露けし 4      100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
提督の私信の花押露けしや 青柳雅子 春燈 200610
古き世を語る露けき坂の町 稲畑汀子 ホトトギス 200611
苔も露けき黒塚の夜泣き石 北川英子 200611
露けしや天鈿女の神楽石 浜福恵 風土 200611
露けしや石工の膝に地蔵成り 西村しげ子 雨月 200611
露けしや切り抜き栞る死亡欄 山田夏子 雨月 200611
もの言ひてただ露けさに黙すのみ 熊岡俊子 雨月 200611
てのひらのことに露けき夜なりけり 長沼三津夫 200611
露けしや露風ゆかりの修道院 浅井青陽子 ホトトギス 200612
露けしや隊士の墓は城に向き 宮島宏子 200612
汝逝きて日の経つ早さ露けくて 久保晴子 雨月 200612
やぶさめの流れ矢拾ふ露けしや 大西八洲雄 万象 200701
若狭の国竹人形の露けしや 手島伸子 雨月 200701
露けしや僧はただ掃き道均す 岩垣子鹿 ホトトギス 200702
善知識に導かれむと露けしや 池田倶子 雨月 200702
露けさの一句二句三句つくばの夜 佐々木幸 200702
何もかも露けきものとして比叡 岩垣子鹿 ホトトギス 200703
一塊の火の山として露けしや 岩岡中正 ホトトギス 200703
露けしや大地の底は海といふ 長山あや ホトトギス 200704
道ばたの供華の露けき魂祭 瀧春一 200706
露けき夜チヱホフの佗びをわが知りぬ 瀧春一 200706
露けしや仕上げし仕事なほ続く 稲畑汀子 ホトトギス 200708
立山の見えぬ露けき旅路かな 稲畑汀子 ホトトギス 200708
忌を修すはるかな月日露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200709
講演の稿をまとめて露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200709
山越えて露けき空の展けたる 稲畑汀子 ホトトギス 200709
又明日に残せし仕事の露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200709
今の世を生くるすべとは露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200709
露けしや話せば長くなることも 稲畑汀子 ホトトギス 200709
非常階段の踊り場露けしや 小林呼漢 200709
セリーグもパリーグも露けき結果 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
歳月に露けき別れ重ねつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
峰寺といふ露けさを置く忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
雨上り更に露けき順路かな 稲畑汀子 ホトトギス 200710
火の山の威容露けく峙てり 稲畑汀子 ホトトギス 200710
噴煙を上げて露けき夜の帳 稲畑汀子 ホトトギス 200710
横川路の木洩日さへも露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200710
坂登りつめて露けき茅舎の碑 稲畑汀子 ホトトギス 200710
露けさの彌撒のをはりはひざまづく 水原秋櫻子 馬醉木 200710
尼寺といふ静けさと露けさと 稲畑汀子 ホトトギス 200711
脱いである露けき踊り草履かな 米山喜久子 200711
露けしや厨にこもる器具の音 横田初美 春燈 200712
黒葡萄食むや露けきたなごころ 松本幹雄 馬醉木 200712
壁の詩の露けき藤村記念館 丸山美奈子 馬醉木 200712
露けしや子規の机に記帳して 三輪温子 雨月 200712
露けしや結界に踏む石畳 井口初江 酸漿 200712
まほろばの露けさあつめ女身佛 藤岡紫水 京鹿子 200712
露けしや母抱かれのる体重計 垣岡暎子 火星 200712
何となく歩みつづけて露けくて 佐々木幸 200712
露けしや無駄な時間といふ大事 佐々木幸 200712
露けしや猫のつけたる銀の鈴 荒井千佐代 200712
露けしや三国に偲ぶ物語 安原葉 ホトトギス 200801
落葉松の闇の露けき泊りかな 高橋さえ子 200801
露けしや木隠れに刻またたくま 木内憲子 200801
露けしや閼伽桶の棚黒く塗り 小島みつ代 200801
身ほとりの露けさを抱くごとくゐる 岩岡中正 ホトトギス 200802
山雨音なく露けさを加へたり 岩岡中正 ホトトギス 200802
子規句碑に虚子も偲びて露けしや 安原葉 ホトトギス 200802
一族の墓の大小露けしや 今井千鶴子 ホトトギス 200802
ふるさとのまこと露けき念持仏 小島みつ代 200802
露けしや抗癌剤を断りて 三浦ゑおり 風土 200803
わが星も共に歩める露けさよ 山田弘子 ホトトギス 200804
握手して別れしことも露けしや 安原葉 ホトトギス 200804
白露けふ母の襟あし切り揃へ 柴崎英子 絹の波 200806
又地震の話となりぬ露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200808

 中越地震記念復興

震災の跡と聞くだに露けしや

稲畑汀子 ホトトギス 200808
城といふ露けき黒でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200809
背比べ文字の露けく消えかかり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200809
日本は地震多き国露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200809
露けしや忌日を旅にあることも 稲畑汀子 ホトトギス 200809
ほどほどといかぬ仕事も露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200809
暁の星露けき光放ちけり 稲畑汀子 ホトトギス 200809
改修の工事露けくはじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200809
露けくも時間通りにこと運ぶ 稲畑汀子 ホトトギス 200809
露けしや励ます言葉なきままに 稲畑汀子 ホトトギス 200810
地球てふ病む星に住み露けしや 鷹羽狩行 200810
すれ違ふ巡礼の鈴露けしや 大西八洲雄 万象 200811
市露けし節目々々に花屋置き 岡本眸 200811
露けしや膕濡れてゐるやうな 吉弘恭子 あを 200811
胸中に綴る返信露けしや 一民江 馬醉木 200812
露けさにわが句記さむ野辺の石 塩路隆子 200812
露けしや茶筅の里の相伝図 伊東和子 200812
雨意有情いよよ露けき虚子の塔 山田天 雨月 200812
母性とは志功の菩薩露けしや 宮内とし子 200812
露けしやルーブル札を余し来て 門伝史会 風土 200812
言葉てふ露けきものを信じ来し 長山あや ホトトギス 200901
露けしと旅寝の枕うら返す 安達実生子 200901
千年を生きて露けし屋久の杉 木原今女 ぐろっけ 200901
抹茶碗のほどよき歪み露けしや 花岡豊香 酸漿 200901
日照雨して露けき吾となつてをり  岩岡中正 ホトトギス 200902
露けしや追伸長き刀自の文 窪田米子 遠嶺 200902
寡黙愛されたる虚子の露けさを 千原叡子 ホトトギス 200903
湯の街の更けゆくほどに露けき灯 三村純也 ホトトギス 200903
墓碑銘の字の虚子に似て露けしや 稲岡長 ホトトギス 200904
浄瑠璃のいよよ露けき愁嘆場 岩岡中正 ホトトギス 200904
連山といふ露けさの走りけり 岩岡中正 ホトトギス 200904
露けしやふつうの草も薬草も 服部早苗 200904
とび込んで来たる訃報の露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200907
露けさや巴里の灯一つにもいのち 泉田秋硯 200908
山の雨とは露けしや光堂 稲畑汀子 ホトトギス 200908
露けし→ 5      

 

2021年9月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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