春 寒 8       107句

春寒き空へつき出て避雷針   高島茂

料峭 春寒 凍返る・凍戻る 寒戻る 冴返る 余寒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春寒や鬼神社の鬼留守らしき 木村あさ子 201906
春寒し「既読」にならぬメッセージ 伊吹之博 京鹿子 201906
春寒のソファー凹ます尾てい骨 たかはしすなお 201906
早天をゆさぶる鴉声春寒し 森清信子 末黒野 201906
春寒や鳥目の犬を抱き入れて 小田嶋野笛 末黒野 201906
晩学の書棚に隙間春寒し 外山節子 末黒野 201906
影向の松歳重ね春寒し 植木やす子 201907
キヤンバスに描きかけの絵や春寒し 工藤はる子 201907
春寒し遠くて近き昭和かな 大山夏子 201907
消しきれぬ消しゴムの後春寒し 西村白杼 京鹿子 201907
春寒し日本の地発つ尾翼灯 伊吹之博 京鹿子 201907
励むことあれば春寒など忘れ 木村享史 ホトトギス 201908
春寒くバスの遅るる日暮かな 廣田幸子 末黒野 201908
庭先に栗鼠棲みつきぬ春寒し 鍋島武彦 末黒野 201908
記事いつか来た途に似て春寒し 石原健二 やぶれ傘 201908
結局は春寒かこつ日となりし 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春寒の一日を誘ふ朝の雨 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春寒の旅の予定は控へ目に 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春寒の雨の家居となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202002
早朝の旅の春寒諾へる 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春寒を押して来られし人ばかり 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春寒を伴ひ来たる雨の旅 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春寒くとも明るさを頼りとす 稲畑汀子 ホトトギス 202002
早立ちの春寒ほどけゆきにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202002
留守の戸を開け春寒に踏み入りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春寒を心地よしとも出掛け来し 稲畑汀子 ホトトギス 202003
階を下りるときには春寒き 山田六甲 六花 202003
としまえん閉園ときく春寒し 田中藤穂 あを 202004
没原稿裁断確と春寒し 能村研三 202004
雨も又春寒誘ふ午後となる 稲畑汀子 ホトトギス 202004
先づうがひ手洗ひをして春寒し 森なほ子 あを 202005
春寒し椎は空洞拡げゐて 田中藤穂 あを 202005
塔の反り締める陽光春寒し 藤岡紫水 京鹿子 202005
春寒の橋脚を波高く打つ 天野美登里 やぶれ傘 202005
春寒や漣たちし岬かな 山田佳子 202005
携帯をさがす携帯春寒し 升田ヤス子 六花 202005
春寒の何にも音がしない夜 小山よる やぶれ傘 202005
どの人もコロナのマスク春寒し 田中藤穂 あを 202006
春寒し阿修羅の像の細き腕 田中藤穂 あを 202006
春寒や猫と体温分かち合ひ 平居澪子 六花 202006
春寒し竿竹売りの流し声 善野行 六花 202006
春寒し耐へし客船離岸せり 武田未有 202006
春寒やモルダウにひとつ残置灯 小河原清江 梛の木 202007
春寒や子の手作りのマスクして 菅野日出子 末黒野 202007
誰もまだ知らぬウイルス春寒し 岩岡中正 ホトトギス 202008
一尋の間の隣席春寒し 森清堯 末黒野 202008
年寄ればこんな表情春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 202102
春寒くとも明るさに包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 202102
行き違ひ又行き違ひ春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 202102
欠席の多きを覚悟春寒し 稲畑汀子 ホトトギス 202103
出席を問はぬ春寒なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 202103
自治会のリモート会議春寒し 篠田純子 あを 202104
畝沿ひに残る足跡春寒し 渡邊孝彦 やぶれ傘 202105
春寒の田を山かげの移りゆく 天野美登里 やぶれ傘 202105
春寒料峭山懐の翁の碑 豊谷青峰 春燈 202105
亀石や飛鳥の里は春寒し 豊谷青峰 春燈 202105
今日もまた自粛要請春寒し 瀬戸峰子 春燈 202105
帰る子を送る家路や春寒し 永島雅子 春燈 202105
春寒し開発といふ土地ひろげ 西岡啓子 春燈 202105
春寒や改札口の人の波 佐藤まさ子 春燈 202105
春寒し命の電話こつと切れ 山中志津子 京鹿子 202105
春寒し人まばらなるアーケード 森清信子 末黒野 202105
注射針刺さる誰が肌春寒し 森なほ子 あを 202105
靴紐を結び直して春寒し 大山夏子 202105
何事もなく今日を過ごして春寒し 安齋正蔵 やぶれ傘 202105
春寒の教室に風入れにけり 倉澤節子 やぶれ傘 202105
ドーナツの穴春寒の味かとも 川崎真樹子 春燈 202106
春寒の男の拾ふシーグラス 宮崎洋 春燈 202106
春寒のそらごと目薬頬ながる 直江裕子 京鹿子 202106
春寒し悼む暗さのタワーの灯 安原葉 ホトトギス 202107
老いしとは思うて言はず春寒し 村享史 ホトトギス 202109
もぐら穴あけて人の世春寒し 枇杷木愛 202204
春寒し鐘楼縄でくくらるる 松山三千江 春燈 202205
春寒し痛さ堪ふる膝小僧 種田利子 春燈 202205
春寒料峭目薬の頬つたひ 林昭太郎 202205
春寒や石の芯より石の声 能美昌二郎 202205
木偶二つ三味の音に泣く春寒し 平松うさぎ 202205
春寒や醪つぶやく仕込樽 里村梨邨 202205
春寒の小鍋仕立ての酒の当て 吉村さよ子 202205
電柱に海抜表示春寒く 青谷小枝 やぶれ傘 202205
春寒し部屋に躓くほどコード 瀬島洒望 やぶれ傘 202205
春寒の棺に古き手紙入れ 秋山信行 やぶれ傘 202205
春寒や明日入院と友のこゑ 小林輝子 風土 202205
手の指の強張りなだめ春寒し 橋添やよひ 風土 202205
部員集合春寒の艇庫前 有賀昌子 やぶれ傘 202206
日々増ゆる戦火の犠牲春寒し 山中志津子 京鹿子 202206
百畳の本堂暗し春寒き 大川暉美 末黒野 202206
長長の臨時停車や春寒し 木村純子 末黒野 202206
春寒し戦火の中に生るる子に 山中志津子 京鹿子 202207
春寒し外科医処方の赤き粒 眞田忠雄 やぶれ傘 202208
春寒の朱墨持つ手に重さあり 柴崎和男 やぶれ傘 202208
八十余歳生き春寒く臥石臥す 田中臥石 末黒野 202208
春寒を穂高の駅に惜しみけり 中田みなみ空 202211
春寒のほんに底意地悪しきかな 田岡千章空 202211
春寒の心の中を抜ける風 小川龍雄 ホトトギス 202212
召し出しに応へ春寒解きゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
一人居の恙を託ち春寒し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
春寒や天に召される日も近く 稲畑廣太郎 ホトトギス 202302
薄紅のスカーフきゆつと春寒し 加藤タミ 末黒野 202304
春寒や道に零るる鳥の羽 近藤知子 末黒野 202305
春寒や温き湯呑を手でつつみ 市川夏子 末黒野 202307
頼朝の腰掛け石や春寒し 篠田純子 あを 202304
春寒の陽ざし惜しみて麺干場 石原孝人 京鹿子 202305
妹としばしの別れ春寒し 伊吹之博 京鹿子 202306
春寒し血圧計に腕突つ込み 青谷小枝 やぶれ傘 202308
春寒し自転車灯がふいに点く 小山よる やぶれ傘 202308
春寒し朝の鏡に撥ねし髪 青木朋子 202309
春寒→ 1

 

 

2024年3月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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