晩 春  50句

大晩春泥ん泥泥どろ泥ん   永田耕衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
黒人霊歌漏れ晩春の神田川 川口襄 遠嶺 199905
晩春の一夜で逝きし友の通夜 久保田一豊 いろり 199906
父の亡き晩春轟と過ぎし影 丸山海道 京鹿子 199907
晩春をヌード気分のマヨネーズ 小枝恵美子 ポケット 199911
晩春の穴を出たまま貝ボタン 星野早苗 空のさえずる 200002
晩春の畑には人の影見えず 熊谷みどり いろり 200007
晩春の湖鏡は観世音のもの 豊田都峰 京鹿子 200008
晩春の波打ち際に人の骨 北原武巳 船団 200010
晩春の疲れきつたる試金石 篠原俊博 銀化 200105
晩春や針の揺れゐる体重計 鳴海清美 六花 200108
晩春の岬漁船は漁を終へ 高野美佐子 雲の峰 200206
晩春の庭に咲く花終る花 稲畑汀子 ホトトギス 200404
目を薄く獅子晩春を脾睨す 朝妻力 雲の峰 200405
鳴き砂が鳴き晩春の松の影 朝妻力 雲の峰 200406
晩春の画廊の窓に志功の絵 志水芳秀 雲の峰 200406
晩春の伐折羅の憤怒見て飽かず 池本喜久恵 200407
晩春の上越の山水彩画 小山百合子 遠嶺 200408
晩春のオリーブパンの匂ひけり 小林成子 火星 200408
飛騨晩春奥行き深き民芸店 森山のりこ あを 200507
晩春の嵯峨野めぐりも句碑ゆかり 豊田都峰 京鹿子 200607
一本のペン晩春の虚構かな 岩月優美子 200707
予報より早く降る晩春の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200805
晩春や乾び藻を焼く男あり 鎌倉喜久恵 あを 200805
晩春のチェロ独奏の夕べかな 浜田はるみ 遠嶺 200808
晩春の風わたりくる木偶舞台 大信田梢月 万象 200808
晩春や明王火炎蒼なせり 渡邉友七 あを 200907
晩春の塗り替へられし鉄扉かな 瀬島洒望 やぶれ傘 200910
晩春を影もてよぎる鳶のこゑ 服部早苗 201107
晩春やさかさまつげの目をこする だいじみどり 201107
晩春の光の中へ走者消ゆ 永峰久比古 馬醉木 201107
晩春のトレモロを聴く夕べなり 岩月優美子 201107
晩春の鶴見の一期一会かな 田中臥石 末黒野 201108
晩春の日ぐれや涙もろく居り 菅野蒔子 末黒野 201108
晩春の二人が違ふことを言ふ 井尻妙子 京鹿子 201109
晩春や地酒の壷の持ち重り 米田文彦 かさね 201307
晩春や見えしところに富士見えず 瀧春一 花石榴 201312
柴又晩春その名は車寅次郎 山本鬼之助 201401
晩春や脳裡に浮かぶ原節子 宮暗他異雅 末黒野 201607
晩春や突つけば固き茹で卵 甕秀麿 201608
晩春や一音欠くるハーモニカ 鈴木としお 春燈 201608
晩春の横浜や友共に老い 田中臥石 末黒野 201608
晩春の薄暮に白き障子かな 磯崎啓三 風土 201609
まつ直ぐに来て晩春の物おもひ 井尻妙子 京鹿子 201808
晩春や青貝散らす文書箱 宮崎紗伎 春燈 201908
晩春の憂鬱舌に楽しまん 仁上博恵 201909
晩春や出会ひし人の俯きぬ 永田万年青 六花 202007
晩春のオウムは言葉つむぎをり 村田あを衣 京鹿子 202203
晩春のままごと遊びひとりきり 秋川泉 あを 202206
手入れせぬ庭晩春のカオスなる 小林拓路 末黒野 202208

 

2023年4月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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