夕 焼 5     106句

恐竜のなかの夕焼け取り出しぬ    あざ蓉子

夕焼  秋夕焼  冬夕焼  寒夕焼  春夕焼  春茜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
残心の漂ひに居り夕焼けをり 岡本眸 200707
夕焼を重しと川に沿ひゐたり 岡本眸 200707

 祝・蛇笏賞

師を祝ふ日の夕焼の皇居かな

青山丈 200707
川沿ひの街暮れやすし夕焼雲 加瀬美代子 200707
夕焼や二タ手に別れ行く少年 天野きく江 200708
夕焼や切れ字の響く大手門 上原重一 200708
高階にゐて夕焼け褪せゆけり 黒澤登美枝 200708
大夕焼千間堤跡に立つ 中谷葉留 風土 200708
大夕焼奏づるやうにハープ橋 栗原公子 200708
夕焼に山法師の花浮みたる 松山直美 火星 200708
夕焼や鍬打ち当つる石の音 山田六甲 六花 200708
昔日の景もろともに大夕焼 木内憲子 200708
夕焼けて稜線近くなりにけり 早崎泰江 あを 200708
竹生島の夕焼たぐる投網かな 山尾玉藻 火星 200709
夕焼に帆と頬を染め接岸す 小山徳夫 遠嶺 200709
吹奏楽流れる校舎大夕焼 中井光子 ぐろっけ 200709
生簀鯛夕焼と共にすくひ上ぐ 木下玉葉子 酸漿 200709
水切りの小石を探す夕焼雲 梶浦玲良子 六花 200709
夕焼けつつ雲崩れゆくアマリリス 岡本眸 200709
どこまでも真っ直ぐな道大夕焼 吉成美代子 あを 200709
天正の少年使節海夕焼 中島久子 馬醉木 200709
大夕焼鳥羽の島々染めつくし 刈米育子 200710
子と唄ふ目高の学校夕焼けて 筏愛子 200710
高雄港の遅き夕焼カフェテラス 竹内悦子 200710
夕焼やまだまだ続く球拾ひ 石田玲子 200710
夕焼けて鳥もねぐらのある安堵 須藤トモ子 200710
大夕焼きんぴら牛蒡作りをる 加藤みき 200710
てぬぐひの手摺にかかる夕焼かな 栗栖恵通子 200710
バスを待つ夕焼のやうな好奇心 加藤峰子 200710
夕焼明日着る服を考へる 田原陽子 200710
夕焼を見よと携帯電話かな 葛西茂美 200710
夕焼をもつとも遠き空と思ふ 小嶋洋子 200710
ビー玉をはじけ出でたる夕焼かな 中野京子 翁草 200710
ウオツカにやけたる舌と大夕焼 中野京子 翁草 200710
ここからも通天閣のある夕焼 廣畑忠明 火星 200710
捨てられし河豚の子浮くに夕焼濃し 田中つや子 200710
天と地の契りしごとく夕焼ける 貝森光洋 六花 200710
夕焼空馬も大地も鎮めつつ 浦野裕司 酸漿 200710
ふろしきに包みて余す夕焼雲 宇都宮滴水 京鹿子 200710
片仮名の看板殖える大夕焼 森津三郎 京鹿子 200710
もう海になつてゐる河大夕焼 伊藤ふみ 馬醉木 200710
夕焼や真鯉は陰の魚として 金井充 百日紅 200711
夕焼もトランペットも了りけり 佐山苑子 遠嶺 200711
西国の一番札所夕焼くる 松村義男 遠嶺 200711
観覧車真赤に染めし大夕焼 沖則文 ぐろっけ 200711
夕焼を入れてモップのもみ洗ひ 甲州千草 200711
夕焼に染め分けらるる遠嶺かな 久永つう 六花 200711
夕焼けて秩父の駅はみな古し 藤井昌治 200711
どこまでも真つ直ぐな道大夕焼 吉成美代子 あを 200711
金魚田の大夕焼を掬ふかな 岡谷栄子 200712
大夕焼明日取りこはす家の立つ 森田節子 風土 200801
夕焼の龍野に老いて悔あらず 浅井青陽子 ホトトギス 200802
退職願ひ出し夕焼に染まりけり 柴崎英子 絹の波 200806
夕焼に祈るがごとき孤舟かな 邑橋節夫 菊揃へ 200806
神の業とも三瓶野の大夕焼 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807
夕焼に淋しく暮れてゆく三瓶 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807
夕焼に富士の輪郭整へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807
北の原西の原夕焼に消ゆ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807
山夕焼西の方角分りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200807
古宮の甍連なる大夕焼 吉成美代子 あを 200807
夕焼や母想ふ眼を宙に置き 斎藤道子 馬醉木 200808
夕焼けてみやまきりしまなほ密に 澤田緑生 馬醉木 200808
古宮の甍連なる大夕焼 吉成美代子 あを 200807
夕焼や別れの曲の校舎より 浦山淑子 万象 200808
夕焼けや出会う数だけ見送りて 伊吹之博 京鹿子 200808
六月の夕焼け古書を買うて出て 定梶じょう あを 200808
夕焼や明日の燃すものなきごとく 東亜未 あを 200808
夕焼見て病床五尺の自在あり 和田照子 200809
父を恋ふ夕焼くらし湖西線 杉山哲也 馬醉木 200809
夕焼を鎮めつつ来る渡し舟 荒井和昭 200809
夕焼は安堵の色となりにけり 倉持梨恵 200809
夕焼が如雨露の口よりほとばしる 田尻勝子 六花 200809
昨日けふ夕焼こやけ道祖神かな 犬塚芳子 200809
お泊りをしたいと来る児夕焼中 塩見育代 200810
地獄絵の炎の如し大夕焼 藤本秀樹 200810
夕焼に形見の紬たたみをり 兼久ちわき 馬醉木 200810
ひとりづつ染め山巓の大夕焼 川口襄 遠嶺 200810
夕焼や男に生れし子の背中 太田佳代子 春燈 200810
荒潮の八百路夕焼け入水魂 禰寝瓶史 京鹿子 200810
放課後の夕焼けてゐる大時計 廣畑忠明 火星 200810
いつもより山の大きく夕焼す 土井ゆう子 風土 200810
雨後のどの家にも夕焼明りかな 根岸善行 風土 200810
夕焼ける小樽の運河濁しては 高橋澄子 200810
車座の赤銅の背夕焼くる 東亜未 あを 200810
大夕焼旅行半ばのドレスデン 森理和 あを 200810
繋がれし牛の眼の夕焼けたり 中村風信子 馬醉木 200811
夕焼の海峡白き異国船 新井田晃 遠嶺 200811
三線弾く島の夕焼の消ゆるまで 水谷芳子 雨月 200811
漁神の屋根は小さし夏夕焼 青山悠 200811
國生みの島書割の大夕焼 鈴木愛子 ぐろっけ 200811
ちんまりと海ほたる置く大夕焼 佐藤山人 200811
夕焼の体育館のがらんどう 蘭定かず子 火星 200811
美事なる夕焼をもて亡夫の忌 坪井洋子 200811
夕焼を戻る孤舟や珊瑚礁 川口襄 遠嶺 200812
夕焼けて烏は街へ帰りけり 仁平則子 200812
夕焼や思い出胸に帰路に就く 市村義夫 風土 200812
夕焼けて涸滝すこし縺れけり 岡本眸 200812
骨拾ふ西方浄土は大夕焼 中井光子 ぐろっけ 200901
夕焼に浮ける吊橋渡りけり 村上美智子 雨月 200901
岬は夕焼海坂に凧はずみ出て 瀧春一 深林 200901
海峡の夕焼惜む美し酒 瀧春一 深林 200901
夕焼の這入り来面会謝絶室  嶋田摩耶子 ホトトギス 200902
觀覽車途中下車して夕燒なか 佐藤喜孝 あを 200902
夕燒の中からもどる觀覽車 佐藤喜孝 あを 200902
レガッタの声すべりゆく湖夕焼 高瀬史 馬醉木 200907
夕焼 →6      

 

2021年8月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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