蜻 蛉 5      123句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
よぎりしはしかと蜻蛉なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201509
蜻蛉の交みて飛べり高瀬舟 竹内悦子 201509
竹やぶの日向塩辛蜻蛉とぶ 大崎紀夫 虻の昼 201510
川蜻蛉影が水中飛んでゐる 村高卯 201510
蜻蛉の一直線の羽音かな きくちえみこ 港の鴉 201510
杭の先選り好みする蜻蛉かな 大室恵美子 春燈 201511
蜻蛉のつるみて禅寺の真昼 浅田光代 風土 201511
いつの間に止まりてゐたる塩蜻蛉 上辻蒼人 風土 201511
佃島の渡船場趾や蜻蛉とぶ 川田好子 風土 201511
塩蜻蛉魔法をかけし昔あり 上辻蒼人 風土 201511
蜻蛉のさらにきらめく日照雨かな 飛高隆夫 万象 201511
醒井の流れに群れし川蜻蛉 辻井ミナミ 末黒野 201511
蜻蛉と見し間に消ゆる速さかな 久保晴子 雨月 201511
残照の高さに蜻蛉の羽光る 木村美翆 201511
湿原の水落つる音塩蜻蛉 渡邊孝彦 やぶれ傘 201512
天守跡の大き礎石や赤蜻蛉 秋山信行 やぶれ傘 201512
伊勢湾を遠景にして赤蜻蛉 中貞子 201512
山頂の蜻蛉無線中継所 箕輪カオル 201512
蜻蛉や長男次男左利き 黒滝志麻子 末黒野 201512
鷹を追ふレンズに蜻蛉がいつぱい 浅田光代 風土 201512
考への尽きたる蜻蛉発ちにけり 浅田光代 風土 201512
力抜く肩に蜻蛉来て休む 杉田春雄 風土 201512
止まる杭絶えず探してゐる蜻蛉 森脇貞子 雨月 201512
太閤像足下にどつと群蜻蛉 山田由利枝 雨月 201512
眼薬差すくるりくるりと蜻蛉の眼 根岸善行 風土 201512
蜻蛉の飛び交ふ軽さ欲しくあり 黒滝志麻子 末黒野 201601
汀女忌の忽と殖えたる蜻蛉かな 外山節子 末黒野 201601
青空へ蜻蛉の翅ひかり透く 田中臥石 末黒野 201602
招魂社たましいのごと蜻蛉群れ 田中藤穂 201603
朝の日や蜻蛉生れたての顔 竹中一花 201607
蜻蛉を夕日に染めて母校かな 浜福恵 風土 201608
空の色剥いで塩辛蜻蛉かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
水を恋ひ水を恐れて蜻蛉飛ぶ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201609
木道をこもごも渡る糸蜻蛉 箕輪カオル 201609
ひとすぢの草を争ふ糸蜻蛉 沢辺たけし 万象 201609
糸蜻蛉風にまかせて浮きにけり 鈴木良戈 201609
川蜻蛉空に水あるごと流る 松田多朗 馬醉木 201610
蜻蛉生る小草にしかと上がりをり 小山ほ子 末黒野 201610
糸蜻蛉こんな静かな生もある 有松洋子 201610
被爆地や群飛ぶ蜻蛉影消えて 室井津与志 春燈 201610
声かけてより蜻蛉に慕はるる 中島あきら 201611
偏らず世を円く見る蜻蛉の眼 峰崎成規 201611
其所此所に蜻蛉来てゐる地鎮祭 岩下芳子 201611
糸蜻蛉見え隠れする記憶かな 江島照美 201611
底無しの碧落に殖ゆ山蜻蛉 岡田貞峰 馬酔木 201611
大地震の前ぶれならむ蜻蛉涌く 志方章子 六花 201611
木道に屈めば寄り来糸蜻蛉 成田美代 201611
古戦場の空に群れ飛ぶ蜻蛉かな 大文字孝一 春燈 201611
ベランダに蜻蛉群れ飛ぶ日曜日 坂入妙香 春燈 201611
校庭の空を自在の蜻蛉かな 佐藤まさ子 春燈 201611
肩に来る蜻蛉に草の匂ひかな 能美昌二郎 201612
蜻蛉一匹空の余白のことさらに 川崎真樹子 春燈 201612
夕蜻蛉遊び足りない子がひとり 木村梨花 春燈 201612
蜻蛉のまた来て壊す水鏡 武藤節子 やぶれ傘 201612
波音の先へ先へと塩蜻蛉 河野由美 馬醉木 201701
鎌置いて立てば蜻蛉の群の中 田中とし江 201701
古代蓮青い蜻蛉がきて止まる 早崎泰江 あを 201708
盆近き棚田に精霊蜻蛉湧く 密門令子 雨月 201711
蜻蛉飛ぶ羽虫の高さ測りつつ 池田光子 風土 201711
突堤の塩辛蜻蛉錨錆ぶ 荒木甫 201711
蜻蛉の交みすぎゆく壺湯かな 竹内悦子 201711
しののめの水の匂や蜻蛉生る 木村美翠 201711
追ひかける蜻蛉と逃げ回る蜻蛉 溝渕弘志 六花 201712
日常をピカソのやうに見る蜻蛉 三木享 201712
つるみたる蜻蛉止まりし舫ひ杭 今井弘雄 春燈 201712
息止めて蜻蛉止める指の先 伴秋草 末黒野 201712
プロポーズされてみたいな蜻蛉舞う 林田麻裕 201712
流れゆく水草離れず糸蜻蛉 島田和枝 万象 201712
潮の風馬柵に蜻蛉の連なれり 濱谷和代 万象 201801
蜻蛉発つ翅の白露うちはらひ 南うみを 風土 201802
生まれたる塩辛蜻蛉葉裏かな 大日向幸江 あを 201807
蜻蛉生る一掬の日を震はせて 布施政子 馬醉木 201808
糸蜻蛉葦辺の水に瑠璃引けり 田部明子 馬醉木 201809
雨止んで蜻蛉に空入れ替る 稲畑汀子 ホトトギス 201809
蜻蛉と共に湖畔を引返す 稲畑汀子 ホトトギス 201809
縺れ合ひ蜻蛉上手に情交わし 谷口一献 六花 201810
蜻蛉生る失ひやすきものまとひ 高橋あさの 201810
丹の小橋渡り浄界蜻蛉生る 塩貝朱千 京鹿子 201811
蜻蛉に目鼻風化の地蔵尊 大畑善昭 201811
目を剥きて蜻蛉返りの睦五郎 松田明子 201811
影足して二の字となりぬ糸蜻蛉 湯川雅 ホトトギス 201811
水に触れ水を離れぬ糸蜻蛉 小林紫乃 春燈 201812
肩に来る蜻蛉に草の匂ひあり 能美昌二郎 201812
蜻蛉来る水の匂ひの濃き日なり 能美昌二郎 201812
蜻蛉右猫は左の昼下がり 藤波松山 京鹿子 201812
放課後のプール蜻蛉が水叩く 窪みち子 201902
糸蜻蛉存在直ぐに消えにけり 田尻勝子 六花 201908
水辺とは蜻蛉の生るる処なり 増成栗人 201908
あかときの雫を振つて蜻蛉生るえ 南うみを 風土 201908
隠り沼糸蜻蛉のみ宙にあり 田尻勝子 六花 201909
蜻蛉生る祝ふやうなる水あかり 近藤喜子 201909
蕉像の影蜻蛉の寄辺かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
蜻蛉の空蜻蛉に明け渡す 稲畑汀子 ホトトギス 201909
濁世みて蜻蛉の目玉回転す 高橋将火 201911
蜻蛉の空へ楕円の球を蹴る 塙誠一郎 201912
蜻蛉の複眼をもてことを見る 齋藤晴夫 春燈 201912
あんパンのある日塩辛蜻蛉いる 坪内稔典 船団 201912
風と来て風にとび立つ蜻蛉かな 武生喜玖乃 雨月 201912
サイクリング蜻蛉の群れと高原を 吉宇田麻衣 201912
星草に逆立つ八丁蜻蛉かな 桜井知恵子 雨月 202001
蜻蛉の消えたる空のはたと暮れ 今橋眞理子 ホトトギス 202002
蜻蛉に水をたたへし如く空 今橋眞理子 ホトトギス 202002
つくばひの水涸れしまま夕蜻蛉 藤田美耶子 202002
存へて冬の蜻蛉のゆくへかな 雨宮桂子 風土 202002
蜻蛉生る記憶そこからはじまりぬ 鷹崎由未子 春燈 202008
風生れ蜻蛉の道出来上る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
蜻蛉に空明け渡す鴎どち 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
出棺の空へ湧き立つ赤蜻蛉 稲畑廣太郎 ホトトギス 202009
蜻蛉生る星の未来やもつと青し 近藤喜子 202009
蜻蛉の畑の先々ゴッホの目 西住三惠子 202010
蜻蛉の空どこまでも雲なき日 安藤久美子 やぶれ傘 202010
蜻蛉の群れギャロップの砂埃 兵藤惠 202011
武蔵野は風の国原赤蜻蛉 栗坪和子 202011
赤蜻蛉一気に湧きて触れもせず 大内幸子 六花 202011
赤蜻蛉どこから湧きてどこへ消ゆ 大内幸子 六花 202011
蜻蛉を抓むや翅に紙の音 栗原公子 202011
蜻蛉の空へ楕円の球を蹴る 塙誠一郎 201911
せせらぎや手品めく湧く糸蜻蛉 森清信子 末黒野 202011
みづがねの重さに飛べり糸蜻蛉 栗坪和子 202012
墓碑はみな待つ形なり赤蜻蛉 甲州千草 202101
野菜干す旅へ蜻蛉の来ては去る 藤原明美 202101
コスモスの揺れに遊べる蝶蜻蛉 住田千代子 六花 202102
幼な子の声に蜻蛉の目がうごく 戸栗末廣 202105
蜻蛉→ 1

 

2021年8月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年8月26日