鱗 雲 2   59句

鱗雲ことごとく紅どこから暮る   橋本多佳子   読本・歳時記

鱗雲  鰯雲  鯖雲  いわし雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
妹の背に大往生の鱗雲 瀬川公馨 201301
うろこ雲うろこ乱れず流れけり 坂口夫佐子 火星 201301
旅にゐて全天占める鱗雲 梁瀬照恵 ぐろっけ 201302
校庭に草食む山羊やうろこ雲 斉藤マキ子 末黒野 201304
鱗雲すみまで鱗崩さずに 不破幸夫 馬醉木 201311
鱗雲まだ捨てきれぬものばかり 木村茂登子 あを 201311
古代魚の率いてゐたるうろこ雲 吉田希望 201311
ゆつたりと人を歩ますうろこ雲 高橋ひろ 万象 201312
失ひしままの嗅覚鱗雲 細川洋子 201312
手術の日朝陽に光る鱗雲 斉藤裕子 あを 201312
句会果つ黄金びかりのうろこ雲 小川玉泉 末黒野 201312
うろこ雲けふは閉ざせる神楽殿 篠田純子 あを 201312
立ち止り子へ数えたり鱗雲 塩川君子 末黒野 201401
つぎ目なき空を借り切りうろこ雲 橋場美篶 末黒野 201401
測量の二人は遠しうろこ雲 根橋宏次 やぶれ傘 201401
湖に岬の見えてうろこ雲 大島英昭 やぶれ傘 201401
塚山といへるへ登りうろこ雲 大崎紀夫 やぶれ傘 201401
散り散りに籠へ玉入れうろこ雲 有賀昌子 やぶれ傘 201402
残照の染むる一群鱗雲 嵐弥生 末黒野 201402
ミケネコのような寝顔やうろこ雲 たかはしすなお 201412
空き箱にバニラの匂ひうろこ雲 はしもと風里 201412
水鏡収まりきれぬ鱗雲 山田正子 201502
詩心を膨らましてる鱗雲 佐瀬晶子 ろんど 201502
鱗雲の引き合つてゐる力かな 高橋将夫 201512
切り株の缶コーヒーやうろこ雲 たかはしすなお 201512
河口いま潮のぼり来る鱗雲 中村洋子 風土 201512
大空を散らかし放題うろこ雲 伍島繁 201601
やや北に偏つてゐるうろこ雲 大島英昭 やぶれ傘 201601
心経や松に触れをる鱗雲 竹内悦子 201601
いま負へるもの降ろしたし鱗雲 犬塚李里子 201601
猫逝きし日の夕空や鱗雲 岡崎春菜 万象 201602
汲み上ぐる島の井水や鱗雲 下山田美江 風土 201611
うろこ雲の一鱗ならむ片つ貝 佐藤保子 馬醉木 201612
鱗雲橋を渡って見る日本 つじあきこ 201612
ばらばらの文字が浮かぶようろこ雲 たかはしすなお 201612
送電の鉄塔高し鱗雲 須賀敏子 あを 201612
鳳凰となりて一面うろこ雲 田邊豊子 201612
うろこ雲土手にのぼれば川が見え 大崎紀夫 やぶれ傘 201701
うろこ雲ほどよき風と変はりけり 大島英昭 やぶれ傘 201701
鱗雲影清かなる池の面 高木邦雄 末黒野 201704
海へ出て網目ほぐるる鱗雲 中川句寿夫 ここのもん 201705
うろこ雲ニルスと旅をしたガチョウ たかはしすなお 201712
鱗雲鉋かけをる漢かな 植木戴子 201712
クレーン車見上げる先の鱗雲 神山市実 やぶれ傘 201712
バスを待つ一人の時間鱗雲 三井所美智子 201802
うろこ雲三々五々に吟行す 永田万年青 六花 201812
生駒嶺のあけぼの色の鱗雲 西村操 雨月 201901
鱗雲剥がれて空の広がりぬ 江島照美 発火点 201909
トロットで走らす栗毛鱗雲 大沢美智子 201911
パラパラと落ちて来さうな鱗雲 岩下芳子 201912
電線の混み合ふ空や鱗雲 濱野新 やぶれ傘 202002
手掴みでくれしポプコーン鱗雲 石田静 202011
鱗雲物干し竿の向こう側 神山市実 やぶれ傘 202101
鱗雲禍福を大小並べをる 平野多聞 202102
大陸とは一衣帯水うろこ雲 松尾龍之介 202107
うろこ雲一茶の句碑のほの白し 針谷忠郎 202110
うろこ雲尾根をゆく牛列なして 有賀昌子 やぶれ傘 202111
鱗雲人魚になりてもぐりけり 阪倉孝子 202112
旋回のヘリコプターや鱗雲 秋山文子 末黒野 202201
宇都宮線ことごとく鱗雲 坂本依誌子 春燈 202210
鱗雲→ 1

 

2022年10月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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