鳥渡る 2    200句

鳥渡る老人ホームのティータイム    山尾玉藻

渡り鳥  鳥渡る  小鳥来る  鳥わたる

作品
作者
掲載誌
掲載年月
海峡のしぶきを浴びて椋鳥渡る 柴田佐知子 201311
鳥渡る丹後王国墳に見て 田中佐知子 風土 201311
十字架を掲ぐる島や鳥渡る 柴田佐知子 201311
鳥渡りきては野山の点睛なる 豊田都峰 京鹿子 201311
鳥渡りきて山川のととのへり 豊田都峰 京鹿子 201311
鳥渡るポストに落とす旅便り 布村松景 春燈 201311
三山のよき距りや鳥渡る 高橋和枝 201312
波の磨ぐ流木白し鳥渡る 松井志津子 201312
百万石城垣たかく鳥渡る 錫木妙子 馬醉木 201312
風にのり光にのりて鳥渡る 寺田すず江 201312
亡き夫と旅のいく度鳥渡る 安田とし子 ぐろっけ 201312
夕日負ふ芭蕉の座像鳥渡る 菅野日出子 末黒野 201312
魚店の厚き俎板鳥渡る 戸栗末廣 201312
つぎ目なき檜山杉山鳥渡る 薮脇晴美 馬醉木 201312
大社に寛永縁起鳥渡る 布施まさ子 風土 201312
うねうねと来て一の坂鳥渡る 定梶じょう あを 201312
鳥渡りをり廃校のグラウンド 涼野海音 火星 201312
鳥渡る出雲に雲の湧き続き 山田ゆう子 馬醉木 201312
石垣の石に番号鳥渡る 生田恵美子 風土 201401
廃線路果てなく続き鳥渡る 阪上多恵子 雨月 201401
茜空影絵となりて鳥渡る 永田万年青 六花 201401
鳥渡る砲台あとの水溜り 鷺山珀眉 京鹿子 201401
東西に城門を置き鳥渡る 門伝史会 風土 201401
突き上ぐる布団太鼓や鳥渡る 笹村政子 六花 201401
夕映えの丹沢連峰鳥渡る 安田とし子 ぐろっけ 201401
旅恋ひのいつもこの頃鳥渡る 阪上多恵子 雨月 201401
眼の内にレンズ入るる日鳥渡る 今井春生 201401
信号を待つみじかさや鳥渡る 西岡啓子 春燈 201401
聖燈に空ラのソケット鳥渡る 松山直美 火星 201401
大粒の雨に打たれて鳥渡る 高倉和子 201401
鳥渡るメタセコイアの葉の降つて 杉浦典子 火星 201401
鳥渡る雲脚早き岬鼻 中野久雄 末黒野 201401
鳥渡る九十九里浜遥かにす 村田岳洋 ろんど 201401
鳥渡る空の深さや九十九里 新海英二 春燈 201401
鳥渡る大和絵めける山つらね 竹内久子 京鹿子 201401
鳥渡る緘して宛名書き損ず 伊藤五六歩 船団 201401
鳥辺野の風あらあらと鳥渡る 河野亘子 馬醉木 201402
濃きコーヒー淹るる夕暮椋鳥渡る 鈴木一恵 末黒野 201402
大いなる山湖静かや鳥渡る 田村すゝむ 風土 201402
鳥渡る空に式典ある如し 三木千代 201402
大海に命さらして鳥渡る 内藤呈念 ホトトギス 201403
産土やけやき大樹を鳥渡る 山本耀子 絵襖 201404
六億の毬藻住む湖鳥渡る 大越義雄 璦別冊 201408
ガラス床の展望回廊鳥渡る 衣斐ちづ子 201410
鳥渡る日記に誌す一行詩 佐橋敏子 春燈 201411
鳥渡る舳に揃へ大き靴 浜口高子 火星 201411
鳥渡る太平洋を傾けて 吉永すみれ 風土 201411
鳥渡るうかつで済まぬ忘れごと 中野さき江 春燈 201412
白妙の花降るやうに鳥渡る 高野昌代 201412
多摩川の水底の晴れ鳥渡る 原田しずえ 万象 201412
膝の上に厚き鞄や鳥渡る 涼野海音 火星 201412
鳥渡る土木女 どぼじょ MY箸MY胡椒 鈴木みのり 201412
佐渡のぞむ展望台よ鳥渡る 宮崎高根 201501
らふそくは結界の灯鳥渡る 戸栗末廣 201501
一枚の空を斜めに鳥渡る 立野千鶴子 末黒野 201501
鳥渡る寺の寄進に名を連ね 内藤静 風土 201501
鳥渡る弓引き絞る九十九里 内山照久 201501
この窓は海見えぬ窓鳥渡る 前田貴美子 万象 201501
肩で泣く少年独り鳥渡る 雨宮桂子 風土 201501
鳥渡る赤きアーチの霧笛橋 奥田茶々 風土 201501
病む夫の遠まなざしや鳥渡る 宮本加津代 万象 201501
鳥渡る蝕の月の端消ゆる刻 當間シズ 万象 201501
幾年のお帰り・さらば鳥渡る 川南隆 ろんど 201501
海といふひかりの器鳥渡る 望月晴美 201502
らふそくは結界の灯鳥渡る 戸栗末廣 201502
鳥渡る沖より続く海の照り 森清信子 末黒野 201502
鳥渡る空に式典ある如し 三木千代 201502
鳥渡る日に日に水面濃くなりぬ 相良牧人 201503
碑の親しき文字や鳥渡る 松田明子 201504
教会の開かぬ高窓鳥渡る 大山夏子 201504
風にのり光にのりて鳥渡る 寺田すず江 明日葉 201505
妙高の無縫の天や鳥渡る 鈴木静恵 花こぶし 201508
開港は安政六年鳥渡る 田村すゝむ 風土 201511
鳥渡る沖を見てゐる少女像 田村すゝむ 風土 201511
駅長の手旗信号鳥渡る 柴田志津子 201511
鳥渡る空の潮目に舵を切り 辻美奈子 201511
断崖は地層の素肌鳥渡る 松井志津子 201511
鳥渡る生くる力の翼もて 本池美佐子 201511
雲ひとつなき双耳峰鳥渡る 根岸善雄 馬醉木 201512
聳てる嶺の幾重に鳥渡る 大上充子 馬醉木 201512
鳥渡る木馬の眼ぬれてをり 江草礼 春燈 201512
紛争の絶えざる地球鳥渡る 田中藤穂 あを 201512
鳥渡る十人掛けの大テーブル 種田果歩 201512
湖へ向く千体仏や鳥渡る 橋添やよひ 風土 201512
鳥渡る波打ち際は弧を描く 中村洋子 風土 201512
日蓮の入滅の寺鳥渡る 石井ケエ子 風土 201512
灯台は海の通ひ路鳥渡る 吉永すみれ 風土 201512
ままならぬ三行日記鳥渡る 雨宮桂子 風土 201512
鳥渡る母校は川を一つ越え 中嶋陽子 風土 201512
乾坤に無限の詩あり鳥渡る 竹下陶子 ホトトギス 201601
鳥渡る遠き山ほど空に近く 土井三乙 風土 201512
鳥渡る寺の寄進に名をつらね 内藤静 風土 201512
鳥渡る手押し喞筒に水溢れ 大上充子 馬醉木 201601
鳥渡る端山も影を正しけり 小林昌子 馬醉木 201601
戦没者石碑の修理鳥渡る 椿和枝 201601
みささぎを貝塚を越え鳥渡る 雨村敏子 201601
共に行くそれが宿命鳥渡る 江島照美 201601
レクイエム聴きし帰りや鳥渡る 吉村さよ子 春燈 201601
鳥渡る入江に小さき水平線 田丸千種 ホトトギス 201602
岩屋神祀る小島や鳥渡る 斉藤マキ子 末黒野 201602
神杉の天突く勢鳥渡る 堺昌子 末黒野 201602
鳥渡るヨットに報道局のロゴ 中嶋陽子 風土 201603
どの家にも川へ出る階鳥渡る 深川淑枝 201605
男三瓶を越え女三瓶に鳥渡る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
湾に五つの島に然然(しかじか)鳥渡る 浜福惠 風土 201611
天空の風の記憶に鳥渡る 山本則男 201611
鳥渡り終へて夕空のこりけり 林昭太郎 201612
鳥渡る砥石に水を吸はせれば 林昭太郎 201612
強右衛門の馳せし山峡鳥渡る 三好千衣子 201612
鳥渡る地べたに釘を刺す遊び 菊川俊朗 201612
逆光の武蔵野目がけ鳥渡る 藤代康明 201612
鳥渡る水の匂へる散居村 小林共代 風土 201612
朝毎の浜の体操鳥渡る 高橋まき子 風土 201612
鳥渡る農夫暮色に腰伸ばす 藤岡紫水 京鹿子 201612
光りつつ鳥渡り来や新娶 西川保子 春燈 201612
鳥渡る五頭ヶ嶺に雲流るる日 佐藤雄二 万象 201612
大屋根の反りゆるやかや鳥渡る 神谷さうび 末黒野 201612
相輪にかかるすぢ雲鳥渡る 上月智子 末黒野 201612
制空権制海権とや鳥渡る 中川久仁子 201612
一亭に名代の松や鳥渡る 山本ひろ 雨月 201701
人類のはびこる星を鳥渡る 高橋将夫 201701
湖分かつ朝日の帯や鳥渡る 丹羽啓子 馬醉木 201701
膝抱いて何もなき日や鳥渡る 渡辺やや 風土 201701
ものなべて一会の思ひ鳥渡る 齋藤晴夫 春燈 201701
高々と組まれし足場鳥渡る 佐藤博重 春燈 201701
鳥渡る点から線へ大宇宙 溝渕弘志 六花 201701
山巓を触るるばかりに鳥渡る 甕秀麿 201701
暮れそむる茶臼岳を掠め鳥渡る 内海保子 万象 201701
峡に橋かくるごと鳥渡りけり 三輪敏夫 201612
青空をたつぷり使ひ椋鳥渡る 森真二 201612
本棚の板のたわみや鳥渡る 戸栗末廣 201701
ひらがなの国を平らに鳥渡る 矢崎すみ子 201701
水の地図眼に持ちて鳥渡る 平松うさぎ 201701
潮の道見ゆる海原鳥渡る 宮原悦子 雨月 201702
東京タワー臨む病室鳥渡る 山田閏子 ホトトギス 201702
大海へ水の蛇行や鳥渡る 矢崎すみ子 201702
逆しまに見ゆる橋立鳥渡る 福島せいぎ 万象 201702
鳥渡る村を輪島のお膳売り 中川句寿夫 ここのもん 201705
鳥渡る峰に残りし狼煙台 西村渾 201711
鳥渡るどこまでも地球不安なり 本多俊子 201711
追分の瞽女の道とや鳥渡る 吉川隆 春燈 201712
鳥渡る遠かがやきを引きずりつ 加藤峰子 201712
塩釜のマリンゲートや鳥渡る 堺昌子 末黒野 201712
鳥渡る起伏の多き島の径 黒澤志麻子 末黒野 201712
鳥渡る三街道の分起点 矢口笑子 春燈 201801
器うみをの色紙掲げり鳥渡る 中嶋陽子 風土 201801
鳥渡り来てそれぞれの闇を負ふ 林いづみ 風土 201801
支へ合ふものに命や鳥渡る 高村令子 風土 201801
殉教の瀬戸の小島や鳥渡る 曽根薫風 馬醉木 201801
単線の窓下は海鳥渡る 渡たみ 馬醉木 201801
子午線を西へ西へと鳥渡る 高野昌代 201801
巡業の幟の空を鳥渡る 阪上多恵子 雨月 201801
鳥渡る我関せずの鴉かな 河崎國代 春燈 201802
気落ちせし昨日はきのふ鳥渡る 今井吉子 馬醉木 201802
鳥渡る遠流の島を高々と 山咲和雄 末黒野 201802
鳥渡る夕日離さぬ千曲川 岡野里子 末黒野 201802
鳩除けを廻らす寺や鳥渡る 菅野日出子 末黒野 201802
一碧の湖の空鳥渡る 森清堯 末黒野 201802
巫女舞の指の白さよ鳥渡る 川内谷育代 馬醉木 201803
この湖の近くに山廬鳥渡る 山田閏子 ホトトギス 201803
晴れ渡る忌日の空や鳥渡る 山田閏子 ホトトギス 201803
地獄絵の八方火の手鳥渡る 河原敬子 201804
連山の襞きはやかに鳥渡る 苑実耶 201804
鳥渡る蔵王嶺遥か薄化粧 及川照子 末黒野 201804
たたみ来る波の秀先や鳥渡る 長尾タイ 末黒野 201804
鳥渡る風強き日は地に降りて 稲畑汀子 ホトトギス 201810
鳥渡る湖畔に一と日遊びけり 稲畑汀子 ホトトギス 201810
さざ波を空へ返して鳥渡る 山田暢子 風土 201811
鳥渡る天地もつとも澄みしとき 近藤喜子 201811
左近碑の蕊の詩域や鳥渡る 藤代康明 201812
羽ばたきのせつかちもゐて鳥渡る はしもと風里 201812
鳥渡る彼方に首都といふ荒野 夏生一暁 馬醉木 201812
鳥渡る北斎の富士みな尖り 橋本榮治 馬醉木 201812
つつしんでびきょびきょびきょと鳥渡る 鈴木みのり 201812
城跡の櫓は方位鳥渡る 宮内とし子 201812
鳥渡るあららぎの実のほの甘く 相川健 201901
街中に清水湧く音鳥渡る 中嶋陽子 風土 201901
岩ごとに波しぶきけり鳥渡る 内藤静 風土 201901
鳥渡る車窓の山は遠きまま 根橋宏次 やぶれ傘 201901
生きるとはこゑ上ぐること鳥渡る くどうひろこ 201901
灯台に円き地球や鳥渡る 伊藤よし江 201901
海といふひかりの器鳥渡る 望月晴美 201901
忘却は生きて行く術鳥渡る 菊池和子 京鹿子 201901
子の家族増えて母国へ鳥渡る 塩見英子 雨月 201901
海峡の真っ赤な没日鳥渡る 片山喜久子 雨月 201901
大琵琶に舟待ちをれば鳥渡る 片山喜久子 雨月 201901
潮の目やひかりとなりて鳥渡る 岡野里子 末黒野 201902
この国の劣化すすみぬ鳥渡る 藤田美耶子 201902
崩しつつ一直線に鳥渡る 佐藤やすこ 風土 201902
散骨を望むこの海鳥渡る 井上和子 201904
大ざつぱな旅の地図なり鳥渡る 河原敬子 201904
鳥渡る人工島にモノレール えとう樹里 201905
参道に大樹の影や鳥渡る 遠山のり子 201905
よく晴れて富士見ゆる日や鳥渡る 遠山のり子 201905
灘風の曲げし枇榔樹鳥渡る 安食哲朗 201910
剃りあとのやうな夕空鳥渡る 佐津のぼる 六花 201912
安達太良のほんたうの空鳥渡る 塙誠一郎 201912
灯台の照る日曇る日鳥渡る 塙誠一郎 201912
空想は自在な遊び鳥渡る 栗原公子 201912
鳥渡る過疎の村にも立ち寄りて 高橋将夫 201912
鳥渡る →3      

2021年11月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。