秋立つ 2          114句

秋立つや素湯香しき施療院    蕪村

立秋  今朝の秋  秋立つ  秋に入る  秋来る  今朝秋

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋立つと見はるかす野の草青し 辰巳あした 雨月 201508
約束の遠出嬉しき秋立つ日 辰巳あした 雨月 201508
秋立つや弥生銅鐸舌を出し 高橋泰子 201510
ブティックの窓の絵硝子秋立てり 和田幸江 春燈 201511
白樺の風の囁き秋立ちぬ 齋藤晴夫 春燈 201511
歩むたび影を濃くして秋立てり 北川孝子 京鹿子 201511
心経を枕に二十日秋立てり 竹中一花 201511
水底の石の白さに秋立てり 吉田順子 201511
国引きの島の夕日や秋立ちぬ 太田良一 末黒野 201511
懇ろに朝の挨拶秋立てり 甕秀麿 201511
秋立つや牛が寝そべる草千里 柴田志津子 201511
懇ろに朝の挨拶秋立てり 甕秀麿 201511
秋立つや固く結ひたる靴の紐 亀井紀子 201512
飛脚行く馬篭秋立つ石畳 竹内弘子 あを 201512
秋立つや煮上がるスープ透きとほり 大橋伊佐子 末黒野 201512
秋立つと天帝隕石飛ばしけり 竹内弘子 あを 201601
秋立つや再び開く京「丸善」 高野昌代 201602
秋立てり戦争展の年表も 火箱ひろ 船団 201602
天井の染みありありと秋立ちぬ 本間羊山 風土 201610
秋立つや楢の小川に風渡る 蒲田豊彦 雨月 201611
秋立つや授乳中なる授乳室 澤近栄子 京鹿子 201611
木熊彫る指の先より秋立てり 大内和憲 万象 201611
せせらぎの川の辺や秋立ちぬ 永島雅子 春燈 201611
秋立つや駅舎の前の水たまり 小山繁子 春燈 201611
秋立つや廊つややかに禅の寺東 吉田とよ子 春燈 201611
四年後の五輪を想ひ秋立ちぬ 田中信行 201612
街路樹の影のうつろひ秋立てり 高村令子 風土 201612
秋立つや廊つややかに禅の寺 吉田とよ子 春燈 201612
病床にも病衣にも馴れ秋立ちぬ 安斎久英 末黒野 201612
秋立つ日写真も用意して並ぶ 中谷三干子 船団 201702
疾走の一艇のあと秋立てり 能村研一 201709
秋立つや墓の香水清々し 本多正子 雨月 201711
秋立つや静かに降ろす心の帆 小山直子 末黒野 201711
秋立つや隙間なくはく乗馬靴 竪山道助 風土 201711
秋立つや耳の奥より師の声す 上村葉子 風土 201711
秋立つや息ととのへて経写す 本多正子 雨月 201711
秋立つと額の絵替ふる居間客間 落合絹代 雨月 201711
アッティカの壺眼前に秋立てり 岩月優美子 201711
公園に球打つ響き秋立ちぬ 藤波松山 京鹿子 201712
秋立つや滅法弁当好きになり 中島陽華 201712
秋立つや秩父武甲は石の山 正谷民夫 末黒野 201712
秋立つや水に手が出て足が出て 神蔵器 風土 201712
包丁の音の小刻み秋立てり 岸洋子 201801
秋立てりカールブッセの雲湧きて 矢野百合子 201802
秋立つや秩父武甲は石の山 正谷民夫 末黒野 201804
名は風雅秋立つ朝に生まれけり 大日向幸江 あを 201810
秋立ちぬ笙篳篥と銅鐸の音と 田尻勝子 六花 201810
秋立つや古武士の如き松大樹 大西武士 春燈 201811
秋立つや落葉松林に風のみち 森田節子 風土 201811
いかづちの一喝うけて秋立てり 門伝史会 風土 201811
七曜を忘るるくらし秋立ちぬ 山本漾子 雨月 201811
山門に入るや秋立つ松の影 大西武士 春燈 201811
秋立つや烈日未だ動かざる 河口知重 末黒野 201812
秋立つや物捨てきりしこの家に えとう樹里 201902
秋立つや右も左も転びあざ 篠田純子 201904
秋立つや老いの暮しを軽くする 都築繁子 201904
潮騒の音色変はりて秋立てり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201908
山中節湯殿を濡らし秋立つか 山田六甲 六花 201909
鴟尾の影すこし伸び来て秋立ちぬ 狭川青史 馬醉木 201910
神鈴の一振りに秋立ちにけり 橋本榮治 馬醉木 201910
秋立ちて二日目となる空の色 大橋晄 雨月 201910
秋立つやテトラポットに波くだけ 秋山信行 やぶれ傘 201911
秋立つや熊よけ鈴の忘れ物 加藤直人 末黒野 201911
卓五つ句座の熱気や秋立ちて 内田梢 末黒野 201911
一夜明け秋立つ風となりにけり 戸田澄子 末黒野 201911
秋立つや安房の稜線くつきりと 安斎久英 末黒野 201911
秋立つやガラスの床をそつと踏み 粟原公子 201911
秋立つや布目ますぐに物を干し 粟原公子 201911
秋立つや瀬の風さつと草の見せ 森清堯 末黒野 201911
秋立つと一滴づつの目薬よ 西岡啓子 春燈 201911
秋立つや藍の野良着のこぎん刺 渡辺若菜 春燈 201911
かはたれの瀬音かそけく秋立ちぬ 辻田玲子 雨月 201911
須磨浦の秋立つ色を波に見る 阪上多恵子 雨月 201911
秋立つや台所掃除念入りに 田中藤穂 201912
秋立つ日夫と連れ立ち六本木 本郷美代子 やぶれ傘 201912
みづうみを渡る朝風秋立てり 土江比露 春燈 201912
秋立ちて二日目となる空の色 大橋晄 ホトトギス 202001
秋立つやてぬぐひかけの手拭に 久保田万太郎 春燈 202008
秋立つ日三十五度の徒ならず 赤座典子 あを 202010
秋立つや木陰くる風命の声 柴田靖子 202011
コンパスの銀の軸足秋立てり 石田静 202011
秋立つや長き回廊ひとりの歩 高埜良子 春燈 202011
千曲川秋立つ空を映しけり 田中嘉信 春燈 202011
秋立つやミイラの特別展ちらし 西本花音 春燈 202011
秋立つやアールグレイの香の中に 井尻妙子 京鹿子 202011
秋立つや篠笛の吐く風の色 能美昌二郎 202011
秋立つや屑箱にある旅プラン 今村千年 末黒野 202011
秋立つや大樹は塔の道しるべ 横大内由紀 末黒野 202011
秋立ちぬ子規直筆の子規の句碑 仙田孝子 風土 202012
マネキンの細きおとがひ秋立てり 加賀荘介 202012
水は香を風は音増し秋立ちぬ 塚越弥栄子 末黒野 202012
小波の豊かな湖や秋立ちぬ 山内碧 202102
地球あと半回転で秋立ちぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202108
秋立つや夜明けのシェーバー音二つ 井上菜摘子 京鹿子 202108
声明の洩れ来る古刹秋立ちぬ 高木邦雄 末黒野 202111
秋立つや買ひ求めたるスニーカー 大庭美智代 末黒野 202111
秋立てりほどきて洗ふズック紐 青谷小枝 やぶれ傘 202111
秋立ちぬ神の創りしキリンの斑 中村嵐楓子 春燈 202111
秋立つや暦ばかりが先走る 尾野奈津子 春燈 202111
ウイルスの更なる進化秋立ちぬ 遠山悟史 京鹿子 202111
秋立つや罅の入りたる瀬戸茶碗 梅津まり子 末黒野 202112
一と吹きの風に秋立つ薄暮かな 伊藤希眸 京鹿子 202112
ビルの間の五十糎に秋立ちぬ 鈴木光影 202112
秋立つや姿を見せぬバンクシー 町山公孝 202210
箒目の渦のまん中秋立てり 町山公孝 202210
秋立つや清盛像のぬつと起ち 谷口一献 六花 202210
籠り居の減らす目薬秋立ちぬ 甲州千草 202211
秋立つやオセロ一気に色変へて 栗原公子 202211
秋立つや流離の雲を遊ばせて 黒滝志麻子 末黒野 202211
秋立つや杖一本の旅支度 今村千年 末黒野 202211
秋立ちぬ韃靼蕎麦のうこん色 岩佐梢 202211
書棚より漱石の「門」秋立ちぬ 武藤弘海 京鹿子 202212
秋立ちぬ笙篳篥と銅鑼の音と 田尻りさ 六花 202212
クッションを替へて秋立つ風の音 津野桂子 末黒野 202301
秋立つ→ 1

 

2023年8月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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