秋の蚊 2     61句

  蚊柱/藪蚊  なごり蚊  残り蚊  秋の蚊

秋蚊 残り蚊 名残り蚊 溢れ蚊 哀れ蚊

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋の蚊に三度食はれし館の庭 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
秋の蚊の打たれし無念てのひらに 布川直幸 201509
秋の蚊や昼なほ暗き座禅堂 菅野日出子 末黒野 201511
耳もとに秋の蚊の来てささやけり 熊川暁子 201512
秋の蚊の刺す気あるのか無いのかな 森理和 あを 201512
秋の蚊や唯とんでゆく声もなく 水谷直子 京鹿子 201601
秋の蚊の童にとまり叩かれず 七郎衛門吉保 あを 201601
秋の蚊や荷を持ち替へて払ひける 今井充子 201601
秋の蚊を打つ満身の力もて 白水良子 201602
秋の蚊の刺して仏へ逃げこみぬ 吉田葎 201602
秋の蚊に差し上げましょうこの殺気 林田麻裕 201603
秋の蚊を狙ふ六十余の瞳 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
秋の蚊を平手打ちせる智頭女 山田六甲 六花 201610
秋の蚊の衰へしらず式部の間 山田六甲 六花 201611
神将のくわつと秋の蚊を吐けり 森岡正作 201612
秋の蚊に攻めたてられし真田山 山田天 雨月 201612
秋の蚊をためらひつつも打ちにけり 橋本之宏 風土 201612
富士塚の天辺秋の蚊を払ふ 荒木甫 201612
秋の蚊や動体視力衰へず 延川笙子 六花 201701
秋の蚊に追はれし如く家居して 稲畑汀子 ホトトギス 201709
したたかに弱々しげに秋の蚊よ 稲畑汀子 ホトトギス 201709
露坐仏拝む秋の蚊を纏ひつつ 篠田純子 あを 201711
秋の蚊や四条河原に点火待ち 小田嶋野笛 末黒野 201712
秋の蚊にやはりしぶとく螫れけり 藤波松山 京鹿子 201712
草闇にひそむ秋の蚊夫を刺す 延川笙子 六花 201801
秋の蚊に歯のなき貌を訪はれをる 中島陽華 201801
麹ほぐす手もとに秋の蚊の来たる 近藤紀子 201801
ガラス戸の向こうに秋の蚊のとまり 松村光典 やぶれ傘 201710
秋の蚊のテレビの前を過ぎりゆく きくちきみえ やぶれ傘 201711
秋の蚊がまだゐるバーの椅子 藤井美晴の下 やぶれ傘 201711
秋の蚊を追ひ払ひつつ句集読む 秋川泉 あを 201801
秋の蚊や母の墓前に亡夫のこと 笹村政子 六花 201712
秋の蚊の次から次と犬に寄り 神山市実 やぶれ傘 201712
秋の蚊に刺さるるために出でし庭 稲畑汀子 ホトトギス 201809
秋の蚊にAB型といふ馳走 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
秋の蚊や我が利き腕の鈍らよ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201810
杖をつく母に秋の蚊ついて来し 柴田佐知子 201811
秋の蚊が後ろの回り唸りけり 田中藤穂 あを 201811
投函をすませ秋の蚊連れ帰る 石黒興平 末黒野 201812
大股を見つけ秋の蚊深呼吸 三木亨 201812
大小の枕並ぶる秋の蚊帳 横山さくら 春燈 201812
音立てず姿も見せず秋の蚊に 大橋晄 雨月 201901
秋の蚊を叩けばわが血われを染め 松村光典 やぶれ傘 201901
耳元といふ秋の蚊の主張かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
秋の蚊を払ひ年尾を見舞ひし日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
秋の蚊の刺すを叶はず逃れけり 磯野青之里 六花 201912
如雨露持つ手を秋の蚊に刺されけり 森美佐子 やぶれ傘 201912
しばらくは秋の蚊を見失ひたり 奥田筆子 京鹿子 201912
秋の蚊の遮二無二襲ふ峡の道 櫛橋直子 雨月 201912
秋の蚊の飛べざるほどに血を吸うて 大石よし子 雨月 201912
秋の蚊の声はすれどもかかはらず 笹村政子 六花 202001
秋の蚊のしぶとく纏ふ首の筋 西村白杼 京鹿子 202001
秋の蚊や吾の赤き血を盗み去り 山本泰人 春燈 202001
秋の蚊に我が福耳を狙はるる 大久保白村 ホトトギス 202001
尻赤き秋の蚊叩き潰しけり 湯本実 やぶれ傘 202002
秋の蚊の羽音たて来る昼日中 天野美登里 やぶれ傘 202010
秋の蚊にさされて戻る夕散歩 星野椿 ホトトギス 202012
秋の蚊の〆切せまる稿過る 岩崎藍 末黒野 202012
静止する境内秋の蚊の羽音 谷口一献 六花 202012
秋の蚊を打てば黒い血滲みけり 田口りさ 六花 202101
秋の蚊を払へど出羽の関所跡 延川五十昭 六花 202101
秋の蚊は頬へ机上にミステリー 安藤久美子 やぶれ傘 202111
秋の蚊に耳うちされて刺されけり 吉澤恵美子 春燈 202111
秋の蚊を払ひながらの露天風呂 赤座典子 あを 202111
秋の蚊と目の合うて時緩慢に 鈴木光影 202112
急ぎ入る東司に秋の蚊の待てり 石黒興平 末黒野 202201
秋の蚊の羽音時計は午前二時 きくちきみえ やぶれ傘 202201
泣面に秋の蚊痒い痛い痛い 山田六甲 六花 202210
秋の蚊や全集歪む古本屋 松尾康代 202212
秋の蚊を殺す刹那や夜叉の貌 太田良一 末黒野 202301
秋の蚊→ 1      

 

2023年9月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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