露けし 5      118句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
露けしや聖歌流るる朝のミサ 林和子 万象 200908  
虚子の世を露けく語り寿 稲畑廣太郎 ホトトギス 200909  
露けしや二十八年経つ忌日 稲畑汀子 ホトトギス 200909  
雨去来この静けさを露けしと 稲畑汀子 ホトトギス 200910  
露けしと言へば幼もつゆけしと 太田昌子 馬醉木 200911  
露けしや濡れて三界万霊碑 浅野洋子 春燈 200911  
青墨を筆になじませ露けしや 布川直幸 200911  
露けしや藤村母を葬るの碑 室伏みどり 雨月 200911  
露けしやその名ふたたび聞くにつけ 今橋眞理子 ホトトギス 200912  
熟年へ露けき夜の信号機 関根誠子 炎環 200912  
橋くぐる船の扁平露けしや 上谷昌憲 200912  
拝殿の織部瓦の露けしや 瀬戸雄二 風土 200912  
露けしや膝にこぼせるこなぐすり 篠田純子 あを 200912  
切株にわれも露けくなりにけり 岩岡中正 ホトトギス 201001  
猫往きて遺る爪あと露けしや 木多芙美子 春燈 201001  
隣家まで十歩露けき草の丈 林いづみ 風土 201001  
露けさの立ち居一歩の骨が鳴る 村上すみ 201001  
露けさに山が歩いて来るやうな 岩岡中正 ホトトギス 201002  
老の眼に見えざるものの露けしや 竹下陶子 ホトトギス 201002  
露けしやわれが歩けば山も歩く 岩岡中正 ホトトギス 201002  
露けさの切れば崇るといふ一樹 高橋道子 201002  
苔むしていよよ露けき燈たどる 丹生をだまき 京鹿子 201002  
露けしやキッチンに鳴る電子音 藤田素子 火星 201002  
晴れゐても遠流を偲ぶ露けさに 藤浦昭代 ホトトギス 201003  
一湾をめぐり露けき話聴く 大久保白村 ホトトギス 201004  
火の山の露けき草を牛が食む 樋口みのぶ 201004  
声といふ露けき音色ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201005  
戦国の露けき山路辿り来し 安原葉 ホトトギス 201005  
朝の雨止みて露けさ残さるる 稲畑汀子 ホトトギス 201008  
天守閣露けき高さありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008  
船旅の露けきものと思ひけり 島玲子 風土 201008  
彼女とは露けき仲でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009  
きざはしに露けき夜空展けたる 稲畑汀子 ホトトギス 201009  
露けしや海越えてゆく旅路とは 稲畑汀子 ホトトギス 201009  
古を露けく語る宴かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201010  
露けしや被爆の痕の見えずとも 稲畑汀子 ホトトギス 201010  
こみ上げてくる露けさよ長崎よ 稲畑汀子 ホトトギス 201010  
露けしや被爆の町へ組む旅程 稲畑汀子 ホトトギス 201010  
露けしや推敲しげき賢治稿 田所節子 201010  
露けしやしぱらく寄りぬ松の幹 小林リン 春燈 201011  
旅の縁とは楽しさと露けさと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201011  
露けしや思ひ出どれを繙くも 稲畑汀子 ホトトギス 201011  
露けしやこもごも動く猫の耳 上谷昌憲 201011  
一節の竹の花入れ露けしや 宮川みね子 風土 201011  
露けしや苔を鎧ひし将の墓 長谷川翠 馬醉木 201012  
築城にはづれし巨石露けしや 八田マサ子 馬醉木 201012  
露けしや地に傾ける笑ひ佛 川端俊雄 火星 201012  
白露けふトラムに揺られ朱雀門 増田一代 201101  
一病の爆弾のごと露けしや 中山純子 万象 201101  
露けしや鐘は西より東より 川端俊雄 火星 201101  
露けさの石垣に聞く石の声 望月晴美 201101 天守台
復元模写の極彩色の露けしや 島貫寿恵子 雨月 201101  
暁闇といふ露けさの中にゐる 岩岡中正 ホトトギス 201102  
露けしや夫喪ひし友の宿 中島知恵子 雨月 201102  
露けしや終の握手となりしこと 安原葉 ホトトギス 201103  
大本営跡の地下壕露けしや 大久保白村 ホトトギス 201104  
もののふの夢の城跡露けしや 亀掛川菊枝 末黒野 201104  
露けしや優しき言葉は折れ易し 松田都青 京鹿子 201104  
虚子詠みし小諸露けく語らるる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108  
露けしと思ひし日々をなつかしく 稲畑汀子 ホトトギス 201108  
露けしや仕事の山を崩しつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201108  
見渡すといふ焦点の露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201108  
露けしや力を抜きて風を聞く 稲畑汀子 ホトトギス 201109  
時間との戦ひここに露けき夜 稲畑汀子 ホトトギス 201109  
幻住庵露けき広さありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
芭蕉の世露けく語る庵かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110  
露けしや仕事一劃崩しても 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
露けしと思へばそれもなつかしく 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
露けしや松陰のこと萩のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
静けさにあれば露けき心添ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
露けしと思へばいさぎよきことも 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
世の中を変へて露けく生くるとも 稲畑汀子 ホトトギス 201110  
秋篠の露けさに立ち幾礎石 塩路隆子 201111  
露けしや燭一本の行者窟 山田春生 万象 201111 等々力渓谷
露けしや不定愁訴と医師のいふ 直江裕子 京鹿子 201112  
露けしや李朝の壺にピアノ線 辻直美 201112  
白秋忌近し島の碑露けしや 藤原照子 201112  
露けしや此の世のものにふくらはぎ 小形さとる 201112  
露けしや如来の堂に竜鳴きて 落合絹代 雨月 201112  
母の文生涯に二度露けしや 堀田こう 雨月 201112  
露けしや終の棲家のラビリンス 小形さとる 201201  
日にかざす紙幣の透かし露けくて 千田敬 201201  
父に又名を忘れられ露けき夜 松田恭子 ホトトギス 201202  
天上の露けさのきはまれば紺 岩岡中正 ホトトギス 201202  
露けしや寄せてはかへす波の音 長山あや ホトトギス 201202  
露けしや移民の悲話を聞くことも 安原葉 ホトトギス 201203  
露けしや案内にその名ありながら 三村純也 ホトトギス 201203  
御巣鷹に続く露けき空路かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201208  
幾度も地震ありし地の露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201208  
露けしや首相と同い年の僕 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209  
水割りの氷露けく溶けゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209  
オルガンの音色露けきレクイエム 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209  
佇めば露けき過去の甦る 稲畑汀子 ホトトギス 201209  
噴煙の吹かれ露けき草千里 稲畑汀子 ホトトギス 201209  
根子岳の稜線峨々と露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201209  
会場を替はる初心の露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201209  
胸ぬちを走る露けき思ひかな 稲畑汀子 ホトトギス 201209  
午後雨になる滞在の露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201210  
文豪の手紙露けき息遣ひ 稲畑汀子 ホトトギス 201211  
辿りたる記憶の月日露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201211  
落葉松の奥にともる灯露けしや 根岸善雄 馬醉木 201211  
露けしや羽毛をとどむ蛇籠目地 能村研三 201211  
露けしや手直し多き終の家 渕上千津 201211  
甘えぐせ抜けぬ露けき仔牛の眼 平子公一 馬醉木 201212  
露けしや父母の齢をすでに越し 鈴木良戈 201212  
触るるものなべて露けき寺にゐし 野澤あき 火星 201212  
千年の蘇鉄露けし妙国寺 北村淳子 ろんど 201212  
星に濡れ潮騒にぬれ露けしや 河野美奇 ホトトギス 201301  
妓王妓女の露けき厨子へ膝繰りて 浜口高子 火星 201301  
露けしや試歩の靴紐しめ直す 城戸緑 末黒野 201301  
露けさといふ気高さや人の世に 長山あや ホトトギス 201303  
草踏んで旅は露けきものばかり 岩岡中正 ホトトギス 201303  
木曽馬の露けく我を見る瞳 稲畑廣太郎 ホトトギス 201309  
説明は簡単にして露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201309  
露けしと思ひて一と日過ぎ易く 稲畑汀子 ホトトギス 201309  
今日のこと明口に残して露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 201309  
露けしやリハビリ続けねばならぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201309  
露けしや人の命はあるがまま 稲畑汀子 ホトトギス 201309 露けし→6

 

2019年9月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。