鶴 3  (凍鶴を含む)    94句

凍鶴が羽根ひろげたるめでさよ    阿波野青畝

鶴帰る  鶴引く    鶴来る

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒風山東に見えて鶴舞へり 松崎鉄之介 200402
カメラの放列丹頂鶴の会見めく 大塚初江 200402
鶴と鶴巖流島の決闘めく 大塚初江 200402
鶴と鶴威嚇と妥協くり返し 大塚初江 200402
牧場の牛の群るるに遊ぶ鶴 大塚初江 200402
凍て鶴の何に怖ぢたる真暗がり 淵脇護 河鹿 200403
つつがなき平和の里に鶴遊ぶ 平山勝子 河鹿 200403

 祝 田鶴四百号

田鶴つばさ広げ遥かを目ざしけり

稲畑汀子 ホトトギス 200403
凍鶴の地上三尺漂へり 直江裕子 京鹿子 200403
鶴舞ひぬ空青ければ影青く 生澤瑛子 ホトトギス 200404
川靄が鶴つつみこむ野の朝 冨士みのる ホトトギス 200404
トレモロの震はす原野鶴の舞 冨士みのる ホトトギス 200404
空は空野は野に映ゆる鶴群飛 冨士みのる ホトトギス 200404
影長くなり夕鶴となりゆけり 田上昭典 ホトトギス 200404
羽搏くも佇むもみな夕鶴に 田上昭典 ホトトギス 200404
鶴世界昏れゝばやがて星世界 田上昭典 ホトトギス 200404
天上も天下も鶴のための里 竹澤則夫 ホトトギス 200404
鶴を見るときが一服駐在所 竹澤則夫 ホトトギス 200404
逆光も順光も鶴舞へる空 湯川雅 ホトトギス 200404
降り立ちて鶴の家族でありしかな 田中子 ホトトギス 200404
舞ふ鶴に落暉明るき空のあり 田中子 ホトトギス 200404
鶴の舞ふ峡の月下でありにけり 田中子 ホトトギス 200404
視野暗むほど一斉に鶴翔てり 坂中紀子 ホトトギス 200404
風やみて鶴の羽音に暮るる里 坂中紀子 ホトトギス 200404
オリオンの闇に万羽の鶴眠る 坂中紀子 ホトトギス 200404
田鶴舞ふや先師に蹤きし畦の径 神田一瓢 雨月 200404
朝戸繰る鶴鳴く声のこだまして 綿谷美那 雨月 200404
凍鶴の雪に見紛ふ白さかな 村山博子 雨月 200404
その中に鷭もまぢれる凍田鶴 淵脇護 河鹿 200404
初凧も負けじと上る鶴の里 沼口蓬風 河鹿 200404
地鳴りとも千の羽音の鶴が翔つ 平山風鳥 河鹿 200404
凍て鶴の万の寝息や闇ふかし 平山風鳥 河鹿 200404
凍て弛む夕日まみれの鶴ねぐら 平山風鳥 河鹿 200404
凍鶴や日矢の射したる墓一つ 九万田一海 河鹿 200404
凍鶴の遠い目をして脚替ふる 直江裕子 京鹿子 200404
東を向きしままなる鶴の首 谷口佳世子 200404
凍鶴のおほかた貌を埋めをり 吉田明子 200404
助走して翔たない鶴の日暮れかな 田村みどり 京鹿子 200405
真鶴のくれなゐ探す遠眼鏡 石黒芳子 雨月 200405
嘴高く帰心つのれる万の田鶴 石黒芳子 雨月 200405
田鶴の村物語めく灯の点り 石黒芳子 雨月 200405
星冴えて万羽の鶴の気息かな 石黒芳子 雨月 200405
まだきより鶴唳に覚む旅寝かな 石黒芳子 雨月 200405
風花に日の射すところ鶴の舞 渕脇登女 200405
真つ黒なミニスカートよ雪の鶴 林玲子 200405
鶴の舞はじめに頸を伸ばしけり 杉浦典子 火星 200406
飼はれゐし鶴が鳴くなり日の永し 斧田綾子 対岸 200406
鶴が啼く庄野造りの長屋門 本山卓日子 京鹿子 200406
深爪をして鶴わたる夜を過ごす 八田木枯 夜さり 200409
枕べを火照る火照ると鶴が過ぐ 八田木枯 夜さり 200409
鶴の手をひいてよこぎる奥座敷 八田木枯 夜さり 200409
鶴わたりゆく振り假名をこぼしつつ 八田木枯 夜さり 200409
鏡荒れ鶴はたちまち妊りぬ 八田木枯 夜さり 200409
家裏で鶴手なづけし少年よ 八田木枯 夜さり 200409
むらさきにちかきくれなゐ鶴の疵 八田木枯 夜さり 200409
鶴守はしとねむりけり 八田木枯 夜さり 200409
人戀ひのかたちに鶴は凍りけり 八田木枯 夜さり 200409
鶴守の咽にあをき棘刺さる 八田木枯 夜さり 200409
鶴の首伸び切つてゐる飛翔かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200411
金神こんじん間日まびに丹頂鶴来る 延広禎一 200411
鶴渡るための青空真綿雲 土肥屯蕪里 雲の峰 200411
お告げ受け一二歩あゆむ園の鶴 禰寝瓶史 京鹿子 200412
虚空まで喜色なりけり鶴来る 山崎靖子 200501
望外のひかり反して鶴の棹 山崎靖子 200501
砂風呂に目つむりて鶴渡しけり 藤原照子 200501
吉兆の日や一鶴の空眩し 小澤克己 遠嶺 200501
わたつみの冷ことさらに鶴渡る 水野恒彦 200501
姉羽鶴に恃みたきこと一つある 加藤みき 200501
菊舎亡しさち子亡し鶴渡り来る 大串章 百鳥 200501
鶴の舞背負ひ切れない北の峰 宇都宮滴水 京鹿子 200501
夕鶴のこゑ天に満ち特攻碑 淵脇護 河鹿 200502
鶴の湯百景どれも天高し 佐原正子 六花 200502
群るる中ひたすらに舞ふ鶴一対 北川英子 200503
首をもて鶴の一声明けにけり 高橋将夫 200503
夕鶴の翔たんと畔に首揃ふ 神田一瓢 雨月 200503
一月のひるの水照る鶴の胸 渡邉友七 あを 200503
襖絵の応挙の鶴の眠りゐる 薬師神和美 百鳥 200503
山河濃しむかし戦の地より鶴 西屋敷峰水 河鹿 200503
大いなる空や万羽の鶴の道 尾辻のり子 河鹿 200503
凍鶴の一本脚の白い刻 鈴鹿仁 京鹿子 200503
鶴に鶴空の広さを連れてくる 直江裕子 京鹿子 200504
皎と鳴く鶴の一声明日へむけ 城石美津子 京鹿子 200504
降り佇ちて群鶴影を重ねあふ 宮脇ちづる 200504
凍雲の一片崩し鶴翔る 長谷川子 馬醉木 200504
ふるさとへ優勝の旗鶴も舞ふ 沼口蓬風 河鹿 200504
頸筋にみゆる緊張見張鶴 荒嶋かがみ 河鹿 200504
風に日に色を返しぬ鶴威し 荒嶋かがみ 河鹿 200504
鶴舞ふや特攻隊の征きし空 荒嶋かがみ 河鹿 200504
ざんばらの藁垣越しの鶴見かな 荒嶋かがみ 河鹿 200504
鶴を観る見張りの鶴に見張られて 荒嶋かがみ 河鹿 200504
旅立つも所詮はひとりはぐれ鶴 土生逸麿 河鹿 200504
天と地をつなぐ一弦鶴のこゑ 九万田一海 河鹿 200504
鶴天へ気迫のこゑを飛ばしけり 九万田一海 河鹿 200504
鶴 4       

 

2021年1月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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