蜻 蛉 3       111句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
知らん顔して蜻蛉の戻り来る 前田祐治 200612
ホルン鳴り蜻蛉の空どこまでも 林八重子 馬醉木 200612
蜻蛉には任重すぎる紅の橋 丸山佳子 京鹿子 200612
安曇野や臀呫蜻蛉の円舞場 櫻井康敞 200701
蜻蛉の貌が光りて見えぬなり ことり 六花 200701
蜻蛉のをりをり立ちぬ風の黍 瀧春一 200706
一枚の空蜻蛉に破られし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200709
蜻蛉の紗の翅の日に光る光る 大橋敦子 雨月 200709
水音の葉先に震へ川蜻蛉 木内美保子 六花 200709
蜻蛉の空赤々と句集生る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
我が胸に来て止りたる蜻蛉あり 青木陽子 酸漿 200710
蝶蜻蛉飛んでコスモスさかりなり 金井充 百日紅 200711
雨のあと蜻蛉の村となりにけり 小林朱夏 200711
羊の丘臀呫蜻蛉も飛んでをり 川越勢津子 200711
蜻蛉に白球たまの行方を聞いてみな 瀬川公馨 200711
山へ帰るおはぐろ蜻蛉とすれちがふ 十川たかし 200711
跳橋の架かる運河を飛ぶ蜻蛉 小野タマ枝 酸漿 200711
肩に来て止る蜻蛉や敬老日 海上俊臣 酸漿 200711
子規記念野球スタンド蜻蛉とぶ 中村洋子 風土 200712
放たれて高からずゆく蜻蛉かな 奥山絢子 風土 200712
蜻蛉に心残しつ下山せり 出口賀律子 雨月 200712
釣り人の浮標に寄りて川蜻蛉 木内美保子 六花 200712
指先の蜻蛉の夢のおもたさよ 小宮山勇 遠嶺 200801
サッポロの蜻蛉が翔ぶよ雑踏に 嶋田摩耶子 ホトトギス 200802
杭に来て肩の力を抜く蜻蛉 有吉桜雲 200802
桟橋に船長の立つ夕蜻蛉 東良子 首座星 200804
蜻蛉や若き日の吾に言伝を 湯浅夏以 遠嶺 200806
蜻蛉や若き日の吾に言伝てを 湯浅夏以 樹も鳥も 200806
夜通しの蜻蛉の羽化は徒手体操 森理和 あを 200807
川蜻蛉風を起してかすめけり 前川明子 200808
蜻蛉の影の横切るにぎり飯 阿久津勝利 万象 200808
めぐる池水面輝き初蜻蛉 吉成美代子 あを 200808
蜻蛉の空蜻蛉の空の上 稲畑汀子 ホトトギス 200809
水音の高まり聞ゆ川蜻蛉 篠崎荘市 酸漿 200809
羽閉ぢておはぐろ蜻蛉身を晦ます 久保田由布 ぐろっけ 200810
空の色深めて蜻蛉ふえにけり 吉成美代子 あを 200810
日時計の回りきつたる蜻蛉かな 徳丸峻二 風土 200811
大雨の止みたる朝蜻蛉飛ぶ 中村則夫 やぶれ傘 200811
大方は休んでゐたり川蜻蛉 市村健夫 馬醉木 200812
蜻蛉や風の端くれ掴みたる 市村健夫 馬醉木 200812
自然一杯と思へど蜻蛉絶滅種 泉田秋硯 200812
糸結ぶやう蜻蛉の遠く舞ひ 天野正子 200812
蜻蛉の群れてひかりを乱しをり 鈴掛穂 200812
舷に蜻蛉ゆきかふ近江かな 奥田順子 火星 200812
蜻蛉や羅漢に似たるさざれ石 高橋宏行 遠嶺 200901
蜻蛉や日比谷の森のレストラン 久本久美子 春燈 200903
水琴の甕を新たに絲蜻蛉 鈴木石花 風土 200908
姉妹滝なめらかに舞ふ初蜻蛉 有本倍美 ろんど 200908
蜻蛉に囲まれてゐし山路かな 稲畑汀子 ホトトギス 200909
とうすみを捕食してをる蜻蛉かな 堀志皋 火星 200910
蜻蛉の出入自在に老師住む 沖倉好秋 酸漿 200910
蜻蛉の曼荼羅神の石睡る 渡邉友七 あを 200910
原つぱの塩辛蜻蛉石ふやす 寺半畳子 炎環 200911
蜻蛉のゆきかふ高さに日の匂ひ 柿沼盟子 風土 200911
黄檗や猩猩蜻蛉に呼ばれ来し 竹中一花 200911
白雲に遊ぶ蜻蛉や黄葉樹 竹中一花 200911
まつすぐに蜻蛉光の矢となりぬ 木間春星 遠嶺 200911
若き日の磐梯尾根の蜻蛉よ 佐藤喜仙 壁炉 200911
蜻蛉の入る隙あり外科病棟 相良牧人 200911
古の潮入池や川蜻蛉 菊池由惠 酸漿 200911
蜻蛉の留まるための羽使ふ きくちきみえ やぶれ傘 200911
槍見の湯出でし胸もと蜻蛉舞ふ 岡田貞峰 馬醉木 200912
蓮骨にすがる蜻蛉や心字池 五十嵐勉 200912
蜻蛉の触るる児の靴乾きをり 山田京子 200912
蜻蛉の羽化のはじまる河馬の水 山田弘子 ホトトギス 200912
夕映えの杭に留まる蜻蛉かな 二見淑子 遠嶺 200912
蜻蛉とんで母の十七回忌かな 入澤正 春燈 200912
翅黒蜻蛉朝の空気を真つ直ぐに 中條睦子 万象 200912
硝子戸に頭突重ねる夕蜻蛉 仲田眞輔 ぐろっけ 200912
山合の蜻蛉飛び交ふ登り窯 長瀬節子 ぐろっけ 200912
蜻蛉の空とは急に消えたりす 湯川雅 ホトトギス 201001
待つことも旅の行程蜻蛉追ひ 峰尾秀之 201001
そよ風に触れて蜻蛉のホバリング 奈佐幸子 201001
蜻蛉の止ると見えて去りゆけり 渋谷ひろ子 酸漿 201001
暖かき石にとどまる蜻蛉かな 関根喜美 201001
河蜻蛉尾に金属の艶もちて 小阪律子 ぐろっけ 201001
川蜻蛉さりげなく来て動かざる 高橋みつ 201002
川蜻蛉風に添ふ身を細くして 宮平静子 雨月 201008
湿原に群るる八丁蜻蛉かな 松岡和子 201009
こころにも日向のありぬ川蜻蛉 近藤喜子 201009
蜻蛉の空より高し星見台 稲畑汀子 ホトトギス 201009
空仰ぐとき蜻蛉の空と逢ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201009
快晴を伴ひて来し蜻蛉かな 稲畑汀子 ホトトギス 201009
水色の蜻蛉飛び交ふ水の辺に 鷲見たえ子 201010
風と来て風と去りゆく川蜻蛉 都丸美陽子 春燈 201010
川蜻蛉波打つ尻尾魅せられる 大西ユリ子 ぐろっけ 201010
川蜻蛉風に乗り来てつと止る 石井邦子 酸奬 201010
羽黒蜻蛉今年も庭を住処とす 木村コウ 酸奬 201010
蜻蛉が展覧会を訪ねけり 鷲見たえ子 201011
蜻蛉のそ向き真向きて能舞台 長谷川閑乙 馬醉木 201011
蜻蛉ゐて寄席の笑ひを聞いてをり 仁平則子 201011
風波の生まれては消え蜻蛉飛ぶ 松本圭司 201011
いく度も川に尻打つ蜻蛉かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201011
追はれゐる蜻蛉くるりと児の肩に 船坂輝美子 万象 201011
蜻蛉の頭くるりと晴れ渡る 柴田佐知子 201011
もつれ合ふ蜻蛉残して最上川 江本路代 酸奬 201011
幼子の指す夕暮の蜻蛉かな 青木陽子 酸奬 201011
見張りする蜻蛉漁港の船溜り 鈴木浩子 ぐろっけ 201011
釣竿に蜻蛉を止めて波止の昼 中村風信子 馬醉木 201012
蜻蛉来る畳める脚の見ゆるまで 鳳蛮華 201012
蜻蛉の集まるところ空の駅 小林正史 201012
蜻蛉釣る園児の駆くる野原かな 村井一之 末黒野 201101
蜻蛉つりやはり一番餓鬼大将 中田寿子 ぐろっけ 201101
とんぼうの影は蜻蛉をはみ出しぬ きくちきみえ やぶれ傘 201101
夕暮の中へ蜻蛉の帰る場所 倉持梨恵 201102
蜻蛉の高さで作詞作曲中 山中志津子 京鹿子 201102
ガンジスの流れに交尾む蜻蛉かな 正谷民夫 末黒野 201102
天高し帰国の機影蜻蛉ほど 田中佳子 ぐろっけ 201102
雲運ぶ風蜻蛉を乗せる風 京橋本くに彦 ホトトギス 201103
夢に見る流れにいつも川蜻蛉 山下青坡 201105
殿の田を番の蜻蛉見て廻る 品川鈴子 ぐろっけ 201106
蜻蛉 →4      

 

2021年8月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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