋猫の走り抜けたるトタン屋根 きくちきみえ やぶれ傘 201605
恋猫のうしろ向きたる草の揺れ 井上信子 201606
恋猫の悶着のこゑ闇にあり 佐津のぼる 六花 201606
恋猫の声夕暮れを引き止める 伊藤希眸 京鹿子 201607
来し方や恋猫ほどの肝あらば 金子正道 京鹿子 201607
恋猫の罰を受けたるごとき顔 高倉和子 201607
恋猫の柳条のもとまろき背 佐藤恭子 あを 201607
不比等邸跡に恋猫たてこもる 内海良太 青嶺 201612
うちの恋猫はロミオになり切つて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
恋猫に芝公園の明け初むる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
恋猫のこゑ小面に魔性ふと 近藤喜子 201705
恋猫に漆黒の闇なくなりぬ 上谷昌憲 201705
恋猫の戦ふほどの一途さよ 栗山みどり 201705
恋猫や夫は知らない頬の剃り 岡山敦子 京鹿子 201706
恋猫に恋の掟はあらざりし 和田華凛 ホトトギス 201706
恋猫のこりず夜つぴて武者修行 橋本くに彦 ホトトギス 201706
恋猫に獣の匂ひ濃くなれり 石橋幾代 201706
恋猫の帰りを待てる女かな 竹下陶子 ホトトギス 201708
恋猫の前をゆつくり人歩く 浜崎素粒子 ホトトギス 201708
恋猫の無礼千万武家屋敷 那須淳男 馬醉木 201708
恋猫の逢瀬は錆びしトタン屋根 田代貞香 201707
恋猫の糞ともなれば屈み見る 山田健太 風土 201801
戸を閉めることも覚えよ恋猫よ 本多遊方 春燈 201805
恋猫の時に哀しき貌をせり 谷口一献 六花 201805
恋猫の出払つてをる佛間かな 竹内悦子 201805
寺の奥から恋猫のこゑ聞こゆ 小池一司 やぶれ傘 201806
手を差し出して恋猫に嫌はるる 石橋幾代 201808
飼猫の逝き恋猫のこなくなり 大久保白村 ホトトギス 201811
ノクターンの端に恋猫ゐるらしく 小原芙美子 風土 201811
恋猫よまだつづくのかながいのだ 佐藤恭子 あを 201902
恋猫の叱られてゐる縁の端 田村すゝむ 風土 201903
恋猫をめくれば湿ってゐる部分 奥田筆子 京鹿子 201903
恋猫の声にも馬齢ありにけり 五十嵐敏子 201905
恋猫をしかる声ある旅寝かな 延川五十昭 六花 201905
紙袋へとび込み恋猫自己嫌悪 奥田筆子 京鹿子 201905
恋猫のこぶしをきかせすぎてをり 中嶋陽子 風土 201905
手加減のなき恋猫に近付けず 河前隆三 馬醉木 201905
戻り来し恋猫限りなく寡黙 村上葉子 201907
恋猫に先導されて島の旅 波戸辺のばら 201907
材木の隙に恋猫追ひ詰めし 曽根富久恵 201907
恋猫や傷つくことも愛といふ 菊池和子 京鹿子 201907
恋猫を眠らせてをり休み窯 柴崎富子 白地 201909
恋猫の屋根のソーラー知恵熱(とり) 鈴鹿呂仁 京鹿子 202003
恋猫の季節押し買ひつふが来ぬ 定梶じょう あを 202003
恋猫の今日は国道越えてゆく 菊川俊朗 202004
恋猫も鈴を鳴らして神頼み 庄司久美子 202004
恋猫の勲章なるか鼻の傷 大内由紀 末黒野 202005
すれ違ふ恋猫人を揮らず 伊藤希眸 京鹿子 202005
恋猫のロックンロールで通りけり 田中臥石 末黒野 202005
恋猫の隠れてゐたる中宮寺 市村健夫 馬醉木 202005
恋猫や祇園の路地を知り尽くす 橋添やよひ 風土 202007
恋猫や流し目投げてまた闇へ 森清堯 末黒野 202007
頭を低く恋猫走る漁師町 柴田佐知子 202007
恋猫の引き返す塀ありにけり 竹下陶子 ホトトギス 202007
恋猫のひるがへりたる塀のあり 竹下陶子 ホトトギス 202008
恋猫の階段くわつと踏み外す 青木朋子 202010
恋猫 →1

 

2021年2月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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