大 根 6     127句

大根を鯛ほどほめる山家かな   梅室

大根   大根干す  鰤大根  おろ抜大根  大根の花  夏大根

作品
作者
掲載誌
掲載年月
そば切りの大根辛き円座かな 根橋宏次 やぶれ傘 200911
秋刀魚焼く妻に大根おろすわれ 塩田博久 風土 200912
めりめりと音立て大根引きゐたる ことり 六花 200912
紅大根おもむろに土洗ひけり 森理和 あを 200912
煮大根旨く煮えても一人なり 岡野ひろ子 201001
息ついて酒盛となる煮大根 大坪景章 万象 201001
大根おろし百本ほどはおろしけむ 竹内弘子 あを 201001
邸畑はみで大根まづ抜かる 品川鈴子 ぐろっけ 201001
土大根いつも火のそば水のそば 松岡和子 201002
抜きたての大根煮る香厨より 飯田美千子 201002
大根の白より白き割烹着 村上絢子 馬醉木 201002
産土を少しはみ出す大根かな 市村健夫 馬醉木 201002
綱引く漁婦大根引きて農婦たり 松本三千夫 末黒野 201002
大根の白妙たぐるかつらむき 細川洋子 201002
独り居の男ともあれ大根切る 藤沢秀永 201002
土大根立てかけてあり躙り口 諸岡孝子 春燈 201002
桂郎の遺影に見られ大根引く 神蔵器 風土 201002
大津絵の鬼がをどるや煮大根 福田周草 風土 201002
手を引きし坂や大根持ち替へて 北島和奬 風土 201002
一人の餉吹いては崩す煮大根 藤岡紫水 京鹿子 201002
自在鉤の大鍋一杯煮大根 酒井湧甫 201002
大根を煮る染みるまで痩せるまで 椋本一子 雨月 201002
あめつちの恵みに謝して大根引く 川村欽子 雨月 201002
古樽の箍締め直し大根漬 水谷靖 雨月 201002
首もたぐ大根奈良への鉄路跡 鈴木浩子 ぐろっけ 201002
兵俑や青首大根前にならえ 大島翠木 201003
大根引き天動説にこだはりぬ 久津見風牛 201003
恙無し人参大根湯気の卓 中野京子 201003
妻亡くせし男大根提げ戻る 細川コマヱ 雨月 201003
大根煮る路地に夕風流れ来て 細川コマヱ 雨月 201003
大根畑ゆっくりうねり果ては海 松本三千夫 末黒野 201003
夕支度面取大根湯気の中 長尾良子 末黒野 201003
おふくろの匂ひ三浦の大根はざ 大坪景章 万象 201003
さらさらさら大根畑と風の唄 大坪景章 万象 201003
大根の白極りて故郷かな 高倉和子 201003
大根の抜けし穴見る園児かな 小林朱夏 201003
老夫婦大根引きゐる日和かな 小野寺節子 風土 201003
大根の曲りは別の列に置く 生田恵美子 風土 201003
日向晴れ大根櫓立ちにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201003
大根引く晴耕雨読の及び腰 廖運藩 春燈 201003
何時しかに夜のとばりや大根引 廖運藩 春燈 201003
杣覆ふ靄の裳裾や大根引 廖運藩 春燈 201003
大根おろし舐めて異人のしたり顔 廖運藩 春燈 201003
山積みの泥付き大根路傍売り 廖運藩 春燈 201003
父の声母の声あり大根漬 坂本知子 酸漿 201003
独り住み大根おろし磨り過ぎる 杉本綾 201003
老境のこれが王道大根引く 阪本哲弘 201004
大根煮なればまだまだ娘に負けぬ 山田弘子 ホトトギス 201004
大根引く地球に戦なくならず 嶋田一歩 ホトトギス 201004
大根引く日本の真下ブラジルよ 嶋田一歩 ホトトギス 201004
大根引き尻餅つけば富士ありし 嶋田一歩 ホトトギス 201004
部屋伝ひ大根を煮る匂ひ来て 白石正躬 やぶれ傘 201004
大根を洗ふ寺領の井戸端に 國保八江 やぶれ傘 201004
久女忌や大根鼈甲色に煮え 塩田博久 風土 201004
やり直す齢も過ぎて煮大根 芝孝子 末黒野 201004
近江路に土くろぐろと大根畑 小澤昭之 201004
大根を両手に渡る丸木橋 守屋井蛙 酸漿 201004
原産地は東京なりし大根かな 石井玲子 遠嶺 201005
大根の煮くづれもせでとろけゐて 池田倶子 雨月 201005
大根引く地球に小さき穴ぽこぽこ 大地真理 201005
満天の星にさらして凍み大根 渡部志津子 201006
大根を買ふ献立を考へず 芝尚子 あを 201006
大根引き地軸を抜いてしまひけり 坂本哲弘 山ざくら 201009
満載の大根トラックと下船せり 伊藤白潮 201011
夕厨匂ふ煮大根帰り待つ 森下康子 201101
大根の双葉の光る雨上り 中野京子 201101
大根を煮詰め無口を押し通す 和田政子 201101
広ごれる三浦三崎の大根畑 青木政江 酸漿 201101
磯馴木のごとし腰折り大根引 守屋井蛙 酸漿 201101
後手に結ばれてをる泥大根 東亜未 あを 201101
煮大根を煮かへす孤獨地獄なれ 久保田万太郎 春燈 201102
三方に載りて二股大根かな 冨山俊雄 春燈 201102
大根の葉叢の畝の青さかな 渡辺安酔 201102
大根煮お疲れ様と言ふ代はり 高田令子 201102
土のこと言ふ大根を持つて来て 辻美奈子 201102
大根を抜き八階のビル建ちぬ 大西八洲雄 万象 201102
大根引くをんなばかりの島の畑 松本三千夫 末黒野 201102
四分一の大根で足れり独り住み 土屋実郎 末黒野 201102
大根の葉の中心に座わる犬 竹下昭子 ぐろっけ 201102
大根の筋目正しきサラダかな 遠藤実 あを 201102
洗はれてゐる大根に日の斑かな 根橋宏次 やぶれ傘 201102
浜風や安房の畑の懸大根 廣瀬雅男 やぶれ傘 201102
椀盛りの大根ひと切れ梵字入 長濱順子 201103
大根の漬かり加減を客は褒め 能勢栄子 201103
青首を伸ばして大根出荷待ち 宮崎左智子 201103
ひたち野の夕日まみれの大根引 木山白洋 馬醉木 201103
大根を煮返し明日もまた生きむ 平野伸子 馬醉木 201103
幸せの湯気さはに立て大根煮る 村上絢子 馬醉木 201103
大根引く子の尻餅の小さき穴 宮沢治子 春燈 201103
大根を抜きたる穴に土の息 四方ハツ子 春燈 201103
大根を吊し賑わう落葉樹 達山丁字 201103
「もういいかい」畑の大根首浮かせ 千田百里 201103
マラソンヘ手を振つてまた大根引く 遠藤真砂明 201103
大根を一本抜いてゆけといふ 楠原幹子 201103
大根を提げて漢の通り過ぐ 松平菩提子 京鹿子 201103
大根煮る竃甲色と申すべく 田中春子 雨月 201103
引いてやろ青首大根眠たかろ 古川忠利 ろんど 201103
大根を包みしクーデターの記事 吉田希望 201104
大根の葉のおいしさうなるを買ふ 嶋田摩耶子 ホトトギス 201104
大根と水と清々しく出合ふ 山本素竹 ホトトギス 201104
暮れきつてからも洗へる大根かな 三村純也 ホトトギス 201104
蕪はかぶ大根はだいこのこゑ聞こゆ 雨村敏子 201104
大根細穴がだんだん増えてゆく 雨村敏子 201104
赤子抱くやうに大根持ちて来し 近藤紀子 201104
どこまでも青き空なり大根引き 中野京子 201104
大根を刻む手太くなりしかな 横山さくら 春燈 201104
大根を漬けて繙く源氏かな 宮井知英 201104
大根の抜きたるままを呉れにけり 國保八江 やぶれ傘 201104
垣の穴より大根を頂戴す 渡邉孝彦 やぶれ傘 201104
大根煮る鍋コトコトとひとり言 仁平則子 201104
大根の臍ぎりぎりの好奇心 梶浦玲良子 六花 201104
今朝引きし大根の丈孫の丈 佐藤玲華 ろんど 201104
張り詰めて切る大根の音ひびく 大内恵 酸漿 201104
富むでなく貧しくもなし大根煮る 田中春子 雨月 201104
大根煮るこれ郷愁にほかならず 田中春子 雨月 201104
来るといふ若きに大根厚く切る 山﨑靖子 201105
大根を抜きたる穴や風の鳴る 岡田史女 末黒野 201105
あつあつふう三千院の大根たき 宮村フトミ ぐろっけ 201105
藁を焚く煙の匂ひ大根畑 丑久保勲 やぶれ傘 201105
大根の細きところを下ろしけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201105
大根煮て炭太祇の句を愛す 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
恋の座は抜きさしならず大根引 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
病む父にほめられたくて大根煮る 樋口みのぶ 201106
大根漬どすんと母系の重さあり 松田都青 京鹿子 201106
八丁味噌我が大根のみやげとす 大西まりゑ 酸漿 201106
二の膳に風呂吹き大根雁の宿 鈴木千恵子 万象 201109
かぶ大根鍋に包丁錦かな コ田千鶴子 花の翼 201111
大根 →7      

 

2021年11月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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