空 蝉 5     74句

空蝉の掴みし草の伸びにけり    松下道臣  まんまる

  蝉の殻  落蝉  空蝉  蝉時雨  蝉の穴

作品
作者
掲載誌
掲載年月
空蝉の命の殻を愛しめり 中山惠子 201909
キャラメルの箱に空蝉をさまりぬ 中根美保 風土 201909
空蝉のすがり吹かるる千代の塚 コ田千鶴子 馬醉木 201910
空蝉もしつかりすがる大礎石 狭川青史 馬醉木 201910
祇王寺の空蝉ひとつ悲話を抱く 鈴鹿呂仁 京鹿子 201910
空蝉に似る兄見舞ふ夕間暮 七郎衛門吉保 あを 201910
空蝉や硝子細工と紛ふやう 森清堯 末黒野 201911
空蝉の百を残せり峰の寺 西村白杼 京鹿子 201911
空蝉は木の根方にも枝葉にも 瀬島洒望 やぶれ傘 201911
空蝉が聞く分身のうたう声 楠本和弘 201912
空蝉に命吹き込む日の光 中西厚子 201912
仮の世に空蝉しばし情残す 齋藤晴夫 春燈 201912
空蝉やいのち見事に抜けみたり 奥田筆子 京鹿子 201912
空蝉のぬくみを残す明けの鐘 本郷 公子 京鹿子 202001
空蝉のまなこの中にある虚空 礒貝尚孝 黄落 202003
一念の空蝉の爪わが浄土 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
空蝉や聚楽廻りは遺址の道 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
空蝉の空に描き足す父の顔 鈴鹿呂仁 京鹿子 202009
空蝉を透かせば黄泉の見え隠れ 久保久子 春燈 202009
空蝉の濡れゐる木曾路夜明け前 山中志津子 京鹿子 202010
空蝉やラブは夢みる一頁 西村白杼 京鹿子 202010
空っぽの引出しに空蝉一つ 森なほ子 あを 202010
空蝉や早回り独楽に煮果てる 長崎桂子 あを 202010
空蝉に生きた証の重さかな 田中信行 202011
空蝉の眼に残る異界かな 藤田美耶子 202011
空蝉の琥珀を透かす夕日かな 荒井慈 春燈 202011
落蝉と空蝉並びありにけり 永田万年青 六花 202011
いつかは壊れる空蝉の置き手紙 奥田筆子 京鹿子 202011
空蝉よかなかなかなと鳴いてみよ 土井ゆう子 風土 202011
空蝉のすがりたる墓洗ひけり 藤生不二男 六花 202012
空蝉や年輪に問ふ樹の記憶 石原孝人 京鹿子 202101
空蝉や食い込む爪を茗荷の葉 上村葉子 風土 202102
空蝉に残せし土の記憶かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202107
空蝉の透きとほりたる羽化月夜 小林陽子 202107
空蝉のどこまで透けば無にならむ 村田あを衣 京鹿子 202108
空蝉の葉陰の宿り爪甘し 鈴鹿呂仁 京鹿子 202109
空蝉を握りつぶせる殺意かな 亀田虎童子 202109
空蝉やありあふものもうつくしき 根來隆元 202110
手にしたるその空蝉の軽さかな 根來隆元 202110
飴色に透くる空蝉風生まれ 高久正 202110
空蝉や隠しおほせぬ疵ひとつ 荒井ハルエ 春燈 202110
空蝉や逢ひたき人に逢ひに行く 北城美佐 202110
空蝉の爪の食ひ込む葉裏かな 秋山文子 末黒野 202111
瓶詰めの空蝉となり愛される 中西厚子 202111
瓶詰めの空蝉となり愛される 中西厚子 202111
空蝉の爪の渾身生くるとは 木多芙美子 春燈 202111
空蝉の風のふれゆく浄土かな 大川暉美 末黒野 202112
空蝉や逢いたき人に逢ひに行く 北城美佐 202207
空蝉の不死の鋳型が落ちてゐる 細川洋子 202208
空蝉の魂の宿りや鏡容池 鈴鹿呂仁 京鹿子 202209
空蝉のどこかへ消えてしまつた日 きくちきみえ やぶれ傘 202209
折れやすき空蝉の足折れてゐる 亀田虎童子 あを 202209
輕いのは空蟬それとも蝉の殼 佐藤竹僊 あを 202209
空蝉を百も抱へるビルの壁 田尻りさ 六花 202209
捨石へ縋る空蝉朝日影 池乗恵美子 末黒野 202210
五欲抜け今空蝉に朝日透く 峰崎成規 202210
全きの空蝉に雨ざんざ降り 高村令子 風土 202210
空蝉のかさなり合へる小伝馬町 雨宮桂子 風土 202210
空蝉を拾うて胸に飾りけり 草場つくし 六花 202210
空蝉の風をつかみて裏返る 櫻井理恵 春燈 202211
空蝉を守る静かな樹となりぬ 高木嘉久 202211
草蔭の空蝉一つ朝日影 田中由紀子 末黒野 202211
空蝉をながく育てて母の老ゆ 佐藤竹僊 あを 202211
空蝉を大きくしたら宇宙船 佐藤竹僊 あを 202211
空蝉に鋼の手脚ありにけり 岩佐梢 202211
空蝉のまなこの光る軒の下 ありかわみのる 202211
空蝉がそよぐ一葉を羽交締め 曽根富久恵 202212
空蝉のそばでミンミン読経あげ 渡辺節子 202212
空蝉のすがる朝の戸口かな 岡野里子 末黒野 202212
空蝉と土偶と眼くらべかな 佐藤竹僊 あを 202212
空蝉に詰めこみすぎて毀れたる 佐藤竹僊 あを 202212
空蝉にならむと艸をのぼりだす 佐藤竹僊 あを 202212
空蝉が力盡きたるところに居 佐藤竹僊 あを 202212
空蝉のすきさうなこと為てあげる 佐藤竹僊 あを 202212
空蝉→ 1

 

2023年7月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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