花 火 1     100句

花火やむあとは露けき夜也けり    正岡子規

花火 遠花火 手花火 花火殻 花火果つ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
髪の根の乾かぬままの初花火 浦山輝代 199808
花火師のその一瞬の奢りかな 水谷芳子 雨月 199810
羅漢さん揃うて花火待つてゐる 西村葉子 京鹿子 199811
ねずみ花火やたら忙しき父親めく 牧野睦子 199811
花火果て汗の電車へ乗り込める 津田このみ 船団 199812
グラビアの花火濡れてる昭和かな 寺田良治 船団 199812
起きぬけに初虚空蔵の花火鳴る 中森百合子 199903
花火師の足の運びの確かなり 野口光江 遠嶺 199905
遅れくる音に花火の夜空あり 稲畑汀子 ホトトギス 199908
ととのひし花火の空となりゆけり 稲畑汀子 ホトトギス 199908
しばらくは花火の匂ふ靄にゐる 吉田島江 火星 199908
花火師の暗躍待ちて大河原 佐渡美佐子 ヒッポ千番地 199908
皆咲きて皆散る花火嫌いなり 佐渡美佐子 ヒッポ千番地 199908
仏塔の浮き沈みする花火かな 小形さとる 199909
Tシャツに昨夜の花火の匂ひけり 配藤和子 円虹 199909
川下に見て秋の花火と思ひけり 能村登四郎 199909
花火後の離散の續く家族かな 中原道夫 銀化 199909
ほんたうは鼠花火が得意なり 深澤鱶 ヒッポ千番地 199905
いのちなど惜しくないやと大花火 保坂加津夫 いろり 199908
北国の空を濁して花火果つ 鈴木ゆき子 風土 199910
利根川は花火の音と水音と 保坂加津夫 いろり 199909
その昔鉱毒の川花火咲く 林田加杜子 いろり 199909
ねずみ花火胎蔵界を巡りけり 栗栖恵通子 199910
わが死後へ花火の音は遅れけり 高橋修宏 海程 199910
康黍の花や花火を捧ぐごと 宮津昭彦 199910
さい果の花火とおもふ川下に 能村登四郎 199910
花火果て橋に往き来の戻りきし 丸川越司 円虹 199910
上ミの橋下モの橋暮れ花火待つ 丸川越司 円虹 199910
暗号は花火に仕掛けられてゐる 青山茂根 銀化 199910
鼠花火中途はんぱに逃げ回り 岬雪夫 199911
目ざわりのなんにも無くて大花火 松沢久子 いろり 199910
大花火星も見えずに雲もなく 松沢久子 いろり 199910
舟の陣しきて花火を見てゐたり 黒川悦子 円虹 199911
舟揺れてゐること忘れ見る花火 黒川悦子 円虹 199911
叡山に花火の音のぶつかりぬ 黒川悦子 円虹 199911
フィナーレの花火かぶさり来るかな 黒川悦子 円虹 199911
一斉に引き揚げてゆく花火舟 黒川悦子 円虹 199911
一湾の魚おどろかす花火かな 関根洋子 風土 199911
花火果てし海をみてゐる漢かな 中沢三省 風土 199911
つぎつぎに柳橋より花火船 安陪青人 雨月 199911
花火終へ月の出潮の戻り船 安陪青人 雨月 199911
波音のいつしか消えて花火果つ 小林光美 春耕 199911
消えぬ間に花火が揚がるまた揚がる 安井よしこ ヒッポ千番地 199910
ぬばたまの闇まだ降りず花火待つ 山田久子 199912
川底に魚族の屯ろ大花火 富田美和 200001
花火果て流れを急ぐ水の調べ 富田美和 200001
動かざる舟が散らばり花火待つ 嶋田一歩 ホトトギス 200002
対岸の仕掛花火に人浮び 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
満天の花火へ翔べり天道虫 田中藤穂 水瓶座 200002
火祭の空の花火はやはらかし 田中藤穂 水瓶座 200002
花火果て初島赤き灯の一つ 田中藤穂 水瓶座 200002
あらたまの弥勒が穹の花火かな 岡井省二 200003
百円の鼠花火の捩ぢれやう 深澤鱶 ヒッポ千番地 200004
たゆたひて決してひらく大花火 本橋怜加 冬牡丹 200003
花火見しよべの会話のつながりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200008
ぽつつんと像香花火の涙かな 富村波聴 六花 200007
花火師に刺青一字命かな 富村波聴 六花 200007
天上へ咲かす花火は夫が摘む 柏井幸子 円虹 200008
銃より花火へ創業四百六十年 松崎鉄之介 200008
手漕舟近づき客に花火売る 石鍋みさ代 春耕 200008
貧しかる花火の音に目覚めをり 山尾玉藻 火星 200009
銃より花火へ創業四百年以前 松崎鉄之介 200009
花火果て千夜一夜を経しごとし 牛田修嗣 200010
花火見る間中石いらうてをる 小形さとる 200010
病み疲れ音で花火をかぞへをり 池尻足穂 俳句通信 200010
花火の夜くらがりにゐしひよこ売 小倉行子 風土 200010
花火師の動きみてゐて花火見ず 武政礼子 雨月 200010
へらへらと揚りてぱっと大花火 武政礼子 雨月 200010
音を追ふ一里の先の花火かな 宮津昭彦 200010
沖待の船にしだれし大花火 鈴木夢亭 春耕 200010
花火浴びキリスト教徒仏教徒 中原幸子 遠くの山 200010
大花火ひらかず落ちて終ひたり 松沢久子 いろり 200010
大花火中止となりて孫ぐづり 篠田三七子 いろり 200010
花火師が昼寝している河川敷 三宅やよい 玩具帳 200004
せがまれて煙ばかりの昼花火 高尾豊子 火星 200011
歯が痛い歯医者は嫌い花火好き 小枝恵美子 ポケット 199911
六甲の風に凭れて花火見る 山田弘子 円虹 200011
青を濃く強気の終り花火かな 能村登四郎 200011
独酌や肘掛窓に花火爆ぜ 守屋井蛙 酸漿 200011
居座りし雨雲払ふ昼花火 永岡セツ 酸漿 200011
眩しさの猪名の穂すすき花火待つ 大橋宵火 雨月 200011
花火待つ子ら大土手を駆け廻る 大橋宵火 雨月 200011
戻り路の豪華な花火かへり見る 大橋宵火 雨月 200011
花火打てば万朶の露のふるへけり 藤田宏 200011
花火待つわずかに水の匂うかな 津田このみ 月ひとしずく 199912
地ひびきもとどく花火を子とふたり 藤井昌治 200010
花火待つ潮入川のふくれゐて 笹松浩子 200012
描きたる空は黒板花火消ゆ 嶋田摩耶子 ホトトギス 200102
これ如何これも如何と楊ぐ花火 嶋田摩耶子 ホトトギス 200102
喚声が瀬音に変る花火の間 内山和江 奧嶺 200010
沢山のことば遣うて花火の夜 ふけとしこ 船団 200102
七月の胸に花火がはじけてる 朝倉晴美 船団 200102
酒飲めぬ男も混じり花火待つ 朝倉晴美 船団 200102
嫁かぬ子の花火が好きで背の高き 深澤鱶 火星 200103
投げつける鼠花火の間合ひかな 篠田純子 あを 200107
花火見る時間過ぎゐしインタビュー 稲畑汀子 ホトトギス 200108
日本語も英語も花火はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200108
花火見る人の熱気の外にをり 稲畑汀子 ホトトギス 200108
少しづつ大胆になる花火かな 稲畑汀子 ホトトギス 200108
葉蘭叢へ走りしねずみ花火かな 山尾玉藻 火星 200108
花火 2→      

 

2021年8月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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