鶴 5      100句

鶴帰る  鶴引く    鶴来る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
首のべて足のべ茜いろの鶴 豊田都峰 京鹿子 201102
丹頂を先立て天の鶴となる 豊田都峰 京鹿子 201102
茜さす山仰ぐ鶴声の透け 仙石君子 雨月 201102
丹頂鶴頂ける丹の真ん丸に 木曽鈴子 ぐろっけ 201102
襲はるる幻想千の鶴着地 泉田秋硯 201103
凍鶴へ近づく歩幅つつしめり 藤原照子 201103
田の鶴の一歩一歩の寒かりし 城孝子 火星 201103
出水野の鶴を愁ふや鳥ウイルス 小澤菜美 201104
玄冬の日のまぶしさに鶴の息 玉田瑞穂 万象 201104
菊くらべ鶴は白菊亀黄菊 鳳蛮華 201104
凍鶴を見しより孤独ふかみけり 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
鶴夜ごと舞ふ銀の帯白き絹 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
夕映えに鶴唳響く大雪原 金山藤之助 201107
夕凍みて塒へ帰る親子鶴 金山藤之助 201107
暁光に鶴啼き交す不凍川 金山藤之助 201107
凍鶴の片足立ちを危ぶめり 金山藤之助 201107
内濠の水暗きより鶴の声 石田きよし 201109
これがその空飛ぶ鶴の壬生の面 後藤比奈夫 ホトトギス 201110
しなやかにそつと肩寄す冬の鶴 鴨下昭 201201
轟きて出水平野に鶴万羽 松本周二 かさね 201202
空路来て凍鶴に逢ふ原野かな 碇天牛 雨月 201202
鶴のこゑ山裾はまだ闇浸し 柴田佐知子 201203
水を噴く鶴の羽より垂れ氷柱 松本信子 かさね 201203
鶴−羽人探すやう祈るやう 直江裕子 京鹿子 201203
不知火の波おだやかに鶴鳴ける 栗山恵子 雨月 201203
暁光を放ちて鶴の下り来る 栗山恵子 雨月 201203
すくと立つ鶴に河原の枯さわぐ 栗山恵子 雨月 201203
里の子の今日も日課の鶴数ふ 栗山恵子 雨月 201203
初田鶴の空を仰ぎて鳴きあへり 三好かほる 万象選集 201205
凍鶴の脚さし変ふる暮色濃し 齋藤晴夫 春燈 201206
舞鶴ひて明るき未来約しけり 稲畑汀子 ホトトギス 201212
北帰行風待つ鶴が天仰ぐ 高瀬博子 六花 201212
白雲にぶつかるときの鶴若し 遠山陽子 201212
凍鶴の声に烈烈たる闘志 齊藤實 201301
月一つおきて塒の鶴となる 後藤立夫 ホトトギス 201302
東雲は鶴舞ひ初める頃の空 後藤立夫 ホトトギス 201302
鶴亀の注連飾りもて鏡餅 大橋敦子 雨月 201302
飛び立てる鶴の鋭声や雪催 大上充子 馬醉木 201303
一輪と言ふべき鶴の凍て立てり 近藤喜子 ミネルヴァの梟 201303
鶴守の鶴呼ぶ声の遠こだま 久染康子 201303
舫ひ解かれおぼつかなくも鶴の妻 和田絢子 春燈 201304
鶴の子の水に飛び込むのどけさよ 渡真利真澄 万象 201304
落葉積む檻に丹頂鶴つがひ 渡邊孝彦 やぶれ傘 201304
吐く息の朝日にけむる鶴の恋 不破幸夫 馬醉木 201305
丹頂鶴大空へこゑ放ちけり 森田節子 風土 201306
鶴渡るかなしきまでに海碧く 吉田順子 201310
粗朶垣に夕鶴一羽佇めり 瀧春一 花石榴 201312
高鳴けるこゑ白々と見張り鶴 工藤義夫 馬醉木 201401
水張りて畦繕ふも鶴のころ 工藤義夫 馬醉木 201401
鶴日誌閉ぢて撒き餌を運びけり 工藤義夫 馬醉木 201401
鶴唳のひと声に村日暮れけり 工藤義夫 馬醉木 201402
曇天に日矢一筋や鶴舞へり 前川美智子 末黒野 201403
掌中にはばたく鶴や日向ぼこ 藤井寿江子 馬醉木 201403
凍鶴の影あをあをと痛きほど 近藤喜子 201404
凍鶴の歩みとどむる遠けむり 安立公彦 春燈 201404
暮れのこる空の蒼さよ鶴啼けり 竹内慶子 春燈 201404
暮れ際へ万羽の鶴の啼き交はす 松田明子 201404
暁光に舞ひ翔ち天の鶴となる 栗山恵子 雨月 201404
青空に鶴啼く声の混みあへり 松田明子 201404
鶴を見る鶴のやうなる一詩人 岩岡中正 ホトトギス 201405
鶴唳に朝の力のありにけり 岩岡中正 ホトトギス 201405
明けて来し山河や鶴の羽の下 木村享史 ホトトギス 201406
夜の帳万羽の鶴を沈めたる 木村享史 ホトトギス 201406
夕月へ行きて返して鶴の舞ふ 木村享史 ホトトギス 201406
はばたくに草木の音檻の鶴 佐藤喜孝 あを 201407
鶴の舞一編の詩を紡ぎつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412
日本一鶴の棲みたき町といふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412
拒みつつ人に馴れゆく鶴であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412
朗詠の声鶴の空引き絞り 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412
夕日てふスポットライト鶴の舞 稲畑廣太郎 ホトトギス 201412
鶴を見るための旅近づいてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201412
かの日より鶴舞ふ空を描き来し 稲畑汀子 ホトトギス 201412
この広き空に鶴待つ心寄せ 稲畑汀子 ホトトギス 201412
名残あり出水の鶴の旅終へて 稲畑汀子 ホトトギス 201412
鶴の里より帰路となる旅心 稲畑汀子 ホトトギス 201412
まなうらになほ鶴舞うてゐる家居 稲畑汀子 ホトトギス 201412
展げられ鶴が羽ばたく屏風かな 内山照久 201501
神事のごとし凍鶴の一歩かな 近藤喜子 201503
空飛んで鶴の里より初電話 福永尚子 ろんど 201503
大方は引きたる鶴の消息も 稲畑汀子 ホトトギス 201503
凍鶴の一本足の強さかな 山下ひろみ 201503
幻にあらず湖北に鶴見しは 山田六甲 六花 201503
鶴の声地より沸きたり茜雲 吉田順子 201504
一羽鳴き二羽鳴き鶴唳天を衝き 大橋淳一 雨月 201504
春そこに鶴舞ひ降りる湖北かな 赤松赤彦 六花 201506
雪原の果は見えざり鶴の舞 伊藤希眸 京鹿子 201506
翔び立たば凍鶴の羽砕けむか 天谷翔子 201506
江戸城の石切り場跡鶴の声 長谷川祥子 馬醉木 201509
鶴舞ふや鶴の心に従へり 稲畑汀子 ホトトギス 201512
シベリアの白に染まりて鶴きたる 高橋将夫 201601
凍鶴の振り向くときが八十路です 鴨下昭 201602
凍鶴の動くかに見ゆ水の音 河口仁志 201603
鍋鶴の着地の脚を出しにけり 升田ヤス子 六花 201603
鍋鶴の陣を大きく啄める 升田ヤス子 六花 201603
泥探る子鶴に母の佇ちゐたり 升田ヤス子 六花 201603
凍鶴のこゑより解れ夜の明けぬ 能勢俊子 馬醉木 201604
さびしさに凍ててしまへり檻の鶴 梅村すみを 201604
たまゆらの熱き命に鶴の舞 水野恒彦 201604
凍鶴の身じろぐ熱き血の流れ 近藤喜子 201604
めでたけれ連鶴てふ名に寒牡丹 佐藤貞子 雨月 201604
尾張田に鶴舞ひ下りて景新た 水野節子 雨月 201604
高鳴きのひと声鶴の北帰行 佐々木よし子 201605
鶴 →6      

 

2022年1月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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