蜻 蛉 2       100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蜻蛉の羽化半ばなる骸かな 山本あかね 百鳥 200309
きらきらと蜻蛉とび交ふ庭の午後 鈴木清子 遠嶺 200310
蜻蛉の眼きらりと山湖明けゆけり 松本幹雄 馬醉木 200310
湧水を巡る細身の青蜻蛉 網野茂子 酸漿 200310
早苗蜻蛉飛び交ふ池の静かなり 先崎きくよ 酸漿 200310
きらきらと蜻蛉蓮田を越えゆける 大橋敦子 雨月 200310
夏休今日で終りの蜻蛉採 安陪青人 雨月 200310
蜻蛉去る少年ひとり水切りす 森理和 あを 200310
蜻蛉つり遠く幼き安房恋ふる 関口ゆき あを 200310
揺り籠のやうに蜻蛉交み飛び 南うみを 風土 200310
蜻蛉飛ぶ男女別無き露天風呂 小谷五百子 築港 200311
峡の田を吾が縄張りと蜻蛉舞ふ 庄野房女 築港 200311
水溜り地にあり空を蜻蛉行く 村越化石 200311
蜻蛉群るるも人に会はざり峠村 府川みよ子 200311
ハングライダー蜻蛉の群に誘はれ 小森泰子 馬醉木 200311
釣れ止みし午後の穂先に川蜻蛉 浅川正 雲の峰 200311
しづかなるものの一つに蜻蛉かな 金子つとむ 雲の峰 200311
ふるさとの日向の匂ひ群蜻蛉 金子つとむ 雲の峰 200311
高舞うて水辺に戻る蜻蛉かな 伊藤葉 雲の峰 200311
鉄漿蜻蛉烏の濡羽いろをして 中島知恵子 雨月 200311
蜻蛉くるサンタルチアと言ふ駅に 中田みなみ 200311
雲ひとつなき蜻蛉の空なりし 三浦香都子 対岸 200311
漕ぎ出さむと蜻蛉の草の舟 高梨美佐子 遠嶺 200311
江戸屋横町忽と鉄漿蜻蛉かな 兼久ちわき 馬醉木 200312
逆光の蜻蛉のくろく遠汽笛 閑田梅月 馬醉木 200312
番蜻蛉葦影ゆるる湖に飛ぶ 小島三恵 酸漿 200312
飛鳥路の蜻蛉の中を歩きけり 安部桂 築港 200312
交差点蜻蛉ひたと止まりけり 辻本興雲 雲の峰 200312
蜻蛉に肩無かりけり吹かれをり 宮澤美和子 百鳥 200312
図書館の返却ポスト蜻蛉来る 若林杜紀子 百鳥 200401
山頭火の墓へ蜻蛉の吹かれ来る 笠井育子 200401
蜻蛉の翅に夕日の透けにけり 高橋瑛子 河鹿 200401
蜻蛉の影ながしゆく潮だまり 前迫寛子 河鹿 200401
田の面に渦巻きてをり塩蜻蛉 永岡セツ 酸漿 200401
葦の茎懸垂のまま蜻蛉発つ 森理和 あを 200407
蜻蛉の野に踏み込んでをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200409
蜻蛉の空と気づきしより仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 200409
引き潮に頭出す岩夕蜻蛉 堀義志郎 火星 200409
鉄漿蜻蛉前方に水の音 赤尾杉昌子 対岸 200409
焦点を風に合はせて蜻蛉撮る 朝妻力 京鹿子 200409
風に乗り風に逆らふ川蜻蛉 蔵澄絹枝 築港 200409
川蜻蛉邪魔にはならぬほどの数 蔵澄絹枝 築港 200409
竹杭に影沁むるまで川蜻蛉 川口襄 遠嶺 200410
自転車を抜きつ抜かれつ蜻蛉行く 荻野照 遠嶺 200410
熊笹の葉の露舐むる蜻蛉かな 三関浩舟 栴檀 200410
塩辛蜻蛉田の面ひたすらかすめけり 中島伊智子 酸漿 200410
蜻蛉や知覧に立てる母の像 中島伊智子 酸漿 200410
蜻蛉を透明に吸ひ上げし空 稲畑汀子 ホトトギス 200411
つくばひは蜻蛉の駅でありしかな 高木嘉久 200411
指先に止めて蜻蛉と撮られけり 斉藤利男 百鳥 200411
潮騒や蜻蛉群れゐる翁句碑 杉江茂義 雲の峰 200411
足組みかへ見直す蜻蛉の好奇心 丸山佳子 京鹿子 200411
蜻蛉のむくろが石に枯れ日差し 森屋慶基 風土 200411
蜻蛉湧く戦場ヶ原の夕日かな 須永トシ 200412
黄昏の広さを測る蜻蛉あり 林敬子 酸漿 200412
客待ちの遊覧船頭蜻蛉追ふ 安藤孝助 200412
川蜻蛉切りもなくする鬼ごつこ 託正夫 200412
ガソリンスタンドに蜻蛉の入れ替り 柿沼盟子 風土 200501
低く飛ぶ蜻蛉や稲の倒れたる 高倉恵美子 200501
シーツ干す蜻蛉の空になつてをり 富沢敏子 200501
蓮の実に顔つけとまる蜻蛉かな 三関浩舟 栴檀 200501
微調整しつつ湖面の塩蜻蛉 浅井よしみ 八千草 200501
直立する肩に蜻蛉のとまりけり 平尾信一 帆船 200502
蜻蛉の湧き出づる数死ぬる数 斉藤利枝子 対岸 200502
かくれんぼ蜻蛉の国の捕虜となる 梶浦玲良子 六花 200502
とどまればあたりにふゆる蜻蛉かな 中村汀女 200507
過ぎて行く蝶や蜻蛉や地鎮祭 今瀬剛一 対岸 200509
風吹いて八丁蜻蛉消えにけり 今瀬剛一 対岸 200509
いつ来ても蜻蛉好みの池さざ波 丸山佳子 京鹿子 200509
父の忌の池に蜻蛉の群れてをり 徳田正樹 河鹿 200510
ホバリングの蜻蛉並べり乳母車 木船史舟 200510
青青と草の先端蜻蛉待つ 今瀬剛一 対岸 200510
睡蓮の池を蜻蛉のかすめけり 先崎きくよ 酸漿 200510
己が影出でず燈心蜻蛉かな 神蔵器 風土 200510
母校かな蜻蛉の光る峡の空 淵脇護 河鹿 200510
風生れて誰が乗り捨てし蜻蛉かな 尾堂Y 河鹿 200510
蜻蛉や太古の空の鱗立つ 近藤喜子 200511
野分過ぐも蜻蛉も見ざる十五階 安藤時子 200511
変身の蜻蛉ならば海越えむ 小澤克己 遠嶺 200511
無器用に風に乗りたる蜻蛉かな 飯島かほる 対岸 200511
蜻蛉や向きの変はりし牧の風 釜井瞳子 対岸 200511
蜻蛉の水平に来る目玉かな 小坂アイ子 四葩 200512
これほどの数にて蜻蛉音立てず 有吉桜雲 200512
青空に貼絵のごとく蜻蛉飛ぶ 松下セツ子 200512
本丸跡一画の日に蜻蛉群れ 守屋井蛙 酸漿 200512
一寸に満たぬ蜻蛉の瑠璃を引き 東野鈴子 雨月 200512
野良猫に与ふ糧無し蜻蛉の贅 舩越美喜 京鹿子 200512
飛火野のぬた場に蜻蛉となめせり 秀島みよ子 栴檀 200602
吉原のある日つゆけき蜻蛉かな 久保田万太郎 春燈 200603
田の龜裂喪章のやうな蜻蛉ばかり 瀧春一 瓦礫 200606
川蜻蛉二軒の村となりゐたり 岩木茂 風土 200608
おたがひに行く先つげぬ朝蜻蛉 丸山佳子 京鹿子 200608
子の指に蜻蛉こはごは止りたる 伊藤公子 酸漿 200610
蜻蛉の空いま絣模様なる 嶋田摩耶子 ホトトギス 200611
離陸機のあと蜻蛉の空となる 浜口高子 火星 200611
結界の風のさざ波蜻蛉殖ゆ 湯橋喜美 200611
神田に向かふおはぐろ蜻蛉かな 雨村敏子 200611
山下る蜻蛉の群と擦れ違ひ 柿沼盟子 風土 200611
蜻蛉に空明け渡す甲斐路かな 島田和子 風土 200611
蜻蛉の尾が触れ水槽の水ゑくぼ 渡邉友七 あを 200611
蜻蛉→3      

 

2021年8月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。