(草苺・野苺・苗代苺)      162句

苺の皿へ母招じくる何歩ぞや   中村草田男   現代俳句

いちご    木苺  桑苺・桑の実  蛇苺 春苺 冬苺

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
苺紅らむ狼谷戸の入口に 神蔵器 風土 199807  
苺買ひ牛乳ちち忘れたる迂闊かな 能村登四郎 199907  
不揃ひの久保農園の苺買ふ 辻享子 ヒッポ千番地 199908  
不揃な苺の八粒飾り鉢 小田元 船団 199909  
野苺にかしぐ石みな遍路の墓 品川鈴子 ぐろっけ 199909  
指こはばる掌に草苺盛るほどに 細野恵久 ぐろっけ 199909  
赤ちゃんの苺の唇プワプワと 川副民子 船団 199912  
塾の子ら見向かず苗代苺熟れ 新井田操 酸漿 200008  
言ふなれば苺は母の匂ひする 渡辺俊子 京鹿子 200008  
汝もまたずんぐりむっくり苺美味 水野範子 ぐろっけ 200008  
愛の二人音なく苺喰べ終る 阿部寒林 200010  
懐かしさ同じにしたる苺は二つ 金子皆子 海程 200102  
海の眺めたのしみ石垣苺摘む 宮津昭彦 200102  
素通りの出来ず二月の苺買ふ 伊藤セキ 酸漿 200104  
月よりも星のしづくの苺摘む 神蔵器 風土 200107  
野苺をつむ間の夫を佇たせけり 伊藤多恵子 火星 200108  
大頭苺のケーキ二つ買う 小田元 船団 200108  
野苺や一湾に散る灯のごとく 藤井圀彦 200108  
地熱りのみやま苺を摘みをりぬ 奥田節子 火星 200109  
大福の中より現れし苺かな 浜麻衣子 六花 200109  
貝殻置く畑の地境苺摘む 中山砂光子 200109  
洗ひあぐ苺にはじけ厨の灯 綿谷美那 雨月 200206  
小さくも鉢の苺のふたつみつ 市川伊團次 六花 200207  
街はまだよごれぬ時間苺買ふ 山中宏子 200208  
明日よりも昨日探して苺食ぶ 吉田多美 京鹿子 200208  
摘み立ての苺に山羊の乳しぼる 関章子 百鳥 200209  
黙々と苺つぶして仲直り 三上冨佐子 ぐろっけ 200209  
半分に切りし苺を試食せり 常坂幸次郎 帆船 200210  
跳ね上がる苺のへたと寝ぐせ髪 小阪律子 ぐろっけ 200210  
冴え冴えと苺の映ゆる夜の卓 松村富子 200304  
男子寮苺畑の中にあり 須佐薫子 帆船 200305  
指さきにひそむ魔性や苺摘 小田司 馬醉木 200307  
ハミングは小諸馬子唄苺煮る 宮入河童 200308  
頬張りし苺日向の味がする 奥村光子 築港 200308  
菜園に苺実らせ病まれけり 藤原照子 200309  
慌てても句は作られず苺食ぶ 北川詠子 ぐろっけ 200309  
老犬は犬を忘れて苺食む 橘沙希 月の雫 200404  
苺ケーキ回転扉を出てきたる 秋千晴 200405  
粗結びして子に渡す苺箱 長谷川鉄夫 200406  
媚びること拒み苺のヘタを出す 森田子月 ぐろっけ 200407  
母と子の対話苺をつぶしつゝ 栢森定男 風よ 200407  
プチケーキの苺はふばる誕生日 竹内悦子 200408  
初生りの苺ふた粒遠忌かな 吉田島江 火星 200409  
雨粒のはじけさうなり草苺 東芳子 酸漿 200409  
ひとくちで食べられないよこの苺 ことり 六花 200409  
実習の中学生から苺買ふ 津田霧笛 ぐろっけ 200409  
持ち上げし底確かめて苺買ふ 小阪喜美子 遠嶺 200410  
ころころと雉の子駆くる苺畑 大坪景章 万象 200412  
冗舌になりたる妻と苺狩り 梅村五月 栴檀 200505  
苺摘胃の腑が待つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200506  
苺一顆安心あんじんのいろありにけり 雨村敏子 200506  
苺食ふ少し眉根に皺寄せて 石渡雁聲 築港 200506  
幼稚舎の飾り威の苺園 藤居長治 築港 200507  
あすか村朝摘み苺ルビーの名 河合佳代子 栴檀 200508  
蘇は何と問はるる苺買ふ人に 河合佳代子 栴檀 200508  
苺ジャム吹きこぼれさう電話鳴る 金川眞里子 百鳥 200508  
朝摘みの苺片手に余るほど 沢田清子 200509  
里苺芬々句座の手皿盛り 丸山冬鳳 京鹿子 200509  
野苺を摘みつ湖畔の朝歩き 井手由紀江 築港 200509  
野苺が止めたる腰の歩数計 二階堂妙子 河鹿 200510  
苺盛り分けては九九を覚える児 山元志津香 八千草 200512  
踏み入らぬ庭に野苺てんてんと 中村禎子 八千草 200512  
もみぢ苺原生林を鏤めし 辻恵美子 栴檀 200601  
苺食うべ誰かれのうへ言ひ別る 相馬黄枝 200604  
海想へば夢結ばるる眼に苺 八田木枯 晩紅 200606  
主任医師若し苺の話など 柳生千枝子 火星 200606  
鍵善の苺潰して別れけり 深澤鱶 火星 200606  
苺喰ぶる眼差し濡れてわれに向く 瀧春一 瓦礫 200606  
はや出でし春の苺を供へけり 小池槇女 火星 200607  
赤の檢束ありしは昔苺食ぶ 大橋敦子 雨月 200607  
草苺藩主の墓の居並びて 宮津昭彦 200607  
昇降機苺の匂ふ人の来る 小黒加支 酸漿 200607  
苺摘む素人農夫の痩せ棚田 廖運藩 春燈 200608  
小糠雨手すさびに煮る苺ジャム 池田光 200608  
苺摘小さな問いを幾つ出す 瀬下るか 200609  
畑の苺一粒たりとも無駄にせじ 大塚初江 200609  
丹念に苺を摘める夫の根 植村よし子 雨月 200609  
苺熟れ紅のとがりの恋はじめ 松本鷹根 京鹿子 200610  
牧神の午後の笛吹く草苺 伊藤白潮 200706  
草苺摘みては食みて味はへり 宇田紀代 200710  
今もなほ十指すこやか苺煮る 上柿照代 馬醉木 200807  
万葉の地の育くめる苺かな 宮田香 200808  
絵手紙の苺はみ出て届きけり 上原朝子 200808  
苺売明日香の甍遠見せる 深澤鱶 火星 200808  
甘王の名に天晴の苺かな 大橋敦子 雨月 200808  
野苺の藪となりたり古戦場 佐野和子 万象 200809  
野苺を時につまみて畑仕事 谷秀子 春燈 200810  
現世や苺つぶせばもも色に 荒井千佐代 200810  
歯に当てて紅ほとばしる苺かな 宮平静子 雨月 200901  
血の色となりし苺や登四郎忌 荒井千佐代 200901
苺潰す回想苦きこともあり 田中藤穂 あを 200906  
一畝を五歳児と競る苺摘み 和田政子 200907  
甲賀流忍びの裔の大苺 松岡和子 200908  
少年の秘密の谷間草苺 柳川晋 200908  
腸渫ひ止血ふつ日の皿苺 禰寝瓶史 京鹿子 200908  
朝露の縁をかこめり苺の葉 阿部文子 酸漿 200909  
擦り寄りて犬が挨拶草苺 高橋ひろ 万象 200910  
野苺を摘んで持ちゆく回覧板 高倉恵美子 200910  
出荷待つ苺の苗の濡れてをり 小林朱夏 201006  
なにもない日なり苺のへたに花 甲州千草 201006  
野苺を食べゐる種の音立てて 山田六甲 六花 201006  
傷つくも癒やすも言葉花苺 岡佳代子 201007  
誕生日忘るる我に苺の朱 小山ミツ子 末黒野 201007  
敷き藁の吹かれてゐたる花苺 根橋宏次 やぶれ傘 201007  
敷藁のぬくもりうけて花苺 青木陽子 酸漿 201007  
苺出て野球ゲームを中断す 和田郁子 201009  
老とてもえいつと苺ジャムの蓋 泉田秋硯 201008  
陶器市農夫訥々苺売る 生井慶子 万象 201008  
おすずてふ大きな苺選び買ふ 塩出眞一 ぐろっけ 201008  
ほどほどの隔て大事や苺食む 荒井書子 馬醉木 201009  
虫喰ひの苺ありけり藁莚 天野美登里 やぶれ傘 201009  
吾に植ゑ呉れし一畝苺摘み 鈴木浩子 ぐろっけ 201009  
地下水の耳立ててをり苺狩 梶浦玲良子 六花 201009  
悔残る青の時代や草苺 山田正子 201010  
苺けふ廉ければ一家にて賞す 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  
野苺やひとりの想ひ凝らす径 藤原若菜 春燈 201107  
苺食ぶ楽しさ心燃え来る 大橋敦子 雨月 201107  
諾否なく苺を潰す銀の匙 田中芳夫 201108  
グライダー苺畑に落ちにけり 高倉恵美子 201108  
苺煮てひねもす甘き香の中に 永塚尚代 ぐろっけ 201108  
此のごろはよく泣くのです紅苺 山口ひろよ 201108  
苺このつぶつぶが種とは知らず 定梶じょう あを 201109  
天窓より光のシヤワー苺盛る コ田千鶴子 花の翼 201111  
苺狩ショパンの曲の流れをり 松下八重美 夢見の鐘 201203  
眼科医を出でて真赤な苺買ふ 滝澤千枝 春燈 201207  
苺ジャム煮つめてをれば母訪ひ来 杉浦典子 火星 201207  
苺食ぶ次の苺に眼のとんで 神蔵器 風土 201208  
苺ジャム途中のままに入院す 三木千代 201208  
手秤のまこと大まか苺売る 柴田佐知子 201209  
団欒の苺ミルクや匙の数 柿沼盟子 風土 201209  
秘めごとの二つや三つ熟れ苺 三枝邦光 ぐろっけ 201209  
モーツアルトに眠る苺の甘き世に 塩貝朱千 京鹿子 201305  
苺つぶすひと日の不満口にせず 藤見佳楠子 201307  
昼食に大きな苺誕生日 高倉恵美子 201405  
野苺にちらと脇目をふりにけり 山田六甲 六花 201406  
諍ひはまづここまでよ苺つぶす 粟倉昌子 201408  
表紙には夢二の苺日記帳 森理和 あを 201502  
舌の上の春の苺の甘きかな 田中臥石 末黒野 201505  
空一杯星の数ほど苺食ぶ 大日向幸江 あを 201505  
花苺ちよつと得意に伊達眼鏡 井上静子 201505  
女子寮の朝摘み苺みなつまむ コ田千鶴子 馬醉木 201506  
ふりいでてしろき雨脚苺喰ふ 木下夕爾 春燈 201508  
湿りたる崖に手をあて苺摘む 笹村政子 六花 201508  
幼子の口をすぼめて苺食ぶ 堀井英子 雨月 201509  
患者食苺三粒に和みたる 堀井英子 雨月 201509  
石垣苺魔女となりゐて摘みにけり 犬塚芳子 201607  
辰雄忌や人なき庭の草苺 岩永はるみ 春燈 201608  
ベランダの苺は鵯に食はれけり 岩崎眉乃 万象 201610  
向き合うて苺つぶせし妻は亡し 木村享史 ホトトギス 201612  
うっふふふ苺を雪が包む夜 坪内稔典 船団 201612  
欠落の昔補ふ苺菓子 高木晶子 京鹿子 201706  
苗代苺水車は軋みはじめけり 岡田史女 末黒野 201708  
概念の壊さるるもの白苺 江島照美 201708  
青空に苺泥棒してしまう 波戸辺のばら 201709  
麺麭にバター苺にミルク滴らせ 玉置かよ子 雨月 201708  
仕合せの声に頷き苺食ぶ 長谷川信也 万象 201709  
苺摘み年を当て合ふ児と爺 岩上行雄 末黒野 201709  
すれ違ふときの一声草苺 宇都宮敦子 201709  
いよよ明日手術苺をつぶしをり 中田みなみ 201709  

 

2018年5月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。