地 震 4     100句

使ひゐる春の地震のあとの箸    本橋愛子

地震  余震  津波  震災  原発・原子炉

作品
作者
掲載誌
掲載年月
旅立ちの戸口に地震秋暑し 神田惣介 京鹿子 201503
寒の月煌煌として地震の浜 松嶋一洋 201504
地震の神も聞し召せとや踏歌祭 浅井青二 雨月 201504
惨状の地震のあとにも犬ふぐり 村上美智子 雨月 201505
戦火に耐へ地震にも耐へし雛飾る 石谷淳子 雨月 201505
待春や王子迎へし地震の町 田中信行 201506
地震過ぎて雪あはあはと鯉浮きぬ 相沢有理子 風土 201506
春の地震カトマンズの友無事であり 赤座典子 あを 201506
蛇穴を出て地震点鬼簿を確かめる 鴨下昭 201507
裸子の地震に怯えて抱きつかる 諸戸せつ子 春燈 201508
地震予告もう間に合はぬ蝉の羽化 鴨下昭 201508
地震噴火憂ひの種や梅雨に入る 鈴木セツ 201508
颱風に地震に耐へぬく松林 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
地震過ぎてもやんと暑くなりにけり 久染康子 201509
天心も地震原発も夏怒濤 高橋道子 201509
地震の揺れまたくる夜の桜かな 大崎紀夫 虻の昼 201510
広島忌夕地震はしり締めくくる 渕上千津 201510
ひと揺れの地震の目覚めや命冷ゆ 和田政子 201511
地震に覚め孤独のつのる秋の夜 塩千恵子 201511
葉桜の深夜をののく地震なりき 久保東海司 風鈴 201512
露坐仏に地震の記憶や白芙蓉 小林和世 201511
新米を炊きをり突と地震来る 田中臥石 末黒野 201512
賀状受くしみじみと地震二十年 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
地震語り年尾語りて春を待つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
地震予知したる泥鰌や鍋さわぐ 成瀬櫻桃子 春燈 201601
地震の罅か地紋か石碑冷えてをり 中根美保 風土 201602
雪しんしん早寝と決めし夜半の地震 水原春郎 馬醉木 201603
松の花二十年てふ地震の痕 稲畑廣太郎 ホトトギス 201604
列島に大地震頻り菊根分 藤原照子 201606
地震の日も今日も爛漫花ミモザ 手島南天 万象 201607
地震に城崩れし町の花は葉に 石田きよし 201607
地震止まず囀りも又祈りめく 頓所友枝 201607
地震の土手割れて土筆の寸足らず 石崎浄 風土 201607
またも地震夜ざくらの香音立てて 伊藤希眸 京鹿子 201607
春愁の最中の地震に落ち着きを 杉山はつ江 京鹿子 201607
大地震や天ぷらうどん柿若葉 瀬川公馨 201607
地震(なゐ)の尾が見え隠れする海市かな 柳川晋 201607
あかときの地震に揺れをり涅槃像 犬塚李里子 201607
一瞬の人智超えたる春の地震 荻布貢 201607
蛇穴を出でてたちまち地震に遭ふ 松田明子 201607
崩れゆく城まざまざと春の地震 山内碧 201607
西海道地震止まぬまま夏に入る 赤座典子 あを 201607
続きゐる地震の合間に耕せる 山下しげ人 ホトトギス 201608
地震続く町に生まれてをりし蠅 山下しげ人 ホトトギス 201608
地震続き蝌蚪に手が生え足が生え 山下しげ人 ホトトギス 201608
小さき地震ひとり静は花ゆらす 富永小谷 馬醉木 201608
強き地震いつかまた来る蟻の列 富永小谷 馬醉木 201608
短夜や幾度も地震にとび起きて 滝澤千枝 春燈 201608
葉桜や画廊の隅の地震計 門伝史会 風土 201608
ひたすらに祈る他なき春の地震 西住三惠子 201608
おとうとへ地震見舞ひの甚平かな 田代民子 201608
火の国の地震いつまで花は葉に 田中臥石 末黒野 201608
遠き地の地震を痛むや春騒雨 菅野日出子 末黒野 201608
地震誰も気づかず酔へり仏生会 福島せいぎ 万象 201608
春の地震清正の城崩すとは 大島寛治 雨月 201608
囀に地震の神鎮まり給へ 岩岡中正 ホトトギス 201609
一身を貫く地震や新樹冷 岩岡中正 ホトトギス 201609
地震の空整然として鳥帰る 岩岡中正 ホトトギス 201609
地震続く地にも新緑なる未来 石川多歌司 ホトトギス 201610
火の星の大きく涼し地震のあと 深川淑枝 201610
初蝉をいまだ聞かずや地震しきり 佐々木秀子 201610
千余回地震に揉まれしトマト食ぶ 相良牧人 201610
縁先に蝶来る地震のニュースまた 安原葉 ホトトギス 201611
大地震の前ぶれならむ蜻蛉涌く 志方章子 六花 201611
地震あとの辻に人寄る地蔵盆 松田明子 201611
灼け石に手を置けば地震の記憶 岩岡中正 ホトトギス 201612
地震の地のゑのころ草としで吹かれ 岩岡中正 ホトトギス 201612
夏山に再三再四地震振れる 今井千鶴子 ホトトギス 201612
さくらさくら白きさくらや地震の年 大坪景章 椿垣 201612
地震津波憲法九条法骼 佐藤喜孝 あを 201701
地震あとの因幡伯耆に冬来る 今井充子 201702
朝の地震波動ゆるりと返り花 岡山敦子 京鹿子 201702
瓢箪の強きくびれや朝の地震 岸洋子 201702
田に戻る当てなき枯野地震の郷 佐藤澄世 馬醉木 201703
小雪やこころ波立つ朝の地震 石黒興平 末黒野 201703
地震跡の錆深みゆく波止寒し 三輪温子 雨月 201703

 「松の花」八百号

惜春の旅路よ地震の遠くとも

稲畑汀子 ホトトギス 201704
旅暮春地震の報道聞くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201704
地震の地に春めく日和あらまほし 稲畑汀子 ホトトギス 201704
惜春や地震の記憶の甦る 稲畑汀子 ホトトギス 201704
なほつづく地震のニュース春の暮 稲畑汀子 ホトトギス 201704
惜春の心となつて地震のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201704
地震のこと人事ならず春の逝く 稲畑汀子 ホトトギス 201704
あたたかきことがせめてと地震の地に 稲畑汀子 ホトトギス 201704
冬蝶の地震の石にもすがりゐる 岩岡中正 ホトトギス 201705
約束の仔猫貰はる地震のあと 中川句寿夫 ここのもん 201705
地震後の大きな迂回残る雪 平澤侃 末黒野 201705
地震越えて来し友迎へ五月晴 稲畑廣太郎 ホトトギス 201706
松手入地震の記憶も新たなる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
墓いまだいつも後から地震学者 直江裕子 京鹿子 201709
地震越えてこその桜と思ひけり 岩岡中正 ホトトギス 201709
松手入地震の記憶も新たなる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
地震のなきことが何より桜餅 岩岡中正 ホトトギス 201710
身に入みて聞く地震のこと今昔 稲畑汀子 ホトトギス 201710
身に入むや地震の報道聞きながら 稲畑汀子 ホトトギス 201710
台風に地震地球は元気なり 高橋将夫 201712
地震跡の一劃冬の草青し 三輪温子 雨月 201804
地震あとの癒えぬ傷口隙間風 佐津のぼる 六花 201805
沈丁の鞠花はじき地震去りぬ 伊藤希眸 京鹿子 201806
地震の傷に山焼の火のとぎれたる 吉田葎 201807
紫陽花の青い迷宮地震かすか おーたえつこ 201809
地震あとのガラスのビルや日雷 中田禎子 201809
地震あとの夏鶯の常のこゑ 橋本順子 201809
花木斛散り零るる地地震に揺れ 山田由利枝 雨月 201809
夏燕地震あとの空切って飛び 山田由利枝 雨月 201809
窓を打つ南風にも怯ゆ地震の後 金森信子 雨月 201809
大阪城も揺れゐる地震や梅雨晴れ間 金森信子 雨月 201809
梅雨の傘傾け地震の話など 樺山翠 雨月 201809
西瓜へ刃入るる一瞬地震走る 吉田政江 201809
夏蒲団被ってすぐに地震来る 林田麻裕 201809
地 震 →5

 

2021年4月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。