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鯉幟  332句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
大空は大きな未来鯉幟 山田弘子 春節 199503  
尾をはねて風を去なせり鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 199805  
み吉野の温泉宿一軒鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 199805  
鯉幟潮の香のして下ろさるる 野沢しの武 風土 199811  
鯉幟下ろして父子没したる 鷹羽狩行 199905  
鯉幟あぐるに風の応へつつ 鷹羽狩行 199906  
屋根石の黒きを打つて鯉幟 鷹羽狩行 199906  
山峽の村一竿の鯉幟 神宮寺泰吉 酸漿 199908  
鯉幟ひときは高き父の家 升本栄子 春耕 199908  
昼網の糶場に泳ぐ鯉幟 馬越幸子 ぐろっけ 199908  
高階に竿傾ける鯉幟 花房敏 ぐろっけ 199909  
翩翻と郵便局に鯉幟 花房敏 ぐろっけ 199909  
鯉幟り泳ぎを風に逆らはず 小川花久 いろり 199910  
鯉幟屋根低くして港町 塩見恵介 虹の種 200005  
鯉幟岬は海へ打つて出て 鷹羽狩行 200006  
鯉幟背泳ぎしている鯉のあり 福田みさを いろり 200006  
鯉幟水面のうえ空の空のした 福田みさを いろり 200006  
国境によこたへておく鯉幟 石川さくら 銀化 200007  
鯉幟ベランダに垂れ風を待つ 林田加杜子 いろり 200007  
噴煙を呑みてふくらむ鯉幟 中川濱子 ぐろっけ 200007  
声帯模写の時代は良かった鯉幟 宇田蓋男 海程 200008  
鯉幟風休むとき辛からふ 鶴目鯛遊子 六花 200008  
離陸機に越されてうねる鯉幟 中村祭生 ぐろっけ 200008  
鯉幟上げつ幼の声高し 三輪慶子 ぐろっけ 200008  
鯉幟テニスコートに球はずむ 宮原利代 ぐろっけ 200008  
鯉幟高く備讃の島を統ぶ 櫨木優子 200009  
鯉幟悼みごころに胸を張る 品川鈴子 船出 200104  
きはやかに風の道あり鯉幟 池尻足穂 俳句通信 200106  
鯉幟大歩危小歩危下に見て 浦川澄江 雨月 200106  
旧暦にこだはってをる鯉幟 二村蘭秋 雨月 200107  
転勤の子を思ひては鯉幟 二村蘭秋 雨月 200107  
川に沿ふ長き一村鯉幟 北吉裕子 俳句通信 200107  
向かふ嶺も棚田村なり鯉幟 安藤孝助 200107  
逆風は元気の素よ鯉幟 渡辺知美 銀化 200107  
水甕に水満ちてをり鯉幟 杉浦典子 火星 200108  
垂れ眠る泳ぎつかれの鯉幟 二本松輝久 風土 200108  
月の夜のおろし忘れし鯉幟 富田志げ子 酸漿 200108  
鯉幟キャッチボールをはじめけり 小田玲子 百鳥 200108  
千匹が横に一連鯉幟 田中武彦 六花 200108  
鯉幟窓に残して飯場閉ず 今井忍 ぐろっけ 200108  
階下には尾だけを見せる鯉幟 山本恵美 ぐろっけ 200108  
立泳ぎビルの谷間の鯉幟 江川和彦 200109  
熔岩の先は直ぐ海鯉幟 外園威雨 ホトトギス 200109  
街の風には鯉幟大きすぎ 山ノ井寛子 ホトトギス 200109  
鯉幟取り込み布の如く抱く 山ノ井寛子 ホトトギス 200109  
鯉幟綱張りし時意志を持つ 山ノ井寛子 ホトトギス 200109  
移住地につけし日本名鯉幟 中川いさむ ホトトギス 200109  
鯉幟日本人街吹き晴れて 中川いさむ ホトトギス 200109  
折畳むとき鯉幟あはれなり 柴原保佳 ホトトギス 200109  
鯉幟影のうねりの窓に読む 山田弘子 ホトトギス 200109  
六甲の風に育つ子鯉幟 山田弘子 ホトトギス 200109  
鯉幟風を元気にしてをりぬ 本郷桂子 ホトトギス 200109  
鯉幟受けとめてゐる杉襖 本郷桂子 ホトトギス 200109  
降ろされて鯉幟にもある家路 本郷桂子 ホトトギス 200109  
見えてゐて還らざる島鯉幟 伊藤玉枝 ホトトギス 200109  
夜は星へ尾をひるがへす鯉幟 伊藤玉枝 ホトトギス 200109  
鯉幟造幣局の宿舎より 坂井建 ホトトギス 200109  
揚げ下し祖父がたのしみ鯉幟 白石峰子 ホトトギス 200109  
ビルの間におよぎきれざる鯉幟 白石峰子 ホトトギス 200109  
転勤に従いて空変へ鯉幟 白石峰子 ホトトギス 200109  
鯉幟長男次男相似ざる 塙告冬 ホトトギス 200109  
ビル街に鯉幟の風ありにけり 塙告冬 ホトトギス 200109  
けふよりは鯉幟なき空仰ぐ 塙告冬 ホトトギス 200109  
鯉幟高くなりたる余呉の空 丹後浪月 ホトトギス 200109  
鯉幟おろされし目の生きてをり 丹後浪月 ホトトギス 200109  
比叡よりも高き空あり鯉幟 丹後浪月 ホトトギス 200109  
鯉幟下ろして隣家より戻す 笠松浩子 200110  
鯉幟南国の友帰国する 甲田夏湖 船団 200111  
紺青が空に戻りぬ鯉幟 鷹羽狩行 200205  
鯉幟影のをどつてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200205  
鯉幟さんぜんと並ぶ三色旗 出口誠 六花合同句集 200205  
峡の家の夕日に映ゆる鯉幟 阿部悦子 酸漿 200206  
白浪を沖より招き鯉幟 鷹羽狩行 200207  
児のことば日毎ふえゆき鯉幟 新海りつ子 馬醉木 200207  
区画外遊泳禁止鯉幟 飯島士朗 銀化 200207  
鄙にして曽孫に大きな鯉幟 安陪青人 雨月 200207  
鯉幟故里の空広きかな 小野タマ枝 酸漿 200207  
鯉幟痩せて垂れをり隠れ里 木田千女 200208  
龍雲も空に泳ぎて鯉幟 永井たえこ 馬醉木 200208  
安達太良へ口を揃へて鯉幟 山路紀子 風土 200208  
山里の空を広げし鯉幟 小牧喜美子 遠嶺 200208  
川風が泳がす千の鯉幟 浜野愛子 築港 200208  
鯉幟排気ガスにもひるまざる 二瓶洋子 六花 200208  
鯉幟もつとも親が喜びて 高木智 京鹿子 200209  
鯉幟生傷絶えぬ膝小僧 三上冨佐子 ぐろっけ 200209  
鯉幟女系やうやく絶えにけり 三村純也 ホトトギス 200210  
鯉幟三河の空の荒ぶれる 加藤暢一 200302  
山河また改まりたる鯉幟 鷹羽狩行 200305  
鯉幟満腹感を風に問ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305  
鯉幟都会の風を旨さうに 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305  
鯉幟跳ねて宇宙を近づけし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305  
鯉幟寝床となりし甍かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305  
鯉幟泳ぎ地球は自転せり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305  
紺碧の戻りし空に鯉幟 鷹羽狩行 200306  
泳ぐ意のあるを下ろされ鯉幟 鷹羽狩行 200306  
喪の家の窓大きくて鯉幟 北村幸子 200307  
鯉幟泳ぐを風の長さとす 工藤進 200307  
海見下ろす家に早々鯉幟 金丸鐵蕉 200307  
舫ひ船五尺ほどなる鯉幟 黄川田美千穂 200307  
きまぐれの風にうろたふ鯉幟 里見輝子 築港 200307  
鯉幟次つぎと見す難度技 岩林勇雄 築港 200307  
新築の家色褪せし鯉幟 小笠原扶美女 築港 200307  
風止んで一絡げなる鯉幟 加藤サヨ子 築港 200307  
鯉幟口一杯に風呑めり 上岡末喜 築港 200307  
忘れられ闇夜に泳ぐ鯉幟 大森玲子 築港 200307  
満腹に大口開けし鯉幟 嶋田光枝 築港 200307  
風に乗りうねつてはねる鯉幟 細原由起子 築港 200307  
風の息のままに息する鯉幟 佐野雅明 築港 200307  
鯉幟太平洋へ出でんとす 山本三樹夫 百鳥 200307  
鯉幟子供少なき村であり 西所正臣 雲の峯 200307  
玄海に頭を揃へたる鯉幟 柴田佐知子 200308  
対岸へ渡してなびく鯉幟 佐原正子 六花 200308  
鯉幟風の真中をとらへけり 平田倫子 百鳥 200308  
鯉幟伊根の舟屋に泳ぎけり 滝本香世 百鳥 200308  
桃長者桃の畑に鯉幟 田中嘉代子 ぐろっけ 200308  
大歩危や渓越え百の鯉幟 内藤三男 ぐろっけ 200308  
鯉幟宇陀も吉野も二つ三つ 林とみお ぐろっけ 200309  
隣より泳いできたる鯉幟 あさなが捷 200310  
過疎の村一基のみ立つ鯉幟 小笠原扶美女 築港 200310  
落人の村今も揚げざる鯉幟 永野秀峰 ぐろっけ 200310  
鯉幟天領日田の風はらみ 土本展子 200312  
大景は富士ありてこそ鯉幟 鷹羽狩行 200405  
軍港の昔を今に鯉幟 浜明史 風土 200406  
鯉幟新入隊員上陸日 浜明史 風土 200406  
病む母と四角い空の鯉幟 鍬形幸子 百鳥 200407  
鯉幟尾鰭を振るは恋をして 塩川雄三 築港 200407  
鯉幟屋上園の風を蹴る 里見輝子 築港 200407  
風に添ふことに慣れたる鯉幟 畑純子 築港 200407  
根気よく風を待ちゐる鯉幟 浜崎民子 築港 200407  
トラクター昼の休憩鯉幟 河村靖子 築港 200407  
天空に倦まずたゆまず鯉幟 鎌田つた枝 築港 200407  
日の暮れてだらりとなりし鯉幟 高田佐土子 築港 200407  
鯉幟大きな順に泳ぎだす 小林朱夏 200407  
鯉幟運河に潮の上りくる 田中藤穂 あを 200407  
晩年のわれに買ひたる鯉幟 井上信子 200407  
老人の園にも靡く鯉幟 長谷川登美 ぐろっけ 200407  
鯉幟はしやぎてゐるは次男坊 安嶋都峯 対岸 200407  
鯉幟月に向かひて昇りをり 中村重雄 百鳥 200408  
鯉幟魚の顔となりにけり 丸山敏幸 200408  
風孕み体くねらせ鯉幟 大森玲子 築港 200408  
風ぐるみ降ろされてをり鯉幟 宮崎すみ 対岸 200408  
鯉幟富士へ向ひて泳ぎゐる 藤田京子 ぐろっけ 200408  
鯉幟仕舞ひ惜しめり湖の風 松本鷹根 京鹿子 200409  
鯉幟だらりと垂れて目を瞠る 花房敏 ぐろっけ 200409  
強風に逆立ち泳ぐ鯉幟 花房敏 ぐろっけ 200409  
鯉幟掲ぐ家目指し散歩する 花房敏 ぐろっけ 200409  
鯉幟一家豪雨にずぶ濡れて 花房敏 ぐろっけ 200409  
尾鰭より泳ぎだしたる鯉幟 小林朱夏 200411  
犬吠埼風に逆立つ鯉幟 江見悦子 万象 200507  
静止の刻沈黙の刻鯉幟 塩川雄三 築港 200507  
鯉幟寺の隣の保育園 松木元 築港 200507  
ベランダの風鮮らしき鯉幟 中島あきら 200507  
ひしめきて空を貰へぬ鯉幟 河野美千代 200507  
鯉幟泳ぐ米屋の空広し 村田さだ子 酸漿 200507  
鯉幟立てて棚田を守りをり 高柳かつを 百鳥 200507  
鯉幟百尾に鷹も迂回せる 泉田秋硯 200508  
尻尾まで酸素満杯鯉幟 隅田享子 200508  
鯉幟月へ大きく口開くる 中和田洋美 万象 200508  
双塔の小さく見ゆる鯉幟 萩谷幸子 雨月 200508  
幾年も押入れ住ひ鯉幟 筒井八重子 六花 200508  
怡土富士を幾度も越ゆる鯉幟 小林朱夏 200508  
塔頭に檀家寄進の鯉幟 友田直文 200509  
鯉幟漁船に影の大あばれ 松本恒子 ぐろっけ 200509  
息継ぎをして昇りゆく鯉幟 あさなが捷 200511  
少年のバイクに紙の鯉幟 福地初江 200601  
青空に雲は過客よ鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 200605  
沖波の白きへ向きて鯉幟 鷹羽狩行 200605 「波」三十周年を祝して
竿ときに越えて逆立つ鯉幟 鷹羽狩行 200605  
鯉幟ひこうき雲の貫ける 出口誠 六花 200605  
鯉幟ひらら風速計くるる 林翔 200607  
糸島平野をはねまはる鯉幟 あさなが捷 200607  
水満たす檜の桶や鯉幟 里中章子 200607  
何処にも鯉幟見ぬ子供の日 長谷川幸恵 酸漿 200607  
畳まれて正方形の鯉幟 関口道代 200607  
鯉幟湖へ帰心の大き口 吉永寿美子 四葩 200607  
長寿村風八分目なり鯉幟 吉永寿美子 四葩 200607  
頭を揃へ上流めざす鯉幟 青山悠 200608  
弓のごと大竿歪め鯉幟 秋千晴 200608  
鯉幟気ままさせじと繋がるる 足利徹 ぐろっけ 200608  
マンションの窓それぞれの鯉幟 木野裕美 ぐろっけ 200608  
風無くて何で己が鯉幟 並木重助 酸漿 200608  
少子化の小学校の鯉幟 河内桜人 京鹿子 200609  
夕風の立ち降ろさるゝ鯉幟 松尾緑富 ホトトギス 200610  
鯉幟真ん中の鯉逆さなり ことり 六花 200610  
抱擁しまた離れては鯉幟 四戸和彦 八千草 200611  
鯉幟疲れ果てしが降ろさるる 小林朱夏 200705  
風の出て鱗ふれあふ鯉幟 鷹羽狩行 200706 木更津
宇陀ヶ辻早々と立つ鯉幟 松崎鉄之介 200706 大和吟行会にて
ひとところ尾鰭のひかる鯉幟 宮津昭彦 200706  
泳ぐ日も拗ねる日もあり鯉幟 米山喜久子 200707  
川遊びの子らの頭上や鯉幟 吉野さと 酸漿 200707  
旧陸軍の飛行場跡鯉幟 駒井でる太 200708  
鯉幟にも強すぎる風ならむ 片山由美子 200708  
黙々と農人の影鯉幟 原島ふじ子 遠嶺 200708  
新しき磨き丸太や鯉幟 奥太雅 万象 200708  
鯉幟畑にも立てて佐賀平野 馬越幸子 ぐろっけ 200708  
帆船に鯉幟上げ一〇〇年祭 国永靖子 ぐろっけ 200708  
四万十の流れゆるやか鯉幟 池崎るり子 六花 200708  
マンションに二本の増へし鯉幟 池崎るり子 六花 200708  
嬰の掌に五つの笑窪鯉幟 KOKIA 六花 200708  
鯉幟鱗一片づつ光る KOKIA 六花 200708  
鯉幟大口開けて吊られけり 永田勇 六花 200708  
鯉幟気ままな風に泳がさる 永田勇 六花 200708  
鯉幟尾ひれ仲良く振りにけり 永田勇 六花 200708  
揺れもせずぶら下がりをり鯉幟 永田勇 六花 200708  
ベランダに垂れ下がりあり鯉幟 永田勇 六花 200708  
獣園を見下ろしてゐる鯉幟 森本秀樹 200709  
鯉幟兜太の溲瓶澄みわたる 中原幸子 船団 200710  
逃げ水の先を泳げり鯉幟 金井充 百日紅 200711  
島ぢゆうの人に仰がれ鯉幟 鷹羽狩行 200805  
高枝を吹きはねし尾や鯉幟 加藤克 200805  
塁砦や遠くはためく鯉幟 ことり 六花 200805  
ぎらぎらと眼確かに鯉幟 ことり 六花 200805  
本家より届けられ来し鯉幟 ことり 六花 200805  
鐘楼に泳ぐ古典派鯉幟 宮田香 200807  
竿に尾をからめて休み鯉幟 伊藤トキノ 200807  
降ろさるる夕日まみれの鯉幟 綿谷美那 雨月 200807  
鯉幟二世代住める家の庭 松崎鉄之介 200807  
奮ひ立ち奮ひ立ちけふの鯉幟 西山美枝子 酸漿 200807  
眠る子の屋根撫でてをり鯉幟 大西まりゑ 酸漿 200807  
鯉幟降りきたる尾を鷲掴み 藤田宏 200807  
鯉幟布となるまで畳みけり 長谷英夫 馬醉木 200808  
玄海の風は気紛れ鯉幟 小林朱夏 200808  
鯉幟はためく家の子を知らず 南浦輝子 火星 200808  
鯉幟故国の空に泳ぎをり 中村輝子 酸漿 200808  
鯉幟千の尾さばき轟けり 長谷川たか子 酸漿 200808  
美作の峪間に繋ぐ鯉幟 勝野薫 ぐろっけ 200808  
風止みて布にもどりし鯉幟 志賀朋 200809  
逆風に挑戦せよと鯉幟 森竹昭夫 遠嶺 200809  
鯉幟泳げる目玉光りけり KOKIA 六花 200809  
鯉幟手摺に尾びれじやれてをり 村田とくみ ぐろっけ 200810  
今日だけは躾け厳しく鯉幟 中島玉五郎 200905  
風向きを告げ高速路鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 200905  
鯉幟揚げて風なき日なりけり 稲畑汀子 ホトトギス 200905  
子等はもう一家をなせり鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 200905  
少し褪せたる鯉幟泳がせて 稲畑汀子 ホトトギス 200905  
宗派色出して寺院の鯉幟 中島玉五郎 200906  
癒えし目のひろごる視野に鯉幟 平野伸子 馬醉木 200907  
鯉幟立つやたちまち風生まる 松本圭司 200907  
富士晴れて風冷たきよ鯉幟 卓田謙一 万象 200907  
鯉幟山懐の一軒家 片野美代子 酸漿 200907  
庭の木に掛けて泳がす鯉幟 藤原さちよ 酸漿 200907  
淀みなく伸びし系譜や鯉幟 鈴木良戈 200908  
鯉幟影も川面を泳ぎをり 林佳枝 酸漿 200908  
新しき鯉幟立つ駐在所 大山妙子 酸漿 200908  
待望の児に高々と鯉幟 稲次登美子 雨月 200908  
川風を一層として鯉幟 佐藤涼宇子 ろんど 200908  
そのいけずキミにそっくり鯉幟 中原幸子 船団 200909  
子や孫の居るらしき家鯉幟 坂本幸子 酸漿 200909  
西国やうねり大きく鯉幟 柴田佐知子 200909  
鯉幟風の奈落の吉野建 山田弘子 ホトトギス 200910  
街川の柵に小振りの鯉幟 渡邊孝彦 やぶれ傘 200910  
風無くば泳ぎをさぼる鯉幟 布川直幸 201005  
引くときの潮の速さよ鯉幟 鷹羽狩行 201005  
とーとーと父を呼ぶ児よ鯉幟 ことり 六花 201005  
一夜にて勇ましくなり鯉幟 ことり 六花 201005  
入院の子が振る小さき鯉幟 鈴木照子 201007  
青空のうねり始めし鯉幟 岡部名保子 馬醉木 201007  
村に人の歩いてをらず鯉幟 成宮紀代子 201007  
豪農の庭悠然と鯉幟 大橋晄 雨月 201007  
生駒嶺へ尾を跳ね上げて鯉幟 川崎良平 雨月 201007  
強風の天地にをどる鯉幟 関まさを 酸漿 201007  
群をなし川はみだせし鯉幟 大澤洋子 酸漿 201007  
カツポレカツポレ風を頬張る鯉幟 瀬川公馨 201008  
一軒にこれ見よがしの鯉幟 泉田秋硯 201008  
鯉幟柳田國男生れし村 荒木稔 ぐろっけ 201008  
風向きの変りし午後の鯉幟 和田崎増美 雨月 201008  
鯉幟矢つぎ早風絡み合ひ 本多正子 雨月 201008  
鯉幟舳先に立てて遊覧船 小松渓水 酸奬 201008  
山望むさまにねぢれて鯉幟 島谷征良 風土 201009  
滝よりも高きを泳ぐ鯉幟 矢崎暉文 酸奬 201009  
少子化で史料となりし鯉幟 竹下昭子 ぐろっけ 201010  
威勢よくハワイの空に鯉幟 梶井和呼 酸奬 201012  
鯉幟還暦過ぎて唯の人 増田甚平 ろんど 201009  
風の午後命戻りぬ鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 201105  
鯉幟消えてをりたるたたみ皺 稲畑汀子 ホトトギス 201105  
子育ての頃はや遠し鯉幟 稲畑汀子 ホトトギス 201105  
樟脳のぬけがら三つ鯉幟 笹村政子 初鼓 201105  
園児らのミニ鯉幟泳ぐ庭 羽賀恭子 201106  
時計台に高く泳げよ鯉幟 羽賀恭子 201106  
妹がひとりほしいな鯉幟 伊藤憲子 201107  
翩翻と瓦礫の中の鯉幟 阪本哲弘 201107  
大歩危を渡して百の鯉幟 高谷栄一 嵯峨野 201107  
鯉幟ときに尾鰭を打ち合へり 柴田佐知子 201107  
連山を引き連れてゐる鯉幟 高倉和子 201107  
みんな皆元気出してと鯉幟 大室恵美子 春燈 201107  
駅前の進学塾や鯉幟 矢口笑子 春燈 201107  
災害が災害を生み鯉幟 原田たづゑ 春燈 201107  
豊漁に鎮守の杜の鯉幟 碇天牛 雨月 201107  
ホームレスの小屋に小さき鯉幟 山荘慶子 あを 201107  
風に身をまかせ農家の鯉幟 五十嵐勉 201108  
つながれてこそ翩翻と鯉幟 磯崎清 201108  
風下を見ることはなし鯉幟 高橋将夫 201108  
鯉幟風ぬけてゆく太つ腹 中野京子 201108  
目玉のみ畳み残して鯉幟 井田実代子 雨月 201108  
日の丸もくくられてをり鯉幟 上月智子 末黒野 201108  
鯉幟泳ぐ旧家や風新た 大川暉美 末黒野 201108  
鯉幟ほどよき風に乗りにけり 筒井八重子 六花 201108  
夙川の幅を狭しと鯉幟 平居澪子 六花 201108  
鯉幟風呑むときも風の中 湯川雅 ホトトギス 201109  
山国の小さきみ空や鯉幟 松田明子 201109  
鯉幟息吐ききつて畳まるる 松田明子 201109  
悟りとは風の無き日の鯉幟 松田都青 京鹿子 201109  
渋滞のとけ下田着鯉幟 嶋田一歩 ホトトギス 201110  
鯉幟命あるごと軒を出る 秋千晴 201110  
客室に折り紙の鯉幟かな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201110  
鯉幟連ねて水子地蔵守る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205  
鯉幟四万十といふ川幅に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205  
一姫に鯛二太郎に鯉幟 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205  
鯉幟降ろせし空に月赤し 稲畑汀子 ホトトギス 201205  
鯉幟より風抜きし夕べかな 稲畑汀子 ホトトギス 201205  
茅葺の家に新調鯉幟 鈴木照子 201206  
海外へ赴任の背へと鯉幟 中島玉五郎 201206  
マンションの窓には小さな鯉幟 本郷宗祥 かさね 201207  
池に渡し風にはためく鯉幟 本郷宗祥 かさね 201207  
ローカル線駅の広場に鯉幟 青木英林 かさね 201207  
軒の先ひかる夕日に鯉幟 吉田啓悟 かさね 201207  
風絡み喧嘩のごとし鯉幟 後藤克彦 かさね 201207  
風を受け鯉幟泳ぐ川の上 菊地崇之 かさね 201207  
子のシャツも一緒になびく鯉幟 安居正浩 201207  
天日干しさながら川の鯉幟 上谷昌憲 201207  
靄ごめの朝日にのまれ鯉幟 中野京子 201208  
鯉幟潮入川を跳ね上る 田岡千章 201208  
空よりも川に吊らるや鯉幟 上野昌子 春燈 201208  
鯉幟空泳ぐのを止めしは何時 上野昌子 春燈 201208  
ビル風や向き定まらぬ鯉幟 石黒興平 末黒野 201208  
一川を跨ぐ百尾の鯉幟 田原陽子 201208  
空に風いざ大岳へ鯉幟 岡山敦子 京鹿子 201208  
鯉幟ソーラー屋根へ尾鰭打つ 藤井久仁子 ぐろっけ 201208  
満天の星に眠りし鯉幟 平居澪子 六花 201208  
たたまれてウインクよこす鯉幟 松本文一郎 六花 201209  
風を食ひ風に泳ぐや鯉幟 出口誠 六花 201212  

 

2014年5月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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