暮 春     125句

しづかなる鷄の横顔暮春の訃    香西照雄

暮春  晩春  春惜しむ  暮の春  惜春  春暮るる・春の果

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
石ひとつ積みて暮春の高野みち
高橋千美
京鹿子
199808
雨あとの庭の乱るる暮春かな
稲畑汀子
ホトトギス
199905
青島に若き蟹いて暮春かな
金子兜太
海程
199908
日向青島
がやがやと谷中を歩く暮春かな
千田百里
巴里発
199911
後ろ手を組んで撮らるる暮春かな
能村登四郎
芒種
199911
暮春なる月島もんじゃ焼き通り
能村登四郎
芒種
199911
涙ぐましきまでに師に似し暮春かな
能村登四郎
芒種
199911
水原春郎さん
畳紙戻す暮春の桐箪笥
山田弘子
円虹
200007
暮春かな壺生れたての影をもち
武井清子
200007
一人また一人呆けゆく暮春かな
村越化石
200007
竹藪のもやひて雨の暮春かな
定藤素子
雨月
200008
渦群れて暮春海景あらたまる
水原秋櫻子
馬醉木
200104
暮春かなとほまはりして月の道
河合笑子
あを
200105
居て座して旅してゐたる暮春かな
村越化石
200106
点滴の音なく落ちて暮春かな
辻前冨美枝
200107
一本の樅の木残り城暮春
堀田清江
雨月
200107
鱒池を鳶のめぐれる暮春かな
作山泰一
200107
杉の音砂雪隠の暮春かな
岡井省二
200110
キャラメルをなめて暮春の心かな
稲畑汀子
ホトトギス
200204
痛み止め魂抜けてゆく暮春
後藤志づ
あを
200205
老を診て戻るすみずみまで暮春
西川五郎
馬醉木
200206
壁宿に暮春の筆を吊るしけり
小澤克己
遠嶺
200206
暮春てふ言葉が好きで庭いぢり
藤森すみれ
200206
鳥除けの矢羽根せはしき暮春かな
高野美佐子
雲の峰
200206
ふところにかくれ墓抱き祖谷暮春
水谷芳子
雨月
200206
略地図の西国札所暮春かな
平田紀美子
風土
200207
水底を蹴つて暮春の鳥となる
小澤克己
遠嶺
200207
大井町
身に賜ふものに暮春の鈴の音
村越化石
200207
細りゆく川の晴れたる暮春かな
奥田節子
火星
200207
暮春しめりて枕香になりゆける
山崎未可
銀化
200207
死してなほ名を秘す墓や祖谷暮春
菅谷弘子
雨月
200207
鷺吹きあぐる城壁の暮春かな
木曽岳風子
六花
200208
運河ひかる地に降りたちし暮春かな
近藤きくえ
200209
仕残せし仕事忘れて旅暮春
稲畑汀子
ホトトギス
200304
奥の席より占められてゆく暮春
稲畑汀子
ホトトギス
200304
人に疲れなほひと恋ふる暮春かな
清水節子
馬醉木
200307
姿見に猫とわれをる暮春かな
糸井芳子
200307
肩に鍬のせて暮春の水の星
市川英―
遠嶺
200308
やはらかな暮春の庭の楽師かな
加賀富美江
遠嶺
200308
西伊豆の洞窟めぐり旅暮春
葛馬房夫
雨月
200309
笙となり竹横たはる暮春かな
西川織子
馬醉木
200405
流木に腰かけてゐる暮春かな
小堀裕子
草の花
200407
鉦太鼓ゆるゆる壬生の暮春かな
丸尾和子
雨月
200408
明けの鐘に思ひはめぐり暮春かな
近藤きくえ
200408
黒塀のすその見えたる暮春かな
八田木枯
晩紅
200409
歌舞伎管見
大木を回りて元へ暮春かな
佐藤喜孝
あを
200505
走り根の水に迫り出す暮春かな
田中敬子
百鳥
200507
白内障眼そこひめのやうな暮春の姫路城
荻野千枝
京鹿子
200508
杖に手を重ね暮春の塔仰ぐ
園多佳女
雨月
200508
人倚れる楠一本の暮春かな
加瀬美代子
200605
灰燼やすでに暮春の日のひかり
瀧春一
常念
200606
からくりの無暗の闇にある暮春
鈴鹿仁
京鹿子
200606
葛城は父祖の地にして暮春かな
末吉治子
春燈
200607
風景に絵の具のにじむ暮春かな
片山タケ子
200607
見えぬ眼の眼鏡を拭ふ暮春かな
村越化石
200607
牛込の昔残せし路地暮春
稲畑廣太郎
ホトトギス
200705
雲崗仏に久闊のぶる暮春かな
松崎鉄之介
200707
途々の暮春の花を憶へけり
瀧春一
200706
半島に日のあたりたる暮春かな
土井田晩聖
万事
200711
朴葉味噌の香りたたせて飛騨暮春
石橋公代
春燈
200805
暮春の旅へひとり柩の舟に乗り
冨岡夜詩彦
200806
老松とこころ分け合ふ暮春かな
村越化石
200806
怪鳥のたまご暮春の博物館
大曽根育代
遠嶺
200808
旅五日暮春の町にもどりけり
遠藤和彦
遠嶺
200809
軋り鳴る暮春の扉なり押しひらく
水原秋櫻子
馬醉木
200904
『岩礁』
暮春恋ひ追ふは佐吉のこころざし
小野寺節子
風土
200906
山頭火終焉の地の暮春かな
手島伸子
雨月
200906
味噌桶の箍に暮春の締め力
遠藤真砂明
200907
岡崎
中天に城をとどめし暮春かな
望月晴美
200907
宙吊りのピエロ溶けゆく暮春かな
西村純太
200907
湖とまがふ暮春の博多湾
青山悠
200907
櫓のはじく水のひかりの暮春かな
栗原完爾
春燈
200908
奥伊勢のふところ深き暮春かな
武田巨子
春燈
200908
古都暮春路地の伊太利レストラン
宮内とし子
201006
思ひ直し白き帆を張る暮春かな
近藤公子
201007
希有希有し雨から雪の暮春かな
上田玲子
201007
口中に干菓子のとけてゆく暮春
小林愛子
万象
201007
X線写真うらはづかしき暮春
方森茉明
京鹿子
201008
秀次の一族祀る寺暮春
和田崎増美
雨月
201008
病む馬の一塊うづくまる暮春
山口貴志子
馬醉木
201012
黙す人還り来ぬ人待つ暮春
中村喜美子
春燈
201106
古き佳き装幀挿画見る暮春
宮内とし子
201106
太平洋東シナ海暮春かな
赤座典子
あを
201106
嘆きいや笑ひ暮春の羅漢群
伊東和子
201107
稿終へてペン胼胝さする暮春かな
上原 重一
201107
唐橋を渡り暮春の阿弥陀堂
小俣剛哉
春燈
201107
金堂のまろき柱に触る暮春
豊田都峰
京鹿子
201107
甲高き童の声や苑暮春
仙石君子
雨月
201107
鯉はねし後のしじまを暮春とす
熊川暁子
201108
湖の風に吹かるる暮春かな
和田崎増美
雨月
201108
卿の墓暮春木漏れ日のひとすぢ
豊田都峰
京鹿子
201110
余震又ありて暮春の東京に
稻畑汀子
ホトトギス
201204
滞在の米磨ぎしより暮春かな
稻畑汀子
ホトトギス
201204
戦慄が走る暮春の地震予告 酒本八重 201206  
一禽の声落しゆく暮春かな 石本秋翠 馬醉木 201207  
暮春やナンクルナイサアと労はらる 中下澄江 201207  
空濠に風屯する暮春かな 木村傘休 春燈 201207  
足許に鳩の来てゐる暮春かな 藤生不二男 六花 201207  
蓬莱島にたたむ暮春のあを水輪 安藤しおん 201306 六義園
暮春なり昔艇庫の跡あたり 井上信子 201306  
鶏鳴の昼田に長き暮春かな 中村紀美子 春燈 201307  
九十九里浜の暮春の砂嵐 瀧春一 花石榴 201312  
テレビのみはしやぐ暮春の待合室 五十嵐章子 201401  
過疎の郷火の見櫓の暮春かな 小島禾汀 春燈 201407  
夜も白き波引く渚伊豆暮春 安立公彦 春燈 201506  
座禅して生確かむる暮春かな 石井清一郎 馬醉木 201507  
浅草にメロンパン買ふ暮春かな 安藤久美子 やぶれ傘 201507  
暮春かな遠い記憶の遠い雲 北川孝子 京鹿子 201508  
ドーナツの箱入りを買ふ暮春かな 篠藤千佳子 201510  
佳き昭和なるや暮春の吊ランプ 安立公彦 春燈 201606 神谷伝兵衛稲毛別荘
坂下る暮春の家並そして空 井上信子 201607  
砂時計私が消えてゆく暮春 安居正浩 201607  
リハビリに耳鼻科医も来る暮春かな 奥田茶々 風土 201607  
ぽつくりの蒼く鳴りたる暮春かな 高野春子 京鹿子 201607  
一樹なき古墳をのぞぐ暮春かな 柴田志津子 201607  
すり鉢の縁のふつくら暮春かな 田中とし江 201607  
やはらかな邪鬼に捕まる暮春かな 上野紫泉 京鹿子 201608  
旅暮春地震の報道聞くばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201704  
ゆつたりと予定組まれて旅暮春 稲畑汀子 ホトトギス 201704  
課せられし仕事の先にある暮春 稲畑汀子 ホトトギス 201704  
街暮春連休前の静けさに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704  
閉ぢたがる新書押さへる暮春かな 宮内とし子 201706  
船音の絶えぬ暮春の壇の浦 能美昌二郎 201707  
口中に錠剤溶かしつつ暮春 西川保子 春燈 201707  
乳母車押す母の背の暮春かな 佐藤まさ子 春燈 201707  

 

2018年5月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。