大 根 4     138句

死にたれば人来て大根煮きはじむ  下村槐太

大根   大根干す  鰤大根  おろ抜大根  大根の花  夏大根

作品
作者
掲載誌
掲載年月
胃カメラを呑む覚悟なり大根汁 木村美猫 ぐろっけ 200403
首掴み太さ確かめ大根抜く 岡田章子 ぐろっけ 200403
左手に大根右手に竹箒 木村みかん 200404
大根甘く嘘どこまでも白かりき 片山タケ子 200404
垂直に大根の首切り落す 富沢敏子 200404
大根を掘り白鳥を見て帰る 大串章 百鳥 200404
大根引ふり返るたび山があり 大串章 百鳥 200404
単線のはるかなりけり大根畑 片岡静子 200405
日の匂ひ秘めて大根乾びけり 徳田正樹 河鹿 200405
燈台にとよむ怒濤や浜大根 小林碧郎 馬醉木 200405
城ヶ島に音なき雨や浜大根 野崎ゆり香 馬醉木 200406
茎立ちて桜島しま大根の抛り出され 大磯幸子 河鹿 200407
新蕎麦に大根おろしのうすみどり 能村研三 200409
大根の重さを提げて上京す 稲畑汀子 ホトトギス 200411
小走りに日差しの遊ぶ大根引 森屋慶基 風土 200411
天は陽を地は壌となす大根引 鈴鹿仁 京鹿子 200412
朝市にならぶ大根白し太し 苑実耶 200501
流水に大根洗ふ夕間暮れ 高野美佐子 雲の峰 200501
風水害葉付きの大根買うて来し 斉藤裕子 あを 200501
停年や両手に提げし泥大根 菊池伊和恵 帆船 200501
大根引く一揆映画のエキストラ 白鳥義岳 帆船 200501
親不孝健在大根引きにけり 松橋利雄 春燈 200501
厚切りの大根煮ゆる匂ひかな 福井隆子 対岸 200501
ふさふさの葉を選びけり大根買ふ 竹嶋知子 対岸 200501
自転車の籠の大根こちら向き 丸井巴水 京鹿子 200501
朝市に葉付き大根並びけり 一ノ瀬千恵 築港 200501
草川の眩しさ大根洗ふ頃 坪井洋子 200501
大根提げ夕日の畑降りてくる 密田真理子 200501
大根の白さ輝く外流し 和田林子 帆船 200502
大根を抜きたる穴に水の音 植木戴子 200502
大根煮の味見眼鏡を曇らせて 竹山みや子 築港 200502
大根煮てこのごろを句に遠くゐる 窪田佳津子 雨月 200502
火山灰降れる畑怯まず大根引く 山本喜朗 雨月 200502
大根さへあればと妻の大根煮る 山本喜朗 雨月 200502
トラックで大根が着く法隆寺 水谷芳子 雨月 200502
長かれと大根抜くやすっと抜け 長谷川としゑ ぐろっけ 200502
身綺麗となりて大根村を出る 村越化石 200502
豊作の大根抜きて吐息つく 西形佐太郎 200502
味噌汁の人参大根夫癒えよ 米澤光子 火星 200502
律儀なる夫婦の大根襖かな 吉田島江 火星 200502
雲に日の当たりをりけり大根引く 柿沼盟子 風土 200502
大根畑畝大河へと伸びにけり 遠藤典子 栴檀 200502
大根引く鉄工所より鉄の音 岡田洋子 対岸 200503
束ねたる大根夕日大きかり 岡田洋子 対岸 200503
大根の煮物漬物お酢の物 杉山喜代子 帆船 200503
釈尊や二股大根そぎ落す 石脇みはる 200503
安穏と大根畑の日和かな 足立典子 雨月 200503
初瀬越えなぞへ畑に捨大根 川上なみ子 200503
大根の首痒さうに育ちけり 戸栗末廣 火星 200503
またたれか大根を洗ふ川の音 田中英子 火星 200503
海鳴りへ井桁に並べ大根漬 高橋芳子 火星 200503
走り過ぐ新幹線や大根引く 河合大拙 百鳥 200503
乱切りに大根を炊く妻の留守 石榑正徳 栴檀 200503
大根の葉の蘊蓄や菜飯炊く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
遠海の太陽ぐらり大根引く いしだゆか 遠嶺 200503
大根を抜き蒼天に差し上ぐる 内田稔 遠嶺 200503
大根の厚切り百年なんてすぐ 田原陽子 200503
大根引くでんと構へし桜島 森永敏子 河鹿 200503
煩悩はそこまで大根刻みけり 清原彰子 河鹿 200503
老いてこそ人恋しかり大根煮る 三浦永子 京鹿子 200503
秋大根主婦の眼となる俳句の眼 平野無石 200503
いつたんは埋めむ邪気も大根も 吉田明子 200503
通学路片側練馬大根畑 小川夏葉 帆船 200504
さ迷へる大根の葉の字書虫 浅野恵美子 酸漿 200504
水よりもぬくき大根洗ひけり 後閑達雄 対岸 200504
大根抜き師走の土産一抱え 山田耕子 京鹿子 200504
スコップを持ちて大根引きにゆく 高倉恵美子 200504
島大根探しあぐねて船に乗る 有島扇水 河鹿 200504
夕暮れを弾ませながら大根洗ふ 芝生南天 河鹿 200504
遠景にオランダ風車大根引く 織田みさゑ 万象 200505
こんにちは大根が身をのりだして 平山勝子 河鹿 200505
夕かげや玉葱大根吊る軒端 的池遙 百鳥 200505
自転車の籠の青首大根かな 松林順子 雨月 200505
母の膳まづは大根膾膳かな 石啓子 築港 200505
曲がりたる方へ向きかえ大根引く 重原爽美 200505
大根に買物袋歪みたる 秋千晴 200505
今日のことのみを考へ大根引く あさなが捷 200505
落し蓋して大根の味信ず 片山茂子 遠嶺 200506
野ざらしの痩せし大根茎立つる 谷村祐治 雨月 200506
湯治客大根さげて自炊とや 堀田恵美子 雨月 200506
暮れがての空まで匂ふ煮大根 山元志津子 八千草 200506
籠りして大根ばかりを煮ておりし 大桃美枝子 200506
大根の蟲除る父のすがたなし 瀧春一 菜園 200509
大根の白さ黒土まで及び 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511
大根を煮てお母はん元気どす 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511
峠下り大根馬に会ひにけり 滝沢伊代次 万象 200511
言寄せておろぬき大根持たさるる 風間史子 200512
一本を残さむ大根間引かな 谷合青洋 酸漿 200512
この頃の柔き大根菜雲高し 三井孝子 六花 200512
大根を美しくなるまで洗ふ 田口武 さうぢやなくても 200512
片隅に夕日差しゐる大根畑 杉浦典子 火星 200601
大根の辛みが好きと生身魂 塚本富士子 栴檀 200601
日常になつていくこと大根煮る 倉持梨恵 200601
大根をことこと煮込む母の味 松本蓉子 六花 200601
恵心院その奥にある大根畑 竹内悦子 200602
油揚と丸大根煮夜空晴 加藤みき 200602
抜くための大根の葉の広さかな 木村みかん 200602
大根を茹で上げる間の物思ひ 前川明子 200602
太鼓打ち大根踊りのはじまれり 室谷幸子 万象 200602
ゆるゆると時止まるかに大根炊く 上田玲子 200602
煮大根透けてとろとろ舌に解け 溝内健乃 雨月 200602
大根引く女ひとりの畑暮るる 大石喜美子 雨月 200602
大根の味よくしみて夫の里 松谷知子 対岸 200602
吊大根腹も背筋も伸びにけり 寺岡享 対岸 200602
煮大根色よくなりて食べ頃に 毛塚静枝 200602
大根稲架鈴鹿河原に組まれつぐ 村山春子 200602
五百樽の沢庵漬け売る大根祭 室伏やすし 200602
大根を畑に埋めて寝かせけり 長田秋男 酸漿 200602
子等も来て抱へ運べり大根引 小山漂葉 酸漿 200602
切り売りの大根を買ふ独りもの 合川月林子 ぐろっけ 200602
大根引く北へ北へと雄物川 小林輝子 風土 200602
ひとり居も馴れし夫や大根汁 福永政江 河鹿 200603
大根引く引いて近づく地平線 篠藤千佳子 200603
姙りて寄進大根をかかへきし 大西八洲雄 万象 200603
石段の下に大根洗ひけり 中村雅樹 百鳥 200603
大根畑より三輪山に登りけり 古賀勇理央 百鳥 200603
大空に鳥鳴きかはし大根引き 中野京子 200603
大根引く子供の姿葉にかくれ 古川京子 栴檀 200603
畑の蕪大根に倣ひ肩出せる 西村しげ子 雨月 200603
大根引く八十路の力富士日和 野畑小百合 200603
大根を煮る誰かくるわけでなく 青山丈 200603
半島に風のぬけみち大根畑 伊藤伴子 四葩 200603
菜箸の穴も愛矯大根煮る 平野貴美 四葩 200603
大根抜く穴すぽすぽと風の音 牧長幸子 対岸 200603
水平線揺るがせ三浦大根抜く 内藤呈念 ホトトギス 200604
どかと着く京大根の重さかな 坊城中子 ホトトギス 200604
大根に含羞ありぬ吊るされて 木船史舟 200604
舌の知るははの味付大根煮て 園田その子 河鹿 200604
聖護院大根を煮てふたりなり 高畠陽子 河鹿 200604
大根を愛でて女の眉細し 永田哲心 遠嶺 200604
包丁をはじく青首大根かな 加藤みき 200604
一本の千切大根真珠光 中野京子 200604
天空の重心揺らし大根引く 奥村邦子 200604
家事といふ寧らぎ大根のかつらむき 本城布沙女 雨月 200604
大根引き引くたびに日にかざしたる ことり 六花 200604
誉められて大根漬けを配りけり 高倉恵美子 200605
大根の青首長きものより抜く 高倉恵美子 200605
太平洋ずつと手前の大根穴 大島翠木 200605
大根 5      

2021年11月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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