露けし 6      102句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
句碑失せて露けき湖でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201310
今にして偲ぶ子規の世露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201310
早朝参り岩打つ水音露けしや 宮内とし子 201311
旧殿の櫓の痩せの露けしや 武田巨子 春燈 201312
露けしや問はず語りに相槌を 浅木ノヱ 春燈 201312
露けしや鳩寿の世話に明けくれて 乗光雅子 雨月 201312
露けさや黒平焼の鯉と龍 瀧春一 花石榴 201312
欠伸さへなにか露けくなりにけり 千田敬 201401
早起きの散歩露けき土を踏み 江木紀子 雨月 201401
近況の三行に足り露けしや 高橋道子 201401
真夜の星ひとり仰ぎて露けしや 長山あや ホトトギス 201401
露けしや有馬人形筆干され 杉浦典子 火星 201401
露けしや名草醜草へだてなく 石黒興平 末黒野 201401
露けさの板戸に猫の出入口 瀬戸悠 風土 201401
綿あめの綿湧きつづく露けしや 中村恭子 201401
ついてくる己が足音露けしや 岩岡中正 ホトトギス 201402
露けしや三高校歌の道しるべ 有本南陵 ろんど 201402
わが身より離るる一語露けしや 岩岡中正 ホトトギス 201402
石塊も露けきものの一つかな 稲垣佳子 末黒野 201404
地震ありし日のままの岩露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201408
見しことのあるこの景色露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201408
露けしや万年筆を閉ぢし音 今澤淑子 火星 201411
露けしや白ソックスの透かし編み 今澤淑子 火星 201411
露けしや廻して粘土壺となる 宮川みね子 風土 201412
露けしや二ツに折りて長梯子 井上信子 201501
露けしや文字の消えたる道しるべ 武田巨子 春燈 201501
木曽塚に控へ露けし巴塚 松本三千夫 末黒野 201501
施錠固き十八間戸露けしや 玉置かよ子 雨月 201501
塗机も椅子も猫足露けしや 松井倫子 火星 201501
露けしや九輪の影の鈍色に 竹田ひろ子 ろんど 201501
露けしや大樹囲める山の寺 安原葉 ホトトギス 201501
露けしや石に火花の草刈機 正谷民夫 末黒野 201502
露けしや傾くままの八重の墓 安原葉 ホトトギス 201502
露けしや来し方淡く万華鏡 松川悠乃 ろんど 201502
露けしや石の声聞く二条城 北川孝子 京鹿子 201503
震災はなほ過去ならず露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201508
露けしや我にも若き日のありて 稲畑汀子 ホトトギス 201509
かく晴れし忌日は知らず露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201509
遠き旅終へ近き旅露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201509
露けしや三十五年はまたたく間 稲畑汀子 ホトトギス 201510
露けしや通行止の山路とは 稲畑汀子 ホトトギス 201510
露けしや朱唇褪せたる技芸天 藤岡紫水 京鹿子 201510
旅人の心となりて露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201511
露けしや火消しの衣に江戸の粋 宮内とし子 201511
露けしや不戦の城の四百年 涌羅由美 ホトトギス 201512
露けしや腹腔に打つ麻酔薬 近藤真啓 春燈 201512
うつし世の一日を重ね露けしや 齋藤晴夫 春燈 201512
露けき日笈の小文を習ひをり 石井ケエ子 風土 201512
露けしや家庭医学の本を積み 内藤静 風土 201512
露けくも知り人多き来世とも 中野匡子 ホトトギス 201601
露けしや砲台跡の煉瓦積み 松本三千夫 末黒野 201601
亡き友似の露けき人に出合ひけり 前原マチ 末黒野 201601
露けしや衣桁にかかるもの多し 犬塚李里子 201601
子規語る露けき声の耳朶にあり 千原叡子 ホトトギス 201603
露けしや子規の机に触れてみて 黒川悦子 ホトトギス 201604
縄文の柱露けく天に伸び 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
津軽弁聞いて忘れて露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201608
幸せは昔も今も露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201608
虚子散歩道を露けき歩幅もて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
講演会近く露けき心かな 稲畑汀子 ホトトギス 201609
露けしや旅から旅へ組む予定 稲畑汀子 ホトトギス 201609
露けしや小諸に旅をせしことも 稲畑汀子 ホトトギス 201609
今我に力あるとて露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201610
露けしや転びしことももう過去に 稲畑汀子 ホトトギス 201610
露けしや成行話し終へしとき 稲畑汀子 ホトトギス 201610
怪我癒えて行く日々とても露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201610
吾が年を数ふる事も露けしや 高橋照子 雨月 201611
起き抜けに履く庭下駄の露けしや 根岸善雄 馬酔木 201611
露けしや路傍にひそと兵の墓 三好千衣子 201612
露けしや君堂ほのと灯りては 山田天 雨月 201612
露けしや向ひの谿の能舞台 水野恒彦 201612
露けしや樹木葬とぞ聞き及ぶ 相良牧人 201612
いと古りし宮の狛犬露けしや 江木紀子 雨月 201701
虚子塔に一燈捧げ露けしや 岡田ちた子 雨月 201701
思惟仏の思惟の御指の露けしや 隅田恵子 雨月 201702
露けしや瓦礫より犬現はるる 岩岡中正 ホトトギス 201702
露けしや野に置かれある乳母車 赤松赤彦 六花 201702
露けしや三笠宮の一世紀 千原叡子 ホトトギス 201705
露けしや東大卒で独身で 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
露けしや稿債かかへたるままに 稲畑汀子 ホトトギス 201709
一文を草す露けき夜を更かす 稲畑汀子 ホトトギス 201709
露けしと思ふ一と日を家居して 稲畑汀子 ホトトギス 201709
立山の旅を語るも露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201709
露けしや横川の忌日近づけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
三十八回の露けき燭点る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
能面に露けき角度ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710
陰深し露けき朝の明け初むる 稲畑汀子 ホトトギス 201710
午後雨の予報露けき外出かな 稲畑汀子 ホトトギス 201710
『浅草風土記』読むや露けき窓明り 安立公彦 春燈 201710
千羽鶴納め柩の露けしや 林八重子 馬醉木 201711
「寿光院法道日政信士」露けしや 林いづみ 風土 201711
露けしや小流に添ふ遊歩道 安斎久苗 末黒野 201712
露けしや家に在る日はものを書き 安住敦 春燈 201712
露けしや子を恋ふ一途母の文 長谷川祥子 馬醉木 201801
露けしや色の透きたる砂糖菓子 原田しずえ 万象 201801
露けしや捨てかねてゐる亡夫のもの 中里よし子 春燈 201801
露けさの山塊をわが力とす 岩岡中正 ホトトギス 201802
露けしや墓碑に幼き齢ありて 川内谷育代 馬醉木 201802
順三忌露けき月日重ねつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
この道は奥の細道露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201808
順三忌露けき月日重ねつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
露けしや比叡の忌日も修し終へ 稲畑汀子 ホトトギス 201810
見舞ひたる別れの笑顔露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201810
露けし→7      

 

2021年10月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。