五 月 10       200句

管楽器寝かす五月の海の上   河合凱夫   飛礫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
室の津の女祭や小五月祭 江見巌 六花 201706
地震越えて来し友迎へ五月晴 稲畑廣太郎 ホトトギス 201706
雲一つ二つ三つ四つ五月晴 稲畑廣太郎 ホトトギス 201706
五月晴バス二十分待つ都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201706
根津さまの社紋は卍五月糸雨 能村研三 201707
雲水のつむりの青さ風五月 宮内とし子 201707
五月憂しビタミンBは幾つまで 宮内とし子 201707
川面へと風の挨拶五月来る 須賀ゆかり 201707
伸び伸びと育て男の子よ五月来る 木村美翠 201707
ガリガリと飴噛む癖のまま五月 野沢しの武 風土 201706
名古屋城復元半ばの五月かな 佐藤玲子 春燈 201707
杖の戦友会へば若やぐ侘五月 丸山允男 春燈 201707
紙飛行機五月の空を滑りゆく 森なほ子 あを 201707
歌ふこと好きな男の子や五月くる 森なほ子 あを 201707
お稲荷さん五月に落ち着く運動会 石森理和 あを 201707
蹴り上ぐるボール五月の風の中 岡田史女 末黒野 201708
五月来ると碁盤みがいてみたりもし 小田嶋野笛 末黒野 201708
相模灘くまなく晴れて五月来る 大川暉美 末黒野 201708
三四郎池鬱々と五月来る 田中佐知子 風土 201708
穂高指すべースキャンプや五月来る 田中佐知子 風土 201708
辞書を閉づ五月の雨のきらめきに 柿沼盟子 風土 201708
蝶急ぐ五月の風をかいくぐり 高村令子 風土 201708
御結びと五月の神と遊行かな 竹内悦子 201708
新服の憂ひ密やか五月来る 藤沢秀永 201708
桟橋はごつた返して島五月 谷陽右 馬醉木 201708
多羅葉の花禅寺の五月かな 水野加代 万象 201708
人の世の五月の月日はじまりぬ 山内四郎 春燈 201708
常念岳の今朝よく見ゆる五月晴 鈴木鳳来 春燈 201708
五月田や振返り見る越の山 荒井ハルエ 春燈 201708
建前や五月の空へ香り立つ 宮崎洋 春燈 201708
本心は五月の風に閉店す 松井季湖 201709
木の洞の中に住みたき五月かな 高倉和子 201708
音立てず木曽川蕩々と五月かな 大橋晄 雨月 201708
真白よし薄くれなゐもばら五月 西千代恵 雨月 201708
五月来る抱き廻して嬰の笑顔 伊藤希眸 京鹿子 201709
五月の風青空を背に木の葉ゆれ 水谷直子 京鹿子 201709
奥座敷五月人形五十年 東秋茄子 京鹿子 201709
五月晴れ昨夜の水滴落つる森 田尻勝子 六花 201709
牛の名は「コルネ」五月の農学校 矢崎すみ子 201709
五月来ぬ長蛇の列の行楽地 高橋正江 末黒野 201709
早々の何の褒美の五月晴 浅井青二 雨月 201709
五月憂しすぐに飽きたる万華鏡 高倉和子 201709
ジーンズをたはしで洗ひ風五月 荒井千佐代 201709
万歳で終る行事や五月晴 柴田志津子 201709
着陸へ北の五月の待つ大地 安原葉 ホトトギス 201710
遠山の雲に膨らみ五月来る 上辻蒼人 風土 201711
内心の自由五月の風の中 高田留美 船団 201802
愛なんて五月のカバさ、ああエレキ 寺田伸一 船団 201802
五月きてよく揺れている木の時間 陽山道子 船団 201802
五月田や振返り見る越の山 荒井ハルエ 春燈 201803
場所替へて五月の会となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201805
やり終へし五月の行事一つづつ 稲畑汀子 ホトトギス 201805
日帰りの旅も五月の一日かな 稲畑汀子 ホトトギス 201805
旅五月予定に追はれゐることも 稲畑汀子 ホトトギス 201805
祝ぎの旅とて快晴の五月かな 稲畑汀子 ホトトギス 201805
太陽がもう昇りけり蝦夷五月 稲畑汀子 ホトトギス 201805
祈ること多し五月も過ぎゆくは 稲畑汀子 ホトトギス 201805
五月待つ孫の祝ひは仕事始め 東秋茄子 京鹿子 201805
騒音を騒音で消す五月祭 岩下芳子 201807
イヤリング光らせ五月中をゆく 宮川みね子 風土 201807
五月来る手帳にあまた紙挟み 森岡正作 201807
次女三女いまは子育て五月来る 大畑善昭 201807
風五月青の喝采生れけり 今井弘雄 春燈 201807
癒えきらぬ吾が身いとほし五月来る 石原節子 春燈 201807
ビル街の楠の神木五月来る 近藤真啓 春燈 201807)
大磯の浜辺賑はふ五月かな 松村光典 やぶれ傘 201807
来れる日の少なしと孫五月尽 赤座典子 あを 201807
たてがみを三つ編みにして風五月 内藤静 風土 201808
しろがねに雲の膨み五月来る 上辻蒼人 風土 201808
五街道の起点へ集ふ風五月 落合絹代 風土 201808
一湾のひかりの真中五月の帆 吉田順子 201808
五月風遊び始めしおくれ髪 時澤藍 201808
生きてこそそんな風吹く五月です 久保夢女 201808
竹とんぼ五月の風をつかみをり 楠原幹子 201808
風五月胸中の帆を高く上げ 栗原公子 201808
ゆつくりと剥がす五月のカレンダー 高木嘉久 201808
帆走は鴎のやうに五月来る 大沢美智子 201808
遠天守凛と五月の空にあり 伊藤よし江 201808
ベイブリッジ五月の空へ弦を張り 伊藤よし江 201808
平成を名乗る最後の五月なり 片岡良子 雨月 201808
河岸五月をとこの活気目のあたり 黒滝志麻子 末黒野 201808
五月連休田植やうやく終りけり 田中臥石 末黒野 201808
雪回廊巡るバス旅五月来る 鍋島武彦 末黒野 201808
鯉跳ねて五月の光こぼしけり 亀卦川菊枝 末黒野 201808
濃き紅を五月に見せて庭楓 小川玉泉 末黒野 201808
山荘を開けて五月の風満たす 三村純也 ホトトギス 201809
ストリートダンス五月のつむじ風 井上菜摘子 京鹿子 201809
前髪を切って私の五月果つ いろは 201809
五月尽悔いあるようなないような 松井季湖 201809
草木の生き生きしたる五月かな 黒川悦子 ホトトギス 201810
オーボエのラの音流れ五月かな 山田まさ子 船団 201811
釜飯のふかふか湖国五月来る 山本紫苑 船団 201811
サッカーボール蹴るや五月の空の青 南北佳昭 船団 201811
老吾のフットワークも五月来ぬ 木村享史 ホトトギス 201811
雲上の明るさへ出し旅五月 安原葉 ホトトギス 201811
旅五月機内少々揺るるとも 安原葉 ホトトギス 201811
母と子と距離置く席も旅五月 安原葉 ホトトギス 201811
水分の神すこやかに五月来ぬ 布施政子 馬醉木 201812
起きて臥し五月の梢に行くてだて 佐藤喜孝 あを 201812
大師堂渡る五月の風清し 大川暉美 末黒野 201904
空五月どこかにひそむ雨催ひ 稲畑汀子 ホトトギス 201905
旅多き五月の日日となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201905
風五月やうやく癒えし旅疲れ 稲畑汀子 ホトトギス 201905
風音の中に五月のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201905
又一人五月の庭を抜けて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201905
快適な五月ならざることも又 稲畑汀子 ホトトギス 201905
軽快な五月の旅となりぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 201905
山径を上る大靴五月来る 兼久ちわき 馬醉木 201907
職退きし吾子よきらめく湖五月 渡部良子 馬醉木 201907
船笛のこだます港五月来る 城毫文江 馬醉木 201907
雨音のたしかになりぬ五月かな 出牛進 201907
ばあば小さく五月五日の背くらべ 加藤良子 春燈 201907
木洩れ日に輝くティアラ五月来る 近藤真啓 春燈 201907
帆を張れば船の羽化する風五月 小林陽子 201907
前山の迫り出し始む五月かな 木村あさ子 201907
轟音も親し五月の滑走路 中根美保 風土 201907
馬場五月騎手は青空仰ぎ乗る 樺山翠 雨月 201907
平成を惜しみつ五月待ちにけり 戸田澄子 末黒野 201907
指呼の間の渡舟に躍る五月川 安立公彦 春燈 201908
五月連休どこへも行けぬひとりかな 小菅礼子 春燈 201908
海境や五月の空を押し上ぐる 吉田順子 201908
ぽつかりと五月の底は楽屋裏 出利葉孝 201908
五月来る畷にぎはふ人・重機 菅谷たけし 201908
樹々を洩る五月の光産盥 田中佐知子 風土 201908
カラフルなスポーツ広場五月かな 中村洋子 風土 201908
傘たたむ五月の匂ひ閉ぢこめて 片桐紀美子 風土 201908
布袋様に笑ひ賜はる五月かな 石田蓉子 201908
和紙工房五月の風を通しけり 佐藤あさ子 201908
ふはふはと揺れる綿菓子風五月 山岸明子 201908
つつがなく令和となれる五月かな 菅野日出子 末黒野 201908
若人の五月頓挫の鬱屈期 田中臥石 末黒野 201908
五月来る心新たに令和の世 石黒興平 末黒野 201908
旅行鞄引く音しきり五月来る 岩上行雄 末黒野 201908
原つぱに子どもの見えぬ五月かな 太田チヱ子 末黒野 201908
病癒えゆつくり散歩する五月 安齋正蔵 やぶれ傘 201908
吹かれゐる鳥の胸毛や五月来る 田代貞香 201909
城垣のよろしき反りとなる五月 善野行 六花 201908
ネクタイが五月の風と遊びけり 出口誠 六花 201908
希望持て希望のみ持て我が五月 石川憲二 六花 201908
逢いに行く車窓に五月の裾野かな 日置游魚 201909
観覧車五月の空を上げ下げす 石黒興平 末黒野 201909
風五月首賭銀杏威を放つ 小林共代 風土 201909
隠れたい場所見つからぬ五月尽 直江裕子 京鹿子 201909
丸いすに猫かしこまる五月です 佐久間ひろみ 船団 201910
パッコンと缶詰あける五月くる 佐久間ひろみ 船団 201910
人間が翼の欲しくなる五月 大久保白村 ホトトギス 201910
万作翁五月の夜を舞ひ納む 橋本美代 やぶれ傘 201911
窓開くるも開けざるもよし五月来る 大橋晄 ホトトギス 201911
五月この美しき朝歩かねば 木村享史 ホトトギス 201912
木洩れ日に輝くティアラ五月来る 近藤真啓 春燈 202001
旅五月明るき上衣着てみたる 稲畑汀子 ホトトギス 202005
風五月今から旅へ行く人と 稲畑汀子 ホトトギス 202005
明るさは五月の空でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202005
黒々と鴉五月を羽ばたける 今井肖子 ホトトギス 202006
再のつく番組ばかり五月尽 七郎衛門吉保 あを 202007
突風が山ごと揺らし五月来る 森なほ子 あを 202007
大路ゆく車夫の筋力五月来る 千田百里 202007
桜の実かりり修司の五月来る 南うみを 風土 202007
髪切つていつもの顔や五月尽 淡路久仁子 春燈 202008
書に倦みて五月の森のきらめきへ 岡田史女 末黒野 202008
不自由や五月の庭に咲くは咲き 高木晶子 京鹿子 202008
五月来て君見ぬ暦めくりをり 重実ひとみ 京鹿子 202008
ランナーの行き交ふ河川五月風 大塚たきよ 202008
五月波一万パワーの発信力 岩下芳子 202008
好き好きに装ふ山の五月かな 寺田すず江 202008
天気図に海の広がる五月かな 柳川晋 202008
本当は五月が旬の多羅波とぞ 柳川晋 202008
大本営発表五月ウイルス戦 高橋将夫 202008
五月来る流れの底の魚の影 黒滝志麻子 末黒野 202008
堰越の水音豊か五月来る 加藤静江 末黒野 202008
うなじ吹く風のささやき五月来ぬ 及川照子 末黒野 202008
蔀戸をきいと鳴らして五月来ぬ 太田良一 末黒野 202008
石投げて五月の海と別れけり 太田良一 末黒野 202008
五月来て鏡まぶしき洗面所 小田嶋野笛 末黒野 202008
癒ゆる鳥放つ五月の窓開けて 小田嶋野笛 末黒野 202008
五月燦々若き日カミュにとらへられ 中村嵐楓子 春燈 202008
松籟や五月の雨滴輝やかす 岩崎藍 末黒野 202008
十勝野の涯なき大地風五月 安原葉 ホトトギス 202009
東京がこんなに遠く風五月 藤井啓子 ホトトギス 202009
オンライン弥撤に与る五月かな 藤井啓子 ホトトギス 202009
玄関の消毒液に五月来る 千原叡子 ホトトギス 202009
籠り来し寝間に五月の風入るる 善野行 六花 202009
外出自粛残像となる五月果つ 田中臥石 末黒野 202009
ペンテコステに当たる父の忌五月果つ 森清信子 末黒野 202009
句作りに子とドライブヘ五月尽 本郷美代子 やぶれ傘 202009
だんご虫ならば触れる風五月 山ア貴子 ホトトギス 202010
風音の中の水音森五月 今橋眞理子 ホトトギス 202010
ひかるまで磨く黒板五月来ぬ 藤井啓子 ホトトギス 202010
家居して日々発見の庭五月 水田むつみ ホトトギス 202010
煮て揚げて山菜うれし五月来る 土井ゆう子 風土 202010
青空がばら撒く雀五月来る 柴田佐知子 202010
雨上りの葉裏濃くなる五月かな 高倉和子 202010
シーサーを侍みと飾り五月憂し 土井ゆう子 風土 202010
日々気温たしかめ老の五月過ぐ 森なほ子 あを 202107
東北路人整はぬ五月かな 七郎衛門吉保 あを 202107
浪江町気配未だの五月風 七郎衛門吉保 あを 202107
三度目の緊急事態五月尽 須賀敏子 あを 202107
冬服にブラシをかけて五月風 菅原朋子 202107
眉引いて一歩踏み出す五月かな 中山惠子 202107
風五月パンデミックが止まらない 平佐悦子 202107
五月 →11

 

2022年5月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。