青 田 4     175句

初秋や海も青田の一みどり    芭蕉

早苗饗  早乙女  田植  植田  青田

作品
作者
掲載誌
掲載年月
城はるかさざ波街道青田風
丸山佳子
京鹿子
200508
常陸野や青田青田を風渡り
水原春郎
馬醉木
200509
青田風女駅長挙手の礼
俵藤正克
春燈
200509
満目の青田を風のひとすべり
坂本京子
200509
胸中に帆のふくらみや青田道
八百山和子
200509
兄と見てゐる山古志の青田かな
深澤鱶
火星
200509
臨月の腹の中にも青田風
片岡静子
200509
青田風通学の子のヘルメット
藤井智恵子
百鳥
200509
鉄塔のつづき青田のつづきけり
大塚隼人
対岸
200509
御飯粒噛めば青田の広がれり
辻恵美子
栴檀
200509
唇の乾く夕べや青田道
藤田佑美子
栴檀
200509
大青田里ふくらます風となり
宇都宮滴水
京鹿子
200509
遠方に青田が沿へり千曲川
阿部ひろし
酸漿
200509
善光寺平青田まへなる雨けぶり
阿部ひろし
酸漿
200509
青田波段段の田を滑り落つ
岩林勇雄
築港
200509
青田風新築の間を吹き抜くる
山本静江
築港
200509
いつ時をたかぶりうねる青田風
板倉幸子
築港
200509
青田波大きなうねりくり返す
一ノ瀬千恵
築港
200509
田圃ごと色の濃淡大青田
一ノ瀬千恵
築港
200509
広びろと青田の続く信州路
一ノ瀬千恵
築港
200509
目に見えて風わたりくる青田かな
木村茂登子
あを
200509
田の色に濃淡のあり青田風
芝宮須磨子
あを
200509
子らの傘左右に別れ青田道
伊地知真言
河鹿
200510
水の面の隠れ青田となりにけり
今成公江
200510
讃岐にて青田の水輪無限大
黒田咲子
200510
思ひ出し笑ひのやうに青田風
吉田明子
200510
青田風磨き込まれし長廊下
鈴木とき子
対岸
200510
至らざるわれにも詩情青田道
加藤京子
遠嶺
200510
歳時記を播く青田風の中
武内沢仙
遠嶺
200510
音立てて穂水を注ぐ青田かな
大房帝子
酸漿
200510
ふるさとのにほひなりけり青田風
大山妙子
酸漿
200510
多古米と幟はためく大青田
大山妙子
酸漿
200510
分校の時計見上ぐる青田かな
中山世一
百鳥
200510
青田風優しくなればすむことも
甲斐のぞみ
百鳥
200510
青田風母の癖字の出納簿
白川宗道
百鳥
200510
襁褓干す青田の中の新居かな
吉村一郎
百鳥
200510
雉子翔ちし風の湧きたる青田かな
須永トシ
栴檀
200510
姉住める離れ三方青田風
細川コマヱ
雨月
200510
濃く淡く乱れ模様の青田かな
浜田久美子
六花
200510
青田道雨の近江となりにけり
中村洋子
風土
200510
放たれて合鴨たちの青田かな
松山正江
河鹿
200510
見はるかす濃尾平野の青田かな
柳瀬都音子
築港
200510
青田鷺思案の歩み穏やかに
山口二三雄
築港
200510
大青田自噴の湖の水際に
木下栄子
築港
200510
男峰よりひたち国見の青田原
遠藤真砂明
波太渡し
200510
国原やいづくより湧く青田風
福山悦子
200510
深呼吸青田の風を憚らず
福山悦子
200510
山雨来るけはひの青田風騒ぐ
宮崎正
ホトトギス
200511
一面の青田の中の駅に下車
大堀由子
200511
風神の足裏白し青田波
清水ミツコ
200511
正客は母でありけり青田風
飯塚ゑ子
火星
200511
青田道自転車で来る水奉行
菅野末野
風土
200511
各駅停車青田の風の吹き抜けぬ
鈴木實
百鳥
200511
いちどきに棚田に生れし青田波
苑実耶
200511
千枚の青田潮風縞なして
江崎成則
栴檀
200511
ローカル線も定刻発車青田行く
山田をがたま
京鹿子
200511
青田中無人駅あり山迫る
山田をがたま
京鹿子
200511
道路鏡全面青田埋め尽くす
金森恭子
築港
200511
青田より鷺たつ旅のはじめかな
小谷延子
栴檀
200601
青田よりややにうすきは青林檎
瀧春一
常念
200606
青田風人ら負荷にひしがれて
瀧春一
瓦礫
200606
火山帶峡は清しや青田満つ
瀧春一
瓦礫
200606
青田に蝶群れ沼はとろりと銀鼠
瀧春一
瓦礫
200606
白鷺の一点のほか青田波
鷹羽狩行
200607
軽鴨の声のしてゐる青田かな
山田六甲
六花
200607
青田風筑波は島のごとくあり
鈴掛穂
200608
青田風墓も同居の散居村
影島智子
200608
青田風人声戻りし山古志村
滝村みさ子
200608
青田となり水の香の満つ山古志村
滝村みさ子
200608
携帯電話やめて顔あげ青田見よ
今谷脩
ぐろっけ
200608
青田風農を継ぐ子の眉太き
長島恵吉
酸漿
200608
鹿の食害烈しき青田見廻れる
谷榮子
雨月
200608
鷺一羽見えがくれするほど青田
安部里子
あを
200608
青田波遊行柳の影揺らし
島田山流
春燈
200609
巡見使のやうに青田のつばくらめ
関根洋子
風土
200609
行間は虚と宜ふや青田波
吉澤利治
遠嶺
200609
口挟むいとまのあらず青田波
吉田明子
200609
革命の籟江デルタ青田延ぶ
松崎鉄之介
200609
早苗田のはや青田なり風渡る
藤原さちよ
酸漿
200609
青田風親子三代恙無し
牧野麦芽
京鹿子
200609
五位鷺の脚ぬらすかに青田波
水谷ひさ江
六花
200609
青空へ青田広がりゆきにけり
永田勇
六花
200609
いちまいの青田を父が横切りぬ
青野れい子
200609
高台に庄屋の館青田風
山火律子
200610
畦道に人沈みゆく青田かな
松たかし
火星
200610
青田中家持の歌碑忽然と
折橋綾子
200610
こまち号停らぬ駅は青田中
戸田和子
200610
渋民の青田は千の方眼紙
樋口英子
200610
渋民の雨脚太し青田原
久染康子
200610
青田波おのづと車窓開け走る
大久保寛子
遠嶺
200610
糯・粳の半々青田淵明めく
松崎鉄之介
200610
玉葱は吊さるるもの青田風
綿谷美那
雨月
200610
青田風師の碑に力賜はりて
荒井千佐代
200610
木々草々蔭を重ねて風青田
丸山冬鳳
京鹿子
200610
なにもかも揺れておりけり青田風
わかやぎすずめ
六花
200610
青田かな友の表情和ませて
筒井八重子
六花
200610
青田波色を変へつつ進みけり
筒井八重子
六花
200610
早朝の青田の中を走りけり
筒井八重子
六花
200610
青田風棚田を白く過ぎにけり
筒井八重子
六花
200610
海の風青田に波を広げゆく
金山千鳥
酸漿
200610
野萱草青田の続くなかに咲く
久保田ヤスエ
酸漿
200610
水神と地神を畦に青田かな
松元末則
酸漿
200610
安達太良の機嫌宜しき青田風
安田とし子
ぐろっけ
200610
奔放に風が絵を描く大青田
林和子
200611
刃こぼれのやうに青田の用水路
吉田明子
200611
どぜう屋に青田の風のよく通り
黒田咲子
200611
千枚田一枚となる青田波
小島左京
ホトトギス
200612
一枚の風の青田となる平野
藤浦昭代
ホトトギス
200612
ちちははの家ちんまりと青田なか
荒木治代
ぐろっけ
200612
大青田青ノ洞門より覗き
萩谷幸子
雨月
200701
青田いま視野一枚の二尺丈
松本鷹根
京鹿子
200701
方尺の鉢の青田よ学校苑
平野きぬ子
八千草
200702
目に見えて青田広ごる風の道
池崎るり子
六花
200704
晴れ曇る筑波を空に青田道
瀧春一
200706
鷺のゐて行方乱され青田風
鷹羽狩行
200707
祖の青田登りのぼりて守るたつき
豊田都峰
京鹿子
200707
青田風一本の道通りけり
竹貫示虹
京鹿子
200707
千の風千の雲ゆく青田かな
上原重一
200707
群鷺の一羽飛び立つ青田かな
ことり
六花
200707
鷺の群青田の畦に並びをり
ことり
六花
200707
鴉ゆく青田の隙間縫ひながら
ことり
六花
200707
青田吹く風の匂ひや遠筑波
青野安佐子
200708
鶴鳴いて青田に日暮引き寄する
中谷葉留
万象
200708
大雨や青田どうしの絆生る
松井のぶ
200708
大青田水路ひと筋湖に尽き
乗光雅子
雨月
200708
胴上げをされて空見る青田風
鴨下昭
200709
人気なく鷺の白佇つ青田道
鈴木阿久
200709
方形の水面そよそよ青田風
後條さと子
200709
家苞に鯉のうま煮と青田風
高橋澄子
200709
頼りなき苗とも見しが青田風
相良牧人
200709
青田道雲の切れぎれから夕日
伊藤早苗
200709
青田かな日本の国のありがたく
福盛悦子
雨月
200709
大師水引きて青田は日々に濃し
齋部千里
ぐろっけ
200709
わが箱田青田となれりやうやうに
阿部ひろし
酸漿
200709
雨まだら近江平野の青田道
江本路代
酸漿
200709
白鷺の過る青田の軌跡かな
松元末則
酸漿
200709
合鴨の入りし青田やにぎやかに
松元末則
酸漿
200709
家路への別れ小路を青田風
久永つう
六花
200709
遠流てふ島には広き青田あり
木船史舟
200710
雲間より差す日青田に帯となり
前川明子
200710
水保つ知恵はいつより青田波
高橋道子
200710
納棺の前に青田を見せてやる
堀口希望
200710
白河の梅雨の青田をよぎりけり
阿部ひろし
二の杉
200710
さらさらと雨にけぶらふ大青田
木内美保子
六花
200710
稲なびきリスト弾くごと青田風
大空純子
ぐろっけ
200710
甲府盆地植田青田のけぶりつつ
阿部ひろし
酸漿
200710
梅雨霧を青田に広げ諏訪平
阿部ひろし
酸漿
200710
農鳥や裾野はすでに青田波
阿部悦子
酸漿
200710
絶間なき雲雀の声や青田道
石井邦子
酸漿
200710
一望の異国の青田鷺の群
中村輝子
酸漿
200710
神宿る築波は二峰青田波
北村香朗
京鹿子
200710
青田波水影失する日数かな
岸本久栄
雨月
200710
ゆるやかに青田迫りて千曲川
水原春郎
馬醉木
200710
縦横に風の道ある青田かな
吉田幸敏
200710
余震なほ来るやも知れず青田波
若井新一
200711
夕長し青田の鷺の神妙に
金井充
百日紅
200711
青田風ちらりと青き穂の見えて
金井充
百日紅
200711
青田が囲む鮨屋も磯の匂ひして
金井充
百日紅
200711
炎天の青田はむしろ暗いもの
金井充
百日紅
200711
青田風山の中にも米どころ
金井充
百日紅
200711
水口の辺り摩り切れ青田風
工藤ミネ子
風土
200711
青田波鳥海山へなびきをり
芳賀雅子
遠嶺
200711
故郷や青田の続く畔に立つ
星輝子
遠嶺
200711
青田風手動扉の湖西線
村上絢子
馬醉木
200711
箱を田に日々に苗伸び青田かな
梅田秀子
酸漿
200711
農に生きし父の柩や青田風
君島栄子
酸漿
200711
みちのくの旅ぞ青田の豊かなる
君島栄子
酸漿
200711
日本の風の生まるる青田かな
内藤呈念
ホトトギス
200712
大波小波の青田を膝に文学苑
小野寺節子
風土
200712
けらけらとちょこまかの子と青田道
陽山道子
船団
200801
そうめんともう決めている青田道
坪内稔典
稔典句集U
200804
青田道でっかい顔の男来る
坪内稔典
稔典句集U
200804
青田風牛小屋並べて開け放つ
金田美恵子
ぐろっけ
200805
白鷺の数へきれざる青田あり
中村輝子
酸漿
200806
青田風童のこゑをのせてくる
邑橋節夫
菊揃へ
200806
青田 5→      

 

2021年6月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。