鱗 雲    147句

鱗雲ことごとく紅どこから暮る   橋本多佳子   読本・歳時記

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
騎馬戦の馬は少女や鱗雲
水原春郎
馬醉木
199811
いちまいの地図に書きこむうろこ雲
南村健治
船団
199903
鱗雲端がくづれて子が泣けり
岡和絵
火星
199911
昼よりも分厚き夜のうろこ雲
前田一生
199912
さまざまな人の死に会ふ鱗雲
中村祭生
ぐろっけ
199912
鱗雲金気の沼の山ん中
仲村菜花
200002
うろこ雲天の方円自在なる
鷹羽狩行
200009
杉並木透かして見ゆる鱗雲
内海芙美子
200011
鯖サンドうまし異国の鱗雲
菊地惠子
酸漿
200012
鱗雲種の零れるまでの鮮
金子皆子
海程
200102
夫は遠くにいつも遠くに鱗雲
金子皆子
海程
200102
蘭方に隆鼻術あり鱗雲
品川鈴子
船出
200104
鱗雲買ひし土鈴を鳴らしゆく
高橋とも子
百鳥
200111
鱗雲或る日化石になるといふ
暮岸江
銀化
200111
人ごゑの欅の上に鱗雲
山本田津子
200111
うろこ雲ほぐれて偲ぶ人のあり
上原若子
200112
門前の句碑に人影鱗雲
玉川悠
遠嶺
200201
地の果てはまた海の果て鱗雲
龍神悠紀子
200201
臥す夫へ墨絵で示す鱗雲
瀧新珠
京鹿子
200202
着岸す佐渡に流るる鱗雲
佐藤淑子
雨月
200203
今投網放たれしごと鱗雲
高橋英子
ぐろっけ
200204
海見えてくる坂道やうろこ雲
太田寛郎
200209
人形踊るカリヨン時計鱗雲
後藤志づ
あを
200212
鰯不漁空一ぱいのうろこ雲
小菅美代子
ぐろっけ
200302
うろこ雲ひろがる錨あぐる間も
鷹羽狩行
200311
鱗雲密より疎へと流れけり
青木光子
築港
200312
大空を龍のゆくなり鱗雲
沖増修治
百鳥
200312
また人事異動の辞令鱗雲
石川英利
百鳥
200401
三の谷へ爪先あがり鱗雲
野口喜久子
ぐろっけ
200401
碧空にひしめき流る鱗雲
山村修
築港
200402
うろこ雲生死ひとへのいのちかな
九万田一海
河鹿
200403
世界一長い木橋や鱗雲
花島みゆき
八千草
200404
大井川蓬莱橋
鱗雲のうろこやはらか水よりも
辻恵美子
栴檀
200410
うろこ雲天守の鯱が海恋へば
長谷川翠
馬醉木
200411
耳にまだ津軽じよんがら鱗雲
大島翠木
200412
うろこ雲肩ぶつけ合ふ下校の子
海野迪子
対岸
200412
鱗雲洗濯物を落しけり
沖増修治
百鳥
200412
鱗雲月を真中に広ごれる
二瓶洋子
六花
200412
鱗雲子離れならぬ友の文
中川美代子
ぐろっけ
200412
はるかなり富士山頂の鱗雲
徳田正樹
河鹿
200501
男系のいのち短しうろこ雲
星加克己
ぐろっけ
200502
本丸に立つ赤松や鱗雲
村田さだ子
酸漿
200511
鱗雲大小鱗光りたる
木藤ヒデ子
築港
200511
天国の扉のひらきうろこ雲
渡部志津子
200512
うろこ雲島の教会より生るる
杉浦典子
火星
200512
流木に座りてをりぬ鱗雲
堀志皋
火星
200512
うろこ雲混沌政治の曲がり角
川崎光一郎
京鹿子
200512
友禅を流す川面に鱗雲
高木昌子
築港
200512
一仕事終へて仰ぎしうろこ雲
大海いつ子
百鳥
200601
うろこ雲たちまち子規の空満たす
宮川みね子
風土
200601
デッキチェアー間合広くて鱗雲
品川鈴子
ぐろっけ
200610
鱗雲記憶にはなき母のこと
林美智
ぐろっけ
200612
瀬戸内に七百の島うろこ雲
河野洋子
200701
旅恋の空果しなく鱗雲
大泉美千代
雨月
200701
あの雲の千切れちぎれてうろこ雲
冨田正吉
200702
かの失言まぎらす夜の鱗雲
山元志津香
八千草
200703
鱗雲くつきり遙か西の空
池崎るり子
六花
200704
鱗雲石となるまでうた詠まむ
品川鈴子
200708
一片にはじまるあかね鱗雲
鷹羽狩行
200711
日を隠す雲につづける鱗雲
宮津昭彦
200712
一天の鱗雲澄む大井川
永田二三子
酸漿
200712
うろこ雲果てたるあたり空の沖
大曲澪
遠嶺
200801
鱗雲ひとひらづつに夕茜
高橋ひろ
万象
200801
北端の一湖に溜る鱗雲
吉岡一三
200801
我が母校百年祭やうろこ雲
筒井八重子
六花
200801
鱗雲小さき幸せ幾千も
大空純子
ぐろっけ
200802
早発ちの旅に賜るうろこ雲
鷹羽狩行
200811
フイナーレや大空に満つ鱗雲
加藤みき
200811
鱗雲小半時ほどきらびやか
宮津昭彦
200811
空き缶や休み時間の鱗雲
大原貴彦
炎環
200812
能のごと砂浜を踏む鱗雲
四條進
200812
鱗雲失せし中天あつけらかん
佐藤哲
万象
200902
風の技千畳敷の鱗雲
大泉美千代
雨月
200902
大仏はうつむくままにうろこ雲
鷹羽狩行
200910
誕生のかの日もかくやうろこ雲
鷹羽狩行
200911

十月五日、

満七十九歳

鱗雲流るる落葉松黄葉かな
阿部ひろし
酸漿
200911
蓼科へ
巡視船仮泊す鱗雲の下
定梶じょう
あを
200911
岩陵をのぼりつめれば鱗雲
加藤克
200912
とき放つ心の旅やうろこ雲
松田延子
風土
200912
鱗雲よりの剥落屋根の石
田中貞雄
ろんど
201001
鱗雲見とれ続けてよろめけり
坂口三保子
ぐろっけ
201001
児等の目にキリンの尿うろこ雲
鈴木浩子
ぐろっけ
201002
湖照らす常夜燈なりうろこ雲
池田加寿子
201011
天心を分け大いなる鱗雲
大坪景章
万象
201011
皆川盤水先生告別
あの世へとつながる如し鱗雲
石川かおり
201012
鱗雲どれも等しくとはゆかず
千田敬
201012
うろこ雲良寛堂は佐渡を背に
安居正浩
201012
鱗雲歩きづめなる遷都祭
高橋大三
ぐろっけ
201102
雨上がり空いつぱいのうろこ雲
神山市実
やぶれ傘
201104
行商の手秤確か鱗雲 城台洋子 馬醉木 201112  
矢のごとき望郷の念うろこ雲 松本三千夫 末黒野 201112  
天網に逆だつ鱗雲の数 熊川暁子 201112  
つぎつぎの事件見つむる鱗雲 林美智 ぐろっけ 201201  
二枚ほどはがれてをりし鱗雲 高橋将夫 201202  
はるかなる山粧へりうろこ雲 内藤庫江 末黒野 201202  
全身を見せず大魚のうろこ雲 塩路隆子 201211  
引き潮や喧騒去つて鱗雲 小池清司 かさね 201211  
妹の背に大往生の鱗雲 瀬川公馨 201301  
うろこ雲うろこ乱れず流れけり 坂口夫佐子 火星 201301  
旅にゐて全天占める鱗雲 梁瀬照恵 ぐろっけ 201302  
校庭に草食む山羊やうろこ雲 斉藤マキ子 末黒野 201304  
鱗雲すみまで鱗崩さずに 不破幸夫 馬醉木 201311  
鱗雲まだ捨てきれぬものばかり 木村茂登子 あを 201311  
古代魚の率いてゐたるうろこ雲 吉田希望 201311  
ゆつたりと人を歩ますうろこ雲 高橋ひろ 万象 201312  
失ひしままの嗅覚鱗雲 細川洋子 201312  
手術の日朝陽に光る鱗雲 斉藤裕子 あを 201312  
句会果つ黄金びかりのうろこ雲 小川玉泉 末黒野 201312  
うろこ雲けふは閉ざせる神楽殿 篠田純子 あを 201312  
立ち止り子へ数えたり鱗雲 塩川君子 末黒野 201401  
つぎ目なき空を借り切りうろこ雲 橋場美篶 末黒野 201401  
測量の二人は遠しうろこ雲 根橋宏次 やぶれ傘 201401  
湖に岬の見えてうろこ雲 大島英昭 やぶれ傘 201401  
塚山といへるへ登りうろこ雲 大崎紀夫 やぶれ傘 201401  
散り散りに籠へ玉入れうろこ雲 有賀昌子 やぶれ傘 201402  
残照の染むる一群鱗雲 嵐弥生 末黒野 201402  
ミケネコのような寝顔やうろこ雲 たかはしすなお 201412  
空き箱にバニラの匂ひうろこ雲 はしもと風里 201412  
水鏡収まりきれぬ鱗雲 山田正子 201502  
詩心を膨らましてる鱗雲 佐瀬晶子 ろんど 201502  
鱗雲の引き合つてゐる力かな 高橋将夫 201512  
切り株の缶コーヒーやうろこ雲 たかはしすなお 201512  
河口いま潮のぼり来る鱗雲 中村洋子 風土 201512  
大空を散らかし放題うろこ雲 伍島繁 201601  
やや北に偏つてゐるうろこ雲 大島英昭 やぶれ傘 201601  
心経や松に触れをる鱗雲 竹内悦子 201601  
いま負へるもの降ろしたし鱗雲 犬塚李里子 201601  
猫逝きし日の夕空や鱗雲 岡崎春菜 万象 201602  
汲み上ぐる島の井水や鱗雲 下山田美江 風土 201611  
うろこ雲の一鱗ならむ片つ貝 佐藤保子 馬醉木 201612  
鱗雲橋を渡って見る日本 つじあきこ 201612  
ばらばらの文字が浮かぶようろこ雲 たかはしすなお 201612  
送電の鉄塔高し鱗雲 須賀敏子 あを 201612  
鳳凰となりて一面うろこ雲 田邊豊子 201612  
うろこ雲土手にのぼれば川が見え 大崎紀夫 やぶれ傘 201701  
うろこ雲ほどよき風と変はりけり 大島英昭 やぶれ傘 201701  
鱗雲影清かなる池の面 高木邦雄 末黒野 201704  
海へ出て網目ほぐるる鱗雲 中川句寿夫 ここのもん 201705  
うろこ雲ニルスと旅をしたガチョウ たかはしすなお 201712  
鱗雲鉋かけをる漢かな 植木戴子 201712  
クレーン車見上げる先の鱗雲 神山市実 やぶれ傘 201712  
バスを待つ一人の時間鱗雲 三井所美智子 201802  
うろこ雲三々五々に吟行す 永田万年青 六花 201812  
生駒嶺のあけぼの色の鱗雲 西村操 雨月 201901  
鱗雲剥がれて空の広がりぬ 江島照美 発火点 201909  

 

2019年10月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。