五 月 1       100句

みどり子の頬突く五月の波止場にて   西東三鬼   変身

五月  五月尽  五月鯉  五月晴  五月闇

作品
作者
掲載誌
掲載年月
われさきに濡れて五月の木となれり 豊田都峰 山の唄 198800
寄り道をする計画も旅五月 稲畑汀子 ホトトギス 199805
乗り越えし五月の込みしスケジュール 稲畑汀子 ホトトギス 199805
舞殿に五月の潮の満ちそめて 能村登四郎 199806
白衿のきつちり五月迎へけり 小澤克己 遠嶺 199808
坂下る五月の尖塔生えてくる 柳生千枝子 火星 199809
渡りたきゆゑに橋懸け梅五月 丸山海道 京鹿子 199809
楠五月股間に朱けの巫女を生み 丸山海道 京鹿子 199809
甲冑を集め五月のをとこ神 丸山海道 京鹿子 199809
五月の空煤けた部分が四畳半 石井哲夫 海程 199810
志望校にやや馴れてきて五月病 折原あきの 船団 199811
来るたびに変りゆく町風五月 仁科聖鳥 円虹 199901
五月祭猫と話して暮れにけり 望月和子 船団 199902
眠る児に波打ちよせる五月かな 今城知子 船団 199903
地平線まで吹き抜ける風五月 稲畑汀子 ホトトギス 199905
牧草も馬も育ちて風五月 稲畑汀子 ホトトギス 199905
馬育て緑を育て牧五月 稲畑汀子 ホトトギス 199905
太陽の朝の戻りぬ旅五月 稲畑汀子 ホトトギス 199905
祝ぎ心五月の風に乗つて来し 稲畑汀子 ホトトギス 199905
雑木山五月の音をたてはじめ 岬雪夫 199905
五月来る波濤一穂づつ跳ねて 小澤克己 遠嶺 199905
五月病たつのおとしご立ち泳ぎ 佐々木峻 ヒッポ千番地 199905
安曇野の五月の水の匂ひけり 夏秋秋子 ヒッポ千番地 199905
呼び出しのこゑ水平に五月場所 鷹羽狩行 199907
仕切り繰返す間も掃き五月場所 鷹羽狩行 199907
決まり手はなほ残像に五月場所 鷹羽狩行 199907
枡席に膝ふれあふも五月場所 鷹羽狩行 199907
朝は濃き海風五月はじまりぬ 小野恵美子 馬醉木 199907
誰がためのかく美はしき五月かな 山田弘子 円虹 199907
郵袋を島へ積み込む風五月 能村研三 199907
街五月髪なびかせてバスを待つ 片山桃弓 199907
「沖」の旗藍も浅黄も風五月 林翔 199907
五月来てハンカチの花生絹めく 小堀真由美 199907
柴又の五月の終る空のいろ 藤井昌治 199907
雉の声五月の森にひびきけり 大内裕家 酸漿 199908
ゆく雲もアンダルシアの五月かな 中里信司 酸漿 199908
五月鬱猫の欠伸が妻へゆく 丸井巴水 京鹿子 199908
抗癌剤の熱に五月を闇の中 三浦勲 199908
沖島を浮かせ五月の水あさぎ 河村泰子 ぐろっけ 199908
五月欝人は赤子を見せに来る 馬越幸子 ぐろっけ 199908
五月の夜火事に潰えし村歌舞伎 村田近子 遠嶺 199909
五月来ぬ思ひ出多き海を見に 斎藤珠子 遠嶺 199909
うづ潮の引き込んでゆく五月かな 関根洋子 風土 199909
歯ブラシの広告載せて五月号 中原忽胡 船団 199909
五月かな一本だけの樹の匂い 三池泉 船団 199909
球形に夜は満ち来る五月なり 吉川真実 海程 199910
弁当をひろぐ眼下の湾五月 花藤原照子 199911
象の耳五月の嘘がふくらんで 小枝恵美子 ポケット 199911
白帽子五月の森を出で来たる 柳生千枝子 火星 200001
階段をオレンジ転ぶ五月かな 尾上有紀子 わがまま 200002
円窓の五月の闇をのぞきこむ わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
五月来ぬ絢爛として子の尿 小林呼溪 200005
島に又橋のかゝりぬ旅五月 稲畑汀子 ホトトギス 200005
海越えてゆく道ありぬ旅五月 稲畑汀子 ホトトギス 200005
やり残す仕事選びて旅五月 稲畑汀子 ホトトギス 200005
道の辺の白き花より旅五月 稲畑汀子 ホトトギス 200005
あをあをと雨後の菜園五月来る 朝妻力 俳句通信 200006
貧富無き百姓嘘をつく五月 保坂加津夫 いろり 200006
結局は水割りにして五月果つ 山田六甲 六花 200006
五月くるバトンガールを先頭に 飯塚ゑ子 ヒッポ千番地 200006
燈台に怒濤かたむく五月来ぬ 小野恵美子 馬醉木 200007
うつくしき五月もなかばまでのこと 鷹羽狩行 200007
封書貼る五月の風を少し入れ 神蔵器 風土 200007
風五月河口に海月ただよへり 瀬戸悠 風土 200007
アカシヤの花の五月を能登に来て 能村登四郎 200007
ゆくりなく踏みたる五月の能登砂丘 能村登四郎 200007
五月連休予備校生痛ましく 大牧広 200007
盲身の闇も新たに五月の夜 村越化石 200007
話一つ進む五月の風の中 村越化石 200007
夫も子も忘れ五月のひとり旅 福田みさを いろり 200007
ひと呼吸おいて静かな五月盡 中野辰子 いろり 200007
青きもの茹でし香の五月来ぬ 石本百合子 馬醉木 200008
元町のテラスにコーヒー五月かな 下山田美江 風土 200008
白日のオリーブの丘風五月 金澤明子 火星 200008
山の匂ひ水の匂ひに旅五月 山田弘子 円虹 200008
知る辺なきアメ横歩く五月かな 桑垣信子 いろり 200008
サーファーの五月の海へ帆立てたり 清水伊代乃 酸漿 200008
雪嶺を更科にみて五月果つ 永田二三子 酸漿 200008
馬の目のかくも清らに五月来る 新井田操 酸漿 200008
野の五月ミニスカートの乙女子ら 新井田操 酸漿 200008
二才児に一役ありし五月婚 渡辺俊子 京鹿子 200008
わらび野の風に潮の香五月かな 和田敏子 雨月 200008
濁らずにサビエルと呼ぶ園五月 大堀鶴侶 雨月 200008
師の句碑を拝し五月の旅始まる 木村杏子 雨月 200008
河蒸気発たせ五月の水匂ふ 三原清暁 春耕 200008
川沿ひの鐵灸院や風五月 笹村政子 六花 200008
水面より立ちて五月の風の量 木内憲子 200008
六甲に雲立ち五月来りけり 八木愁一郎 ぐろっけ 200008
風五月まくらべの花活け替へる 阿部正枝 遠嶺 200009
五月病キリンは首で考へる 直江裕子 京鹿子 200009
リボンばかり溜まつて五月去りにけり 奥田筆子 京鹿子 200009
掠り傷つきて五月のランドセル 小菅暢子 200009
餡パンや君の嫌いな五月過ぐ 桐木栄子 船団 200009
花柄の紐に攻めらる五月病 北原武巳 船団 200010
胸元に五月の風のフリルかな 河口宏子 船団 200010
自動ドア五月の海へ開きたり 河口宏子 船団 200010
ゴリラの手五月の風をひとつかみ 鶴濱節子 船団 200010
夜半めざめ星降る隠岐の五月かな 長澤健子 酸漿 200011
片っぱしから靴履いてみる五月 能勢京子 船団 200011
肩寄せ合う部落はむかし五月来る 三池泉 船団 200011
五月 →2      

 

2021年5月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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