蜻 蛉 4      112句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
いづこにも水のこゑあり初蜻蛉 林いづみ 風土 201108
蜻蛉の空も遅れてをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201109
庭手入済めば蜻蛉戻り来し 稲畑汀子 ホトトギス 201109
見送りも迎へも蜻蛉渡し船 野坂民子 馬醉木 201109
ままごとの客として訪ふ川蜻蛉 中川すみ子 201110
川風におはぐろ蜻蛉運ばれり 鈴木一三 末黒野 201110
後先になりて蜻蛉と峠越え 松岡和子 201111
蜻蛉の睦む沼面の水輪かな 二宮一知 万象 201111
木道の草におはぐろ蜻蛉群る 榎本桂子 万象 201111
蜻蛉釣る児のかがよひてぼんのくぼ 相沢有理子 風土 201111
勧請縄を精霊蜻蛉くぐりけり 田中芳夫 201112
突堤の忘れものめく蜻蛉の死 佐々木紗知 京鹿子 201112
秋蜻蛉ガラス戸に寄る音かすか 木下もと子 201112
ハーブの湯しほから蜻蛉一巡す 長瀬節子 ぐろっけ 201112
蜻蛉の来ては去りゆく石の庭 高橋照子 雨月 201112
産卵の蜻蛉に水面硬からむ 宇都宮敦子 201201
石を翔ち石に又来る塩蜻蛉 上辻蒼人 風土 201201
蜻蛉や位置についての号砲待つ 加舎廣子 京鹿子 201201
磔刑の姿に蜻蛉動かざる 宮井知英 201202
風に乗る塩辛蜻蛉睦みしまま 藤井久仁子 ぐろっけ 201202
マストより高し港を越す蜻蛉 岡崎伸 遠眼鏡 201203
垂直に蜻蛉眠る七七日 吉田葎 201204
蜻蛉生る翅に染みゐし水の色 布川直幸 201207
たまくらの蜻蛉ひそめきて羽音 河西志帆 京鹿子 201209
楽譜碑の一節より翔つ蜻蛉かな 能村研三 201209
水の女神よ華薯な燈心蜻蛉 近藤喜子 201209
日のなかに塩辛蜻蛉陽満喫 吉弘恭子 あを 201210
蜻蛉生る沼の小草を掠めつつ 米尾芳子 馬醉木 201210
閑けさのおはぐろ蜻蛉遊女塚 能勢栄子 201210
静かなる池塘の浮葉蜻蛉打つ 伊藤平八 末黒野 201211
川蜻蛉飛び立つ準備整はず 村田岳洋 ろんど 201211
一癖が味であるべし蜻蛉交ふ 森田子月 ぐろっけ 201211
指まはし蜻蛉捕りし日懐かしき 大西八洲雄 万象 201211
風に舞ひ翅ひらめかす川蜻蛉 新堀満寿美 末黒野 201211
蜻蛉生る夕日の葭に身じろがず 新堀満寿美 末黒野 201211
稲刈るや蜻蛉の羽音まつはり来 南うみを 風土 201211
山の気の沼に八丁蜻蛉かな 有本南陵 ろんど 201212
地震あとの段差まだまだ蜻蛉とぶ 伊藤希眸 京鹿子 201212
海王丸「登檣礼」に蜻蛉来る 岡田満喜子 ぐろっけ 201212
風生庵出ずれば蜻蛉群れあそぶ 八幡操 ぐろっけ 201212
蜻蛉たつを待ち渾身のティーショット 菅野蒔子 末黒野 201301
池の面に即かず離れず蜻蛉かな 桂敦子 201301
蜻蛉の水面をみつめ去りゆきぬ 永田万年青 六花 201310
蜻蛉つんつん発電風車ぶるんぶるん 村高卯 201310
糸とんぼ御歯黒蜻蛉ありありと 井上信子 201310
蜻蛉やどうと云ふことなき遺跡 小山陽子 やぶれ傘 201311
宿命のやうに現はれ消ゆ蜻蛉 濱上こういち 201311
小祥や蜻蛉の羽の銀細工 辻美奈子 201311
結界の石に蜻蛉来て止まる 上村葉子 風土 201311
蜻蛉飛ぶ富士の裾野の湧水池 森岡陽子 かさね 201311
池の面を番いとなりし蜻蛉飛ぶ 有賀昌子 やぶれ傘 201312
蜻蛉の飛ぶ形して止まりけり 池内とほる かさね 201312
しのび寄れど蜻蛉の日を出し抜けず 佐藤喜仙 かさね 201312
たまさかの蜻蛉に見入る街の中 橋本修平 かさね 201312
蜻蛉来て椎茸榾の廃れあり 能村研三 201312
蜻蛉に誘はれ行く伊勢街道 福本すみ子 201312
林道の風筋に群れ夕蜻蛉 新海英二 春燈 201401
蜻蛉の翅すぼめゆく静寂かな 中田のぶ子 ろんど 201401
蜻蛉の迷ひを捨てし高みかな 近藤幸三郎 風土 201401
とんぼとんぼ原に集まる蜻蛉かな 黒滝志麻子 末黒野 201401
干し物の真上蜻蛉のホバリング 竹内涼子 末黒野 201402
四阿の将棋対局蜻蛉来て 祐宗千代子 雨月 201402
ひんまがる陸にすむもの大蜻蛉 元橋孝之 京鹿子 201402
板壁を登る蜻蛉の翡翠色 篠田純子 あを 201406
隠沼に蜻蛉生れをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201406
近寄れぬ池に蜻蛉生れけり 稲畑汀子 ホトトギス 201406
はらからの殻よじのぼり蜻蛉生る 原田達夫 201408
小黒坂早苗蜻蛉が肩に来て 林いづみ 風土 201408
頂上に生るる蜻蛉の千の舞 谷口俊郎 201409
池巡る蜻蛉の羽化を畏れつつ 人見洋子 201409
蜻蛉生る育ちし水辺後にせり 森理和 あを 201409
蜻蛉の生まれし朝七七日 西村節子 火星 201409
糸蜻蛉飛び交ふさまの舞へるごと 和田郁子 201409
葦揺るる飛び立ち蜻蛉一巡り 森理和 あを 201409
カーペンターズの声に乘り来る赤蜻蛉 大日向幸江 あを 201409
大河を望む木橋の川蜻蛉 丸井巴水 京鹿子 201410
目に結ぶあまたの蜻蛉敗戦日 安立公彦 春燈 201410
庭陰に羽黒蜻蛉の棲かな 大内幸子 六花 201410
羽黒蜻蛉高くは飛ばずまた陰へ 大内幸子 六花 201410
絵日記の最後の頁赤蜻蛉 岩永はるみ 春燈 201411
風と来し精霊蜻蛉忽と消ゆ 加藤静江 末黒野 201411
蜻蛉の擽ぐる沼の平らかな 奥井あき 201411
覗きたるレンズを過る赤蜻蛉 川上久美 ろんど 201411
群るること好きで夕べの赤蜻蛉 樋口みのぶ 201411
川蜻蛉虚空漂ふ気の流れ 犬塚李里子 201411
蜻蛉の姿くらます水の照り きくちきみえ やぶれ傘 201411
一決の衆議のさまに蜻蛉散る 相良牧人 201411
蜻蛉や測量杭のA地点 奥井あき 201411
水平に翔べぬ蜻蛉沼の端 奥井あき 201411
人麿の歌碑に寄り来る赤蜻蛉 西村しげ子 雨月 201411
子の指の魔術に酔へる赤蜻蛉 塩路五郎 201412
赤蜻蛉群れて落暉に溶け込める 田中淺子 201412
島主の坪庭の池蜻蛉群れ 手島靖一 馬醉木 201412
大奥跡見回る様に赤蜻蛉 野村重子 末黒野 201412
腰痛の窓に蜻蛉の山だより 戸辺信重 春燈 201412
手のとどく高さに蜻蛉蹤き来る 森俊人 201412
畦道や川すぢに沿ひ蜻蛉來し 近藤紀子 201412
蜻蛉の残像人差し指の顛 古川忠利 ろんど 201412
草踏んで蜻蛉の国に紛れけり 村田岳洋 ろんど 201412
ウエディングドレスの好きな赤蜻蛉 椿和枝 201412
風ありてともに行きたる蜻蛉かな 藤生不二男 六花 201412
蜻蛉の羽音反橋釘浮けり 生田恵美子 風土 201412
湯煙の片方に群るる赤蜻蛉 四條進 201412
蜻蛉と搦手門をくぐりけり 隅田恵子 雨月 201501
ロシア正教教会ドアに赤蜻蛉 土井ゆう子 風土 201501
先つぽの好きな蜻蛉の自閉症 松田都青 京鹿子 201501
石段が好きわらんべに蜻蛉に 赤川誓城 ホトトギス 201502
石切り場の石のステージ蜻蛉舞ふ 田中一美 ろんど 201502
鳴く虫も鳴かぬ蜻蛉も大原路 半田稜 ろんど 201502
蜻蛉玉光る静けさ小春かな 國保八江 やぶれ傘 201502
永久 とこしえ に飛ぶエミール・ガレの蜻蛉 岩月優美子 グピドの瞳 201506
蜻蛉 →5      

 

2021年8月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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