大 根 8     100句

大根を煮た夕飯の子供達の中にをる   碧梧桐

大根   大根干す  鰤大根  おろ抜大根  大根の花  夏大根

作品
作者
掲載誌
掲載年月
リストラの如く大根引き抜かれ 久保東海司 風鈴 201512
大根を洗ふ左右の手の温み 甲州千草 201512
登り来て大根畑の空青し 和田ゑい子 馬醉木 201601
すべすべのまろまろの播州大根 大政睦子 京鹿子 201601
大根洗ふ水の勢太きかな 遠山みち子 201601
風格の切り口ひかる大根かな 黒澤登美枝 201601
豚汁にきりりと泳ぐ大根の葉 赤座典子 あを 201601
雲の裏かがやき大根抜き終へし 中田みなみ 201601
「寝太郎」の婆さま大根担ぎくる 根岸善行 風土 201602
大根引く一つ大きく息を吐く 本間羊山 風土 201602
物理とは無縁のくらし大根煮る 島玲子 風土 201602
母の忌の輪切りの大根あめいろに 吉岡悦女 京鹿子 201602
大根下す土鍋ふつふつ吹き上る 谷岡尚美 201602
釣銭に泥こびりつく大根売 長田秀行 万象 201602
家中をあたためてゐる大根汁 宮本加津代 万象 201602
大根の厚切り煮込む寒に入る 中江月鈴子 201602
大根引く中々の出来といふ自讃 甕秀麿 201602
好日や味をうすめに煮大根 黒滝志麻子 末黒野 201602
凍大根つるつる星を照り返し 大畑善昭 201603
しなしなとゆふぐれ色の懸大根 田所節子 201603
潮焼の腕がつちり大根引く 佐々木よし子 201603
人の死に大根を炊く賑はひよ 荒井千佐代 201603
山の陽を全部集めし懸大根 吉田葎 201603
日和下駄鳴らし大根焚はこぶ 丸井巴水 京鹿子 201603
大根や菊菜や蕪や紙袋 竹内悦子 201603
隣訪ふ両手に大根ぶらさげて 柳橋繁子 201603
大根を胸に抱へて歌碑めぐり 江島照美 201603
鍵束を他人にまかせ大根焚 中田禎子 201603
大根を刻むに何も考へず 風間史子 201603
大根引く見事な穴を残しつつ 成田美代 201603
山姥は女系家族よ大根煮る 成田美代 201603
大根を使い切つたる夜の星 浅田光代 風土 201603
大学祭を締める大根踊かな 遠藤逍遙子 風土 201603
一輪車覆ひつくして大根積む 生田恵美子 風土 201603
真向ひに山の日巡る掛大根 生田恵美子 風土 201603
大根にょっきり三時間目のチャイム鳴る つじあきこ 201603
大根の芯に水脈空に伸ぶ のざきまみこ 201603
大根焚誘った友は捻挫して いろは 201603
青年のむずと引きたる大根かな 松田泰子 末黒野 201603
人の死に大根を炊く賑はひよ 荒井千佐代 201604
大根のおほ大根となりにけり 白石正躬 やぶれ傘 201604
鳴滝に集ふ里人大根焚 今村千年 末黒野 201604
大根の椀に盛りたる熱さかな 竹中一花 201604
土鍋煮の大根飴色蓋取れば 黒澤佳子 あを 201604
番外の大根サラダが受けてをり 高橋道子 201604
抜きん出る大根寒の明けにけり 中江月鈴子 201604
土蔵の鉈漬大根まだ慣れず 小松敏郎 万象 201605
雪大根女体の形ていねいに 佐藤三男 万象 201605
父の忌に蒔き母の忌に引く大根 原友子 201605
掛大根天空の青深ぶかと 森清信子 末黒野 201605
山里の夜風に晒す大根凍て 笹倉さえみ 雨月 201605
大根を洗ふ温泉川なりと聞く 嶋田一歩 ホトトギス 201608
手作りの小屋に大根売つてゐる 藤井美晴 やぶれ傘 201701
青首を擡げ大根飛び立たず 平松うさぎ 201701
大根煮て安らかな時取り戻す 岡部名保子 馬醉木 201701
大根提げ片手拝みに地蔵尊 柴田志津子 201701
大根煮てふたり暮しの日を恋ふる 大嶋洋子 春燈 201701
大根が引き合ふ力出しにけり 中田みなみ 桜鯛 201701
大根のべつぴん選びおでん鍋 田原陽子 201702
大根も土産に北の旅終はる 平瀬千会 風土 201702
土室に大根並べ久女の忌 伊藤紫水 風土 201702
大根を洗ふ水掴み直しては 高村令子 風土 201702
大根に忍び包丁母在らず 齋藤厚子 201702
念佛の終はるや大根炊き上がる 竹中一花 201702
大根引く鍵は不要の農具小屋 太田良一 末黒野 201702
平凡に生きて家族に大根煮る 磯野しをり 雨月 201702
大根漬母の秘中の秘を守りて 丸尾和子 雨月 201702
火山灰降り積む島の大根引く 柴田志津子 201703
柔き葉の大根料理二、三品 岡山敦子 京鹿子 201703
大根引き穴それぞれにある吐息 中山皓雪 201703
あつあつのぶり大根に口とがり 菊池洋子 やぶれ傘 201703
自転車の籠をはみ出す大根かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201703
肩くらべするほど伸びて大根畑 太田チヱ子 末黒野 201703
青首を掴みどころに大根引く 佐津のぼる 六花 201704
大根を抜きに三日の畦を踏む 南うみを 風土 201704
はやばやと山の影おく大根畑 戸栗末廣 201704
大根切る素顔のままでゐる一日 山田佳乃 ホトトギス 201704
大根引く錆を深むる一輪車 山内碧 201705
城ヶ島大根売りに雨が降る 藤井美晴 やぶれ傘 201705
朝市に売る楽しみの大根洗ふ 中川句寿夫 ここのもん 201705
星に日に語らひ乾ぶ凍大根 小林輝子 風土 201705
ばあちやんと呼ばるるに慣れ大根煮る 押田裕美子 201706
大根引地球の裏を凹ませて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
大根を炊いて二日の旅に発つ 稲畑汀子 ホトトギス 201711
大根を洗ひし後の水閑か 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
大地擽つて大根引きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
ひとり言ばかりの暮らし大根煮る 山田暢子 風土 201802
帰りの遅き子を待つ暇や大根煮る 豊谷ゆき江 春燈 201802
大根を引くたび尻餅つく園児 渡辺若菜 春燈 201802
大根煮る匂あふれて恙なし 渡辺若菜 春燈 201802
葉大根主役私と緑の葉 七郎衛門吉保 あを 201802
大根引く背に一湾の暮色かな 下嶽孝一 万象 201802
なるやうになるさと大根洗ひけり 溝越教子 春燈 201802
大根引く愛宕颪に腰据ゑて 今井吉子 馬醉木 201802
朝取りの丸大根の艶を買ふ 蒲田雅子 雨月 201802
煮ふくめて吾の味とし大根煮 片山喜久子 雨月 201802
ケアハウス入り口の畑大根引く 鈴木石花 風土 201802
しやきしやきと大根なます歯に染むる 小川玉泉 末黒野 201802
洗ひをるはつか大根の凹みかな 植木戴子 201802
時々はおかめになって大根煮る つじあきこ 201803
大 根 →9

 

2021年11月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。