秋深み    58句

彼一語我一語秋深みかも   高浜虚子   六百五十句

秋深み 秋ふかし 秋深む 秋さぶ 深秋 秋深し

作品
作者
掲載誌
掲載年月
裏みちの湯の香ごもりに秋深み 岡本眸 199902
鱗々と鯉削ぎてより秋深み 丸山海道 海道全句集 199910
水の音父の生家の秋深み 中村祐子 199912
秋深み口に出したる嬥歌かな 平橋昌子 200002
三井寺のみ灯しも秋深みかも 田中藤穂 水瓶座 200002
旅先の箔屋のぞけり秋深み 上田好子 200012
またひとり喪の家去りゆく秋深み 大石よし子 雨月 200112
はんざきに秋深みゆく水の音 西村しげ子 雨月 200201
み仏の御ン目切れ長秋深み 乗光雅子 雨月 200301
秋深み子に従ふも卒寿かな 斉藤陽子 雨月 200401
一途とも悲恋とも秋深みゆく 朝妻力 京鹿子 200409
一夜戸を鳴らす風あり秋深み 宮城白路 風土 200412
葬りあと雨音に秋深みゆく 丸尾和子 雨月 200502
夕映の寺町に秋深みゆく 水田清子 200510
秋深み言うて置かねばならぬこと 大橋敦子 雨月 200511
我が身の影杖の影秋深みかも 大橋敦子 雨月 200512
刀自逝かれ尾道の秋深みけむ 大橋敦子 雨月 200512
母の句の途絶えこの秋深みゆく 大橋麻沙子 雨月 200512
秋深みゆく年尾句碑青虎句碑 蔭山一舟 ホトトギス 200604
秋深み多めに作る梅醤 江原博子 200612
秋深みゆく萩焼に魅入る間も 山中宏子 200702
同色の舟と桟橋秋深み 岡本眸 200710
あぎとより秋深みけりピカソ展 寺田すず江 200712
秋深みゆく草々の踏み応へ 木内憲子 200712
樹々なびく秋深み行く風と知り 宮津昭彦 200811
一人のみに訪ふ尾道の秋深み 大橋晄 雨月 200812
攻め焚きの窯鳴りに秋深みけり 遠藤真砂明 200901
ゲヂゲヂがゲヂゲヂとゐる秋深み 佐藤喜孝 あを 200911
私語はばかる池畔の屋敷秋深み 東野鈴子 雨月 201002
もの忘れ一気加速や秋深み 塩路五郎 201011
琴弾きの滝響きけり秋深み 松田和子 201012
門徒吾信心いまだ秋深み 大橋敦子 雨月 201110
敦盛の騎馬像凛々し秋深み 長濱順子 201201
戻し舟秋深みゆく嵐山 笹井康夫 201201
西めざす風に君逝く秋深み 松本三千夫 末黒野 201201
虚子句碑はかの辺にあらむ秋深み 大橋晄 雨月 201201
代替りせられし院主秋深み 宮平静子 雨月 201201
病持つそれぞれに秋深みゆく 安武晨子 201210
秋深みつつ母の皿夫の皿 井上信子 201212
橅の黙朴の黙秋深みゆく 大畑善昭 201301
秋深みかも水栓の漏れを直し 定梶じょう あを 201311
雀ただ無口な夕べ秋深み 井上信子 201311
円陣の十二神将秋深み 松本三千夫 末黒野 201312
秋深みわれ見そなはす伎芸天 松本三千夫 末黒野 201312
筆筒はかの日のままに秋深み 室伏みどり 雨月 201402
もてなしの庭と御膳や秋深み 松田和子 201501
水分に一瞬の瀞秋深み 能村研三 201501
トロッコのきしむ銹音秋深み 伊藤和子 201502
尼寺の一打一韻秋深み 松本三千夫 末黒野 201612
土手に立つ人影に秋深みけり 白石正躬 やぶれ傘 201711
秋深み暦二枚の重さかな 今野明子 末黒野 201802
刻々と色変ふ山は秋深み 北川孝子 京鹿子 201812
秋深み新古今集臨書して 手島伸子 雨月 201901
一人居の耳聡き夕秋深み 森清信子 末黒野 201902
日の当る安房の稜線秋深み 安斎久英 末黒野 202001
ただ声が聞きたき電話秋深み 今井千鶴子 ホトトギス 202101
過ぎてゆく一日を惜しむ秋深み 今井千鶴子 ホトトギス 202101
夕暮の鐘の響きや秋深み 今村千年 末黒野 202102

 

2021年11月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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