稔り田     74句

稔田やよく笑ふ旅して足れり   獅子倉かずえ   ザ・俳句

秋の田  稔り田  刈田  冬田  枯田

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋の田の稔り豊かに北陸路 林田加杜子 いろり 199910
出雲路や稔り田刈田となりあひ 鷹羽狩行 199911
稔り田の一群の墓取り囲む 大橋敦子 雨月 200111
車田といふ早稲の田の稔りかな 大橋克巳 俳句通信 200111
余り苗のまま稔田のひとところ 田中英子 火星 200112
稔田の中に祝がるる誕生日 望月末夫 百鳥 200112
稔田を襲ふ雀の雨と降る 小野タマ枝 酸漿 200201
稔田に出臍のごとく陪冢は 河村泰子 ぐろっけ 200201
稔田を入れてたくみの里といふ 佐野まさる 百鳥 200202
稔り田の香の広がれる夜空かな 千代田葛彦 馬醉木 200211
雨にさへ歓喜の色よ稔り田は 林翔 200211
稔り田に風のスケッチ渦を巻く 島純子 ぐろっけ 200212
稔田を風車の羽根の影が過ぐ 中山世一 百鳥 200212
猪垣を跨いで稔り田に入りし 今瀬剛一 対岸 200310
稲稔る熔岩を抱へし棚田かも 浜明史 風土 200311
稔り田の関東平野北を指す 北村香朗 京鹿子 200401
稔田のほとりに祀る唐の神 佐野美智 200401
稔り田に畦あり人の歩きをり 今瀬剛一 対岸 200411
稔り田の密集は土見せぬかな 今瀬剛一 対岸 200411
稔田や雲のとけゆく鳥海山 卜部黎子 春燈 200411
片富士の稜線にあり田の稔り 永田二三子 酸漿 200412
稔田の雨に明るし高麗の里 中里カヨ 酸漿 200412
稔田の黄金につづく海青し 鈴木良子 酸漿 200412
稔り田へ風やはらかし素十の忌 竪ヤエ子 春耕 200412
父よ黄泉はこの稔田の明るさか 田所節子 涼しき嵩 200511
濃く淡く稔田眼下に整然と 安藤時子 200511
実り田の呆然たるは案山子たち 今瀬剛一 対岸 200511
稔り田を二輛編成電車ゆく 柴田毅 築港 200512
稔り田の中の一駅群雀 水谷とく 築港 200512
稔田に青鷺の頭の見え隠れ 宝玉トシ子 200611
稔田や白雲裾に朝の富士 島崎勇作 酸漿 200611
稔田やゴッホの如き男立つ 田下宮子 200612
稔り田のうやむやとなり天狗風 藤井寿江子 馬醉木 200612
送電線追ひ稔り田の里を得る 松本鷹根 京鹿子 200612
稔り田やさびしきものら群れをなす 定梶じょう あを 200712
稔り田に金色の綾風の道 石田玲子 200801
民営化の郵便夫来る稔り田を 上田明子 雨月 200802
神稲田さもありなむの稔りかな 本城布沙女 雨月 200805
稔田となるも近しと見し旅路 稲畑汀子 ホトトギス 200808
穂をたわめ稲田の稔りゆきにけり ことり 六花 200809
稔り田を見渡す丘の六地蔵 斉木永久 馬醉木 200811
稔田をひと旋回し朱鷺離る 佐藤三男 万象 200812
稔り田といふを見てをる車窓かな 阿部ひろし 酸漿 200812
学校の箱田の稲の稔りけり 長田秋男 酸漿 200901
鷹揚に波打つものよ稔田は ことり 六花 200910
稔田の散居を抱く日和かな 高畑信子 遠嶺 200912
稔田に主待つ猫座りをり 井関祥子 酸漿 200912
稔り田の彩で見通す里住まひ 松本鷹根 京鹿子 201001
魚沼の刈田稔田それぞれに 安藤久美子 やぶれ傘 201001
稔る田の中に点在屋敷林 長谷川たか子 酸漿 201012
稔田に隣る刈田よ穭田よ 水野加代 万象 201102
稔田へ太鼓打ちゆく祭衆 山田春生 万象 201110
稔田に雨風強し腕をくむ 男澤榮男 末黒野 201112
実り田の横にやすらぐ刈田かな 高橋将夫 201112
稔り田の鯉追ひ上げて落し水 木内博一 春燈 201212
列車行く四方稔田の大矩形 上谷昌憲 201312
稔り田の畦走り行く半被の子 山本とく江 万象 201312
稔り田を見廻る夫に蹤く歩調 松本鷹根 京鹿子 201411
稔り田の風遊びをるひとところ 鎌田光恵 201411
稔田と休耕田の視野の風 長崎桂子 あを 201412
どこまでも続く稔り田遠赤城 山本無蓋 201611
稔り田の大きうねりを右ひだり 宇都宮敦子 201611
稔り田の風に米寿の背を正す 松本鷹根 京鹿子 201612
稔り田の車窓明るし里近し 赤岡茂子 春燈 201612
稔り田の匂纏ひて戻りけり 大内幸子 六花 201701
山下りて稔り田の中出湯かな 須賀敏子 あを 201712
空港は稔田のなか尾翼見ゆ 丑久保勲 やぶれ傘 201711
稔田の黄金ほめきに浮かされる 松本鷹根 京鹿子 201801
稔り田が塞き止めてゐる山崩れ 加藤みき 201812
稔り田の日に焦がれたる匂ひかな 藤生不二男 六花 202101
稔り田に風の行方の残りをり 藤生不二男 六花 202112
稔り田を眼下一望瑞穂かな 小島昭夫 春燈 202201
稔り田に四基の墓石まとまりて 赤座典子 あを 202210
手賀沼の傍の稔り田鷺一羽 中内敏丸 202211

 

2023年9月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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