(草苺・野苺・苗代苺)      196句

苺の皿へ母招じくる何歩ぞや   中村草田男   現代俳句

いちご    木苺  桑苺・桑の実  蛇苺 春苺 冬苺

作品
作者
掲載誌
掲載年月
苺紅らむ狼谷戸の入口に 神蔵器 風土 199807
苺買ひ牛乳ちち忘れたる迂闊かな 能村登四郎 199907
不揃ひの久保農園の苺買ふ 辻享子 ヒッポ千番地 199908
不揃な苺の八粒飾り鉢 小田元 船団 199909
野苺にかしぐ石みな遍路の墓 品川鈴子 ぐろっけ 199909
指こはばる掌に草苺盛るほどに 細野恵久 ぐろっけ 199909
赤ちゃんの苺の唇プワプワと 川副民子 船団 199912
塾の子ら見向かず苗代苺熟れ 新井田操 酸漿 200008
言ふなれば苺は母の匂ひする 渡辺俊子 京鹿子 200008
汝もまたずんぐりむっくり苺美味 水野範子 ぐろっけ 200008
愛の二人音なく苺喰べ終る 阿部寒林 200010
懐かしさ同じにしたる苺は二つ 金子皆子 海程 200102
海の眺めたのしみ石垣苺摘む 宮津昭彦 200102
素通りの出来ず二月の苺買ふ 伊藤セキ 酸漿 200104
月よりも星のしづくの苺摘む 神蔵器 風土 200107
野苺をつむ間の夫を佇たせけり 伊藤多恵子 火星 200108
大頭苺のケーキ二つ買う 小田元 船団 200108
野苺や一湾に散る灯のごとく 藤井圀彦 200108
地熱りのみやま苺を摘みをりぬ 奥田節子 火星 200109
大福の中より現れし苺かな 浜麻衣子 六花 200109
貝殻置く畑の地境苺摘む 中山砂光子 200109
洗ひあぐ苺にはじけ厨の灯 綿谷美那 雨月 200206
小さくも鉢の苺のふたつみつ 市川伊團次 六花 200207
街はまだよごれぬ時間苺買ふ 山中宏子 200208
明日よりも昨日探して苺食ぶ 吉田多美 京鹿子 200208
摘み立ての苺に山羊の乳しぼる 関章子 百鳥 200209
黙々と苺つぶして仲直り 三上冨佐子 ぐろっけ 200209
半分に切りし苺を試食せり 常坂幸次郎 帆船 200210
跳ね上がる苺のへたと寝ぐせ髪 小阪律子 ぐろっけ 200210
冴え冴えと苺の映ゆる夜の卓 松村富子 200304
男子寮苺畑の中にあり 須佐薫子 帆船 200305
指さきにひそむ魔性や苺摘 小田司 馬醉木 200307
ハミングは小諸馬子唄苺煮る 宮入河童 200308
頬張りし苺日向の味がする 奥村光子 築港 200308
菜園に苺実らせ病まれけり 藤原照子 200309
慌てても句は作られず苺食ぶ 北川詠子 ぐろっけ 200309
老犬は犬を忘れて苺食む 橘沙希 月の雫 200404
苺ケーキ回転扉を出てきたる 秋千晴 200405
粗結びして子に渡す苺箱 長谷川鉄夫 200406
媚びること拒み苺のヘタを出す 森田子月 ぐろっけ 200407
母と子の対話苺をつぶしつゝ 栢森定男 風よ 200407
プチケーキの苺はふばる誕生日 竹内悦子 200408
初生りの苺ふた粒遠忌かな 吉田島江 火星 200409
雨粒のはじけさうなり草苺 東芳子 酸漿 200409
ひとくちで食べられないよこの苺 ことり 六花 200409
実習の中学生から苺買ふ 津田霧笛 ぐろっけ 200409
持ち上げし底確かめて苺買ふ 小阪喜美子 遠嶺 200410
ころころと雉の子駆くる苺畑 大坪景章 万象 200412
冗舌になりたる妻と苺狩り 梅村五月 栴檀 200505
苺摘胃の腑が待つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506
苺一顆安心あんじんのいろありにけり 雨村敏子 200506
苺食ふ少し眉根に皺寄せて 石渡雁聲 築港 200506
幼稚舎の飾り威の苺園 藤居長治 築港 200507
あすか村朝摘み苺ルビーの名 河合佳代子 栴檀 200508
蘇は何と問はるる苺買ふ人に 河合佳代子 栴檀 200508
苺ジャム吹きこぼれさう電話鳴る 金川眞里子 百鳥 200508
朝摘みの苺片手に余るほど 沢田清子 200509
里苺芬々句座の手皿盛り 丸山冬鳳 京鹿子 200509
野苺を摘みつ湖畔の朝歩き 井手由紀江 築港 200509
野苺が止めたる腰の歩数計 二階堂妙子 河鹿 200510
苺盛り分けては九九を覚える児 山元志津香 八千草 200512
踏み入らぬ庭に野苺てんてんと 中村禎子 八千草 200512
もみぢ苺原生林を鏤めし 辻恵美子 栴檀 200601
苺食うべ誰かれのうへ言ひ別る 相馬黄枝 200604
海想へば夢結ばるる眼に苺 八田木枯 晩紅 200606
主任医師若し苺の話など 柳生千枝子 火星 200606
鍵善の苺潰して別れけり 深澤鱶 火星 200606
苺喰ぶる眼差し濡れてわれに向く 瀧春一 瓦礫 200606
はや出でし春の苺を供へけり 小池槇女 火星 200607
赤の檢束ありしは昔苺食ぶ 大橋敦子 雨月 200607
草苺藩主の墓の居並びて 宮津昭彦 200607
昇降機苺の匂ふ人の来る 小黒加支 酸漿 200607
苺摘む素人農夫の痩せ棚田 廖運藩 春燈 200608
小糠雨手すさびに煮る苺ジャム 池田光 200608
苺摘小さな問いを幾つ出す 瀬下るか 200609
畑の苺一粒たりとも無駄にせじ 大塚初江 200609
丹念に苺を摘める夫の根 植村よし子 雨月 200609
苺熟れ紅のとがりの恋はじめ 松本鷹根 京鹿子 200610
牧神の午後の笛吹く草苺 伊藤白潮 200706
草苺摘みては食みて味はへり 宇田紀代 200710
今もなほ十指すこやか苺煮る 上柿照代 馬醉木 200807
万葉の地の育くめる苺かな 宮田香 200808
絵手紙の苺はみ出て届きけり 上原朝子 200808
苺売明日香の甍遠見せる 深澤鱶 火星 200808
甘王の名に天晴の苺かな 大橋敦子 雨月 200808
野苺の藪となりたり古戦場 佐野和子 万象 200809
野苺を時につまみて畑仕事 谷秀子 春燈 200810
現世や苺つぶせばもも色に 荒井千佐代 200810
歯に当てて紅ほとばしる苺かな 宮平静子 雨月 200901
血の色となりし苺や登四郎忌 荒井千佐代 200901
苺潰す回想苦きこともあり 田中藤穂 あを 200906
一畝を五歳児と競る苺摘み 和田政子 200907
甲賀流忍びの裔の大苺 松岡和子 200908
少年の秘密の谷間草苺 柳川晋 200908
腸渫ひ止血ふつ日の皿苺 禰寝瓶史 京鹿子 200908
朝露の縁をかこめり苺の葉 阿部文子 酸漿 200909
擦り寄りて犬が挨拶草苺 高橋ひろ 万象 200910
野苺を摘んで持ちゆく回覧板 高倉恵美子 200910
出荷待つ苺の苗の濡れてをり 小林朱夏 201006
なにもない日なり苺のへたに花 甲州千草 201006
野苺を食べゐる種の音立てて 山田六甲 六花 201006
傷つくも癒やすも言葉花苺 岡佳代子 201007
誕生日忘るる我に苺の朱 小山ミツ子 末黒野 201007
敷き藁の吹かれてゐたる花苺 根橋宏次 やぶれ傘 201007
敷藁のぬくもりうけて花苺 青木陽子 酸漿 201007
苺出て野球ゲームを中断す 和田郁子 201009
老とてもえいつと苺ジャムの蓋 泉田秋硯 201008
陶器市農夫訥々苺売る 生井慶子 万象 201008
おすずてふ大きな苺選び買ふ 塩出眞一 ぐろっけ 201008
ほどほどの隔て大事や苺食む 荒井書子 馬醉木 201009
虫喰ひの苺ありけり藁莚 天野美登里 やぶれ傘 201009
吾に植ゑ呉れし一畝苺摘み 鈴木浩子 ぐろっけ 201009
地下水の耳立ててをり苺狩 梶浦玲良子 六花 201009
悔残る青の時代や草苺 山田正子 201010
苺けふ廉ければ一家にて賞す 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
野苺やひとりの想ひ凝らす径 藤原若菜 春燈 201107
苺食ぶ楽しさ心燃え来る 大橋敦子 雨月 201107
諾否なく苺を潰す銀の匙 田中芳夫 201108
グライダー苺畑に落ちにけり 高倉恵美子 201108
苺煮てひねもす甘き香の中に 永塚尚代 ぐろっけ 201108
此のごろはよく泣くのです紅苺 山口ひろよ 201108
苺このつぶつぶが種とは知らず 定梶じょう あを 201109
天窓より光のシヤワー苺盛る コ田千鶴子 花の翼 201111
苺狩ショパンの曲の流れをり 松下八重美 夢見の鐘 201203
眼科医を出でて真赤な苺買ふ 滝澤千枝 春燈 201207
苺ジャム煮つめてをれば母訪ひ来 杉浦典子 火星 201207
苺食ぶ次の苺に眼のとんで 神蔵器 風土 201208
苺ジャム途中のままに入院す 三木千代 201208
手秤のまこと大まか苺売る 柴田佐知子 201209
団欒の苺ミルクや匙の数 柿沼盟子 風土 201209
秘めごとの二つや三つ熟れ苺 三枝邦光 ぐろっけ 201209
モーツアルトに眠る苺の甘き世に 塩貝朱千 京鹿子 201305
苺つぶすひと日の不満口にせず 藤見佳楠子 201307
昼食に大きな苺誕生日 高倉恵美子 201405
野苺にちらと脇目をふりにけり 山田六甲 六花 201406
諍ひはまづここまでよ苺つぶす 粟倉昌子 201408
表紙には夢二の苺日記帳 森理和 あを 201502
舌の上の春の苺の甘きかな 田中臥石 末黒野 201505
空一杯星の数ほど苺食ぶ 大日向幸江 あを 201505
花苺ちよつと得意に伊達眼鏡 井上静子 201505
女子寮の朝摘み苺みなつまむ コ田千鶴子 馬醉木 201506
ふりいでてしろき雨脚苺喰ふ 木下夕爾 春燈 201508
湿りたる崖に手をあて苺摘む 笹村政子 六花 201508
幼子の口をすぼめて苺食ぶ 堀井英子 雨月 201509
患者食苺三粒に和みたる 堀井英子 雨月 201509
石垣苺魔女となりゐて摘みにけり 犬塚芳子 201607
辰雄忌や人なき庭の草苺 岩永はるみ 春燈 201608
ベランダの苺は鵯に食はれけり 岩崎眉乃 万象 201610
向き合うて苺つぶせし妻は亡し 木村享史 ホトトギス 201612
うっふふふ苺を雪が包む夜 坪内稔典 船団 201612
欠落の昔補ふ苺菓子 高木晶子 京鹿子 201706
苗代苺水車は軋みはじめけり 岡田史女 末黒野 201708
概念の壊さるるもの白苺 江島照美 201708
青空に苺泥棒してしまう 波戸辺のばら 201709
麺麭にバター苺にミルク滴らせ 玉置かよ子 雨月 201708
仕合せの声に頷き苺食ぶ 長谷川信也 万象 201709
苺摘み年を当て合ふ児と爺 岩上行雄 末黒野 201709
すれ違ふときの一声草苺 宇都宮敦子 201709
いよよ明日手術苺をつぶしをり 中田みなみ 201709
いずれ死はほのあかくなる苺 原ゆき 船団 201805
その中に一寸すつぱい苺あり 稲畑汀子 ホトトギス 201806
半分はケーキに残す苺かな 稲畑汀子 ホトトギス 201806
つまみては又つまみては苺かな 稲畑汀子 ホトトギス 201806
割り算で分けて余りとなる苺 小林朱夏 201806
あつさりと乳離れの女児苺吸ふ 森なほ子 あを 201806
匙の背に丸く潰されゆく苺 きくちきみえ やぶれ傘 201807
しあわせは食べ放題の苺狩り 須賀敏子 あを 201807
胸元に吊してみたき露地苺 贄田俊之 やぶれ傘 201808
交響詩モルダウ苺煮えて来し 井原美鳥 201808
スーパーの先づは苺のワンパック 山内四郎 春燈 201810
苺の赤幼き記憶呼びもどす 綱徳女 春燈 201906
苺パフェ似合はぬ席にしばし居る 高木晶子 京鹿子 201907
不揃ひの苺を潰す怒り肩 上谷昌憲 201907
令和成り一番赤き苺買ふ 岡井マスミ 末黒野 201908
五粒づつ仏と分かつ苺かな 野田光江 雨月 201909
苺苗名残りの春を惜しみけり 延川笙子 六花 201909
肩ごしに立ちはだかる死苺食む 直江裕子 京鹿子 201911
もらひ泣きしてをり苺つぶしをり 井上菜摘子 京鹿子 202005
苺煮る自粛自粛の泡ピンク 辻泰子 京鹿子 202008
丹精もせぬ屑苺籠にあふれ 重原爽美 202009
水しぶきあげて苺のつぶされぬ 田丸千種 ホトトギス 202009
決別の苺第二次反抗期 田丸千種 ホトトギス 202009
ヨーグルト庭の苺の三粒入れ 平木三恵子 末黒野 202009
折れさうな金のフォークや苺皿 田丸千種 ホトトギス 202009
野苺のなまあたたかき実を口に 江口恵子 やぶれ傘 202009
野苺や少女に戻つてゆく母よ 仲里奈央 202010
育てても屑苺なり老いの如 重原爽美 202011
てのひらの渇きに苺お好きですか 直江裕子 京鹿子 202105
春苺摘むたびかざす子なりけり 澤田明子 春燈 202107
この頃や苺を潰すことのなき 谷口摩耶 202109
苺つぶす自分が自分嫌になり 松下道臣 202110
幼児の口元見えぬ苺手に 柿原よし子 春燈 202110
苺摘む病持つ子の明るくて 窪みち子 202112
 

 

2022年5月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。