花 火 8    200句

花火やむあとは露けき夜也けり   正岡子規

花火 遠花火 手花火 花火殻 花火果つ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
なんでせう花火が簾にかはる実は 八木健 八木健俳句集 201509
花火舞ふ大空に舞ふ幻か 中村高也 末黒野 201509
群衆の顔にひらきぬ大花火 山田六甲 六花 201509
走行の列車で花火浜浮かぶ 森理和 あを 201509
川風の変り初めたり揚花火 兼久ちわき 馬醉木 201510
反り橋のそりきはやかに大花火 平田はつみ 馬醉木 201510
能登の波黙を破りて大花火 松戸岡山敦子 京鹿子 201510
旅寝かな輪島にさかす大花火 児玉有希 京鹿子 201510
狼籍の音を尽くせし花火かな 細川洋子 201510
群衆に夕日さしくる花火前 望月晴美 201510
天に昇り地に落つる心地大花火 岩月優美子 201510
天界に届けと供華の大花火 山田佳子 201510
揚花火終へし川面の深眠り 江澤弘子 201510
どんと花火ベランダの夏盛りなり 井上石動 あを 201510
見通せぬあのビル憎し大花火 斉藤裕子 あを 201510
見通せる空を求めて大花火 斉藤裕子 あを 201510
街角にあがる喚声大花火 斉藤裕子 あを 201510
線香花火闇がながいぞ百日紅 佐藤恭子 あを 201510
涙ともお辞儀とも見ゆ終花火 篠田純子 あを 201510
揚げ花火つぎ待つ闇の深さかな 福島照子 京鹿子 201511
闇の夜やそらは宴の花火刻 南奉栄蓮 風土 201511
菊花火揚がりしあとの匂ひかな 南奉栄蓮 風土 201511
フイナーレは変幻自在大花火 岩下芳子 201511
夕星や喝采下は大花火 後藤マッエ 201511
我が命捨て難きかな揚花火 前田美恵子 201511
大花火樹より湖より鳥翔てり 勝木享子 万象 201511
揚花火待つや宇宙へ目を凝らす 塩川君子 末黒野 201511
揚花火真正面てふ席にゐて 江澤弘子 201511
これでもかこれでどうかと揚花火 石田きよし 201511
人間の口開いてゐみ大花火 高倉和子 201511
手を借りて浮き桟橋の花火かな 佐藤恭子 あを 201511
どどどどと屋敷揺るがす大花火 久保晴子 雨月 201511
するすると火玉上りて散る花火 久保晴子 雨月 201511
感動が喝采となる揚花火 川上恵子 雨月 201511
揚花火息つぐ間なく音と色 川上恵子 雨月 201511
鼠花火逃ぐる方へと転がり来 大石喜美子 雨月 201511
揚花火真正面てふ席にゐて 江澤弘子 201511
これでもかこれでどうかと揚花火 石田きよし 201511
これでもかこれでどうかと揚花火 石田きよし 201511
小気味よき運動会の音花火 池田崇 201512
ぱつたりと友と会ひけり花火の夜 國保八江 やぶれ傘 201512
頭上より火の粉振り来る大花火 國保八江 やぶれ傘 201512
息とめて受継ぐいのち庭花火 宮崎洋 春燈 201512
大花火映して流る信濃川 神田美千留 京鹿子 201512
満月を赤く花火の揚がりけり 今井春生 201512
懸け橋の途中で響く花火かな 佐藤恭子 あを 201511
すぐそこに土浦花火空澄めり 岡野ひろ子 201512
山に見る海上花火弾け散る 嶋田一歩 ホトトギス 201601
花火終へ星空と海ありにけり 嶋田一歩 ホトトギス 201601
花火終へ残りしものに波の音 嶋田一歩 ホトトギス 201601
闇乱打して乱打して揚花火 岩岡中正 ホトトギス 201601
高々と花火は祈りにも似たる 岩岡中正 ホトトギス 201601
花火てふはかなきものを愛しけり 岩岡中正 ホトトギス 201601
鎮魂の花火につづく闇の黙 安原葉 ホトトギス 201601
夜空占むフェニックスてふ大花火 安原葉 ホトトギス 201601
空窪め空飛び出でて揚花火 山田夏子 雨月 201512
極上の地上の花火菊まつり 黒澤登美枝 201601
ワイキキの秋の花火は波に乗り 森田節子 風土 201602
あの土手は友情だった花火の夜 陽山道子 船団 201602
湖に冬さざ波や揚花火 鈴木良戈 201603
生れし子に逢ひに恋めく冬花火 升田ヤス子 玫瑰 201604
四発の花火合図に節分会 山田春生 万象 201605
轟きて雪山照らす大花火 阿部月山子 万象 201605
山ひとつ抱へこみたる大花火 柴田佐知子 201607
友逝けりすみだの花火咲きし日に 秋川泉 あを 201607
寝惜しみて花火の夜でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201608
揚花火消ゆるはかなさ問ふまじく 稲畑汀子 ホトトギス 201608
華やぎは消えてゆくもの揚花火 稲畑汀子 ホトトギス 201608
打ち止めは入江が浮かぶ揚花火 綿谷ただ志 馬醉木 201608
手花火を浜と小舟に競ひけり 渡たみ 馬醉木 201609
手花火に蘇りくる昭和かな 安立公彦 春燈 201609
揚げ花火ほどよいころの仲直り 田邉好美 201609
揚げ花火干潟に孵るこどもたち 火箱ひろ 201609
花火待ついつもの位置に丸太椅子 伊藤紫水 風土 201609
後追ひの音ひゆるひゆると花火玉 吉田政江 201609
遠花火ベンチに母を座らせて 栗原京子 201609
遠花火もうひと花もふた花も 高橋将夫 201609
世の中へぽとりと落ちし線香花火 熊川暁子 201609
揚花火星座動じることもなし 平田はつみ 馬醉木 201610
手花火の尽きてほつほつ寝につきぬ 栗山よし子 馬醉木 201610
夕爾忌や町空に立つ遠花火 安立公彦 春燈 201610
廃校の空へ連打の花火かな 横田初美 春燈 201610
手花火やけむりを追つて児ら走る 佐々木新 春燈 201610
遠花火最晩年の安らぎよ 井上正子 春燈 201610
花火果て星座次第に現るる 永井惠子 春燈 201610
花火果て硬き川面の残りをり 小林文良 春燈 201610
遠花火その後消息絶ゆるひと 鈴木としお 春燈 201610
遠花火特許事務所は十七階 有賀昌子 やぶれ傘 201610
洞爺湖を走る舟より揚花火 本田武 やぶれ傘 201610
ビルの間を花火のために空けておく 窪田佳津子 雨月 201610
滝と落ち落花と降りて大花火 嶋崎豊子 雨月 201610
観客の拍手起こりて花火果つ 嶋崎豊子 雨月 201610
三日月の花火にそっぽ向きしまま 嶋崎豊子 雨月 201610
訪ふ家は線香花火の路地の奥 谷田部栄 万象 201610
大花火殊更昏きところかな 齋藤厚子 201610
遠花火形見の猪ロを使ひけり 足立良雄 201610
金色の光のシャワー揚花火 江澤弘子 201610
膝折ればこどもの視線庭花火 宮内とし子 201611
肩の児を更にせり上げ揚花火 成宮紀代子 201611
群青の夜の帳や花火待つ 須賀ゆかり 201611
橋十余先の港の遠花火 浅井青二 雨月 201611
風上の憾み音無き遠花火 浅井青二 雨月 201611
遠花火小さき嘆声時をりに 浅井青二 雨月 201611
天空に広ぐる花火万華鏡 堀田清江 雨月 201611
精霊といふものありぬ遠花火 本多俊子 201611
息吸つて止めて弾ける大花火 柳川晋 201611
三日月も花火に負けず輝きて 犬塚芳子 201611
遠花火湯上りといふ果報かな 田原陽子 201611
昨日西今日は東の遠花火 笠井敦子 201611
川幅をはみ出し崩る大花火 鎌田光恵 201611
今生の線香花火を継ぎ足して 中島芳郎 201611
手花火に赤い鼻緒の浮かびたる 山田正子 201611
音だけの花火に出窓開きけり 山田正子 201611
神在す森を揺がす大花火 白水良子 201611
花火師の闇を操る影険し 矢野百合子 201611
乱れ打つ音のみ居間に遠花火 松原智津子 万象 201611
ビルの間に消ゆる港の大花火 山ロ千代子 万象 201611
街の灯に囲まれ湾の揚花火 宮本加津代 万象 201611
はじめての花火を持つ子無口にて 松山三千江 春燈 201611
縁台の昔に浸り遠花火 戸田澄子 末黒野 201611
河内野やネオンの果ての淀花火 竹村淳 201612
約束の針千本や遠花火 植田秀子 京鹿子 201612
万人の御霊敬ふ四方花火 岡山敦子 京鹿子 201612
屋根越しに花火大会見てをりぬ 志方章子 六花 201612
砲のごと応ふ裏山揚花火 山口ひろよ 201612
君が好き花火の音に紛らせて 木澤恵司 201612
三日月に糸を掛けたる揚花火 宇都宮敦子 201612
遠花火川原の道の闇ふかく 増田みな子 やぶれ傘 201612
大花火みなとみらいを揺さ振りぬ 石黒興平 末黒野 201612
手花火や開け放たるる里の縁 土田亮 末黒野 201612
静かなる雨に烟るや遠花火 上月智子 末黒野 201612
一天の重くなりたる花火かな 竹下陶子 ホトトギス 201701
山上は満天の星遠花火 安原葉 ホトトギス 201701
手花火のすめば眠たくなつてをり 今橋眞理子 ホトトギス 201701
東京で買ひし花火を荘にきて 大久保白村 ホトトギス 201701
庭花火終り風呂場に子らの声 大久保白村 ホトトギス 201701
星や月遠ざかりたる揚花火 山田閏子 ホトトギス 201701
人生にそんな夜もあり遠花火 今井千鶴子 ホトトギス 201701
指差せば指に乗りたる遠花火 木暮陶句郎 ホトトギス 201702
二人まだ敬語の仲や花火の夜 角野良生 201702
言ひたきは言ひ難きこと遠花火 角野良生 201702
江戸花火とふ紫陽花の白さやか 落合由季女 雨月 201705
遠花火明日はひとりになる二人 加茂達彌 201707
手花火の地に滲むとも弾くとも 広渡敬雄 201708
誌齢祝ぐ音を奏でし大花火 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
旅の帰路花火終つてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201708
忘れゐし花火の夜でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201708
雑踏を抜けて又抜け花火の夜 稲畑汀子 ホトトギス 201708
雑踏に花火の余韻なかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201708
揚花火仰げる水のやうな顔 山田六甲 六花 201708
青空へ花火は音をつぎこみぬ 久保東海司 201709
天界の川にも掲げよ大花火 藤田美耶子 201709
花火師の使ひきつたる夜空かな 吉永すみれ 風土 201709
一瞬に賭け花火師の天深し 吉田政江 201709
片減りの父の庭下駄草花火 ほんだゆき 馬醉木 201709
半夏雨浅間さまの花火ドン 岩藤礼子 やぶれ傘 201709
息継ぐ間あらばや越の大花火 秋葉雅治 201710
おしまひは畦道でみる揚花火 高橋あさの 201710
大阪の淀川花火ラインに咲く 石森理和 あを 201709
大花火ぴくと動きし足の指 鎌田光恵 201710
川も狭に揚花火待つ屋形船 堤京子 馬醉木 201710
花火散る音よ光よ船の上 堤京子 馬醉木 201710
群衆の誰も寂しき揚花火 田中佐知子 風土 201710
しんがりは銀河の芯や大花火 中島陽華 201710
ざわめきの一瞬済えし揚花火 中島昌子 201710
花火の夜不眠鴉のぐずる声 禰寝瓶史 京鹿子 201710
飛行機の近づいてゆく大花火 藤田美耶子 201711
海黒く港に響く揚花火 高田令子 201711
めちやくちやに打ちて果てたる大花火 石田きよし 201711
ひろひろと水面膨るる川花火 数長藤代 201711
裸の大将の貼り絵とおなじ揚花火 原田達夫 201711
空襲に似て花火音轟きぬ 原田達夫 201711
もてなしのぬばたまの闇揚花火 江澤弘子 201711
波音の遠のく打揚花火かな 福永みち子 馬醉木 201711
追憶の遠ざかりゆく花火かな 橋添やよひ 風土 201711
想ひ百ありて一人の庭花火 高村令子 風土 201711
揚花火整然と闇入れ替る 密門令子 雨月 201711
大花火開きて空を広げたり 飛高隆夫 万象 201712
打ち上る花火や迷子アナウンス 藤波松山 京鹿子 201712
飛行機より昼の花火の見えたはず 久保東海司 201801
ゴムボート浜に揚げられ花火鳴る 渡邉孝彦 やぶれ傘 201710
一湾を打揚花火こだませり 田上幸子 万象 201801
寝転んで空は我がもの花火待つ 青木朋子 201712
工作の花火にありし裏おもて 升田ヤスヱ 六花 201712
高原のことしも雨の花火かな 中杉隆世 ホトトギス 201802
揚花火一息ありてひらきけり 角野良生 201801
靴底に砂のざらつく揚花火 井上和子 201802
窓ガラス震はせ大花火極彩 曽根富久恵 201802
天界の川にも揚げよ大花火 藤田美耶子 201808
昼花火空のかたすみ濁しけり 夏生一暁 馬醉木 201808
町内は少子高齢花火の夜 秋葉雅治 201808
神戸港開港記念大花火 稲畑汀子 ホトトギス 201808
待つ人出闇を抱きて揚花火 稲畑汀子 ホトトギス 201808
早寝せしこと悔まるる花火の夜 稲畑汀子 ホトトギス 201808
線香花火ちりちり帰心生まれけり 頓所友枝 201809
一擋の天をめざせり大花火 藤井明子 馬醉木 201809
手花火や子等のSL煙の中 七郎衛門吉保 あを 201808
手花火や抱へ込みたる膝頭 能美昌二郎 201810
花火果て冷めゆく空に残る月 能美昌二郎 201810
福分けのごとく手花火児に渡す 下村たつゑ 201810
花火→9      

 

2021年9月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。