夕 焼 2     100句

夕焼て指切の指のみ残り    川崎展宏

夕焼  秋夕焼  冬夕焼  寒夕焼  春夕焼  春茜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
夕焼の影絵となりて鳥渡る
大森井栖女
馬醉木
200101
吉野川火の帯となる夕焼かな
上崎暮潮
ホトトギス
200102
夕焼けの半ば俺だけ後ろ向き
齋藤一湖
海程
200107
夕焼の海を見てゐる窓辺かな
遠藤和彦
遠嶺
200107
昨日見た夕焼け色の服着れば
松山律子
六花
200107
夕焼けの湖辺を夫と歩むかな
鷺谷浅子
遠嶺
200108
夕焼けて砂場に置かる三輪車
木根渕成子
遠嶺
200108
日輪の岬にかくれて大夕焼
鎌倉喜久恵
あを
200108
束の間の夕焼雲に胸さわぎ
上條幸子
あを
200108
夕焼の少女耳朶より燃ゆる
後藤志づ
あを
200108
夕焼の茶箪笥を父覗きけり
山尾玉藻
火星
200109
夕焼の柄杓掛けあり宗祇水
杉浦典子
火星
200109
喪の家として夕焼けに門開く
松山律子
六花
200109
夕焼けて錨の如しおぢいさん
木曽岳風子
六花
200109
念仏をもって仰がむ佐渡夕焼
江木紀子
雨月
200109
夕焼や肉吊る鉤に肉の無く
岡崎るり子
銀化
200109
夕焼雲大道芸の声弾む
山田禮子
遠嶺
200110
笠雲の夕焼尽す富士の鬱
渡邊千枝子
馬醉木
200110
止り木の鵜の向く方は大夕焼
斎藤道子
馬醉木
200110
夕焼に躯しめつけられてきし
太田土男
百鳥
200110
夕焼け小焼け仲たがひして帰りけり
中村立身
百鳥
200110
かくまでも夕焼赤し開拓村
宇都宮滴水
京鹿子
200110
夕焼のホテル一冊の聖書
加藤翅英
京鹿子
200110
夕焼けや母焼いてきて立ち止る
阿木よう子
海程
200110
指名打者の一番素敵な夕焼空
小野裕三
海程
200110
夕焼けや反り身に鯉の跳ねる池
柳堀喜久江
春耕
200110
夕焼を眺めてをれば夫寄り来
八百山和子
200110
恋の子の夕焼雲を見てをりぬ
山田由利枝
雨月
200110
夕焼の中に早出の月白し
松村美智子
あを
200110
末枯の野に夕焼の燃えつきる
栢森定男
あを
200110
夕焼をひろげて銀座四丁目
小野寺和子
200111
一斉に鎌倉五山夕焼けぬ
金國久子
遠嶺
200111
大夕焼父に背きて父恋し
大上武
百鳥
200111
いたはりのひと言夕焼いろにかな
北川孝子
京鹿子
200111
大夕燒退けり一微の濡れもなく
岡本眸
200111
音立てて夕燒退けり青蓮
岡本眸
200111
夕焼や農学校の野莱畑
市橋進
春耕
200111
馬柵見当らぬ大牧場大夕焼
佐藤淑子
雨月
200112
夕焼のような顔した露天商
村山半信
海程
200112
夕焼空風船ひとつ売れ残り
佐藤京子
百鳥
200112
夕焼の雀ほろほろ通りやんせ
ふけとしこ
船団
200112
夕焼けの疑ひやうもなき異国
湯浅夏以
遠嶺
200112
ベガスへと大夕焼の砂漠駆る
利根里志
ホトトギス
200201
立ち止まる夕焼身には覚えなし
児玉硝子
船団
200201
生検の痛み残りて夕焼くる
辰巳比呂史
200202
洛中の空かぶさりに大夕焼
鈴鹿野風呂
京鹿子
200202
藻刈神事済みたる浦の大夕焼
桜井菜緒
200202
夕焼けてテナーサックス砂の上
鶴濱節子
船団
200202
夕焼けの空へ障子は開けておく
山田暢子
風土
200203
煉獄への道の半ばや大夕焼
荒井千佐代
系図
200203
菜の花に夕焼ながき長良川
影山わこ
百鳥
200206
夕焼や大橋三つ渡り来て
稲畑廣太郎
ホトトギス
200207
夕焼けの消ゆる刹那を畑の母
市川伊團次
六花
200207
魚籠提げし男が夕焼より返す
鷹羽狩行
200208
夕焼けて島の灯台立ち上がる
鷹羽狩行
200208
橋を刃のごとく横たへ瀬戸夕焼
鷹羽狩行
200208
大夕焼鵜は漆黒に羽うちける
斎藤道子
馬醉木
200208
夕焼くる一枚十枚千枚田
小野寺節子
風土
200208
棚田植ゑ高きへ帰る夕焼かな
小林和子
風土
200208
玉子屋とゲーテ書房と夕焼て
須佐薫子
帆船
200208
夕焼やいま下りて来し羅臼岳
梅村達子
帆船
200208
行々子夕焼け空を濃くしたる
沼田巴字
京鹿子
200208
夕焼けてインナハーバーに日本丸
吉成美代子
あを
200208
梅筵榛名山稜夕焼けたり
高橋さえ子
200208
娘の家に遊び過ぎたる夕焼かな
波田美智子
をりをりに
200208
夕焼やブロックの上の土団子
波田美智子
をりをりに
200208
知・義・勇の三つの大霊夕焼くる
柴田由乃
風土
200209
渦潮に吸ひ込まれたる夕焼かな
西川織子
馬醉木
200209
夕焼くるサラリーマンへビルのアングル
寺田千代子
京鹿子
200209
夕焼の畳に母が飯こぼす
山尾玉藻
火星
200209
万物を染めて夕焼利尻島
豊田博子
築港
200209
夕焼の地球は赤く見ゆるかと
庄中健吉
200209
夕焼けて大陸横断起点駅
中村克久
雲の峰
200209
夕焼の千の影ひく蔵格子
林友次郎
遠嶺
200209
海夕焼窓辺に移す酒の膳
白鳥義岳
帆船
200209
病む夫の夕焼空の淋しきと
岡淑子
雨月
200209
夕焼美し我が終の日もかくあれよ
味村志津子
雨月
200209
夕焼のなかを足腰弱き犬
篠原俊博
銀化
200209
夕焼に接続できぬ海らしく
堀川夏子
銀化
200209
影長く夕焼に立つピナクルズ
東芳子
酸漿
200209
描き上げし絵の夕焼けて画家帰る
小澤克己
克己句集
200209
全身を夕焼に染め海豚跳ぶ
泉田秋硯
200210
ジェット機の残すシュプール大夕焼
山下青坡
200210
夕焼けて即身仏の前かがみ
黒坂紫陽子
馬醉木
200210
鉄棒に子らの残像夕焼空
小澤克己
遠嶺
200210
夕焼雲うすれ面会時間過ぐ
相沢有理子
風土
200210
夕焼にまだ眼の開かぬ嬰児かな
山路紀子
風土
200210
家の中奥の奥まで夕焼けて
野村登紀子
帆船
200210
夕焼けて通行禁止解除せり
岡田信雄
百鳥
200210
水番の大夕焼となりにけり
影山わこ
百鳥
200210
夕焼の雲の形が父に見ゆ
塩川雄三
築港
200210
川くだる舟もいつしか夕焼す
柴田靖子
200210
夕焼の褪めて喪装の丈長し
金澤明子
火星
200210
夫婦岩引きはなしまま海夕焼
佐藤節子
銀化
200210
金色の夕焼雲に母の背
早崎泰江
あを
200210
たちまちの大夕焼に佇ちつくす
中島たまな
200210
夕張の夕焼色のメロン食ぶ
苑田ひろまさ
200211
一鵜たてばしたがふ四五羽大夕焼
斎藤道子
馬醉木
200211
夢に見し故山の夕焼ただならず
山本三樹夫
百鳥
200211
大夕焼至る点滴きらめきて
相沢有理子
風土
200211
夕焼 3→      

 

2021年7月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。