露けし 2      100句

めざめゐて胸におく手の露けさよ   藤田宏   暖流

  露寒  露霜.水霜  露けし つゆけし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
露けさの角曲るとき背を感ず 岡本眸 200112
露けしや筋を通してより無言 北川孝子 京鹿子 200112
露けしやなんじゃもんじゃと言ふ一樹 千坂美津恵 200201
露けしや自筆に月斗墓と刻 片山喜久子 雨月 200201
露けしや塀の外なる家老墓碑 千原叡子 円虹 200201
露けさに暦の月を変へにけり 亀丸公俊 銀化 200201
踏切のレール露けき通夜戻り 恩田甲 百鳥 200201
展示室ごとの腰掛露けしや 大村孝 百鳥 200201
誰もゐぬ石の碁盤の露けしや 高村洋子 遠嶺 200201
露けしやテロ根絶に動き出す 角直指 京鹿子 200202
男の中の男業平像露けし 山田をがたま 京鹿子 200202
露けしや読み終へし書に手を重ね 杉山瑞恵 雨月 200202
杉木立空の露けさ引きしぼり 岡本眸 200202
心竹の幻ならず露けき日 桑田青虎 ホトトギス 200203
命あるかに心竹の露けしや 藤浦昭代 ホトトギス 200204
百年の露けさ笹の朱墨にも 藤浦昭代 ホトトギス 200204
露けしや芭蕉身近に学びし日 桑田青虎 ホトトギス 200204
一人の世を見ざりしいのち露けくも 塙告冬 ホトトギス 200204
片づけし机辺たちまち露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200209
露けしと思ひし日々をなつかしむ 稲畑汀子 ホトトギス 200209
露けき灯囲みて果てぬ団居かな 稲畑汀子 ホトトギス 200209
露けしや齟齬を抜け来し空の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200209
子規墓前露けき言葉交しつゝ 稲畑汀子 ホトトギス 200209
峰寺にこぼす露けき言葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 200210
快晴といふ露けさも横川かな 稲畑汀子 ホトトギス 200210
旅路より戻る机辺の露けき灯 稲畑汀子 ホトトギス 200210
老僧の恙を問ふも露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200210
露けしや部屋の金目のものなべて 田村はじめ 銀化 200210
半世紀前の思ひ出露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200211
この先に隠れ里あり露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200211
街覚むる露けき城をとりかこみ 白石峰子 円虹 200211
夜念仏綾渡の山河露けしや 室伏みどり 雨月 200211
一族の墓所の木立も露けしや 熊岡俊子 雨月 200211
露けしや苔満身に石仏 中御門あや 雲の峰 200211
石置屋根の二万個の石露けかり 佐藤俊子 200212
露けしや肩を揉まれて血の皈る 小林輝子 風土 200212
露けしや歩幅に落す抓み肥 生田恵美子 風土 200212
蛇笏忌や露けきものに斧の柄 鷹羽狩行 200212
百年を経たる露けさ子規の墓 木村享史 円虹 200212
早鞆の波も露けきものと旅 松永唯道 円虹 200212
鴎外のかくて露けき遺書のこす 松永唯道 円虹 200212
露けしや酒気ある父の膝の上 嵯峨根鈴子 火星 200212
露けさのラジオ体操老ばかり 吉田孤愁 百鳥 200212
露けしや揖保川渡す渡舟あり 大堀鶴侶 雨月 200212
子規の墓御母堂の墓露けしや 堀田清江 雨月 200212
腕塚や露けき路地の行き止まり 馬越幸子 ぐろっけ 200212
露けさの秘めてあまたの壺眠る 小澤克己 遠嶺 200212
露けしや星座は総て神のもの 川崎洋吉 遠嶺 200212
露けしや余白の多き夢二の絵 木暮陶句郎 ホトトギス 200301
露けしやピアノの傷の二つ三つ 中谷葉留 風土 200301
露けさの鳥の胎内くぐりかな 太田寛郎 200301
露けしや翁生家の家具調度 西村しげ子 雨月 200301
墓地露けし手桶の水の透明に 石井道則 築港 200301
掌にのせて露けきものに黒織部 羽根嘉津 200301
また一人露けき燭を点す墓 安原葉 ホトトギス 200302
独眼の露けきものに眼鏡橋 角直指 京鹿子 200302
始発電車露けき峡を発ちにけり 鎌倉ひろし 百鳥 200302
露けしや木もれ日に座し老ひとり 沢田邦子 200302
虚子山廬人も話も露けしや 河野美奇 ホトトギス 200302
露けしや夕日に濡るる草の丈 松岡隆子 200304
弔句書き露けき心抱き来し 稲畑汀子 ホトトギス 200308
先づ越前和紙に露けき一筆を 稲畑廣太郎 ホトトギス 200309
ふり返り露けき旅路なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200309
しづけさの露けきことも峰の寺 稲畑汀子 ホトトギス 200310
露けしと言ひ快晴といふ山路 稲畑汀子 ホトトギス 200310
迷ふ筈なき道なれど露けしや 稲畑汀子 ホトトギス 200310
露けしや忌日の雨の上りても 稲畑汀子 ホトトギス 200310
川沿ひに住む露けさの階二三 岡本眸 200310
露けしと思ひて立てり朝の庭 阿部ひろし 酸漿 200311
初陣を祝ひし笛の露けしや 木村仁美 馬醉木 200311
露けしや親指ほどの石マリヤ 安達実生子 200312
露けしや星のしたたる信濃の夜 松村富子 200312
紅はしる吉野杉箸露けしや 柴崎英子 200312
リニューアルしても露けき虚子山盧 黒川悦子 ホトトギス 200312
句会して共に昼餉や白露けふ 大塚洋子 酸漿 200312
湖風に湖岸露けき灯かな 鈴木美枝 酸漿 200312
気おくれの挑戦の文字露けしや 山崎靖子 200312
ニコライの墓姫の墓露けしや 堀田清江 雨月 200312
露けしや御苑の朝の砂利を踏み 岡本明美 雲の峰 200312
露けかり母の机に筆乾き 恒川絢子 対岸 200312
露けしや海を見てゐる人小さく 大串章 百鳥 200312
露けしと言ひ露けさをまだ知らず 大串章 百鳥 200312
露けしや潮の香こもる切通し 小野田和世 200312
露けしやかの日のままの万歩計 藤原照子 200401
露けしや胸三寸を電話口 伊藤早苗 200401
玄室へ三つの扉露けしや 荻沼嘉枝 対岸 200401
露けしや疏水に架かる赤き橋 鈴木とき子 対岸 200401
露けしや飾井筒に竹の蓋 鷹羽狩行 200401
豆らふそく揺れて露けき伎芸天 木田千女 200401
露けしや萩の絵襖武家屋敷 綾ひろ子 200401
露けしや遺せし工具など拭きて 山口マサエ 雲の峰 200401
参禅の露けき髪を解きにけり 山田美恵子 火星 200401
露けしや木の仏相を見て彫らる 中島知惠子 雨月 200402
羽黒山巡礼の道露けしや 渡辺玄子 酸漿 200402
戒壇院確を重ねて露けしや 桑田青虎 ホトトギス 200403
露けしや癇癪の眉思惟の眉 桑田青虎 ホトトギス 200403
露けしや婆娑羅神将咆哮す 桑田青虎 ホトトギス 200403
平家一族の位牌仏間に露けしや 堀田清江 雨月 200403
露けしや上皇在所跡狭き 中里カヨ 酸漿 200406
露けしや欠航怖れたる早出 稲畑汀子 ホトトギス 200408
露けし→ 3      

 

2021年9月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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