夕 焼 1      100句

夕焼のうつりあまれる植田かな   木下夕爾

夕焼  秋夕焼  冬夕焼  寒夕焼  春夕焼  春茜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕焼の海漁火に明け渡す
稲畑汀子
ホトトギス
199808
夕焼の昨日と違ふ漁火よ
稲畑汀子
ホトトギス
199808
貝殻に瀬戸の夕焼けひと掬ひ
鷹羽狩行
199809
夕焼の裏より携帯電話来る
神蔵器
風土
199809
夕焼を見てゐて堪ゆる思ひあり
岡本眸
199809
夕焼の椋の肌を嗅げる犬
山尾玉藻
火星
199810
飯といい飯といい村が夕焼ける
奥田甲子男
海程
199810
太平洋を炎につつむ大夕焼
牧野睦子
199810
落葉松や行けば夕焼地を離れ
岡本眸
199811
国引の浜の夕焼に歩み入る
陣野今日子
風土
199812
楠におとうと忘れて夕焼ける
小枝恵美子
船団
199812
夕焼けを口実にする大人かな
津田このみ
船団
199812
夕焼けにあなたと二人染まりける
内村里美
ぐろっけ
199812
振りかへる父母の闇大夕焼
小堀寛
京鹿子
199901
夕焼を張れない海で行き暮れる
井上菜摘子
京鹿子
199901
夕焼の烏止まればカラスの木
松永史子
船団
199902
飛べよとベダンボの耳の夕焼雲
三神あすか
船団
199902
海に入るごと夕焼に踏み出しぬ
石川仁木
船団
199903
にしひがし立たされボウズ夕焼けて
三宅やよい
船団
199903
夕焼けがとけてこぼれる山のしわ
岩田ひろあき
船団
199903
波浮の港の鯵の口中まで夕焼け
丸山海道
京鹿子
199904
離島よりイスラムの経大夕焼
安井和子
199906
夕焼けに大中小のありにけり
岡崎るり子
銀化
199907
待つことも待たるることもなき夕焼
政木紫野
馬醉木
199908
鏡なす植田夕焼燃えてをり
大内裕家
酸漿
199908
夕焼の岬は風の能舞台
小澤克己
遠嶺
199908
夕焼撮る父の助手にて夜となれり
岡田万壽美
俳句通信
199908
夕焼けて喜怒はいづれぞ二面石
植松昌子
馬醉木
199909
松島は島の子福者夕焼けて
鷹羽狩行
199909
売れ残る皿夕焼けて市果てぬ
田原文枝
風土
199909
夕焼けにいちばん近きトマト捥ぐ
日下敬
船団
199909
朝潮橋夕焼け橋も盆の前
坪内稔典
船団
199909
夕焼や畑人を染め桑を染め
倭文ヒサ子
酸漿
199910
垂直の海夕焼けて山抱く
岩田沙悟浄
円虹
199910
手品師がトランプを繰る大夕焼
松木知子
ヒッポ千番地
199910
夕焼けの空より戻る一輪車
松木知子
ヒッポ千番地
199910
夕焼の影も跳ねつつ駆ける子等
三上冨佐子
ぐろっけ
199910
夕焼ける道祖神ごと売家あり
福田かよ子
ぐろっけ
199910
大夕焼空ひとゆすりして消えし
今橋眞理子
ホトトギス
199911
鱶ひれの匂いとまっ赤な夕焼けと
原口靖子
海程
199911
夕焼の大糸線の遅れをり
杉浦典子
火星
199911
長崎は夕焼空の下にあり
西山胡鬼
京鹿子
199911
夕焼雲ススメススメを疑ひぬ
竹貫示虹
京鹿子
199911
夕焼けて黄金潮す泥蓮根掘る
大橋櫻坡子
雨月
199911
夕焼けの幕間ありて花火待つ
中村祭生
ぐろっけ
199911
夕焼けをたたみ残して波頭
山田久子
199912
夕焼けを抱えきれない海動く
河野志保
海程
199912
夕焼のしばしとどまる芒原
内山芳子
雨月
199912
夕焼けを佝僂の影して労働歌
森ひさ子
船団
199912
夕焼や海が傾く飛機の窓
しおやきみこ
船団
199912
許さるるまで夕焼けに身を浸す
津田このみ
船団
199912
始祖鳥のふるさとまでも夕焼けて
鶴濱節子
船団
199912
夕焼をくしゃくしゃにしてポケットに
津田このみ
月ひとしずく
199912
夕焼けや大人がのび太の顔をして
津田このみ
月ひとしずく
199912
屋根だけを見て夕焼けの中をゆく
津田このみ
月ひとしずく
199912
夕燒後の爛れ檸檬をしぼり合ふ
中原道夫
銀化
200001
夕焼けを処方されたる家路かな
青山茂根
銀化
200001
夕焼けて遊びやせむと路地の子等
雨宮照代
風土
200002
野分なか大夕焼の放屁音
貝森光大
六花
200002
涸川の杭とし夕焼けても黒し
岡本眸
200003
雪嶺へ夕焼力つくしたる
村上一葉子
200004
てのひらの松ぼつくりに夕焼入れ
本山卓日子
京鹿子
200004
夕焼けの海に無数の傷光る
三宅やよい
玩具帳
200004
夕焼けや駅員さんとべっぴんさん
塩見恵介
虹の種
200005
夕焼のさめし稜線なほ暮れず
稲畑汀子
ホトトギス
200006
桃のなか別の昔が夕焼けて
中村苑子
200006
近き雲より夕焼けて行きにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200007
夕焼褪め沙漠は東より昏るる
奥田智久
ホトトギス
200007
大夕焼石見の色となる玻璃戸
稲畑廣太郎
ホトトギス
200007
夕焼やバックミラーに映る海
今橘眞理子
円虹
200007
夕焼を着て大山の暮れてゆく
松山律子
六花
200007
夕焼のとび火わどろく水溜まり
村山秀雄
200008
だんご虫這ふ夕焼の石の椅子
山尾玉藻
火星
200008
夕焼の空放哉の句碑と在り
金澤明子
火星
200008
夕焼雲男の持てる応援歌
佐藤真次
200008
ドーバーを渡り大平原夕焼け
樺山翠
雨月
200008
母の日の夕焼家を充たしけり
岡本眸
200008
口中に言葉をしまふ大夕焼
金丸ふみ香
風土
200009
大夕焼鴎の群に漣す
藤村美津子
春耕
200009
夕焼の飛火の燃ゆる涼しさよ
柿原からす
船団
200009
夕焼くる海の高さの屋並かな
野澤あき
火星
200010
尋ね人の写真夕焼いろなりし
大東由美子
火星
200010
異国へと沈む夕焼け日本海
田畑保英
火星
200010
長旅をしてきし船や夕焼空
小澤克己
遠嶺
200010
夕焼を遣ひはたして船仕舞ふ
小澤克己
遠嶺
200010
ハーモニカ夕焼雲の川へ向き
石田邦子
遠嶺
200010
夕焼の女松湯浴みのごとくあり
工藤ミネ子
風土
200010
竹林の奥の夕焼け刻々と
松田延子
風土
200010
良寛の里の夕焼去りがたし
松田延子
風土
200010
一筆啓上夕焼雲のむかふ側
城石美津子
京鹿子
200010
夕焼けやどこか遠くへ行きたいな
正木光子
いろり
200010
かごめかごめの道薄れつつ夕焼ける
北原武巳
船団
200010
泣き声を浴ぶ夕焼を浴びながら
阿部寒林
200010
夕焼くる山小屋明日の出発点
阿部寒林
200010
夕焼けて西方浄土火の坩堝
中川濱子
ぐろっけ
200010
夕焼けへ背骨うつむくロダンの像
飯塚ゑ子
火星
200011
鹿の肉やはし夕焼さつきまで
秋山百合子
200011
大夕焼旅の終りのシュトラウス
雨村敏子
200011
夕焼けて鉄橋母の櫛形なす
佐々木ミツヱ
200011
夕焼けて石造伽藍峨々と立つ
澤田緑生
馬醉木
200101
夕焼2→      

 

2021年7月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。