秋さぶ     64句

秋寂びし象は鼻ふり泪ためる  高島茂  俳句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋寂びの抹茶にはつか竹の味 華明日香 銀化 199812
秋寂ぶや廊下は傷跡だらけなり 熊谷みどり いろり 200001
秋寂や兵の碑文を判じ読む 西田円史 円虹 200101
秋寂ぶや柳生道の磨崖仏 井出智恵子 春耕 200101
秋寂のふつと消す燭灯りかな 小澤克己 遠嶺 200209
秋さぶといふ庭の面をそぞろ歩す 稲畑汀子 ホトトギス 200210
秋さぶの風饒舌となりしかな 鉄山幸子 銀化 200212
秋さぶる宮居の衛士の挙手の礼 古田考鵬 雨月 200302
秋さぶや日帰りといふ富士比叡 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310
秋さぶや心正しき人の忌に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310
秋寂の汐汲む音も松の風 小澤克己 遠嶺 200312
秋寂びやとんがり屋根は玩具めく 真木早苗 八千草 200405
長身の句碑に抱擁秋寂びぬ 能村研三 200412
秋さぶの川音やはすものの影 鈴鹿仁 京鹿子 200501
幼帝の産衣秋寂ぶ櫃小さし 密門令子 雨月 200502
秋寂の庵の土間の笈と笠 小澤克己 雪舟 200506
秋さぶの名苑として鎮もりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200511
秋寂ぶやバリウムいまだ体内に 寺岡ひろし 雨月 200512
一絃琴秋寂ぶ音と聞きゐたり 大畠政子 雨月 200601
秋寂ぶや欠け墨こぼる和良やわら 山元志津香 八千草 200603
秋寂ぶや利休愛せし手洗鉢 角直指 京鹿子 200603
秋寂ぶや相の崩れし二面石 三輪温子 雨月 200701
秋寂や明の山水呉須茶碗 荻原美保子 春燈 200712
秋寂の雨情も宴を華やげむ 小澤克己 遠嶺 200712
秋寂びや手燭明りの駆込寺 川口襄 遠嶺 200802
秋寂の門花菱の紋所 今井松子 遠嶺 200802
秋さぶる如庵を包む夕日かな 手島伸子 雨月 200802
橋立を渡りきし貌秋さぶる 山尾玉藻 火星 200811
秋寂びの天窓洞の潮つづみ 守屋井蛙 酸漿 200902
減塩に慣らされてをり秋寂びぬ 能村研三 200911
大原の紫蘇干す軒や秋さぶる 河崎尚子 火星 200912
秋さぶの駅のベンチでパン齧る 鎌倉喜久恵 あを 200912
秋寂びぬ鉄鎖の太き氷川丸 小川玉泉 末黒野 201001
割竹の樋に秋寂ぶ本阿弥庵 淺井照子 京鹿子 201001
舞殿の鳳風の額秋寂びぬ 小川玉泉 末黒野 201002
秋寂し鴫立沢の水果てて 大信田梢月 万象 201002
秋寂びぬ三人の師のベレー帽 能村研三 201010
秋寂びて父の遺愛の絵の具皿 能村研三 201011
秋さぶし遊子の浜に石拾ふ 浜福惠 風土 201101
秋寂ぶや旅の土産の田舎みそ 淺場英彦 万象 201101
秋寂ぶや根の熱き髪ほぐしつつ 北川孝子 京鹿子 201101
秋寂し杖を頼りの母に添い 宮脇百百子 201102
秋寂びぬテトラポッドの腿も 小形さとる 201102
菖蒲田の秋寂ぶ風情株寄せて 木村茂登子 あを 201101
秋寂びの潮鳴り通す小笹垣 能村研三 201112
「石六」が刻みし歌碑や秋寂びぬ 能村研三 201112
秋寂ぶや古代住居の土間の罅 田中貞雄 ろんど 201112
秋さぶや病名いまだ定まらず 鎌倉喜久恵 あを 201112
秋寂ぶや沢風及ぶ露月の碑 小林輝子 風土 201201
秋寂びぬ公園猫の目鼻立ち 有本惠美子 ろんど 201201
秋寂や子守つらしと子守唄 森幸 雨月 201202
常席の空いて秋さぶ会となる 稲畑汀子 ホトトギス 201210
妙見にただよふ霊気秋寂びて 塩路隆子 201412
秋寂ぶや堂に定家の念持仏 岡本尚子 風土 201501
秋寂ぶやビルの狭間の斑女塚 竹内喜代子 雨月 201502
日も水も秋寂ぶ色となりにけり 三屋英俊 万象 201602
わたつみや秋寂ぶ砂の丘の果て 升田ヤス子 六花 201701
秋寂ぶの潮聴く崖の鵜捕人 下村たつゑ 201801
秋寂ぶや倦み払ひの豚の耳 能村研三 201811
根ざらしの崖に秋寂ぶ音を聴く 能村研三 201812
蕉翁の碑に秋寂ぶの風の音 増成栗人 201901
秋寂ぶや塔の影負ふシテの舞 升田ヤス子 六花 202001
あるがまま生きて秋寂ぶ余生とは 寺田すず江 202001
水禍癒えざるに秋さぶ雨がまた 木村享史 ホトトギス 202004

2021年11月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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