秋深し 4   89句

秋深し真夜の瞳として鏡   本橋怜加

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋深し書肆と酒肆ある神保町 内山照久 201901
秋深ししつつこさうなパンばかり 小山よる やぶれ傘 201901
秋深し華の菩薩に一字三礼 塩貝朱千 京鹿子 201901
秋深し老人会のメロディベル 長崎桂子 あを 201901
見舞ふたび思ふことあり秋深し 萩原久代 やぶれ傘 201902
秋深し雲高々と軽々と 大橋晄 雨月 201902
秋深し心を映す川面かな 植村蘇星 京鹿子 201902
秋深し嶺に落つる日の真くれなゐ 松本幹雄 馬醉木 201902
死ぬる人多きドラマや秋深し 小林朱夏 201902
酔うほどに憂いは失せず秋深し 中川のぼる 201904
秋深し雲高々と軽々と 大橋晄 ホトトギス 201905
道問へば駿河の訛り秋深し 石川東児 201905
消息に安堵の電話秋深し 稲畑汀子 ホトトギス 201910
秋深しやうやく晴の日のつづく 稲畑汀子 ホトトギス 201910
快方に向かひしと聞く秋深し 稲畑汀子 ホトトギス 201910
体調に不安もありて秋深し 稲畑汀子 ホトトギス 201910
秋深し病院食にやや飽きて 柴田志津子 201912
鐘ひと突きコロッケ五つ秋深し つじあきこ 201912
秋深し呉須唐草の赤絵皿 大川ゆかり 201912
哀しみを包みて塔の秋深し 今泉忠芳 ある日の滴 201912
秋深しルールの変はるおにごつこ 篠田大佳 あを 202001
白壁の曲がりつづける秋深し 永田万年青 六花 202001
自販機の明り目にしむ秋深し 丸山千穂子 末黒野 202001
秋深し役者幟は風のまま 犬嶋テル子 春燈 202001
秋深し圧力鍋で煮る豆や 舟田房江 春燈 202001
流れゆく川面てらてら秋深し 安斎久英 末黒野 202002
秋深し草木に詩ありしかな 永田万年青 六花 202002
繕ひが趣味と言ふ妻秋深し 浅嶋肇 やぶれ傘 202002
渡月橋を渡る人びと秋深し 箕田健生 やぶれ傘 202002
秋深しシャンソン聴いて涙して 有賀昌子 やぶれ傘 202002
消しゴムのかすは机に秋深し 天野美登里 やぶれ傘 202002
秋深し書架に凭れて書を読めば 青谷小枝 やぶれ傘 202002
パンを焼く湯気立っている秋深し 中林明美 船団 202003
閻王の左右に書記や秋深し 河原敬子 202003
横顔で売らるる魚や秋深し 栗原京子 202005
捥ぎとりし果実の重み秋深し 原博美 風土 202011
秋深し呉須唐草の赤絵皿 大川ゆかり 201911
聞かぬ振りするも円満秋深し 小池桃代 末黒野 202012
検査日の雨降る道や秋深し 秋川泉 あを 202101
卵割る音一つきり秋深し 柴田佐知子 202101
題箋の揺るる古書肆の秋深し 平松うさぎ 202101
和綴ぢ書の紐の枯淡や秋深し 下村たつゑ 202101
割印に微かな段差秋深し 下村たつゑ 202101
秋深し久しぶりなる靴磨き 丑久保勲 やぶれ傘 202101
風呂桶の響きあと引く秋深し 谷口一献 六花 202101
木漏れ日に輝く泉秋深し 箕田健夫 やぶれ傘 202101
丹沢の山なみが見え秋深し 岩藤礼子 やぶれ傘 202101
秋深し舗道へ洩るる古書肆の灯 石黒興兵 末黒野 202102
秋深し風沁みやすき指の傷 斉藤マキ珈琲 末黒野 202102
秋深し春日大社の婚の笛 高木邦雄 末黒野 202102
ファド聴ける二階のカフェや秋深し 尾崎千代一 末黒野 202102
秋深し眼鏡補聴器身ほとりに 杉山善信 末黒野 202102
秋深し夫との五十余年かな 志方章子 六花 202102
和菓子屋の暖簾柿色秋深し 浅嶋肇 やぶれ傘 202103
古びたる縁起絵巻や秋深し 横田敬子 202104
秋深し壁に描かれしラストリーフ 江草礼 春燈 202112
秋深しいよよ暮れゆき版画めく 中田みなみ 202112
ためらはず答へる齢秋深し 黒澤佳子 あを 202112
夫婦箸いつかちぐはぐ秋深し 三村純也 ホトトギス 202201
人声に集まる鯉や秋深し 吉川隆 春燈 202201
秋深し焼おにぎりの焦げ具合 大文字孝一 春燈 202201
鉛筆の芯尖らせて秋深し 和田絢子 春燈 202201
白じろと大河の流れ秋深し 西岡啓子 春燈 202201
秋深し黒猫の目のエメラルド 木村梨花 春燈 202201
秋深し禿と白髪のダイヤ婚 後藤大 春燈 202201
ウィズコロナ・ウィズハズバンド秋深し 千田百里 202201
二胡の音や南京町の秋深し 吉村涼子 202201
秋深し縁の聖路加申し込む 鈴木石花 風土 202201
足音で診る整形医秋深し 根岸善行 風土 202201
町裏にボサノバ流る秋深し 今村千年 末黒野 202201
津軽野の藁焼く煙秋深し 有賀昌子 やぶれ傘 202201
秋深し峠の茶屋の古のれん 植田秀子 京鹿子 202201
秋深し仕覆の紐の濃むらさき 美濃律子 202201
秋深し昔語りの姉妹 高濱朋子 ホトトギス 202202
温暖化を紐解く数式秋深し 渡部恭子 202202
老残の我が身を託ち秋深し 川口利夫 ホトトギス 202203
秋深しスマホで歩く世界地図 岡山敦子 京鹿子 202203
秋深し壁に描かれしラストリーフ 江草礼 春燈 202212
秋深し未完これありたなごころ 植村蘇星 京鹿子 202211
手鏡に眼尻捉へて秋深し 谷口一献 六花 202212
青い眼の大道芸や秋深し 辻泰子 春燈 202301
樟大樹ビルに挟まれ秋深し 松木ゆきえ 春燈 202301
太棹の変調や急秋深し 栗原公子 202301
監獄も観光コース秋深し 野口希代志 やぶれ傘 202302
秋深し最後のクラス会となり 萩原久代 やぶれ傘 202302
返信に添へらるる句や秋深し 滋野暁 末黒野 202302
秋深し遠山の色染め上げて 小林拓路 末黒野 202302
暗き海山黒々と秋深し 西計郎 末黒野 202302
大江戸の雲を払ひて秋深し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202310
秋深し→ 1

 

2023年11月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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