刈 田 2      100句

着陸機刈田の上に脚を出す   茨木和生   木の国

作品
作者
掲載誌
掲載年月
あかあかと鐘に昏れゆく新刈田 小宮山勇 遠嶺 200412
山の辺の刈田の道の万葉碑 井上有利子 草の花 200412
鎌を研ぐ刈田二枚の先に山 小林輝子 風土 200412
下校児と道連れとなり刈田風 三浦てる 風土 200412
人去りて夕日のあそぶ刈田かな 林裕子 風土 200501
お日様が山に腰かけ刈田道 芝宮須磨子 あを 200501
天つ日へ刈田平らとなりて謝す 鷹羽狩行 200501
遠望の白衣観音大刈田 佐藤玲子 春燈 200501
戻りにはいつもの会話遠刈田 北川孝子 京鹿子 200501
いしぶみのひとりぼつちや刈田風 得田武市 河鹿 200502
ハングライダーの女降り立つ刈田かな 青山悠 200502
嫁取や刈田へ響く木遣唄 藤原千代子 万象 200502
水湛ふ余呉湖刈田の只中に 佐野芳子 築港 200502
刈田越し寺の白塀一文字 藤田かもめ ぐろっけ 200502
群雀刈田に降りて失せにけり 林敬子 酸漿 200503
バルーンの影が刈田に混み合へり 遠野萌 200504
どこまでも匂い残して刈田かな 小塚嘉人 200504
意図に反して刈田みち辿るなり 伊藤白潮 200510
月光の行きわたりける刈田かな 岡本眸 200510
驚きの細身となりて刈田の鷺 鷹羽狩行 200511
五六羽の雀遊びし刈田かな 佐古寛一郎 築港 200511
三井の鐘近江の刈田へ韻くなり 伊藤やゑ 四葩 200512
口能登の刈田時雨を急ぐかな 能村研三 200512
忙しなく刈田の匂ひまとひ来し 吉田康子 火星 200512
過疎すすむ夜の刈田を匂はせて 長沼三津夫 200512
わが影を夕日にあづけ刈田道 小澤純子 200601
豊浦(とゆら)宮跡てふ刈田広がれり 河合佳代子 栴檀 200601
秋津島刈田の日暮れ早きかな 河合佳代子 栴檀 200601
刈田いま雨脚ながき通夜支度 戸田和子 200601
知らぬ間に刈田となりて煙りをり 山村修 酸漿 200601
石斧石鏃支石墓そして大刈田 柴田佐知子 200601
刈田風姿勢正して歩きけり 浜田はるみ 遠嶺 200602
刈田道影ながながと下校の子 山本敦子 万象 200602
落日の刈田に鷺の吹かれ佇つ 下平しづ子 雨月 200602
晩鐘の余韻の中の刈田かな 安達風越 雨月 200602
夕焼の日矢の射し入る刈田かな 安達風越 雨月 200602
群雀たわむれている刈田かな わかやぎすずめ 六花 200602
群すずめ遠く刈田を飛び立たん わかやぎすずめ 六花 200602
刈田もう命宿してをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200611
落魄に似たり刈田の打ちつづく 藤井昌治 200611
麩のかるさ虫とび刈田はれやかに 中山純子 万象 200612
遠刈田煙沈めて暮れゆけり 間宮陽夫 馬醉木 200612
国盗りのやうに刈田の増えてをり 濱上こういち 200612
みちのくの星の近づく刈田かな 神蔵器 風土 200612
砥石借りに刈田を踏めばやはらかき 南うみを 風土 200612
一枚の刈田に群るる雀かな 矢崎暉文 酸漿 200612
街道の白じろ佐久は刈田晴 村上光子 馬醉木 200701
雀まだ群れをたのしむ刈田かな 見田英子 春燈 200701
山あひの刈田は子らの運動場 尾崎貞 春燈 200701
御詠歌の長き葬列刈田道 勝見玲子 200701
朝光の鴉が一羽新刈田 今井松子 遠嶺 200701
刈田より刈田へ朱き橋渡る 山田暢子 風土 200701
関山を砦となして刈田かな 門伝史会 風土 200701
大刈田むかし敵の矢味方の矢 柴田久子 風土 200701
看板の長き脚見ゆ大刈田 柴田久子 風土 200701
雲が雲追ひ行く速さ大刈田 松原智津子 万象 200702
千枚の刈田となりし波の音 高村俊子 万象 200702
沿線の刈田へ雨後の荒日射 坪井洋子 200702
つむりてもあをぞら見ゆる刈田かな 冨田正吉 200702
山裾の日射し落着く刈田かな 伊藤奈津 200702
稲の香のなほさすらへる刈田かな 長山あや ホトトギス 200703
加賀の国百万石の刈田かな 浅野恵美子 酸漿 200705
嶺々残照刈田に暮色ゆきわたり 竹貫示虹 京鹿子 200711
図書館の本をかざして刈田道 齋藤厚子 200712
落日や刈田を覆ふ稲架の影 浅野恵美子 酸漿 200712
鐘の音のひびく夕ベの刈田かな 浅野恵美子 酸漿 200712
ふるさとや畦をみどりに刈田原 伊藤一枝 酸漿 200712
まほろばの払田柵跡刈田晴 須賀敏子 あを 200712
舟小屋へ刈田の匂ふ日暮かな 初瀬啓子 200712
箱植のわが田刈田となりにけり 阿部ひろし 酸漿 200712
靴紐を結び直して刈田道 鈴木阿久 200801
葬送や峡の刈田に水溜り 高尾豊子 火星 200801
近江路も越路も雨の刈田かな 奥田順子 火星 200801
をちこちに轍の交叉して刈田 飛鳥由紀 200801
刈田道見渡しにあり百舌の声 柿崎寿惠子 酸漿 200801
代々の牛馬を埋めし刈田の辺 竹内弘子 あを 200801
夕日射す刈田の里の旅愁かな 北尾章郎 200802
絵本より雲の一朶や新刈田 大村真佐子 遠嶺 200802
刈田晴鳧のつきたる世事一つ 小山徳夫 遠嶺 200802
風鐸にからむ野の風刈田風 和田照海 京鹿子 200802
遠き日の見ゆる空あり大刈田 奥田筆子 京鹿子 200802
交替の雀の来たる刈田かな 梶浦玲良子 六花 200802
遠くまで刈田広がる豊かさよ 大山妙子 酸漿 200803
夕映の刈田静に暮れゆけり 大山妙子 酸漿 200803
雲間より日矢降臨す大刈田 竹貫示虹 京鹿子 200810
黄昏れて刈田の煙なつかしき 三川美代子 200812
刈田野に赤き道なす彼岸花 駒井のぶ 200812

鄭燮「草書蘇軾詩文軸」

風格の飛白を詩に刈田空

小澤克己 遠嶺 200812
刈田はや蘇るごと青みたり 鈴木阿久 200812
はぐれ朱鷺一羽刈田に休みをり 佐藤三男 万象 200812
刈田道ゆつくりと父戻りたる 高倉和子 200812
茜雲映す刈田の潦 田村園子 200901
赤米の刈田遺跡のたそがれどき 中山純子 万象 200901
刈田に雨昼を灯して蕎麦処 北川孝子 京鹿子 200901
比叡より雲おりてくる夕刈田 北川孝子 京鹿子 200901
筑波なる男峰女峰や刈田風 廣瀬雅男 やぶれ傘 200901
突然に刈田の煙捩れけり 丑久保勲 やぶれ傘 200901
鍋鶴来る町の刈田の広々伸ぶ 松崎鉄之介 200901
刈田すでに子等の球場バット振る 上原朝子 200902
八年の歳月刈田風の中 山田暢子 風土 200902
刈田 →3      

 

2020年12月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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