花 火 5     100句

道すがら花火の空の傾いて    長谷川かな女

花火 遠花火 手花火 花火殻 花火果つ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
目に胸に湖上の花火迎へけり 阿部ひろし 酸漿 200610
高階に湖上花火の夜をすごす 阿部ひろし 酸漿 200610
曇天に花火があがる仏の日 牧野麦芽 京鹿子 200611
浜砂に昼のほとぼり花火待つ 渡部志津子 200611
こはいからつかまつてゐる尺花火 篠田純子 あを 200610
大花火開きし音の地に響く 木暮剛平 万象 200611
花火の夜病院の人和みあふ 大西八洲雄 万象 200611
大花火咲く一瞬の華で佳し 柳生千枝子 火星 200611
独り居の耳が花火を聞き止むる 柳生千枝子 火星 200611
花火連打巨大な花の重ね咲き 柳生千枝子 火星 200611
花火師のこゑ乗せて舟戻りきし 杉浦典子 火星 200611
花火舟入日の岸に繋がるる 深澤鱶 火星 200611
台風の兆しの雲の花火かな 高橋芳子 火星 200611
うつし世の夢まぼろしや大花火 窪田米子 遠嶺 200611
歩き神花火の音のかはりける 栗栖恵通子 200611
車窓より過去を捨てたる花火かな 天野きく江 200611
追ひ追はれ鼠花火と幼き子 緑川啓子 馬醉木 200611
迫り来し大き花火に退りけり 島崎勇作 酸漿 200611
大花火湖上いつぱいに開きけり 島崎勇作 酸漿 200611
良き場所をたまはりて見る大花火 島崎勇作 酸漿 200611
一塊の煙を残し花火消ゆ 島崎勇作 酸漿 200611
花火果て鏡のごとき今朝の湖 島崎勇作 酸漿 200611
レマン湖に垂れ花火を映しけり 小泉和代 酸漿 200611
ベランダに酒席調ふ花火かな 小田切明義 春燈 200612
律の井に伊勢の花火のはじけをり 島田和子 風土 200612
原人の骨出し浜の花火あと 土屋利之 ぐろっけ 200701
花火噴き提灯二千渡りそむ 横井博行 万象 200707
花火一瞬あと巨いなる沼の黙 林翔 200707
警報の花火を鳴らす人居りぬ 瀧春一 200706
父の背に隠れて花火見てをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708
大花火地球の自転止めるかに 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708
幾万の瞳に幾万の花火 稲畑廣太郎 ホトトギス 200708
花火見ることを仕事といふ勿れ 稲畑汀子 ホトトギス 200708
花火に満腹夜空しづかに暁を待つ 林翔 200708
鼠花火兄弟多く育ちたる 田中藤穂 200706
追ひ打ちをかけ迫り来る大花火 あさなが捷 200708
花火師の労を思はむ空の華 林翔 200709
花火師の張りつめし気の川面来る 小山田子鬼 200709
大輪の花火仰ぎて平和かな 佐藤洋子 200710
エメラルドまたルビーと弾け大花火 佐藤洋子 200710
葬りたる恋の数だけ花火買ふ 飛鳥由紀 200710
病窓の四面彩る花火かな 頓所友枝 200710
花火消え一千万の目ののこる 神蔵器 風土 200710
見上げつつ手を握り合ひ恋花火 小林清之介 風土 200710
赤々と闇にはじけて恋花火 小林清之介 風土 200710
単帯むすんでもらふ花火の夜 青山悠 200710
花火見を急に誘はれふためけり 菅野イチ子 200710
花火明りに蔵王の上の雲見ゆる 菅野イチ子 200710
総玻璃のビルに花火の万華鏡 友田直文 200711
確と抱く手筒花火や男意気 楯野正雄 200711
ながながとあと残りたる蛇花火 榎本文代 万象 200711
大花火光のティアラ大空に 森山のりこ あを 200710
けぶる花火犬の飲み水かけて消す 小林清之介 風土 200711
荒草に日のぬくみある花火かな 浅田光代 風土 200711
大花火触れなむと子の爪立ちぬ 浅田光代 風土 200711
花火師の一瞬闇にうつりけり 清水明子 遠嶺 200711
暫くは花火の匂ふ山の霧 吉田島江 火星 200711
中天に月残りけり大花火 奥田順子 火星 200711
花火果てしじまの底に峡の里 佐治奈津 雨月 200711
頭上にシリウス海上に大花火 荒井千佐代 200712
空うめてとめの花火として終る 嶋田一歩 ホトトギス 200801
けふ逝きし師よ大花火うへから見む 阿部知代 200801

  夫、急逝

大花火星の破片となりにけり

東良子 首座星 200804
魂の半分は鬼花火散る 坪内稔典 稔典句集U 200804
駆け上がる一本の道大花火 浅田光喜 絵巻物 200806
大花火星引き寄せてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200808
藻の流れ着きたる浜の花火かな 山田六甲 六花 200808
帰り来し花火の匂ひともなひて 山田六甲 六花 200808
漆黒のキャンバス狭し大花火 森下康子 200810
観衆の目を一点に大花火 山本孝夫 200810
新調のカーテン越しに大花火 中川すみ子 200810
夜の画布へ金泥垂らす大花火 小澤菜美 200810
花火師の旬の顔もて四尺玉 宮崎左智子 200810
浜の空あまさず花火開きけり 水原春郎 馬醉木 200810
浜風や女花火師影走り 水原春郎 馬醉木 200810
人の追ふ業さまざまや大花火 水原春郎 馬醉木 200810
大花火開きて隠す沖ノ島 渡部磐空 200810
ビル越しに見る半分の大花火 成宮紀代子 200810
父方の癖つ毛花火見てをりぬ 辻美奈子 200810
眠り子の大いなる口花火かな 藤幹子 炎環 200810
まなうらに残る花火や群衆散る 清水淑子 炎環 200810
引力に逆ひきれず花火爆ず 大橋晄 雨月 200810
華麗なる湖上の花火谺せり 小松渓水 酸漿 200810
高速に乗れば花火の上がりけり 田尻勝子 六花 200810
大輪の菊の花火を見とどけし 松本蓉子 六花 200810
暗闇に花火師の影走りけり 松本蓉子 六花 200810
大輪の花火抜けたる航空機 樋口みのぶ 200810
ひたひたと潮の満ち来て花火果つ 樋口みのぶ 200810
祭果つ花火の音に背を押され 前川明子 200810
小雨なか花火の星のしたたれり 柴野静 200811
つなぐ手の欲しきこころや大花火 岸田爾子 200811
盆地村花火の音を山囲ひ 布川直幸 200811
押しあうて花火の中にゐたりけり 竹内悦子 200811
黄昏のせまりし堤花火待つ 鈴木清子 遠嶺 200811
花火爆ず満天の星いぶしては 玉置かよ子 雨月 200811
花火師の晴れの見せ場に黒衣かな 佐藤史づ代 雨月 200811
縁に父母在して昭和の庭花火 佐藤史づ代 雨月 200811
雲は秋山下画伯の花火爆ぜ 青木陽子 酸漿 200811
夫と子と雨中の打上花火かな 岩本紀子 200811
花火見の馳走も濡るる雨花火 岩本紀子 200811
花火 6      

 

2021年8月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。