花 火 2     100句

空に伸ぶ花火の途の曲りつゝ    高浜虚子

花火 遠花火 手花火 花火殻 花火果つ

作品
作者
掲載誌
掲載年月
杉の間にひらく筈なる花火待つ 能村登四郎 200108
約束の花火余して帰国せし 稲畑汀子 ホトトギス 200109
花火の中へ花火打ち込む流れ雲 松崎鉄之介 200109
花火終へ病棟さつと寝静まる 松崎鉄之介 200109
花火待つ土手を埋むる人の中 金子つとむ 俳句通信 200109
大輪の花火の照りを満面に 金子つとむ 俳句通信 200109
寝転べば我にひらきし花火かな 金子つとむ 俳句通信 200109
花火見し一夜花火のことばかり 金子つとむ 俳句通信 200109
闇の底切り裂く鼠花火かな 宮原秋生 俳句通信 200109
死ぬなんて思ひのほかよ大花火 柴田美佐子 いろり 200109
あれこれと買ひ込みて待つ大花火 桑垣信子 いろり 200109
花火の夜地べたにものを食ひにけり 南うみを 風土 200110
浜木綿や昨夜とよみし大花火 和田祥子 馬醉木 200110
鼠花火回る方へと逃げてをり 成澤桂助 百鳥 200110
動くなと父はどこかへ花火の夜 大山文子 火星 200110
雨雲の空のうつうつ花火待つ 城尾たか子 火星 200110
花火師の三日月眉でありにけり 華明日香 銀化 200110
大輪の花火に草のふるへをり 渡辺知美 銀化 200110
蠍座を焼き尽したる大花火 刈米育子 200111
船の揺れ髪膚に通ひ花火待つ 矢島久栄 200111
花火待つ船のお向ひ両隣 矢島久栄 200111
大会の知らせを告げる大花火 篠田三七子 いろり 200110
場所取りをしてひと日待つ花火かな 柴田美佐子 いろり 200110
大花火知らずに眠る吾児のゐて 橋本千代子 いろり 200110
眼裏にいつまでもある大花火 橋本千代子 いろり 200110
花火師の忙しき影を船の上 近藤暁代 馬醉木 200111
花火待つ舳先の闇に水照らひ 藤木竹志 馬醉木 200111
虚空へと駆け昇りゆく花火かな 山下寿祇子 遠嶺 200111
それなりに揚げ損なひの花火かな 篠田純子 あを 200110
鱚釣のうしろ花火師来てゐたり 大山文子 火星 200111
生き残りだんだん怖くなる花火 竹貫示虹 京鹿子 200111
袖ふれて花火見る夜の旅にあり 渡辺俊子 京鹿子 200111
セーヌ燃え革命記念日の花火 溝内健乃 雨月 200112
花火見る露坐やエッフェル塔を背に 溝内健乃 雨月 200112
ふるさとは薄きまぶたの昼花火 守谷茂泰 海程 200112
昼花火ああしろがねのわが血脈 九堂夜想 海程 200112
ささやきのふいに花火となりにけり 室田洋子 海程 200112
花火消ゆその奥の闇みな見つめ 宮津昭彦 200111
大空を星に返して花火果つ 吉永とほる 円虹 200111
師ガ声ニワタシハネズミ花火デス 延広禎一 200111
子らは去り夫と手囲ふ花火玉 松井志津子 200112
品川沖に仕掛け花火の狂いなし 藤田守啓 船団 200112
花火終へこんなにも人多かりし 嶋田一歩 ホトトギス 200201
ディズニーより音聞え来る花火の夜 利根里志 ホトトギス 200201
豊作に捨て置く山の柿花火 荒川美邦 京鹿子 200201
朝空へ花火の爆ずる恵比須講 小林修水 春耕 200201
大花火がん克服を祝ふかに 辰巳比呂史 200202
いつもいつも花火はふっと始まりぬ 津田このみ 船団 200201
お隣はホモのカップル大花火 津田このみ 船団 200201
場つなぎの花火のような男かな 津田このみ 船団 200201
三日月の隣で花火始まりぬ 津田このみ 船団 200201
車中にて花火を見たる運よけれ 能村登四郎 羽化 200110
海花火幼馴染みも影負へり 佐渡美佐子 船団 200202
駄菓子屋に花火いろいろ並べあり 深田雅敏 200208
宙に星かへし花火の果てにけり うまきいつこ 200209
追打ちの音に色あり花火咲く 神蔵器 風土 200209
竜宮の船満飾や浦花火 和田照海 京鹿子 200209
闇に生れ闇に消え去る花火かな 的地遙 百鳥 200209
海峡の花火明りを渡船発つ 三好幸子 雲の峰 200209
誘ひ来て句座となりたる花火宿 喜多初枝 雨月 200209
海上花火翻車魚波間よりみるか 根岸善雄 馬醉木 200210
病床に音きくのみの大花火 松本米子 あを 200209
花火見逃すリハビリ疲れの深寝して 松本米子 あを 200209
花火の句掛けて林火忌迎へけり 神長裕子 200210
花火の夜人に背きて人に逢ふ 村松栄子 百鳥 200210
花火揚げ天の深浅はかられず 塩川雄三 築港 200210
風神をなぐさむ花火打ち揚ぐる 塩川雄三 築港 200210
金粉を撒き散らしては花火消ゆ 塩川雄三 築港 200210
大花火はらからのみな都落ち 藤原照子 200210
大花火水の奈落へまつしぐら 松井のぶ 200210
背中より昏るる墨田の川花火 久保秀貴 雲の峰 200210
硝煙は空襲のごと花火舟 久保秀貴 雲の峰 200210
盆過ぎや花火の音に顔出して 山尾玉藻 火星 200210
竹皮を脱ぐ早くから昼花火 青山丈 200209
音だけの花火に更けて他郷めく 萩原記代 200209
北海の夜空を染めて大花火 辰巳比呂史 200211
花火師に届かぬ拍手大花火 達山丁字 200211
独り見る花火ひとりの声挙げて 松村富子 200211
大花火果てて港に灯がもどる 前田陽子 200211
花火果つ河童かわつぱか擦れ違ひしは 千代田葛彦 馬醉木 200211
花火より大き星空残りけり 高橋たか子 馬醉木 200211
花火果て人人に闇のしかかる 山口速 200211
声あげし花火に染まる子等の顔 砂川せい輝 遠嶺 200211
手術日の決まり遠くに聞く花火 中薗道子 遠嶺 200211
花火見るヘリコプターを見てをりぬ 篠田純子 あを 200210
城松の上に展けし花火の夜 白石峰子 円虹 200211
下駄の緒の指美しき草花火 廣井良介 円虹 200211
ベランダに椅子持ち出して花火見る 小野れい子 六花 200211
大花火果て大淀の闇戻る 高橋照子 雨月 200211
大花火映り河面の滾りだす 谷村祐治 雨月 200211
花火の尾よろめきながらなほ上る 宮原みさを 花月亭 200208
花火師の夢大江戸を彩れり 宮原みさを 花月亭 200208
花火の夜母の膝にて寝入りたる 村越化石 200212
花火見る椅子ベランダに一つ置き 外川玲子 風土 200212
花火師の女の気負ひ色に出て 武友朋子 200212
寝床の子花火の音でベランダへ 平山真弓 円虹 200212
船浮かべ仕掛花火や葛西橋 高橋寛實 帆船 200212
花火師の印半天古りにけり 小田島成子 百鳥 200212
歓声の仕掛花火はナイヤガラ 小田島成子 百鳥 200212
口開けて花火見る癖父ゆずり 笹村政子 六花 200212
花火 3→      

 

2021年8月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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